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きっと一生忘れない…カナダ人がショックを受けた日本のお花見

きっと一生忘れない…カナダ人がショックを受けた日本のお花見

更新日: 2021/01/15

日本を象徴する花の一つに「桜」があります。桜はその美しさだけでなく、春の訪れを象徴するものであり、日本人に馴染み深い花として親しまれています。今回はそんな桜について、実際に日本でお花見をしたことがあるカナダ人にインタビューをしてみました。

カナダ人は日本のお花見で、いったいどのようなことにカルチャーショックを受けたのでしょうか? (以下コメントは回答者の個人的な意見です)

まるで漫画やアニメの世界みたい!

Navapon Plodprong / Shutterstock.com
Navapon Plodprong / Shutterstock.com

「有名なところだと上野公園や六義園にいったことがあるよ。上野公園はとにかくすごい人だったね。でも桜があちこちに咲いていて、明るい気持ちになれたよ。公園の桜の下で食べたり飲んだりしていたのは大人ばかり。屋台なども出ていて、お祭りみたいに楽しんだよ。六義園は入るまでに30分くらい並んだからビックリしたけれど、花もきれいだし、木も大きくて迫力があったのでまた行きたいな。他にも近所の公園で気軽にお花見できるから毎年、行っているよ」(カナダ人男性)

数ある桜のお花見スポットの中でも特に花見客数が多いといわれる上野公園。毎年、桜の時期になるとテレビや新聞などでも話題にあがるので、日本人なら誰もが一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

そんな上野公園には「ソメイヨシノ」「ヤマザクラ」「オオシマザクラ」など合計710本の桜があるといわれています。毎年、3月下旬から4月上旬まで「うえの桜まつり」というイベントを実施しています。イベント期間中は夜、ぼんぼりに照らされた風情のある桜を楽しめるので、多くの花見客が訪れているのです。

Nat Roslee / Shutterstock.com
Nat Roslee / Shutterstock.com

六義園も上野公園同様に桜のお花見スポットとして有名ですね。「シダレザクラ」「ソメイヨシノ」など合計40本以上の桜があるといわれています。六義園では、メインシンボルのシダレザクラを中心に園内をライトアップしていて、昼間とは違う表情の幻想的な夜桜を楽しめます。

実際に日本で桜を見たことがある外国人からは「漫画アニメの世界に来たようだ……」「日本という国は、本当に美しいところだと思わされたよ」「私はこの瞬間を一生、忘れることはないだろう」などの感想もあります。まだ日本の桜を見たことがない外国人にはぜひ一度、実際に見に来てもらいたいものですね。

お花見という名の大宴会!BBQもするの?

Sean K / Shutterstock.com
Sean K / Shutterstock.com

「大人数でお花見するのは楽しそうだね。一大イベントっていう感じだよね。場所取りをするって聞いたときはビックリしたよ。みんな桜が見られるいい場所を取りたいみたいだね。バーベキューしている人もいたし、歌ったり踊ったりしている人もいるよね。そういえば寝ている人も見たことあるよ」(カナダ人男性)

日本のお花見ではただ桜の花を見るだけではなく、友人や会社の同僚たちと大宴会やBBQをします。多くの日本人にとって、このような光景は見慣れたものかもしれません。しかし、海外では日本のように屋外や公共の場所でお酒を飲むことが禁じられている場所もあります。そのため、お花見に不慣れな外国人からは、お酒を飲みながら大騒ぎしている人たちの姿にショックを受けることがあるそうです。

例えば、外国人は「前日からお花見の場所取りをしている人がいること」に衝撃を受けることがあるようです。最近では、このようなことは少なくなってきているようですが、そこまでしてお花見をしようとする日本人の意気込みについて、外国人の共感を得ることは、なかなか難しいようです。

実際にお花見をしたことがある外国人からは「桜の花は素晴らしかったけど、騒々しくて大量のゴミが捨てられているのは残念だね」「見物客が多いから周囲に気をつけながら桜を見なきゃいけないのは大変だったよ」という声も聞かれました。

楽しくお花見するのもいいですが、周囲への配慮も大切です。誰もが美しい桜を楽しめるように、マナーを守らなくてはいけませんね。

桜が散ってしまうのが寂しい……

桜が散ってしまうのが寂しい……

「日本では、春になると天気予報で桜の開花予想をお知らせすることにビックリするよ。それほど日本人は桜を気にかけているんだね。桜が咲くのは数週間しかないから、日本人は特別楽しみにしているのかな。満開のときはすごくハッピーな気持ちになるけど、次の日くらいから風が吹くたびにどんどん花びらが散ってしまう。僕は花びらが散っているときも『すごくきれいだなぁ』と思うけど、花が半分くらいになっちゃうと急に寂しくなる。もうちょっと長く咲き続けてほしいな。いつか母国の家族にも日本の桜を見せてあげたいけれど、満開のときタイミングが難しいんだよね」(カナダ人男性)

満開の桜も夏が近づくにつれて、少しずつその花を散らしていきます。なんだが少し寂しい気持ちがしますが、桜の美しさは短い期間に満開になり、桜吹雪として華麗に散っていくところにあるといわれています。昔から日本人はこの桜の散りざまに生命の輝きを見い出してきました。

外国人が日本で桜の散るところを見る機会があったときには、そんな桜の美しさを知ってほしいなと思います。

カナダにも桜を見られる庭園がある

カナダにも桜を見られる庭園がある

「バンクーバーにも、たくさん桜が咲いているスポットがあるよ。有名な場所だと、スタンレー公園やクイーンエリザベス公園。日本みたいに出店はでてないけど、公園を散策しにいく人がたくさんいるよ。あとカナダ大学の新渡戸稲造庭園には日本庭園があって、まるで日本にいるかのような雰囲気で桜が見られるんだ。

バンデューセン植物園では、桜の季節にジャパンフェアをやっていて、日本のお花見みたいに出店がでたり太鼓の演奏をしたりしていて、日本人の友達と参加したことがあるよ。カナダの桜も日本人に見てもらいたいなあ」(カナダ人男性)

カナダの桜は1930年代初頭、日本の神戸市と横浜市の両市長が、第一次世界大戦で奉仕した日系カナダ人に追悼の意を込めて、スタンレー公園の日本慰霊碑に500本の桜の木を贈呈したものがはじまりだといわれています。その後、桜の木は現地の人の植栽活動によって少しずつ数を増やしていき、現在でもカナダ人に春の到来を告げるものとして、愛されていると聞きます。

バンクーバー最大の日系祭りといわれる「ジャパンフェア」は、2019年に10周年を迎えました。現地の人が普段、体験できないような出店や催しものを行っていますので、このようなイベントを通じて、日本のことをもっと知ってもらいたいですね。

まとめ

桜は日本だけでなく、カナダやアメリカ、スウェーデン、デンマークなどの世界中で見ることができます。しかし、日本のお花見はカナダ人男性が話していたように世界のなかでも特別なものだといわれています。そのようにいわれているのは、桜を取り巻く環境やお花見を楽しむ人たちの姿が、外国とは大きく違うからかもしれませんね。

外国人のなかには、本場のお花見を楽しむことを目的に日本を訪れる人もいると思います。もしくは、海外では見ることが難しいぼんぼんで照らされた夜桜を目的にしているのかもしれませんね。いずれにしても日本でしか味わえないお花見を実際に体験してもらいたいものですね。

Written by:
佐藤 祐(さとう ゆう)
佐藤 祐(さとう ゆう)

ライター

株式会社ダリコーポレーション

人事・労務・法務・キャリアジャンルなどの硬めのジャンルを中心に手がけているライター。コラム記事をメインに作成している。

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