茨城県石岡市は、のどかな里山風景が残り、「にほんの里100選」にも選出されている自然豊かな地域です。石岡市の名所のひとつであるいばらきフラワーパークは、1985年に開園。県外からの観光客も多く訪れるテーマパークとして愛されてきました。

2021年4月、「感じるフラワーパーク」をコンセプトに、満を持してリニューアルオープン。茨城県の県花であるバラを中心に、四季の花々を鑑賞しながら、見て、香って、聞いて、食べて、触れられる、五感を刺激するフラワーパークに生まれ変わりました。

園内に足を踏み入れると、まずは視覚で刺激されます。いばらきフラワーパーク内は、厳選された900品種の多彩なバラが鑑賞可能（時期によって異なります）。色とりどりの花が広がる風景は、まさにバラの楽園！

いばらきフラワーパークのオリジナルバラ「ユイット・カンパーニュ」も、園内のいたるところで見ることができます。「ユイット」には、日本語の“結い”＝地域の結びつきをここから生み出すという意味も。目が醒めるような鮮やかなビビッドピンクに惚れ惚れ。バラの見頃は、初夏と秋。5月中旬～6月は春バラ、10月～11月中旬は秋バラが園内で見られます。

五感の中で、最もフラワーパークに親和性の高い「香り」。嗅覚を刺激する花のコーナーやアクティビティが用意されています。

「香りのバラ」コーナーでは、100品種5種の香りを体感できます。バラに近づいて、実際に香ってみてください。ほのかな香りの違いを感じながら、お気に入りを探してみましょう。

インフォメーション内は、季節の花々の豊かな香りがふんわり広がります。その理由は、アクティビティ用のアロマを常時蒸留しているため。ここではバラに関する図鑑など、草花に関する資料が勢ぞろい。石岡市近郊の観光情報も入手できます。

いばらきフラワーパークの特徴は、なんと花壇に立ち入れるところ。通常のフラワーパークなら、手入れされた花壇への立ち入りはもちろん、花に触ることも禁止されていますが、いばらきフラワーパークは全てOK。顔を近づけて香りを確かめたり、草花にやさしく触れたり、花をもっと身近に感じられそうです。

園内では、見頃を迎えた花でブーケを作る「花摘み体験」アクティビティを不定期で開催（当日受付可、料金別途）。花畑に入って、剪定バサミで好きな花を刈り取っていきます。「本当に刈り取っていいのかな？」と恐る恐るスタートしながらも、摘んでいくうちに、“世界でひとつだけのブーケ”作りに熱中してしまうはず。

摘んだ花や植物は、フローリストさんのアドバイスを受けながらアレンジメントして持ち帰りできます。部屋でしばらく鑑賞した後、ドライフラワーにして飾ってもいいですね。

お腹がすいたら「レストラン ローズファーム ハウス」へ。ガラス張りの開放的なレストランで、茨城県や石岡周辺の新鮮な食材をいただけます。

「ランチセット［TABA］束」（1,980円／税込）は、地元野菜のサラダをブーケに見立てて提供。センスの良いランチセットに心が躍ります。

のんびりと食事したいならテラス席がおすすめ。レストランは高台にあるので、園内を一望できます。彩りあざやかな料理と緑の風景に癒やされれば、おしゃべりも弾みそう。

いばらきフラワーパークは、つくば駅または石岡駅から車で30分の、自然が豊かなエリアに位置しています。風の音、鳥のさえずり、草を踏みしめる足音、すべて石岡の大地が生み出した音です。都会の喧騒から離れて自然の音に耳を澄ませれば、体の毒素が抜けていくはず。

園内の散策だけではなく、インフォメーションのアクティビティ体験も忘れずに。常時体験できるアクティビティのひとつが、バラの蒸留水を使ったボタニカルアロマミストづくり（参加費550円）。オレンジスイート、ゼラニウム、ラベンダーから好きな香りを2種類選び、オリジナルの香りを制作。ルームミストとして使えます。

もうひとつは、ボタニカルポストカードづくり（参加費550円）。ポストカード用に摘まれた園内の花を選んで、ピンセットで丁寧にレイアウトすれば、オリジナルデザインのポストカードがあっという間に完成。切手を貼ってそのまま投函できるので、旅先から大切な人に特別なメッセージが送れます。

いばらきフラワーパークでは、「100の体感」として1年を通じて100種類以上のアクティビティを体験できます。中でも人気が、ホーストレッキング（季節限定）。フラワーパークとキャンプ＆リゾート「花やさと山」をつなぐ約1kmの道のりを、乗馬しながら巡ります。

フラワーパークを出発し、風情ある竹林を抜けて、細い山道を進みます。木漏れ日を感じながら、森林浴でデトックス。馬の背にゆられて見る森の風景が新鮮です。乗馬時間は15分ほど。スタッフさんが同行するので、初めて乗馬する方も安心してチャレンジできます。

「花やさと山」は、いばらきフラワーパークに隣接している宿泊施設です。小高い山の頂きに位置し、周囲には遮るものがなく、静寂に包まれています。「非日常」をテーマに、感動の自然体験が味わえることを目指している施設です。

周遊車（大人200円、小人 100円）が定期的に運行しているので、いばらきフラワーパークから歩いて行く必要はありません。

円形のサークルロッジが印象的な空間を作る、花やさと山。屋上の展望台に上れば、筑波山と周囲の山々を一望できます。

花やさと山の周囲は、最低限の舗装されている歩道のみで、手つかずの自然を散策可能。あそこに咲いている花は何？今鳴いているのはどんな鳥だろう？忙しい日常生活で見逃してしまいがちな小さな発見にたくさん出会えます。

散策途中に寄りたいのが、高さ20mの展望台「トンビの塔」。ひときわ高い展望台の眼下には、のどかな八郷地区が広がります。心地よく通りぬける風を感じれば、トンビのように空を飛んでいるみたいな気分が味わえるかも。

自然の中でアクティブに遊びたい人も満足できるよう、季節の豊富なアクティビティが用意されています。インストラクターと一緒に何mもの大きな木に挑むツリークライミング、原始的に弓を使った火起こしなど、達成感と爽快感を同時に得られる体験ばかり。家族や友達同士で参加すれば、さらに絆が深まりそう。

今後、コンパスナビゲーションによる本格森林散策など、新しいアクティビティを予定。最新情報をウェブサイトからチェックしてみましょう。

アクティビティをたっぷり楽しんだら、夕飯の時間まで客室でくつろいで。客室はロッジとグランピングの2種類で、ロッジはベッド、エアコン、冷蔵庫、洗面台完備。ゆっくり疲れを癒やしてくつろぎたい方向け。テラスにはBBQグリルとダイニングテーブルが設置されています。大人数用に、ダブルベッド常設の部屋もあり。

より自然に近いアクティブな宿泊体験を希望するなら、ぜひグランピングを。ベル型のコットン製テントが愛らしい！ベッドはエアマットレスのため、体の負担が少なく休めます。

ディナーは専用テラスでBBQ。自然に近い飼育で育った鶏や豚をはじめ、新鮮な野菜を味わえます。お米は自分で洗って、コンロに置いたら、炊き立てができあがり！アウトドア初心者でも難しくない調理で、手軽にBBQが体験できます。

日が暮れると、テラスはムード満点。暖かいライトが辺りを照らし、よりリラックスした雰囲気に。テラスは専用エリアなので、周囲の目を気にせず、開放的に屋外で食事できます。ドリンク類は自分で持ち込むスタイル。記念日のために用意したワインを開けてお祝い！なんてことも叶いますね。

日が暮れると、サークルロッジに明かりが灯ります。芝生の夜露がきらきらと光り、昼とは打って変わって幻想的な雰囲気に。

19時頃になると、宿泊者限定の焚火体験がスタート。燃える薪を見つめながら、今日一日の思い出を振り返ったり、他の宿泊客と交流したり。大きなマシュマロ（2個300円）を焼く体験も人気です。

一日の締めくくりは、星空観賞会。テラスの屋上でハンモック（レンタル1台1200円）を張り、ゆらゆら揺れながら、満点の星空を眺めましょう。森と空と一体になるような、不思議な心地よさを感じられるに違いありません。

一日中遊んで早く寝たら、少しがんばって早起きするのがおすすめ。天気が良ければ、やわらかい雲の海が広がる、神々しい日の出の瞬間を拝めます。こんな贅沢な景色をひとりじめできるのは、宿泊者だけ。早朝のひんやり澄んだ空気で深呼吸して、エネルギーチャージ！

五感で季節の草花を感じ、大地の恵みをいただき、森の静けさに身をゆだねる……。都会では決して味わえない貴重な自然体験が、いばらきフラワーパークと花やさと山で丸ごと楽しめます。秋葉原駅から電車で一本、最寄り駅からタクシーで移動のみ というアクセスの良さも魅力的。リニューアルしたばかりの注目施設を先取り体験してみませんか？