HOME 東京・東京周辺 東京 東京駅 ラーメン職人が選ぶNo.1は?「2023年ベストラーメン&最新トレンド」進化がスゴい!
ラーメン職人が選ぶNo.1は?「2023年ベストラーメン&最新トレンド」進化がスゴい!

ラーメン職人が選ぶNo.1は?「2023年ベストラーメン&最新トレンド」進化がスゴい!

公開日: 2023/12/28

今や世界的に「日本食」のひとつとして認知されているほど人気のグルメである「ラーメン」。種類の豊富さ、店舗ごとのオリジナリティなど、日々進化を遂げているラーメンはまさに唯一無二の日本の食文化のひとつです。

そこで今回は2023年ベストラーメンと2024年にも流行りそうな最新トレンドについて、専門家にお聞きしました。これからのラーメンの進化、絶対に味わうべき店舗、そして様々に変化しているラーメンを味わう方法についても紹介していただきます。

目次
  1. 教えてくれたのは、「宅麺.com」の野間口兼一さん
  2. コロナ禍が大きな分岐点に!ラーメンの新たな楽しみ方を提案する「宅麺.com」
  3. 「ラーメン」は世界に誇る日本の文化
  4. 2023年におけるラーメン業界の傾向は?
  5. 店舗だけじゃない!広がるラーメンの楽しみ方
  6. 2024年のラーメントレンドは「麺を主役に楽しむ」!?
  7. ラーメン職人が選ぶ本当においしいラーメン「JAPAN BEST RAMEN AWARDS 2023」
  8. 同じ味は二つとない!店主のこだわりと技の詰まったラーメンは必食!

教えてくれたのは、「宅麺.com」の野間口兼一さん

今回、日本のラーメン文化を支える立役者のおひとりであり、業界の専門家としてお話を伺ったのは、取り扱い店舗数&商品数国内No.1のラーメンお取り寄せサイト「宅麺.com」の野間口兼一さんです。

<プロフィール>
  • 野間口兼一(のまぐちけんいち)氏
    米国カリフォルニア州出身、グルメイノベーション株式会社取締役・共同創業者。ホテル勤務、レストラン経営を経て、中学の同級生であった井上琢磨氏と共に、2010年、全国の有名ラーメン店の味を家庭で楽しめるラーメンお取り寄せサイト「宅麺.com」を立ち上げる。2023年12月現在、取り扱いラーメン店は291店、ECサイト「宅麺.com」の会員数は49万人を超え、業界トップを誇る。「宅麺を文化に」をモットーに、日本のみならず世界を見据えて本物のラーメンを自宅で楽しむ新しい文化の確立を、目指している。

コロナ禍が大きな分岐点に!ラーメンの新たな楽しみ方を提案する「宅麺.com」

コロナによって大きな打撃を受けた飲食業界。その厳しい状況がむしろ追い風となって、新しいラーメンの楽しみ方を実現させてくれたのが「宅麺.com」です。日本全国の有名ラーメン店と提携し、店舗で出しているラーメン(麺、スープ、具材)と同じものを冷凍で届けることで、お店と同じ味をオフィスや家庭など、どこでも楽しめる“ラーメンお取り寄せサービス”です。

Q.宅麺.comを立ち上げたきっかけを教えてください。

――それ以前、私は10年ほど飲食店を経営していたのですが、なにか新たなコンテンツビジネスをやりたいと思っていました。そんな時、中学の同級生だった現在の代表である井上から年賀状が届いて、再会することになったのです。井上は当時、IT分野に関わっていたのですが、実はラーメンのお取り寄せサイトという新しいビジネスを考えているという話を聞きまして…「本当においしい、本物のラーメンを自宅で楽しめるようにしたい」という熱意にとても共感し、また私自身も飲食×ITという新たな分野に可能性を感じて、2010年に「宅麺.com」を一緒に立ち上げることになりました。

我々が創業時から掲げているのが「宅麺を文化に」というビジョンです。それは今後も変わらず、目指していきたいと思っています。ただコロナ前までは思うようにはいかず、宅麺.comのユーザーはラーメン好きや一部のマニアの方がほとんどでした。

「第13回 お取り寄せラーメン オブ・ザ・イヤー」でまぜそば大賞を授賞した:scLabo|濃厚煮干しまぜそば
「第13回 お取り寄せラーメン オブ・ザ・イヤー」でまぜそば大賞を授賞した:scLabo|濃厚煮干しまぜそば

それがコロナ禍で外食ができなくなり、「おうちごはん」「デリバリー」「通販・お取り寄せ」の需要が一気に高まりました。メディアに取り上げていただいたこともあって、宅麺の認知度は大きく広がり、家でお店のラーメンを食べることを「宅麺する」と言われるほどになりました。2021年3月の会員数は1年前から急増して約2倍の27万人、それ以降も右肩上がりで2023年だけで6万人増、2023年12月現在では50万人が目前となっています。

またそれまでは、こちらからパートナーになっていただきたいとラーメン店にお願いする側だったのですが、逆にお店のほうからリクエストされるというケースも出てきましたね。

「ラーメン」は世界に誇る日本の文化

「ラーメン」は世界に誇る日本の文化

Q.「宅麺.com」を立ち上げてから、ラーメンという料理、文化にどのような変化があったと感じてらっしゃいますか?

――ラーメンは飲食業の中でもとても特殊で、ラーメン業界というものが日本の文化のひとつとして確立していると思います。そもそもラーメンの中にも様々なジャンルがあります。一杯のラーメンを食べるために、1時間以上並ばないといけない店も数多くあります。これは他のジャンルの飲食店にはあまりない、めずらしいことです。

そしてお店の味だけでなく、その店主にもファンが付く。リピート率が高く、ある種ブランドビジネス、ファンビジネスとして成立しているのは、日本らしいところでもあると思います。

宅麺立ち上げの当時から日本のラーメンは世界で好まれていました。ただ、よりしっかりとブランディングされて、日本人が海外に向けて「ラーメンは日本の文化だ」と言えるものになってきていると感じています。

2023年におけるラーメン業界の傾向は?

2023年におけるラーメン業界の傾向は?

Q.2023年を振り返って、ラーメン界の動きについて教えてください。

――味のバリエーションとしては、既に大きく広がっていると思います。オーソドックスな中華そばしかなかった時代から、札幌味噌ラーメンや九州豚骨ラーメンがブームとなり、2000年代に魚介豚骨系や鶏白湯系、2010年中頃にはベジラーメンやヴィーガンラーメンなどの進化系が出てくるなど、裾野が広がっています。お店の主流は変わっていませんが、女性が一人でも入りやすい、食べやすいお店も増えていていると思います。

近年の飲食店全体に言えることですが、やはり物価高騰の影響で材料費のコストが上がってきています。その分、高品質なラーメンを適正価格で提供するお店が増えて厚みがでてきましたね。

宅麺.comで取り扱っている:日陰|ラーメン
宅麺.comで取り扱っている:日陰|ラーメン

また、こだわりのスープによりマッチすることに加え、コストを抑えられるということもあって、「自家製麺」を扱うお店や、麺を主役にするお店が増えてきましたね。自家製の超極太手打ち麺を使用している「日陰」や「手打麺祭かめ囲」は、宅麺.comでも即完売するほどの人気ぶりでした。

SNSで麺線(麺のライン)がきれいで映えると注目されると、ビジュアルに相当力を入れるお店も出てきました。つけ麺でも、以前はドロっとした濃い目のスープが多かったですが、最近では「昆布水つけ麺」などのあっさりした淡麗系も人気で、麺を楽しむものが増えている印象です。

今やスープにこだわるのは当たり前で、さらにもっと細かいところで勝負しているということもあると思います。

店舗だけじゃない!広がるラーメンの楽しみ方

Q.宅麺.comをはじめ、特にここ最近は様々な場所、スタイルでラーメンが楽しめるようになっていると感じています。

――2019年頃から、コンビニエンスストアにあるレンジでチンするタイプのラーメンもかなりグレードが高くなっていて、有名店が監修するなど著しい変化を遂げています。インスタントの袋麺なども、非常にクオリティが高くなっていますよね。今後も、この進化は続くと思います。

GURUNAVI FOODHALL WYE天空橋に設置されている自動調理ロボット「CHEFFY」
GURUNAVI FOODHALL WYE天空橋に設置されている自動調理ロボット「CHEFFY」

我々のサービス「宅麺.com」でも、“店舗の味と変わらない、本物のラーメンのおいしさを届ける”ことが大きなカギとなっています。そこで2023年に新たにスタートしたのが、自動調理ロボット「CHEFFY」です。ソフトバンクロボティクス株式会社が筐体を開発し、我々は商品企画・商品開発に全面協力しました。名店監修のラーメンを、注文から最短90秒で熱々の出来立ての状態で提供できます。2024年には空港に導入予定で、ゆくゆくは、小規模な有名ラーメン店の海外進出の一つの手段として考えています。

2024年のラーメントレンドは「麺を主役に楽しむ」!?

Q.2024年は、どんな味やスタイルがトレンドになりそうでしょうか?

高級卵を贅沢に使用した新商品:三田製麺所|たまごかけ麺
高級卵を贅沢に使用した新商品:三田製麺所|たまごかけ麺

――2023年の「麺が主役」の流れは続くと読んでいます。なかでも注目しているのは、たまごかけご飯ならぬ「たまごかけ麺」です。たまごかけ麺は、2018年に埼玉県熊谷市の「ゴールデンタイガー」というお店が「TKM(タマゴカケメン)」として生み出した新しいスタイルの一杯で、2023年11月には大手チェーン店の「三田製麺所」も提供を始め、より広い層からの注目を集めました。

また業界として見ると、私たちが宅麺を立ち上げた当時に名店のお弟子さんだった方々が、ここ1~2年で師匠から独立して台頭し始めているのを感じます。修行先のラーメンとも全く異なる、想像もつかないような個性溢れる一杯を出すお店が多いので、そういった点で2024年も革新的なラーメンが生まれてくるのではないかと期待もしていますね。

さらにインバウンドの本格化です。舌の肥えた海外の方は多く、これからどんどん日本に本物を求めてやってくることでしょう。海外では、ラーメン=豚骨味という認識がまだまだ根強いですが、日本のラーメンはそれだけではありません。いろいろな種類のラーメンがあり、その一つひとつにストーリー、想いがあり、文化として圧倒的なパワーがあります。

私たちとしてもこの先の10年は、「ラーメン×世界」をテーマに考えているので、日本人がおいしいと思う本物のラーメンを発信していきたいですね。

ラーメン職人が選ぶ本当においしいラーメン「JAPAN BEST RAMEN AWARDS 2023」

ラーメン職人が選ぶ本当においしいラーメン「JAPAN BEST RAMEN AWARDS 2023」

そんな野間口氏が取締役 共同創業者であるグルメイノベーション株式会社では、2021年から「お取り寄せラーメン オブ・ザ・イヤー/JAPAN BEST RAMEN AWARDS」授賞式を開催。

日本のラーメン職人たちの技術、本当においしい味「本物のラーメン」を国内外に届けるべく、日本全国の有名ラーメン店の店主500人が「本当においしいと思う」ラーメン店のランキングを発表・表彰しています。

2023年12月、本年度の授賞式が開催されました。結果は以下の店舗です。

<第1位>中華蕎麦 とみ田(千葉県松戸市)

<第1位>中華蕎麦 とみ田(千葉県松戸市)
  • 魚介と豚骨のダブルスープが特徴のつけ麺が人気の店舗。日本一有名なラーメン店のひとつと言っても過言ではない。店主の富田治氏は開店当初から変わらず店頭に立ち続け、日々ラーメン、一人ひとりのお客さんと向き合うことを大切にしている。

<第2位>らぁ麺 飯田商店(神奈川県足柄下郡)

<第2位>らぁ麺 飯田商店(神奈川県足柄下郡)
  • 鶏と豚で取ったダシを使ったキレのある醤油ベースのラーメン。この味を求めて、全国からファンが集まる行列店。ラーメン界の天才とも言われる飯田将太氏は、まさに日本のラーメン界を牽引している存在。

<第3位>「饗 くろ㐂」(もてなし くろき)(東京都千代田区)

<第3位>「饗 くろ㐂」(もてなし くろき)(東京都千代田区)
  • 「ミシュランガイド」など数々の受賞歴を持つ人気店。化学調味料は一切使用せず、上質な素材をふんだんに使い、その良さを最大限生かしたスープが特徴。職人の技が光る一杯を提供している。

<第13回 お取り寄せラーメン オブ・ザ・イヤー>

受賞式では、その他に宅麺.comの2023年ジャンル別売上ランキング上位の店舗も表彰。

総合大賞は、「元祖スタミナ満点らーめん すず鬼」(東京都三鷹市)の「スタ満ソバ」という結果でした。

同じ味は二つとない!店主のこだわりと技の詰まったラーメンは必食!

日本全国に18000店舗以上あり、6000億円以上の市場と言われているラーメン業界。その一店舗ごと、一店主ごとに想いがあります。そんな情熱とこだわりが詰まっているもの、そして常に進化が止まらないのが日本のラーメンです。知れば知るほど奥深い、本物のラーメンを味わってみてください。

※本記事の情報は2023年12月時点のものです。最新の情報は公式サイト等でご確認ください。

Written by:

島田みゆ

島田みゆ

旅ライター×海外ツアーコンダクター。社会人向け教育コンテンツの企画開発・編集担当として11年従事。プライベートでは学生時代から旅に魅了され、これまで世界約50カ国150都市以上をめぐってきた大の旅好き。世界中、日本中のグルメを味わい、自然を感じ、世界遺産や歴史的建築を見て、温泉めぐりをするのが生きがい。そんな旅好きが高じて、会社員から旅ライター×海外添乗員へと転身。現在は、年間100日以上海外を飛び回りながら、旅ライターとしても活動。旅の楽しさ、日本の魅力、世界の多様な価値観をより多くの人に広めるべく、インバウンドの添乗や旅ライターの取材等で、日本各地を訪れて情報発信をしている。X(旧Twitter):@myuu_works

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