日本には本格的なパスタが食べられるお店がたくさんあり、コンビニでも、いろいろな種類のパスタが手軽に楽しめますね。日本人にとってコンビニパスタは人気商品の一つですが、本場のパスタを知っているイタリア人からは、どのように思われているのか気になりませんか?
今回はそんな疑問を解決するべく、イタリア人に日本のコンビニパスタについてインタビューしてみました。コンビニパスタにチョイ足しすると美味しいものも教えてくれましたよ。(各コメントは回答者の個人的な意見です)
日本のコンビニパスタは食べたことある? どう思った?
「コンビニパスタは美味しいよね。僕はコンビニのミートソースが好きでよく食べるよ。イタリアで食べる味とは違うけど、自宅でチーズをかけて食べると美味しいんだよね」
「生野菜がたくさん入っているパスタを食べたよ。美味しいとは思うけど、パスタというよりもサラダを食べている感覚だったな。明太子ドレッシング? は今までに食べたことない味だったね」
「日本のパスタは甘い感じがします。玉ねぎの量が多いからかもしれないですね。慣れない甘味を感じます。イタリアでは『ラグー』という肉のソースのパスタをよく食べますが、甘味や生臭さを消すように白ワインで蒸して作ります」
「コンビニパスタを食べたことがありますよ。日本の味覚に合わせているから和風の味でイタリアのものとは違います。イギリスで食べたコンビニパスタは『美味しくないな』と思いましたが、日本のものは美味しいですね。でも、コンビニパスタは温めたら美味しくなくなるので、冷たい冷製パスタしか買いません」
数あるコンビニフードのなかでも人気が高いパスタ。コンビニパスタは期間限定やこだわりのパスタなど新しい商品が続々と販売されており、日本人だけでなく外国人からも評判が高いと聞きます。そんなコンビニパスタについて、今回インタビューに回答してくれたイタリア人たちからも、本場の味とは違うというものの「美味しい」という意見が得られました。日本のコンビニでは、明太子や納豆などを使った日本独自のパスタを販売しているので、ぜひ、一度試してもらいたいと思います。
日本のコンビニパスタに足りないものは?
「コンビニパスタの麺は、細い棒状のスパゲッティが多いよね。パスタの麺はいろんな種類があるから、もっと太いパスタやペンネのものがもっと増えるといいな」
「全体的に量が少なめだね。それからコクと塩味がもう少しあるといいかな。」
「日本のパスタはソースの量が多いですね。イタリアは食べ終わるときに少しだけお皿に残る程度です。最後にパンでくるってやっておしまいです。それ以上多いと『お店の人が作りすぎちゃったのかな』と思います」
「パスタ」と聞くと、私たち日本人は、細い棒状の麺をイメージすると思います。しかし実は、パスタには「マカロニ」や「ペンネ」「カール」など500種類以上があります。それぞれのパスタによって、ソースのしみ込みやすさや味の食感が大きく違うようです。インタビューでイタリア人が回答しているように、日本のコンビニパスタは細い棒状のものが多いですよね。今のままでも十分に美味しいと思いますが、太いパスタやペンネも食べてみたいので、もっと種類が増えると嬉しいですね。
日本のコンビニパスタに何を足せばさらに美味しくなると思いますか?
「パスタの種類にもよるけど、エクストラバージンオリーブオイル、塩、チーズ(魚介類系のパスタ以外)、鷹の爪、胡椒」
「バジルやパセリがもっとあるといいなと思います」
日本のコンビニパスタは日本人の味覚に合わせているため、イタリア人には少し物足りなさを感じるのかもしれませんね。イタリアのパスタは地域にもよりますが、日本のものと比べて塩味を強く感じるものが多いと聞きます。そのため、日本でコンビニパスタを食べたイタリア人が、もっと塩を足せば美味しくなると回答したのも頷けます。
またイタリアのパセリは日本のように料理に添えるものではなく、味と香りをプラスするものとして扱われています。パスタに限らず、サラダやライス、ソースなどのさまざまなイタリア料理で使われるパセリは、イタリア人にとって必須のものだといえるのかもしれませんね。
どのようなコンビニパスタがあればいいなと思いますか?
「ラビオリみたいな具が入ったパスタがあるといいな。コンビニで気軽に食べられたら嬉しいし、日本人もハマると思うよ」
「ラザーニャが好きなのだけど、なかなか見かけないので食べたいな」
「豆のパスタもあったらいいなと思います。イタリアでは結構、多いんですよ。豆を半分ミキサーにかけて、残りは丸ごと食べるのが好きです。野菜と豆腐のパスタとか、おからをパルメザンチーズ代わりにしたものとか、植物性タンパク質を取ることができるパスタがあるといいですね」
「野菜パスタがあったらいいなあ、と思います。最近はヨーロッパ全体で、ビーガンやベジタリアンが増えているんですよ。イタリア料理店でビーガン料理、ベジタリアン料理がないと『この店どうしたのかしら?』と思うくらい普及しているんです。日本ではあまり普及していないですよね。コンビニパスタにもだいたい肉が入っていたり、シーチキンが入っていたりします。ヨーロッパのビーガンやベジタリアンは、思想として動物性のタンパク質を取らない人が多いんです。ですから、『今日は、ほかに食べるものがないし、少しくらいお肉を食べてもいいかな?』と簡単に考えることはできません。私はビーガンなので、野菜だけのパスタがあると助かりますね」
日本のコンビニパスタは、たくさんの種類があります。しかし今回、インタビューに回答してくれたイタリア人が話すように「ラビオリ」を日本のコンビニで見かけることは、ほとんどありません。ラビオリとはパスタ料理の一つであり、薄く伸ばしたパスタ生地のなかに肉や野菜、チーズなどの具を詰めたものです。
クリームソースやトマトソースと絡めて食べることが多いのですが、スープの具としても使われます。イタリアンレストランでは、メニューの定番として記載されていますが、まだまだ日本のコンビニでは、普及していないようです。
また、日本では「ビーガン料理」をほとんど見かけません。低カロリーで野菜が摂れるパスタサラダは数種類あるものの、シーチキンなどの動物性タンパク質が入っており、ビーガン料理とはいえません。まだまだ日本のビーガンへの認識は、ヨーロッパと比較すると低いのが実情でしょう。将来的には、ビーガンでも食べられる野菜だけのパスタが販売されるといいですね。
まとめ
日本とイタリアのパスタでは、味付けが異なるものがあります。それは、日本にパスタが普及していく過程で、イタリアだけでなくアメリカや世界各国の影響を受けているからです。例えば「ナポリタン」という料理は、日本で考案されたパスタです。
イタリアにも「スパゲッティ・アッラ・ナポレターナ」という似た名前の料理はありますが、別物です。ナポリタンは戦後、日本に在留していたアメリカ進駐軍がスパゲティにケチャップを混ぜていたのを参考にして、日本人が作り出したものだといわれています。そんな日本独自の進化をしてきたパスタが、本場の味を知るイタリア人にも「美味しい」といわれる日がくるかもしれません。
ライター
株式会社ダリコーポレーション
人事・労務・法務・キャリアジャンルなどの硬めのジャンルを中心に手がけているライター。コラム記事をメインに作成している。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
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