![[MOVIE] 日本の伝統的なコメディ 狂言](https://rimage.gnst.jp/livejapan.com/public/article/detail/a/00/01/a0001118/img/basic/a0001118_main.jpg?20181015112824&q=80)
ミュージカルや演劇などに興味がある方ではなかったが、日本に来てからは日本流の演劇や劇場を好んで見るようになった。日本みやげにもよく描かれている歌舞伎などが、もっとも知られている日本の演劇のひとつだ。
しかしながら、日本には何百年も前から、多数の種類の演劇が存在していることを最近まで知らなかった。そのひとつが狂言。600年以上もの歴史を持つ喜劇だ。ユネスコの「無形文化遺産」にも登録されている。幸運なことに今回私は、渋谷にあるセルリアンタワー能楽堂で、その狂言を見る機会を得られた。
出演 野村万蔵 セインカミュ 他
でも日本語の劇でしょう?
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心配なのはやはり言葉。劇中は全て日本語で展開されるので、何が目の前で行われているのかが分からないかもしれない。せっかくの喜劇なのに、楽しめるのか?と同行する日本人に尋ねたところ、彼女も狂言の台詞は聞き取れないとのこと。なるほど。だからずっと彼女は、今回の演目をネットで検索して何度も何度も見ていたのか。
日本のそれに限らず、観劇を楽しむためには物語の流れのみならず、観劇のマナーや観劇のポイントを事前に調べて、知識をつけておくことは大切だと思う。しかし実は、今回特別に開催されたセルリアンタワー能楽堂での狂言では、「おもてなしガイド」というアプリが外国人の観客をサポートしてくれたのだ。
スマホを見ながら観劇
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一般的に観劇中は携帯電話の電源はオフにするのがマナー。しかし今回は、「おもてなしガイド」というアプリをダウンロードしたうえで、スマホを手に持ったまま観劇をするというスタイルだった。
厳かな雰囲気の能楽堂に入り、自分の席に座ると、まずはスマホでアプリを立ち上げた。演目が始まるまでは、そのアプリ内にある狂言の歴史や舞台の説明、トリビアなどを熟読した。そしていよいよ演劇が始まると、さらにそのアプリは素晴らしい能力を発揮したのだ。演劇のシーンが替わる度に、スマホがぶるっとバイブレーションでそれを知らせ、英語(多言語)でそのシーンの様子の説明を映し出したのだ。これは面白い!舞台とスマホを交互に見ることになるが、どんどん展開していく日本語の演劇がリアルタイムで理解でき、日本人と一緒にリアルタイムで笑うことができた。これには感動した。
このアプリはサービスが始まったばかりで、日本全国で30ヶ所でしかサービスがないが、これからどんどん訪日旅行者向けにサービスが充実していくだろうと確信した。
観劇前に知っておきたいこと
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今回観劇したことで、狂言への理解が深まった私から、このアプリがなくても楽しめる狂言の観劇方法をお伝えしたい。それは、ストーリーを事前に読んでおくことと、演者によるいくつかの仕草を知っておくこと。
狂言のストーリーのテーマは実は簡単で、「日常生活における面白いこと」。言い間違いや勘違いによるボタンのかけ違いから、大きな事件へと発展するという、恐らく万国共通の面白さだ。狂言が始まった当時の面白いポイントが、現代の人をも笑わせるポイントになっている点は興味深い。
狂言には大がかりな舞台装置はなく、言葉や仕草によって表現する。「型(かた)」が決まっていて、立ち姿や歩き方といった基本姿勢、発声方法まで様式化されているのが特徴だ。喜怒哀楽を大げさに誇張して表現する例として、笑う演技と泣く演技が分かりやすい。肩を張って、大きく口を開け、体全体を使って大きな声を出す、笑う演技。手を顔に寄せ、腰をかがめ、「エーンエーン」と言う泣く演技。リアルさというよりは、一定の「型(かた)」で表現し、その芸風を今も大切にしているのだ。
最後に
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今回はひとつの演目のみを観劇したが、もっと様々なストーリーの演目も見てみたいと思うようになった。
私が注目した登場人物は「太郎冠者(たろうかじゃ)」。同じ名前で、多くの狂言の演劇に登場する。いわゆる一般的な人を指しているようだ。主人や武士などに仕える従者・使用人という役柄が多いが、当時の庶民の典型的な服を着て、親しみやすく、しかし滑稽な役を演じる。他にも上司と部下、同僚、夫婦、僧侶、山伏などが多い。彼らに具体的な名前はない。
衣装は身分や年齢、職業、性別によって異なるので、衣装を見ればその登場人物の立場や状況が分かるのだとか。
何百年も前に始まり、詳細にいたるまで現代に引き継いでいるこの芸能の観劇は、独特で楽しい経験になるに違いない。ぜひ皆様にもお勧めしたい。
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