都心からのアクセスも良く(池袋から約80分)、自然や文化、歴史など魅力がいっぱいの秩父で、4~5月の春の時期に必見なのが「羊山公園」の芝桜だ。
大きくそびえたつ武甲山(ぶこうさん)をバックに丘一面に広がる色鮮やかな芝桜はまさに圧巻の景色。そんな羊山公園の芝桜のおすすめポイントを、徹底取材してきた。
※本記事は2018年取材記事を2023年2月に一部更新したものです。
※状況により、イベント開催日時や内容等が変更される場合があります。
芝桜が見られるのはここ!羊山公園の芝桜の丘
「芝桜」とは、ハナシノブ科の多年草で、高さは10cmほどと低く、まるで芝のように根を広げ、桜に似たかわいらしい花をつける。ひとつひとつは小さい花だが、満開になって集まって咲いていると、まるで絨毯のように一面に広がり、その美しさは本当に見応えがある。開花の時期は4~5月で、およそ1か月、楽しむことができる花だ。
秩父を一望できる小高い丘の上にある羊山公園には、この芝桜が一面に広がった「芝桜の丘」と呼ばれる名所がある。
例年、見頃の時期には「芝桜まつり」が開催され、見事な美しさの芝桜とともに、イベントや屋台なども楽しむことができるとあって、多くの観光客でにぎわう。
徹底ルポ1!こんなに広い!それぞれのエリアから見られる芝桜徹底紹介!
芝桜の丘の面積は、約17,600㎡と広く、関東でも有数の規模だが、ゆっくり散策して30分程度で1周をまわることができる広さだ。
この広大な芝桜の花畑は、「北西側斜面エリア」「南西斜面エリア」「東側斜面エリア」と大きく3つに分かれている。
例年、最も日当たりが良く満開が早いのが「北西側斜面エリア」。次に「東側斜面エリア」、そして「南西側斜面エリア」と少しずつ花の様子が変化してくる。
また、入口も3か所。「中央口」は、この羊山公園の芝桜の景色には欠かせない武甲山を背景に入れたショットが取れるまさにメインのスポットだ。
「菖蒲田口(しょうぶだぐち)」からは、花の絨毯を下から見上げる形で、かつ左右に植えられた芝桜に囲まれながらゆっくりと歩いて楽しむことができる。
「宇根口(うねぐち)」からは、多くのピンク色の中に良いアクセントを添えてくれる青紫色と白い色の芝桜を眺められるポイントだ。
徹底ルポ2!おすすめ撮影スポット&撮影の仕方のコツ
芝桜は、成長してもその高さが約10cmと非常に背の低い花だ。地面いっぱいに広がる様子をきれいに撮影するには、できるだけ低い位置から撮るのがポイント。下から煽るようにレンズを向けてみると、芝桜ならではの雄大に広がる美しさをカメラに収めることができる。
スマートフォンで撮影する場合は、あえてスマホの上下を逆にして、カメラのレンズ位置が下に来るようにすると、よりきれいに撮れる。人物と花を一緒に映したい場合にも、やはり普段よりも低い位置から撮ったほうが◎だ。
芝桜の丘全体を高台から見下しつつ、芝桜以外の花も入れた写真が撮りたい場合は、中央口の高台で。
武甲山と芝桜全体を入れたい場合は、中央の高台か少し下がった中間地点で。
下から見上げる写真は、中央口からの下り坂と、菖蒲田口からの道が交わった一番低い位置から。
南西側斜面と北西側斜面の両方を見渡す景色は、東側斜面エリアの高台のベンチがおすすめ。
徹底ルポ3!園内にある10種類の芝桜。
芝桜の丘には、ピンク系、白系、紫系の色味の全10種類の芝桜が植えられている。それぞれの種類の微妙な色の違いで模様を形作っているので、この10種類はいろいろなところに散りばめて植えられている。花を近くで見ると、それぞれの花の違いが良くわかる。本当に小さくてかわいらしい。これだけ小さな花が、この広大な花の絨毯を作っているのだから、その数には圧倒される。
徹底ルポ4!芝桜の模様はハート柄?
この羊山公園の芝桜が作り出す模様は、実はここ、秩父ならではのものだ。
秩父には、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている有名な秩父夜祭(ちちぶよまつり)というお祭りがある。その祭りの山車(だし)を先導しながら掛け声をかけて盛り上げていくのが、囃し手(はやして)と呼ばれる人たちだ。彼ら着ている襦袢(じゅばん)の模様と、盛り上げている躍動感をデザイン化したのが、この芝桜の模様なのだという。
大きな曲線やハートの形はその象徴で、花の種類を分けて植えることできれいな模様描いているというわけだ。小さな花びら一つひとつがハート型のようだといわれる芝桜だが、その芝桜の丘の東側斜面には、ハート型の模様を型取って植えられている箇所がある。このハートの芝桜、満開の時期には写真右奥にあるような景色になる。
徹底ルポ5!特産市会場に潜入!(※2018年の様子)
例年、芝桜の丘の隣では芝桜まつり期間中限定で、「秩父路の特産市」を開催している(※2023年は園内の飲食は禁止、弁当などを持ち込んでの飲食も不可)。ここでは、秩父の名産品や農作物を購入できたり、秩父のさまざまなグルメを味わうことができる。
おすすめは、秩父名物のみそポテト、地元で採れた山菜の天ぷら、そして草鞋のように大きいことから名づけられたわらじカツ。複数の店舗で食べ比べをしてみるのも面白い。通常は店舗や会社への卸のみで店舗はなく、この期間しか出店していないという製麺所や、100年続く秩父名物のいなり寿司の名店、秩父のガラス工芸店など、地元の魅力が満載だ(2023年2月現在、出店の有無は未定)。芝桜を眺めながら、ぜひ地元のグルメも味わってみよう。
最後に…羊山公園全体の説明
羊山公園は、芝桜の季節以外でも、春には桜、初夏は菖蒲などの植物を楽しむこともできる。また、公園内にある見晴しの丘は、秩父市街や秩父を囲む山々を一望できるビュースポットだ。お子様向けにはアスレチック広場や、その名の通り園内では羊を飼育しているので、ふれあい牧場では羊も間近に見ることができる。さらに、芝桜の丘と反対の北側には、武甲山資料館や美術館もあるなど、老若男女問わず楽しめる。
芝桜の丘 芝桜期間の入園料など
入園料徴収期間)2023年4月14日(金)~5月7日(日)
※開花状況により変動する場合があります。
入園料)一般300円・一般団体(20名以上)250円
※中学生以下は無料。税込
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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