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なぜ新入歓迎会をするの? 日本で働く外国人が思う「4月のギモン」

なぜ新入歓迎会をするの? 日本で働く外国人が思う「4月のギモン」

公開日: 2020/03/15

日本では桜の時期になると卒業や入学、入社など出会いや別れの季節という感じがしてきますね。

日本の年度始めは4月の企業が多いですが、その始まりは明治時代に導入された会計年度が4月スタートだったからのようです。その後、昭和に入ってからだんだんとこの習慣は全国的に広がっていきました。

この4月の年度始めですが、海外では珍しいスタート時期のようです。日本の年度始めやそれに伴う習慣を日本企業で働く外国人の方たちはどのように感じているのでしょうか。アメリカ人男性を中心に日本で働く各国の方にインタビューしました。(コメントは回答者の個人的な意見です)

日本の学校・会社の4月スタート、ぶっちゃけどう思う?

日本の学校・会社の4月スタート、ぶっちゃけどう思う?

「イタリアでは9月中旬に入学して、6月中旬に終わるスケジュールです。大学は10月1日に始まります。日本の4月始まりは、若干不思議な感じはしますが、日本に来ているんだから、そういうものかな、と思っています」(イタリア人女性)

「アメリカでは9月に学年が始まりますが、日本に来て4月になったことは特に奇妙ではありません。ただ違うというだけです。南米の一部の国では、学年は1月に始まりますしね」(アメリカ人男性)

「学校は夏の1月下旬、つまり夏休みの終わりに始まります。日本の4月スタートは不思議な感じがしますが、桜が美しい時期で良いですね。オーストラリアでは桜はあまりありません。もちろん、オーストラリアにも美しい花がたくさん咲いていて素敵なんですよ」(オーストラリア人女性)

「イギリスは4月でも朝晩はまだかなり寒いけれど、日本はかなり暖かくなるし、晴れの日も多くて気分もよいね。4月スタートの風習はとてもいいと思うよ」(イギリス人男性)

皆さん桜の咲く日本の4月の年度始めについては、少し違和感を抱きながらもおおむね好印象のようです。各国の方の意見を聞くと、諸外国でも一斉に9月スタートという感じではなく、年度初めは国によって異なっているようです。

4月の日本は異動が多い! 海外でも異動や歓迎会はある?

4月の日本は異動が多い! 海外でも異動や歓迎会はある?

日本で働く外国人は、年度始めに伴う社会人の異動や歓迎会についてどう感じているのでしょうか? 異動のタイミングや歓迎の仕方についても聞いてみました。

「人事異動や新入社員の入社に関しては、アメリカでは儀式的なものではなく、決まったスケジュールではありません。人事異動は必要だと思われるときに行われ、日本ほど頻繁ではないですね。

アメリカでも一部の企業は新入社員歓迎会を開催していると思いますが、慣習的なものではなく、オプションという感じです。昼食時または夜間に開催される場合がありますが、参加は自由。アメリカ人は仕事と私生活を別々にしたい国民なのですよ。もちろん、私は日本での「飲みニケーション」の必要性も理解していますよ。いろいろな文化があって面白いですよね」(アメリカ人男性)

「異動は、イギリスでは時期は関係なくて、プライベートを考慮して異動することが多かったな。日本は4月に一斉に異動するね。イギリスは7月が卒業のタイミングなので、そのあとに新入社員が入ってくるよ。歓迎会はランチライムにパブに行くことが多いかな。仕事に支障がなければ1、2杯お酒を飲んでもいい雰囲気だったよ。会社によると思うけどね」(イギリス人男性)

「イタリアは、1月と9月に新入社員が多いです。新入社員歓迎会はイタリアではわざわざやらないですね。日本の独特な文化だと思います。でも歓迎してくれているのは悪い気持ちはしないですね。会社にお客様が来たときは、ビジネスランチなどをレストランなどで開くことがありますが、自社の社員のためにパーティーを開くという発想は、イタリアにはないですね」(イタリア人女性)

「新入社員や式典のパーティーはありません。それは、明らかに日本独特のものだと思います」(オーストラリア人女性)

特に4月に会社内での異動が多いのは、日本独特のようです。イギリスでは必要な時に、プライベートを考慮しての異動が多いというのは興味深い点です。会社の都合の良い時よりも、個人のプライベートを優先させてタイミングを決めるのは、日本とは異なる点といえるでしょう。

日本でも働き方改革が政府主導で進められており、すでにその効果が表れ始めている部分もあるようですが、プライベートを充実させるというより優先させる海外の考え方とはまだまだ距離を感じてしまいます。

また、年度始めに伴う歓迎会でも日本は独特な文化を持っているようです。最近では若者が会社の設ける歓迎会や新年会に参加しないことも話題となっていますが、海外ではそれもすでに当たり前となっているようです。

海外から来た方たちも日本の歓迎会には違和感を抱いているものの、「飲みニケーション」の大切さや、大勢が参加する催しが設けられることで「歓迎したい!」という気持ちはしっかり受け取ってくれているようです。

海外から見れば独特な習慣でも、日本ならではのおもてなしの心はいつまでも大切にしたいものですね。

年度始めは心機一転! 何か新しく始めたいことは?

年度始めは心機一転! 何か新しく始めたいことは?

4月になると、入学や入社はしなくても何か新しいスタートを切るような気持ちになるものです。気候もだんだんと暖かくなるこの季節、海外から来た方たちも日本の年度始めの影響も受けているのでしょうか?年度始めの4月に心機一転して始めたいことを聞きました。

「株式に投資し始めました。さらに、来年アメリカに戻ることができるように、今年は妻にグリーンカードをもらおうと取り組んでいます!」(アメリカ人男性)

「春になったらキャンプにでも行きたいね。日本は山もあるし、海もあるからアウトドアを楽しめるよね」(イギリス人男性)

やはり日本の春の時期には何か新しいことを始めたいと気持ちになる外国人も多いようです。4月の年度始めは周りの日本人も慌ただしく動き始めるので、その影響もあるかもしれません。新たな気持ちで仕事や学校へ向かう日本人も多い中、やはりプライベートで楽しむことも忘れていないようです。

海外の方が訪れたくなるような魅力的な美しい場所が日本にはたくさんあるので、身近な場所でも足を運んでみると新たな発見があるかもしれません。また、どこかへ出掛けなくても4月の心機一転は身近なところから始める方も多いようです。

「日本では年末に大掃除しますけど、イタリアでは春に大掃除をするんです。4月になったから、新しいことを始めようとは思わないけれど、大掃除をしようかなという気持ちになります」(イタリア人女性)

タイミングは異なりますが、イタリアにも日本と似たような習慣があるようです。花粉症の方にはつらい時期ですが、暖かくなる春の時期は大掃除に最適かもしれませんね。

新たな気持ちで年度始めを楽しもう!

4月の年度始めについて日本で働く海外の方たちへのインタビューをご紹介しました。

日本の年度始めは多くの国とはタイミングが異なるようですが、海外でも国によっていろいろなスタートの時期があることが分かります。そして、4月の年度始めに伴う日本の独特の文化を多くの外国人の方たちは楽しんでおられるようです。

4月の年度始めは入学や入社など、新しい環境に入っていくことが多くなる季節です。プレッシャーやストレスを感じることも増える時期かもしれませんが、何事も新たなチャレンジの気持ちで楽しめると良いですね!

<筆者プロフィール>
塚原 和久(つかはら かずひさ)
「旅行、社会インフラなど身近なものから、企業人事など硬めのジャンルまで幅広く担当するライター。苔、観賞魚など自然をこよなく愛し、妻との旅行を楽しむ日々。」

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