日本に初めて「パン」が伝来したのは1543年のこと。かの織田信長もパンを食したという記録が残っているとか。日本人の主食はお米、と捉えられがちだけれど、今では毎日パンを食べるという人も珍しくなくなっている。
さらに、あんパンやクリームパン、カレーパンなど、他の食材を入れてアレンジした日本独自のパンも誕生し、すっかり定着。元来、食べることが大好きな日本人ゆえに、新たな食文化として楽しんでいるといえるだろう。
そんな日本のパンは、外国人たちにはどう映っているのか。日本に来た人から「パンの種類が多くてすごい!」との声も聞くけれど、それって本当?LIVE JAPAN編集部では、外国人18人に、日本のパンについてアンケートを実施。好きなパン、嫌いなパンを調査してみた!
人気No.1は和と洋が融合した「あんパン」
もっとも支持されたのは「あんパン」。和菓子において非常に重要な「あんこ」とパンが見事にコラボレーションした味わいにハマる外国人が続出しているようだ。
――アメリカ/30代/女性
「とにかくあんこが大好きなの!つぶあんもこしあんも、どっちも大好き。あんパンにはあんこがたっぷり入っているから、大満足」
――韓国/30代/男性
「元々パンが好きなんだけど、あんパンを食べたときは衝撃を受けたよ」
――フランス/20代/女性
「フランスの菓子パンといえば、チョコレートが入った“パン・オ・ショコラ”。チョコの代わりにあんこを入れるのって、日本人ならではの発想よね」
――中国/30代/女性
「あんパンの中にマーガリンが入っているタイプも好き!」
外国人の支持率1位ということもあり、あんパンは日本を代表する菓子パンといって良いのかも。そういえば、あんパンをモチーフにした、国民的ヒーローもいたような…。やはり、あんパンは広く愛されているんだなぁ。
人気No.2は「メロンパン」。独自の進化をさせている国も
次いで支持を集めたのは、「メロンパン」。一説によると、大正時代にマスクメロンが輸入されるようになり、そこからヒントを受けて生まれたんだとか。高価なメロンの代わりとして、この甘いメロンパンを楽しむ人たちが多かったのかも。
――ドイツ/20代/女性
「メロンパンは、もはやパンというよりもスイーツよね」
――カナダ/20代/男性
「メロンパンは信じられないくらいおいしい!」
――香港/40代/男性
「あのサクサク感が好き。台湾や香港では、メロンパンにアイスを挟むスイーツが流行ってるんだよ!」
――フランス/30代/男性
「フランスではあんまり見たことがないよ。日本に来て初めて食べたんだけど、大好きになったんだ」
中には、メロンパンをさらに進化させたスイーツもある。かなりの人気ぶりだということが伝わってくる結果だ。最近では、実際にメロン果汁やクリームを入れたメロンパンも誕生している。日々、派生商品が生まれるということは、日本でも人気があるパンのひとつであると言って間違いないだろう。
こっくりした甘みで「クリームパン」も人気高し
「クリームパン」もかなり人気が高い。こちらは、新宿中村屋が1904年に生み出したパンで、相当歴史が古い味。当時は、かなりハイカラな食べ物とされていたそう。
――中国/20代/男性
「パンは苦手なんだけど、クリームが大好きだからこれだけは食べられるんだ」
――アメリカ/30代/女性
「中に入っているカスタードクリームがおいしくてやみつきになっちゃう」
カスタードクリームは万国共通の人気。それをパンに入れてしまう発想力の高さ、日本人の食いしん坊さが世界に認められる結果に!?
少数派の意見は?
もちろん、他にも日本独自のパンを支持する声が多数!いくつか紹介すると…。
――アメリカ/20代/男性
「明太フランスは、日本に来て初めて食べたよ。明太子とパンを組み合わせるなんてとてもユニークな発想だけど、おいしいから不思議だよね」
――中国/30代/男性
「カレーパンがお気に入りだね。相性はバツグンだと思う。特に辛口のものが好き」
――中国/20代/男性
「チーズフォンデュパンを初めて食べたときにはびっくりした。こんな組み合わせもあるんだね」
みんな、独特の組み合わせに対して驚きつつもハマってしまったみたい。確かに、明太子とパンなんて他の国では考えられない合わせ方なのかも。だけど、おいしければなんでもありですよね!
嫌いなパンNo.1はまさかの…
ここで「嫌いなパン」についても調査してみたところ、もっとも声が集まったのはまさかの「焼きそばパン」。給食に出てくるとみんな大喜びしていた記憶がある人も多いはずだけど、意外なことに外国人には不評のよう。しかも、今回アンケートをとったアジアの人たちは、こぞって「焼きそばパン」に否定的な意見を持っていた。いったいどうして!?
――台湾/20代/女性
「炭水化物×炭水化物なんてありえない!絶対に食べないよ」
――中国/30代/女性
「焼きそばもパンも嫌いじゃないけど、どうせなら別々に食べたいかな」
――韓国/30代/男性
「韓国では焼きそばを食べる習慣があまりなかったけど、日本の焼きそばはおいしいから好き!でも、パンに入れるのは違和感がある。来日してから7年、一度も自分で買おうと思ったことがないし、おそらくこれからも買わないと思う」
――中国/30代/女性
「焼きそばをパンに挟む意味がわからない。日本人って、餃子でご飯を食べるよね?でも、そもそも餃子の皮って小麦でできているし、それをご飯に合わせるなんて中国では絶対にしないの。そう考えると、炭水化物で炭水化物を食べるのって、日本ならではなのかもしれないね」
全員、炭水化物×炭水化物に拒否反応を示していた模様。これ、普段はあまり意識していないかもしれないけれど、日本食に結構あるんですよねぇ。そば飯、モダン焼き、力うどん、ラーメン定食…。日本人からするとあまり違和感がないものばかりだけど、結構異様なものなのかも。また、女性の声が圧倒的なことを踏まえると、ダブル炭水化物はダイエットの敵という見方もあるってことか。
その他、少数だったが「嫌いなパン」についてはこんな意見も。
――ドイツ/20代/女性
「食パンが嫌い。味がないし、フワフワしすぎな気がする」
――韓国/30代/男性
「蒸しパンは食感が苦手…」
――フランス/30代/男性
「レーズンパンは味も見た目も嫌い」
――アメリカ/30代/女性
「ジャムパンやチョココロネはちょっと…。カロリーが高いのに、お腹にたまらないから満足できないし」
なかなかみんな手厳しい…。けれど、うれしいことにこんな意見を持つ人もいた。
――香港/40代/男性
「日本のパンは、全部おいしいと思うよ!」
そんなこんなで明らかになった、日本の「好きなパン・嫌いなパン」。パンひとつとってみても文化や考え方の違いが明確になって、おもしろいものだ。さて、今日のお昼はどんなパンにしようかな~。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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