東京さくらトラム(都電荒川線)は、東京都交通局が運営する路面電車で、都電とも呼ばれている。一部車と並走して走る区間もあり、今や東京ではほとんど見ることがなく、非常にめずらしい光景だ。都電沿線にはいくつかの桜の名所もあることから、「東京さくらトラム」という愛称でも親しまれている。実はこの都電沿線には、桜だけではなく、春と秋にはバラが咲き誇り、撮影スポットとしても人気だ。今回は、そんな都電のバラスポットをご紹介しよう!
東京さくらトラム(都電荒川線)とは?
東京さくらトラム(都電荒川線)は、三ノ輪橋(東京都荒川区)~早稲田(東京都新宿区)までを繋ぐ、全長12.2㎞(30停留場)を走る路面電車だ。最盛期には41系統にもなったが、それ以外の交通網の発達により徐々に減少し、現在は1系統だけが、唯一残っている。2017年には、「東京さくらトラム」という愛称も付けられた。
■ チケット情報
料金は、1回の乗車につき、大人170円(IC168円)、小児90円(IC84円)
都電が1日乗り降りし放題の「都電一日乗車券」は大人400円。都電に加えて、都営地下鉄、都バス、日暮里・舎人ライナーも含めて、1日すべて乗り降りできる「都営まるごときっぷ」は大人700円。
「都電一日乗車券」は、当日は車内、前売りは荒川電車営業所、都電乗車券発売窓口(一部除く。)、都営交通案内所「三ノ輪橋おもいで館」で購入可。
「都営まるごときっぷ」は、当日は都営地下鉄各駅の自動券売機、都バス(午前4時以降)・都電の車内、日暮里・舎人ライナー各駅の自動券売機で、前売りは都営地下鉄各駅の駅長事務室(一部除く)、都バス営業所・支所、荒川電車営業所、都営地下鉄・都バス・都電及び日暮里・舎人ライナーの定期券発売所(一部除く。)、都営交通案内所「三ノ輪橋おもいで館」で購入可。
詳しくは駅または係員へ。PasmoやSuicaも利用可能。
■都電の乗り方、降り方
1)停留場で行先を確認(車両の正面上部に行先が表示してあるので、確認)。
2)乗車口は前から。乗車時に、運賃を支払う。車両は1両編成で、乗務員は1名のみのワンマンカー。入口付近は込み合うため、乗車したら後方へ移動しよう。
(一日乗車券等の場合は、乗務員に乗車券の日付が打刻してある面を提示)。
3)降りる際は、車内の液晶画面や放送などで確認し、下車したい停留場の到着前に、車内にある降車ブザーを押して、乗務員に知らせよう。
降車口は後ろから。
■運行状況
日中であれば6~7分間隔で運行しているので、各停留場を散策しながら乗り降りをしても利便性がいい。詳細は時刻表を確認。
沿線のおすすめバラスポットを徹底紹介!
都電の沿線には、春(5月頃)と秋(10月頃)にバラが咲き誇り、バラの名所として知られている。大きく分けて、三ノ輪橋から荒川区の中心を走る約4㎞に渡った沿線と、大塚駅前~向原までの沿線の二か所だ。荒川区のバラ街道は、都電が走る荒川区で、区の中心部を走る路線脇を「バラで緑化を始めよう」と取り組まれ始めたものだという。約140種13000株程のバラが植栽されている。また、大塚駅前停留場では、駅前広場の花壇を中心に約500種700株以上が植栽されている。これらは地元のボランティアの人たちが中心になって育て、作り上げられているというから驚きだ。そのエリアも、左右の沿線にはまんべんなく植えられているので、どちらの車窓からも楽しめるのが嬉しい。そんな都電のバラスポットをご紹介しよう。
バラスポット1)レトロな電停も見どころ「三ノ輪橋」
まるでバラ園のような停留場といわれるのが、「三ノ輪橋」停留場。1997年には、この三ノ輪橋停留場は、「見事なバラが咲き揃う都内唯一の都電が走る停留場」として、「関東の駅百選」にも選ばれている。また停留場の作りや飾られている看板などは、懐かしい昭和の時代の風情を残すものが残っており、昔ながらの日本の雰囲気を感じられる。レトロな電停×バラの組み合わせは、撮影スポットとしても人気だ。降車ホーム側の花壇のほうにまわってカメラを向ければ、バッチリ撮れる。
周辺には、下町の雰囲気が残る商店街もあり、散策してみるのも楽しい。
バラスポット2)公園へ向かう通路を彩るバラ花壇が美しい「荒川二丁目」
白鳥が泳ぐ湖や、季節の花々や緑豊かな自然があふれる大きな公園「荒川自然公園」があるのが、「荒川二丁目」停留場。ここでは、公園に向かう通路で、バラで飾られた壁面や色鮮やかなバラの花壇を見ることができる。
停留場の目の前にある、かわいらしい銅像とバラのデコレーションの写真を撮るべく、途中下車してみてはどうだろうか?
バラスポット3)車窓からの景色がおすすめ、「荒川区役所前」
三ノ輪橋~町屋駅前までの沿線は、車窓から長い距離に渡っていくつかのバラエリアを鑑賞できるが、「荒川区役所前」停留場付近もそのひとつ。停留場前に花壇などの装飾はなく、撮影したスポットも停留場から少し歩くので、車内から眺めるのがおすすめ。住宅街ののどかな風景の真ん中を通る線路と、その脇に並ぶバラの姿がかわいらしい。
バラスポット4)停留場前の花壇は必見の「町屋駅前」
毎年5月に「あらかわバラの市」(2023年は、5月21日に開催)も開催されるのが、ここ「町屋駅前」停留場。このバラの市には、区内外から多くの人が訪れるという。停留場前には豪華なバラ花壇があり、沿線の他のバラスポットではあまり見られない、色とりどりのバラが綺麗に植栽されている。停留場前には商業ビルやレストラン、通り沿いにも様々なお店があり、沿線の中でも最も賑わっているエリアだ。バラ花壇近くにはベンチもあるので、バラを観賞しながらゆっくり休憩してみるのもいい。
バラスポット6)「荒川遊園地前」~「荒川車庫前」に広がるバラ街道
線路がまっすぐに伸びている「荒川遊園地前」から「荒川車庫前」までの沿線の両脇には、色とりどりのバラが広がっている。花壇ではなく、線路沿いの長い距離をきれいにバラが咲き並ぶ光景は、まさに都電バラスポットの象徴。車窓からはもちろん、下車して線路沿いを歩いてみるのもおすすめだ。
バラスポット7)豊島区のバラの名所、「大塚駅前」~「向原」
都電の中で、早稲田方面に近いエリアでのバラスポットは、大塚駅前~向原の沿線の緑地。この両停留場間のバラは、特に色数の多さや密集度の高さが感じられるエリアだ。一停留場分の空間いっぱいに、バラの美しさを凝縮している、そんな印象だ。こちらでも、毎年5月と10月に大塚バラ祭りが開催され、多くの人で賑わっている。
番外編1)昔の停留場を再現した都電おもいで広場もある「荒川車庫前」
「荒川車庫前」から下車してすぐにあるのが「都電おもいで広場」。昔の停留場をイメージしたスペースに、都電の全盛期に走っていた貴重な旧型車両が展示されている。昔を知っている人には懐かしく、初めての人には新しい、都電そのものをより楽しめるスポットだ。開場は、土・日曜、祝日10:00~16:00 のみ、入場無料。
都電おもいで広場の隣には、現在も使用している車庫がある。タイミングが合えば、車庫に出入りする様子が見られるかも?!
※車庫内への立ち入りはご遠慮ください
番外編2)あらかわ遊園に向かう道もバラスポット「荒川遊園地前」
都内で唯一の区営の遊園地「あらかわ遊園」の最寄りが「荒川遊園地前」。ここから遊園地に向かう遊歩道も、言わずと知れたバラスポットだ。また、あらかわ遊園内にも、緑色とクリーム色のカラーが特徴的な旧車両も展示されているので、名車両を見てみたいという方はぜひ足をのばしてみて!
※「あらかわ遊園」は、2022年4月にリニューアルオープンしました。
レトロな車両やボランティアの方が作る沿線のバラなど、懐かしさと温かみのある東京さくらトラム(都電荒川線)」
今なお多くの人に愛される都内唯一の都電。車両のめずらしさやバラの美しさももちろんのこと、各停留場周辺にもさまざまな散策スポットがある。昔懐かしい雰囲気たっぷりの都電沿線は、東京観光必須の散策ルートとしておすすめしたい。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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