年間約57億食以上が生産されている、日本のインスタント麺。日本即席食品工業協会発表の平成30年度データによると、国内のみならず海外でも年間50カ国で9,900万食以上が販売されています。
なぜ日本のインスタント麺はそれほど、海外でも普及しているのでしょうか。日本在住の外国人に日本のインスタント麺の魅力や好きな商品について聞いたら、味だけでなく値段やサイズに対して興味深い意見が出てきました(以下はインタビューに応じてくださった方の個人的な意見です)。
1.お店に並ばなくても、人気店の味が楽しめる
「日本のインスタントラーメンは、人気のラーメン屋が作った商品もたくさんあるのよね。お店まで行ってわざわざ並ばなくとも、近い味が食べられるのはうれしい」(イタリア/女性/20代)
「日本で販売しているインスタントラーメンは、トップチェーン店のものも多いよね。外国人でも住んでいれば知っている名店のものもあって、あえて人気店の商品を選ぶこともあるよ」(韓国/男性/20代)
このほかにも、「日本のインスタント麺はクオリティが高く、ときどき無性に食べたくなる」という声もありました。
日本のインスタント麺が好きな理由の多くで聞かれたのが、人気店とのコラボ商品があること。多くの有名ラーメン店が製造元やコンビニエンスストアなどとコラボし、お店の味に近いものを再現したインスタント麺を出しています。もちろん、実店舗の商品と完全に一緒とはいかないものもありますが、あの味を家庭で食べられるのはうれしいですよね。
2.コンビニブランドのインスタント麺も、味のクオリティが高い
「日本はコンビニもオリジナルのインスタント麺を出していて、思った以上においしかったの」(イタリア/20代/女性)
「コンビニブランドっておいしいのかなって思っていたけど、予想以上によかったよ!」(韓国/20代/男性)
評判がよかったインスタント麺は、意外にもコンビニエンスストアのオリジナルブランド。野菜がたっぷり入ったタンメンやシンプルな醤油味のラーメンなど、さまざまな種類のインスタント麺が登場しています。おいしいものが多く、さらに値段もお手頃なため、リピートして購入している外国人も多くいました。
最近ではコンビニ以外にも、スーパーなどでオリジナルブランドを手がける店は増えてきています。ぜひ試してみてはいかがでしょうか?
3.スープとかやくが小分けにされていて、品質管理が高い
「日本のインスタント麺の多くは、具や調味料が別々に入っているでしょ。韓国では小分けにされず、全部混ざっているものが多いから、きめ細かなサービスに驚いたよ」(韓国/20代/男性)
「中国のインスタント麺も、だいたい粉末がかかっているの。日本はスープ状の調味料も多いから分かれているのかしら」(中国/20代/女性)
スープやかやく類が全て混ざっていてお湯を注ぐだけ……というのが海外でよく見るメジャーなカップラーメンだそう。しかし日本のカップラーメンには、それらが小分けの袋に入れられていることが多々あります。
小分けする理由の一つには、品質・鮮度を保つためもあるのではないでしょうか。また、粉末状のスープだけではなく、液状のスープが入っていることもあります。
4.インスタント麺がどこにでも売っていて便利!値段もお手頃で経済的
「学生には本当にありがたいの。しかもスーパーでもコンビニでも売っていて、種類が多いから、金欠の時には重宝しているわ」(イタリア/20代/女性)
「安いしどこでも買える。種類も多いから、日本ではよくカップラーメンを食べるの」(中国/20代/女性)
ヨーロッパから来た外国人を中心に多かった意見が、インスタント麺が手軽に購入できること。ヨーロッパでは日本食レストランなど特別な場所でしかなかなか手に入らず、さらに輸入商品なので値段も日本で買うより高いそうです。
安くて種類も多く、どこにでも売っている日本のインスタント麺。毎日インスタント麺にならないように、気をつけている!という声があるほど、日本は手軽に買えるから自国にいるよりよく食べる、という外国人が多くいました。
5.サイズもさまざま。小腹が空いた時に小さいサイズがあるのも嬉しい
「小さいインスタント麺がたまに置いてあるよね。あれはどんな時に食べるの?小さすぎてびっくりしちゃった」(中国/20代/女性)
ミニサイズのインスタント麺、種類がどんどん多くなってきていますね。カップ麺からお椀に入れてお湯を注ぐだけのものまで、コンビニでも種類多く見かけます。なぜあのミニサイズがあるのか分からない人が多くいましたが、小腹が空いた時や、おにぎりなど主食を持ってきて、プラスで食べるのに良いサイズと説明したところ、すごく良いサイズとの声が。
海外では珍しいミニサイズ。実は便利でいろいろな場面で使える、万能サイズです。
6.味がマイルドで日本らしい和風なものが多い
「日本のインスタントラーメンは、魚介スープや鶏ガラスープなどさまざまな味があるけど、どれもやさしくマイルドなものが多いね」(中国/20代/女性)
「日本はあまり洋風のインスタント麺がないよね」(ニューカレドニア/20代/男性)
「日本のインスタント麺はやはり日本らしい味が多い。特にカレー味のヌードルは日本で初めてみたよ」(韓国/20代/男性)
日本のインスタント麺は、醤油や豚骨など日本の味が中心ですよね。もちろんスパゲッティなど洋風のインスタント麺もありますが、明太子やナポリタンなど日本生まれの味が多く、完全洋食のインスタントはまだまだ少ない印象。
焼きそばなど海外では見かけない味付けも多いようで、自国のお土産にしたい外国人もいるほど。また、地方それぞれの味付けを目当てに、旅行先でもご当地インスタントラーメンを購入する人もいるそうです。
7.辛いラーメンが少ない気がする!辛いもの好きな外国人には物足りないという意見も
「日本のインスタント麺はどれも大好きなんだけど、辛いラーメンがあまりないんだ」(韓国/20代/男性)
「辛いものが大好きなんだけど、日本はあまり辛いラーメンがないわよね」(イタリア/20代/女性)
日本のインスタント麺はクオリティ高く、安く、おいしい!と絶賛だった一方で、一点もっとあったら良いのに!という声が多かったのが、辛いラーメン。日本では海外に比べて激辛ラーメンなどは少なく、味がマイルドと感じる外国人が多いよう。韓国人を始めとして辛いもの好きの外国人は世界に多く、日本にいるとなかなか辛いものが食べられないという意見がありました。
最近は日本でも、ラーメンを含め“しびれブーム”が起きたりするほどの「激辛グルメ」が流行ってきていますが、海外の辛さに比べると、日本のインスタント麺はあまり辛くない!という意見も。
今回は筆者の周りの外国人に日本のインスタント麺についてインタビューしてみました。ラーメンのみならず、焼きそば、スパゲッティなど、多種類ある日本のインスタント麺。全てが大好き!という意見もあるほど、日本のインスタント麺を愛する外国人がたくさんいました。
なかなか日本のインスタント麺は簡単に手に入らない国も多いので、買って帰国したい人が多くいるほどの人気さ。ぜひいろいろな種類を試してみてほしいですね。
東京都生まれ。2015年にフリーライターとして独立。北米での留学・就労経験もあり、英日の翻訳・通訳も行う。東京の島・伊豆諸島をこよなく愛し、月に1度はどこかの島にいます!
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