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「郷に入っては郷に従え」ということわざがありますが、長く住んでいると自然にその土地の文化やルールが身についていることがあります。日本に住んでいる外国人も自分が日本人に似てきたと感じることがあるようです。
今回は、日本在住のイタリア人に日本人のイメージと自分が日本人みたいだなと思う瞬間についてインタビューしました。
日本人からすると外交的で気持ちを上手に伝える印象があるイタリア人ですが、日本人に対してはどんなイメージを持っているのでしょうか。イタリア人から見た日本人特有の行動や礼儀についても聞いてみました。(各コメントは回答者個人の意見です)
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イタリア人が抱く日本人のイメージ①「恥ずかしがりやで仕事熱心」
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「日本人は、非常に恥ずかしがり屋で仕事に熱心なイメージ。意見を述べることはめったにないと思います」
まずイタリア人から見た日本人のイメージを聞いてみたところ、こんな答えが返ってきました。日本人からすると「やっぱり」という感じでしょうか。
日本人に対しては「恥ずかしがり屋」「意見を述べることはめったにない」イメージがあるようで、たとえ他人と違っても自分の意見をはっきり伝えて、その考えの根拠を伝えていくイタリア人の姿勢とは異なって感じられるようです。
また、よく耳にする意見と同じく、日本人は「仕事に熱心」というイメージも挙げられていました。日本でも働き方改革が進められていますが、イタリア人から見るとまだまだ仕事熱心に映るようです。もちろん働き方が多様化する中でも、集中して取り組む真面目な姿勢は、日本人として保っていきたいものですね。
イタリア人が抱く日本人のイメージ②会話のキャッチボールが続かないときがある
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「日本人特有の行動だなと思うのは、スキンシップが少ないところですね」
日本人からすると、イタリア人の距離感は近いイメージがありますが、やはり逆の立場でも同じように感じているようです。イタリアではあいさつとしてハグや頬へのキスが一般的ですから、それに比べると圧倒的に日本人のスキンシップは少なく感じることでしょう。
またイタリア人から見ると、会話の仕方についても日本人特有の行動があるようです。
「日本人は自分が尋ねられたものを、相手に尋ねないことがありますよね。例えば、『あなたは寿司が好きですか?』『はい、好きです。“あなたは?”』という会話では、日本人はいつも相手に好きかどうか聞き返さずに『はい』で終わります。それは私には奇妙に聞こえてしまうんですよね」
個人差はあるかもしれませんが、日本人とは会話があまり続かない印象があるようです。質問をしないという点では、日本人のシャイな面も関係しているかもしれませんね。
でも、会話はキャッチボールに例えられるように、会話の中で質問することはとても重要なはず。特に文化や言語が異なる場合には、質問できることもたくさんあるはずです。相手から尋ねられた同じ質問を相手にも尋ねるのは、会話の一番簡単なテクニックですので、国籍に関わらず外国人と会話する際にはぜひ使ってみたい方法ですね。
イタリア人が抱く日本人のイメージ③わざとらしくない笑顔の挨拶が上手い
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「日本人は礼儀としてたくさんお辞儀をして笑顔を浮かべますよね。その動きはとても洗練されていて、素敵だなと思います」
世界でもとても礼儀正しいことで有名な日本人ですが、やはり「お辞儀」は日本人特有の礼儀の示し方に感じるようです。また、よく笑顔を見せることも一種の礼儀として好意的に受け入れられていました。
たしかに海外に比べるとスーパーマーケットのレジやレストランの接客の場合にも、笑顔が多く感じるのかもしれません。また、インタビューでは「その動きはとても洗練されている」という回答もありましたので、お辞儀や笑顔に対してわざとらしい印象もないようです。
イタリア人が日本人みたいだと思った行動①電車の中でも外出先でもどこでも仕事をしてしまう
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最初は日本人特有の行動に違和感を抱いていた場合でも、住んでいるうちに同じような行動を取っていることがあるようです。実際に日本に住んでいるイタリア人は、どんな経験をしているのでしょうか?
「私が日本人みたいだなと思う瞬間は、働きすぎてしまう時です。日本人は、電車の中でも外出先でもどこでも仕事をしますよね。私もついつい時間があると働こうと思ってしまいます」
たしかに日本では少し時間があると仕事をする人が多いかもしれません。周りの人がそうしていると、やはりだんだん影響を受けていくようです。
イタリア人が日本人みたいだと思った行動②褒められたのに謙遜してしまう
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「褒められているのに困惑してしまう時も『あ、日本人ぽいな』と思います。日本人も褒められた時、素直にそのままありがとうと言わずに謙遜していると思うので、そのあたりが似ているなと思います」
褒められた時に謙遜するのは、日本人特有の行動かもしれません。日常生活の中でこうした場面に遭遇する機会は多いですから、思わず日本人に似てしまうのかもしれませんね。会話に関しては、他にも日本人に似ている瞬間が挙がっていました。
「何かとうなずいてしまうところです。相手の話を聞いている時、うなずいて、相槌をうちながら聞きます。イタリアでは相槌はよくうつのですが、うなずくことは少ないです。そのため、以前友人に指摘されたことがあります」
日本人にとっては相槌とうなずくことはセットにも感じられますが、イタリアでは少ないようです。相槌や会話の中でのうなずきも日常生活でよく遭遇する場面ですので、やはり影響を受けやすいようです。
会話の中での相槌やうなずきは、相手の話をしっかり聞いていることを伝える手段でもあり、コミュニケーションにおける有効な方法です。会話中も相手への気遣いを伝える相槌やうなずきは日本人の礼儀の一種ともいえるでしょう。
イタリア人が日本人みたいだと思った行動③お風呂に浸かる
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「食事をする際に、お箸を使いこなしている時にも感じます。日本食がとても好きなので、食べているうちに自然と上手く使えるようになりました。それから、お風呂に浸かっている時にも感じます。イタリアでは、水道代が高いこともあり、ほとんどの家庭は湯船を使わず、シャワーで済ませることが多いです。でも日本人のように湯船にお湯を溜めて浸かるとリラックスできてとても気持ちいいです」
日本に住んでいるとやはりお箸を使う機会は多くなりますね。お箸については、思ったよりも苦労せずに自然と使えるようになる方が多いようです。
加えて、イタリア人をはじめ外国人に好評なのが日本のお風呂です。海外ではバスタブがなくシャワールームのみのお部屋がほとんどですが、日本のお風呂を体験するとやめられなくなる方が多いようです。
仕事の時には熱心に働いて、自宅に帰ったらお風呂に入ってゆっくりリラックスするのが、日本人の典型的な息抜き方法なのかもしれません。自宅でのお風呂も良いですが、少し足を延ばして温泉に行ければ、最高です。
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日本に住むことで自然と身についていた行動や会話の方法はいずれも好意的なものばかりでした。日本の文化に触れ、自然と礼儀や新たなコミュニケーション術を身につけてもらえるのはうれしいものです。
また新たな場所で生活することになっても、一度身に着けたものはきっと役立つはず。異文化コミュニケーションの機会を大切にして、自分磨きのチャンスと考えれば、いつもの日常も少し違って見えてくるかもしれませんね。
※ 本記事は2020年5月公開時の内容を再編集して公開しています
<取材&執筆>
株式会社ダリコーポレーション
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