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鶴巻温泉と大山を楽しむおすすめ日帰り旅! 東京から行く人気ルートをご紹介

鶴巻温泉と大山を楽しむおすすめ日帰り旅! 東京から行く人気ルートをご紹介

更新日: 2021/10/19

赤や黄に染まった鮮やかな紅葉を眺め、温泉に浸かってのんびりと寛ぐ。これこそ日本ならではの、秋の楽しみ方ではないでしょうか。

日本各地に紅葉の名所はいろいろありますが、東京から日帰りで、紅葉と温泉の両方を満喫できるスポットの一つが神奈川県の「大山(おおやま)」エリアです。とうふ料理で有名な伊勢原市大山と秦野市の鶴巻温泉を巡るおすすめ旅をご紹介します。

新宿からロマンスカーで50分

新宿からロマンスカーで50分

大山はモミジの名所で知られることはもちろん、“あめをふらす山”という意味の“あふり山”とも呼ばれています。雨乞い・五穀豊穣・商売繁盛などで、古くから“大山詣り”として人々の信仰を集めてきたパワースポットでもあります。

日本遺産にも認定されている歴史と伝統が息づく “大山詣り”と温泉を堪能するなら、小田急電鉄の「丹沢・大山フリーパス」が便利でお得です。小田急線(発駅から本厚木~渋沢まで)の往復乗車券が付いて、小田急線、神奈川中央交通バスの指定区間と大山ケーブルカー(Aキップのみ)が乗り降り自由です。さらに特急料金をプラスすれば、ロマンスカーで快適な旅を楽しめます。※ご乗車の前に、目的地までの特急券をお買い求めください。

今回は、迷うことなく丹沢・大山フリーパスにロマンスカーのセットをチョイス。新宿を7時過ぎに出発するロマンスカーに乗車し、リクライニングのシートでゆったり寛いでいると、8時過ぎに最初の目的地・伊勢原駅に到着しました。

伊勢原駅からは、北口の神奈川中央交通のバス乗り場(伊10・11)から「大山ケーブル行」に乗車し、終点の「大山ケーブル」バス停を目指します。

<小田急「丹沢・大山フリーパス」の概要>
Aキップ
小田急線(発駅から本厚木~渋沢まで)の往復乗車券が付いて、小田急線、神奈川中央交通バスの指定区間と大山ケーブルカーが乗り降り自由。小田急線各駅からの料金(発駅により、発売額が異なります):新宿から乗車の場合 大人2520円 子ども1270円
Bキップ
小田急線(発駅から本厚木~渋沢まで)の往復乗車券が付いて、小田急線、神奈川中央交通バスの指定区間が乗り降り自由。小田急線各駅からの料金(発駅により、発売額が異なります):新宿から乗車の場合 大人1560円 子ども790円
ロマンスカー特急料金
新宿伊勢原)630円

急勾配の石段を登ったその先に……

バスは市街地を抜け、かなり山道を登って、30分ほどで終点の「大山ケーブル」バス停に到着です。バスを降りるとひんやりとした空気に包まれ、身も心も引き締まるような感じに見舞われました。やはり神秘なパワースポットなのかもしれません。

目指すのは、バス停からさらに上です。徒歩で登る人もいますが、フリーパスの特典を利用して大山ケーブルカーで登ることにしました。

大山ケーブルカーの乗り場までは、参道の急な石段を登っていかなければなりません。運動不足の人にとってはかなりハードな行程となりますので、途中で休憩を挟みながら上を目指しましょう。

ちなみに、大山ケーブル駅までは382段(所要時間15分)、大山寺までは928段(40分)、阿夫利神社下社までは、女坂経由(よりハードな男坂もあり)では1610段(60分)です。この所要時間はあくまでも目安で、かなり個人差があります。筆者は途中で何度も休憩しながら登ったので、表示時間の倍の30分ほどを要しました。

8:30頃から石段を登り始めたため、参道の両脇に並ぶ風情溢れるみやげ物店や飲食店は、まだ開いていませんでした。この周辺は名物大山とうふ料理を出す飲食店や、大山こまなどを揃えたみやげ物店が並んでいます。筆者は「帰りに立ち寄ろう」と、息を切らしながら石段を進みました。

石段の踊り場には大山を代表するみやげ物・大山こまをデザインしたタイルがあり、これを数えながら登ると、どの程度まで登ってきたかが分かるようになっています。ぜひ、タイルを数えながら登ってみてください。

ケーブルカーから眺める絶景の紅葉

「大山ケーブル」駅にたどり着くと、緑色のモダンなケーブルカーが待っています。このケーブルカーに乗って、2200年以上前に創建されたとされる由緒ある神社「大山阿夫利神社下社」を目指します。

「大山寺」、そして終点「阿夫利神社」と窓からの景観に見とれていると、あっという間に到着。ここは大山の中腹(標高約700メートル)にあり、江の島や相模湾を一望できます。

さらにここから1時間半ほど登ると、大山阿夫利神社本社があります。大山阿夫利神社本社へ向かい道中も紅葉の名所として人気スポットとなっています。阿夫利神社下社ではシーズンになれば、以下写真のような絶景が見られます。

阿夫利神社下社で見られる紅葉ライトアップの様子(画像提供:目黒久仁彦氏)
阿夫利神社下社で見られる紅葉ライトアップの様子(画像提供:目黒久仁彦氏)
阿夫利神社下社から見た紅葉(画像提供:目黒久仁彦氏)
阿夫利神社下社から見た紅葉(画像提供:目黒久仁彦氏)

途中にある展望施設「富士見台」からは、富士山の姿を眺めることもできますが、上を目指す場合は、やはり軽登山の装備が必要。下りのケーブルで、“大山不動”で知られる大山寺を目指すことにしました。

モミジの名所としても有名な大山寺は、ケーブル「大山寺」駅から200メートルほど、徒歩3分ほどです。奈良の東大寺を開いた良弁僧正によって、天平勝宝7年(755年)に開かれたとされています。

大山寺の紅葉ライトアップの様子
大山寺の紅葉ライトアップの様子

大山寺では、「かわらけ」と呼ばれる小さな皿を崖下に投げて厄落としをする「かわらけ投げ」を体験することもできますし、紅葉の最盛期(11月中旬から下旬)には、本堂前の石段を覆う真っ赤なモミジが、まるでトンネルのように多くの来山客を迎えてくれます。

こま参道で大山とうふに舌鼓

山あいに映える色鮮やかな紅葉を楽しみながら大山ケーブル駅に戻り、ここから、こま参道の飲食店やみやげ物店をのぞきながら石段を下ります。楽しみは、やはり大山名物のとうふ料理です。

こま参道に入り、まず目に飛び込んできたのが、大山名物の“大山こま”などの民芸品が並んでいる民芸の店「塚本」です。いろいろ物色していると、向かいから「とうふでも食べていきませんか」と、女将さんから声がかかります。

こちらは塚本みやげ店の休み処「つかもと」。とうふ、ところてん、そばが食べられます。「大山は水がいいから、とうふがおいしいんですよ。コース料理を出している店が多いけど、うちはとうふそのものを味わっていただきたいから、冷ややっこや温やっこなど、手軽食べることができるものを出しています」とのことです。

まずは大山とうふを味わってみようと、温やっこのみそどうふ650円(500g)を注文。しっかりと豆の味が伝わる素朴なやさしい味わい、そして上にかかっている甘い自家製みそが、これまたとうふの味を惹きたてています。

  • つかもと
    • 住所 神奈川県伊勢原市大山658
    • 最寄駅 神奈川中央交通「大山ケーブル」バス停から徒歩10分
    • 電話 0463-95-4391
    • 営業時間:9:00~16:00
      定休日:不定休

「つかもと」を後にし、石段を下りていくと、とうふのコース料理やコンニャク、キャラブキ、地酒、アイスクリーム、とうふのメンチカツなどの飲食店・みやげ物店が、ざっと20軒ほどが両脇に並んでいます。

残念ながら今回は訪れた時間が早かったこともあり、ほとんどの店が開店前。多くの店は11:00頃から店を開けるそうです。

このこま参道は、江戸や昭和期の風情が息づいた日本の歴史文化をコンパクトに体験できるエリアといえます。

格調高い宿「陣屋」で日帰り入浴と食事を堪能

いよいよ、今回の日帰り旅行のクライマックス、鶴巻温泉です。鶴巻温泉へは、大山ケーブルバス停から再び神奈川中交通のバスで小田急・伊勢原駅に戻り、小田急・小田原線で鶴巻温泉駅に向かいます。なお12月1日までの土日祝日は、「大山ケーブル」バス停から鶴巻温泉へ行ける神奈川中交通の直行バスが運行しています(詳しくはホームページをご確認ください)。

神奈川県秦野市にある鶴巻温泉は、世界有数のカルシウムを含む名湯として、明治時代から親しまれてきた温泉地です。おすすめは、源頼朝の家臣で、弓の名手だった和田義盛の別邸跡地に建てられた旅館「陣屋」です。

陣屋は、せせらぎや竹林など、自然をいかした1万坪の日本庭園にひっそりと佇む純和風旅館。季節感溢れる料理と歴史に彩られた名湯での湯あみは、旅のクライマックスにふさわしい格別の趣があります。

陣屋へのアクセスは駅から徒歩で4分、入口には陣太鼓があり、宿のスタッフが陣太鼓を鳴らして来客の訪れを宿内に伝えます。陣屋はこの深い森の中に、源氏館や雅の間、松風の間など、いくつもの建物からなり、それぞれに歴史があります。

この格調高い宿に足を踏み入れることは、なかなかハードルが高そうですが、実は、日帰り温泉入浴と食事を楽しめるプランが用意されています。今回、利用したのはもっとも手軽に楽しめる「日帰り温泉入浴とレストランでのお食事プラン(節御膳)」(5,500円)。お食事付きのプランは事前予約が必要です。予約方法は、ホームページ・電話のどちらでも可能で、ホームページは英語での閲覧、予約にも対応しています。

お麩の薄蒸しあんかけ、マグロとホタテのお造り、胡麻どうふの源泉蒸し、エビの鹿の子揚げなどが次々を運ばれ、メインディッシュに選んだのは「やまと豚桜味噌漬け重」。新鮮な山の幸、海の幸の素材を惹きたてる “だし”の使い方は、さすが歴史と伝統に彩られた老舗ならではの味わいに脱帽です。

食後には、歴史を誇る名湯でゆったりと湯あみ。大山で紅葉を満喫し、最後は温泉でゆったりと手足を伸ばす爽快さ。美しい日本庭園と季節感溢れる料理と、名湯での癒やしのひとときは、まさに格別です。

  • 鶴巻温泉 元湯 陣屋
    • 住所 神奈川県秦野市鶴巻北2-8-24
    • 最寄駅 小田急線「鶴巻温泉」駅から徒歩4分
    • 電話 0463-77-1300
    • 定休日:火・水・木曜

      <日帰り温泉入浴とお食事プラン(季節御膳)>
      11:30~15:00(14:00最終受付) 料金 5,500円

      <日帰り温泉>
      利用時間: 11:30~20:00 ※2時間制(19:00最終受付)
      貸切の山荘露天風呂を利用したい場合、3,630円(11:00-14:00、45分)
      プラン内容:温泉入浴 バスタオル・フェイスタオル・アメニティ・貴重品用ロッカー
      料金:大人2640円、休憩室利用可

紅葉と温泉の両方を、東京から日帰りで満喫できる「丹沢・大山フリーパス」で、ぜひ、素晴らしい紅葉と、名湯での温泉入浴を堪能されてはいかがでしょうか。

Written by:
南 俊一
南 俊一

ライター

株式会社ダリコーポレーション

雑誌社勤務を経て、フリーとして政治、経済、社会問題、事件・事故の取材から、自治体広報誌、社史、PR誌などのなど、幅広いジャンルの取材・原稿作成を経験。

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