日本料理のひとつ、会席料理。会席料理とは前菜、吸い物、刺身、焼き物、飯、味噌汁、漬物などが供されるコース形式の日本料理。14以上の料理が供されることもあり、使う器や盛付け方も隅々まで日本らしさが体現されている。今回は、壺中庵の菅野譲治(かんのじょうじ)料理長に日本料理や和食文化についてインタビューをした。
歴史ある壺中庵
八芳園正門をくぐってすぐのところにある料亭、壺中庵。1954年まで実業家・久原房之助氏の屋敷として使われていた。当初は「日本館」とよばれていたが、1994年、故・遠藤周作氏が中国の故事にちなみ「俗界を離れた別天地」を意味する「壺中庵」と命名したという。
壺中庵は数寄屋造りで、美しい庭園の眺めが秀逸。東京にあるとは思えない静かな空間だ。個室のほかに数十名用の大広間もある。
会席料理は月ごとにメニューが変わり、味覚だけでなく五感すべてを刺激する一皿に仕上げる。また器や素材、空間などすべてに料理人の想いが込められている。
大切にしているのは「バランス」
菅野料理長は「食材は単なる[モノ]ではありません。食材の特徴を活かして一番よい状態で提供することを常に意識しています」という。
また日ごろ料理をする上で大切にしていることを尋ねると、「会席料理の一皿一皿すべて単調に並べるより、強弱を意識し「走り・旬・名残」といった季節の移ろいを感じる料理に仕上げていくこと、そのバランスを常に考えています」と語る。
菅野料理長は京都の賀茂茄子、鹿児島のうなぎといったように、全国各地から選び抜かれた素材を使っている。また、盛り付けについてもズッキーニの中をくり抜き、月に見立てるなどアイデア満載。菅野料理長が作り上げる一皿は華やかで美しくまるでアート作品のようだ。
ぜひ足を運んで
菅野料理長は「日本にいらした外国人旅行者の多くは、日本料理は“寿司・てんぷら・ラーメン”と思っています。しかし、料亭で堪能する会席料理も、抵抗感を覚えず、ぜひ一度チャレンジしていただきたいです。私たちは一皿一皿心を込めて作っています。」と語る。
ぜひ日本に来たら、「TO DO LIST」のひとつに加えてくださいね!
アクセス:東京メトロ南北線・都営三田線「白金台」駅2番出口から徒歩1分
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八芳園 壺中庵
- 住所 1-1-1 Shirokanedai, Minato-to, Tokyo 108-8631
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※特記以外すべて税込み価格です。