![[MOVIE] 新たな日本文化を世界に発信。平尾 成志氏の盆栽パフォーマンス](https://rimage.gnst.jp/livejapan.com/public/article/detail/a/00/01/a0001111/img/basic/a0001111_main.jpg?20180709112315&q=80)
日本だけでなく、今や世界でも人気の高い「盆栽」。文字通り「盆」というトレーの上で植栽を行い、それを鑑賞する園芸のひとつだ。その歴史は古く、今から約1200年前に中国から「盆景」というトレーの上に自然界の景色を再現する芸術が日本に伝えられ、それが独自の発展をとげたもの。しかし日本では永らく盆栽は、お年寄りに愛好家が多い地味な存在として捉えられてきたが、近年、世界の盆栽に対する注目度の高まりを受けて、国内でも新しい表現にチャレンジする若いクリエーターが登場している。そのひとりが平尾成志氏だ。盆栽界の巨人、故・加藤三郎氏に師事し、世界に盆栽の魅力を紹介した師匠の志を受け継ぎ、様々な国で盆栽のデモンストレーションやワークショップを行っている。こうした活動のなかで、特に平尾氏の存在を際立たせているのが、従来の盆栽の常識を覆す彼の盆栽パフォーマンスだ。去る2月24日(火)に、平尾氏のパフォーマンスを披露するイベントが、東京タワーのすぐ近くの寺・増上寺で行われた。今回はそちらの詳細をレポートしよう。
日本と世界を驚かす型破りな盆栽アート
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イベント会場となった増上寺は、伝統的な寺院と近代的な東京タワーのコントラストが望めるスポットとして人気が高く、古くからの伝統文化である盆栽に、新風をもたらす平尾氏のパフォーマンスの舞台として相応しいシチュエーションに感じられた。増上寺の一角にある会場にはマスコミ関係者、ブロガー、モデルやアーティストが詰めかけ、平尾氏の注目度の高さがうかがえる。
今回のイベントは、世界をまたにかけた平尾氏の活動に密着した、テレビ東京制作のドキュメンタリー『BONSAI MEETS THE WORLD(世界を繋ぐBONSAI)』の、マレーシア国営放送局でのオンエアーを記念して開催されたものだ。ステージに登場した番組ディレクターの梅崎 陽氏は、「海外に広がりつつある盆栽の魅力を、番組を通じてもっと多くの人に知ってもらいたい」と、番組制作の抱負を語り、平尾氏は「海外の盆栽熱の高まりを、日本が逆輸入する形で影響を受けた。そうした動きが国内の盆栽界が抱える後継者問題などに良い方向で作用すれば」と、番組に対する期待を寄せた。
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『BONSAI MEETS THE WORLD』のプレビュー上映が行われた後、いよいよ本日のメインイベント、平尾氏の盆栽パフォーマンスがスタートした。ステージに据えられた盆栽のベースは、幾重にもトレーが上へ上へと積み重ねられたもので、これを見ただけで平尾氏の盆栽が別次元のものだと気付かされる。巨大生物の背骨のようにも見える異形のベースに、すばやく土が盛り付けられ、次々と植木が植栽されて行く。観客は平尾氏が手にした植木が次にどこに植えつけられるのか固唾をのんで見守り、その気迫とスピード感から、まるで白熱したゲームを観戦するような興奮状態に陥る。この30分にもおよぶ鬼気迫るパフォーマンスを、ぜひ動画で確認してもらいたい。
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完成した盆栽は、深い森の奥で人知れずたたずむ大樹のように見え、複雑にのびる枝や幹に小さな草花を宿し育んでいるような、ストーリー性と威厳に満ちたものだった。
パフォーマンスを終え、熱気冷めやらぬ会場は、当日ふるまわれた日本酒の酔いも手伝って、華やいだ雰囲気に包まれている。ひと仕事を終え、緊張感から解放された平尾氏も来場者と気さくに言葉を交わし、イベントの空気を楽しんでいるようだ。そんな彼に直撃インタビューを試みた。
LJ:盆栽の制作過程をパフォーマンスとして見せるとき、難しい点はありますか?
平尾氏:一見簡単そうに作っていますが、ああ見えて盆栽の伝統的な技法にのっとって制作しています。光と音楽の演出のなかで作っていると、自分自身が躁状態になり、思いもよらない良い結果を生み出す一方、「もっとああしとけば良かった」という細かな反省点も見えてきます。自分を演出に乗せつつ、いかに冷静にコントロールするか。そのさじ加減が難しいところです。
LJ:盆栽を通して、どのようなことを世界に伝えて行きたいですか?
平尾氏:やはり日本文化のすごさだと思います。中国から伝わってきた伝統を、日本が独自のスパイスで盆栽という形に昇華したユニークさ。そんな日本独特のアレンジ力の面白さを世界に伝えて行ければと思っています。
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中国からもたらされた「盆景」が、日本の風土のなかで1200年という永い時間をかけて変容し、花開いた盆栽。それが平尾氏とともに積極的に海外に出ていくことで、今度はどんな影響を受け発展を遂げるのか? 平尾氏の活動から目が離せない。
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