新宿歌舞伎町1丁目にある「新宿ゴールデン街」。ここは、戦後の闇市が起源といわれ、細長い長屋のようなバラックと呼ばれる建物の飲食店が並び、その昔、役者や作家、アーティストなどの文化人たちが多く集っていたことで有名になった飲食街だ。小さなこの通りには、約300近い店舗がある。
昔ながらの歴史を感じる風情と、雑多な何ともいえないミステリアスな雰囲気が残る貴重な飲み屋街であり、今や外国人観光客にも人気のスポット。長く歴史あるお店と並んで、近年では30~40代の若いオーナーが経営する新しいお店も増えている。そんなゴールデン街はあまりに多くのお店があり、間口も狭いため少し謎めいたところもあり、一体どこにいったらいいのかわからないという人も多いのでは? そこで今回は、ゴールデン街の中でも、初心者でも行きやすい、本当に美味しいおすすめのお店を紹介していこう。
日本の煮干し出汁のオリジナルラーメンを食べるならココ!「すごい!煮干しラーメン凪 新宿ゴールデン街店」
連日行列のできる「すごい煮干しラーメン凪」は、ゴールデン街でも唯一の煮干し出汁にこだわったラーメン店。オーナーが煮干しで有名な青森に行った際、現地で煮干しラーメンを食べ、それまでと全く違うラーメンの味に衝撃を受け、これを広めていきたいということで始めたのだそう。「出汁で味わうラーメン」は、他国にはない日本ならでは。朝からでもいけてしまうその味は、濃い出汁がベース。1杯のラーメンに使う煮干しの量は1杯に70g(およそ手のひらに山盛り乗せたくらい)!とたっぷり使っており、凝縮された旨味が口に広がる。スープに使う煮干しも、季節や場所によって味が違うため、産地や時期、配合も変えているというこだわりぶり。そして麺も、自社オリジナルの中太麺と、いったん麺というワンタンの皮のような大きな平打ち麺の2種類が入っていて、1杯で異なる麺の食感が楽しめる。
席数は約10席とこじんまりしているため、ランチタイムや夕方以降は多くの人が並ぶ。しかしながら、回転が速いので、少し待てば店内へ入ることができる。ベストは、朝11時頃までか、ランチ後~夕方まで。
メニューは、「すごい煮干しラーメン」(890円)、「すごい煮干しラーメン味玉」(1000円)、「すごい煮干しラーメン特製(海苔・チャーシュー増し)」(1200円)、「すごい煮干しラーメンGOLDEN(角煮入り)」(1400円)、外国人からの一番人気の「すごい煮干しラーメン スーパーゴールデン (肩ロースのローストポーク&角煮入り)」(1600円)の5種類。このスーパーゴールデンは、ここ新宿ゴールデン街店と、歌舞伎町店でしか食べられない限定メニューだ。スープの味付(塩or醤油)、麺の硬さや量、油の量なども好みの味に変えられる。初めての場合は、まずはオススメの通りにいただいてみよう。
一度食べたら癖になる煮干しラーメン。24時間いつでもオープンしているので、お酒を飲む前に、飲んだ後に、一度味わってみてほしい。
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すごい煮干ラーメン凪 新宿ゴールデン街店 本館
- 住所 〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町1-1-10 2階
- 電話 03-3205-1925
営業時間:24時間営業
休み:なし
コスパが抜群!シェフこだわりの美味しい本格ビストロ料理なら「ビストロ Pavo」
コンセプトは「お箸で食べられるビストロ料理」、女性一人でも気軽にお酒と料理が楽しめるのが「ビストロPavo」。店内は11席ほどで、19時ともなれば満席で予約必須の人気店だ。
姉妹店として新宿ゴールデン街で営業していたバー「クリシュナ」の一階の店舗が空いたことから、2010年にゴールデン街にオープンした。シェフが手間暇かけて作る料理は、細部に工夫がほどこされ、どれも絶品。そしてなにより驚くのがその価格。一人で気軽に楽しめる雰囲気でありながら、一品ごとのボリュームには圧巻!仕入れを工夫して価格を抑え、メニューも日替わりで飽きることがない。そのため、毎日のように来る常連さんもいるのだとか。
おすすめは、看板メニューの「名物!今夜もあつあつJOE熱のメンチカツ」(500円)。中を割ってみると、歓声を上げたくなるようなとろーりとろけたチーズがたっぷり。酸味が利いてさっぱりとしたトマトソースと相性も抜群。
旬のフルーツを使った「自家製オリジナルサングリア」(700円)も、ここでしか味わえないお酒。「甘酒リンゴソースがかかった牛もも肉のローストビーフ」は、この量とクオリティでなんと500円!そのほか、ブロッコリーを丸々揚げた「名物!新宿で2番目に旨い揚げッコリー」(300円)も人気。気になる料理が満載なので、ぜひカップルやペアなどでいろいろ楽しんでみて欲しい。価格からは想像できない量なので、少しずつ注文するのがポイント!美味しすぎて、つい食べ過ぎてしまわないように注意して。入り口は少し奥まっているので、この看板を見逃さないようにしよう。
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ビストロ「Pavo」
- 住所 〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町1-1-5 パレスビル1-C
- 電話 03-6273-8282
営業時間:17:00~24:00
休み:日曜
グループでも一人でも!交流も楽しめるバーで飲みたいなら「BAR ARAKU」
とりわけ訪日観光客に優しく、気兼ねなく楽しめるのがBAR ARAKU「人が集まる場所を作りたい」と、オーストラリア人の前オーナーから譲り受け、6年前からオープンしている外国人に人気のバーだ。
各国のお金にメッセージを書いて貼るインテリアは、いつからかお客さんが始めて、いつのまにか店内の象徴的なインテリアとなったのだそう。また、このBAR ARAKUは外国人観光客であれば、席料としてのチャージなし(通常700円/スナック菓子食べ放題)で楽しめるWelcome to Japan割引という嬉しいサービスも。これもオーナー自身がバックパッカーとして世界を回っていた経験から、「わざわざ海外から日本に来た外国の方に、少しでも日本でいい思い出を作って、楽しんでもらいたい」という粋な心意気から。こうしたユニークさがSNSでの拡散、友人の口コミなどで外国人にも知られるようになったという。
ゴールデン街にあるバーとしては、店内が広めなので、5名グループなどでも入れるというのも旅行者には嬉しいポイント。
日本酒のカクテルや緑茶のカクテル、日本のウイスキーなど、日本を楽しんでもらいたいという想いのこもったメニューのラインナップも魅力。おすすめはキレイな見た目と緑茶リキュールのさわやかな風味が日本らしい、「グリーンティフィズ」(800円)や、日本酒とライムのオリジナルカクテル「サムライロック」。おつまみはスナック菓子と枝豆など軽いものが中心なので、食事の前後にフラっと立ち寄りたい。
右上のお二人は、アメリカから観光で来ているとのこと。気さくなお客さんばかりで、ここで知り合って友人になってしまうという人も多い。店内は、20:30頃から混み始め、22:00頃がピークだそう。異文化交流できる居心地の良い空間にぜひ足を踏み入れてみよう。思わぬ出会いに遭遇できるかも?!
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BAR ARAKU
- 住所 〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町1-1-9 ゴールデン街 G2 2階
- 電話 03-5272-1651
営業時間:19:00~翌3:00(平日&日)/19:00~翌4:00(金&土)
定休日なし
日本の居酒屋スタイルが気軽に楽しめる「どんがらがっしゃん本店」
およそ50種以上の串揚げを中心に、お酒のおつまみになる一品料理から締めのご飯ものまで、お酒と一緒に料理を楽しむというTHE・日本の居酒屋スタイルを気軽に体験したいなら、どんがらがっしゃん本店。創業は今年2018年で10周年を迎えた。
こぢんまりとした小さなお店が多いゴールデン街の中で、こちらは席数22席と広め。そうは言っても、グループではなかなか入りづらいので、やはり少ない人数のほうがベストだ。
串揚げ人気は、鶏、ベーコンチーズ。おすすめメニューは、おまかせの「串揚げおすすめ7本セット」1000円 ※みそ&キャベツ付き(日によって具材が異なる。この日は、豚肉、チーズベーコン、タラ、タコ、ナス、タコ焼き、玉ねぎ)。オーダーシート(英語表記有)があるので、食べたいものをチェックして渡せるので注文もしやすい。一本ずつまた、串揚げは1本プラス20円で、お店特製の黒ゴマ衣にも変更できるので、それもまたオススメ。大阪名物の薄くて細かい衣で食べる串揚げは、お酒がすすむ。
また、醤油麹からあげ・5個入り(490円)も人気の一品。しっかりとした醤油味は、日本的な味で、かつビールとの相性も抜群。「外国の方もよくいらっしゃいますよ。茶豆+ビールが人気ですね!」とのこと。居酒屋ではよくある席料としてのお通し代はなく、1人1ドリンクオーダー制。好きなおつまみとお酒で、存分にIzakaya文化を楽しもう。
お店は通りの角にあるのでわかりやすい。赤い提灯と、店頭に飾られている金色のビリケンさん(人形)が目印だ。
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どんがらがっしゃん本店
- 住所 〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町1-1-9
- 電話 03-3207-3718
月~土:15:00~翌3:00
定休日:日曜
雰囲気たっぷり!落ち着いた空間で京都のおばんざいを味わえる「茶茶 花」
京都の料理(おばんざい)を中心に和食とお酒をいただくなら「茶茶 花」。新宿・歌舞伎町のゴールデン街という賑やかな場所にありながら、ここだけまるで異空間。都会の喧騒の中に咲く花のようでありたい、というコンセプトでつけられた「茶茶 花」というお店の名前通り、店内の雰囲気だけで癒されるかのよう。
一軒家を改装したというお店は、1階、2階で個室からカウンター、テーブル席で約120席、さらには別邸の離れもあり(コース料理注文の場合のみ)、まるで高級料亭かのような落ち着いた上品な雰囲気だ。しかしながら、価格帯も含め決して敷居は高くなく、若い層から年配の方、ファミリー層までと客層も幅広い。
おばんざいは、古くから日本に伝わる伝統的な家庭料理のこと(関東では、お惣菜。関西では、おばんざいという)。このおばんざい5種盛り合わせ(1800円)は、茶々花おすすめのメニュー。
こちらの「炊き立て土鍋ご飯」(写真は、ウニといくらの贅沢土鍋ごはん、2800円)は、注文してから炊き込むという、お店こだわり名物メニュー。注文から提供まで40分程かかるが、土鍋でしっかり炊き込まれた出来立てのアツアツご飯はたまらない。
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茶茶 花
- 住所 〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町1-1-1
- 電話 03-5292-2988
17:00~23:30(L.O.22:30)
※夜10時以降入店可
定休日:年末年始
店主やオーナーのこだわりや想いが詰まった、いろいろなジャンルのお店が並び、まだまだ掘り下げたい魅力がいっぱいの新宿ゴールデン街。本記事では、まず初めてでも楽しめる、そして味も美味しくオススメしたいお店を紹介したので、一度足を踏み入れたら、その魅力のとりこになってしまうかも。ぜひ自分好みのお店を見つけるべく、ゴールデン街に足を運んでみよう。
旅ライター×海外ツアーコンダクター。社会人向け教育コンテンツの企画開発・編集担当として11年従事。プライベートでは学生時代から旅に魅了され、これまで世界約50カ国150都市以上をめぐってきた大の旅好き。世界中、日本中のグルメを味わい、自然を感じ、世界遺産や歴史的建築を見て、温泉めぐりをするのが生きがい。そんな旅好きが高じて、会社員から旅ライター×海外添乗員へと転身。現在は、年間100日以上海外を飛び回りながら、旅ライターとしても活動。旅の楽しさ、日本の魅力、世界の多様な価値観をより多くの人に広めるべく、インバウンドの添乗や旅ライターの取材等で、日本各地を訪れて情報発信をしている。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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