大阪のソウルフードの代表格といえば「たこ焼き」。たこ焼きは、タコと薬味を小麦粉の生地で包んで丸く焼いたもの。そんなたこ焼きを、タコだけでなく好きな具を中身に選んで自分で焼くという体験付きで70分の食べ放題を楽しめるのが「たこ焼き王国」です。生地のおいしさもさることながら、トッピングの具やソースにも心憎い気配りがあるお店です。大阪港駅から徒歩4分、大阪屈指の観光スポット、天保山の海遊館まで程近く、大観覧車も目の前というロケーションも魅力です。「たこ焼き王国」で、よりお得に、より楽しく食べられるポイントなども指南します。
駅からも大型複合施設からもアクセス抜群
「たこやき王国」は、世界最大級の水族館「海遊館」、大型商業施設「天保山マーケットプレース」、大観覧車などでおなじみ、「天保山ハーバービレッジ」からすぐというアクセス抜群の場所にあるお店です。海遊館をめざして、Osaka Metro大阪港駅から歩くこと約4分。大観覧車が目の前にあって、ワクワクした気分が高まります。
お店は2階建てで、店頭ではテイクアウト用のたこ焼きを焼いています。1階は「たこ焼き居酒屋」専用、2階は「たこ焼き食べ放題」専用と、スペースは分けられています。
お店がオープンしたのは2020年2月。国内で新型コロナウィルスが蔓延し始めた頃です。オーナーの北村昂大(たかひろ)さんは、もともと起業をめざし、大学卒業後、一般企業に就職しながら資金を貯めました。北村さんは、自分で焼ける体験型の飲食店がこれから流行するとして時代の流れを読み、毎日食べても飽きない大阪のソウルフードでもあるたこ焼きに目標を絞り、大学時代に通っていたお店で修業し、オープンに至りました。
入店から食べ放題スタートまで
入店したら、スタッフに「食べ放題」希望と伝えると、たこ焼き食べ放題専用の2階へ案内してくれます。1階奥まで進み階段で2階に上がると、すべてのテーブルの上に、カセットコンロとたこ焼き専用の鉄板、そしてソースやしょうゆなどの調味料セットが設置されています。
天井には赤い提灯が飾られ、壁には生地の中に入れる具材が書かれた短冊のメニューシートが貼られています。日本らしいお祭りのようなを雰囲気が感じられます。
ランチは3コースあり70分制。どのコースもたこ焼き食べ放題ですが、Aコースは1,700円でワンドリンクオーダー制(別料金)、Bコース(2,600円)には、飲み放題(一部のみ、全種類は+500円)が付き、Cコース(3,100円)は、それに加えからあげやポテトの食べ放題がプラスされるという内容。ディナーコースは90分制で、A(2,500円)、B(3,200円)、C(3,900円)になります。昼はAコースが人気で、夜は飲み放題付のB、Cコースの注文が多いそうです。
今回はランチで「Aコース」をオーダー。スタッフに注文をしたらドリンクを用意される間、具材を選びましょう。具材は2階フロアの中央にあるテーブルの上にあり、そのわきに、皿や箸、たこ焼きを返す竹串なども用意されています。
取材時の具材は、全部で12種類。タコ、イカ、ウインナー、チーズ、コーン、餅、ネギなどの他に、変わり種で明太子、カレー粉、日本のスナック菓子である「ベビースターラーメン」も。夏には、オクラや山芋など、夏バテ防止具材も登場するとか。
6つに仕切られた皿に好みの具材を選んで乗せます。皿はたくさんあるので、もちろん、全種類選んでも大丈夫です。
今回は、王道のタコ、イカ、そしてスタッフおすすめのウインナー&キムチ、王道のたこ焼きに不可欠なネギ、どの具材とも相性抜群なチーズの6種類を選びました。
具材を持って席に戻り、ドリンクと生地が来るのを待ちます。写真は、たこ焼き専用の鉄板で一度に20個焼けます。穴の周りに線が入っているのがポイントです。穴からはみ出した生地は、この線に沿って竹串でラインを入れると、ひっくり返しやすくなります。
焼く前に、スタッフから焼き方のポイントをレクチャーされます。ポイントは以下。
①まんべんなく油を引き、強火で加熱。
②生地を穴が隠れるくらいまで素早く流し込みます。
③四隅がはがれる程度まで焼けたら、竹串で穴の回りの線に沿って切り込みを入れ、「の」の字をかくようにくるっと返します。
④さらにはみ出た生地を巻き込みながら返し、形を整えます。
日本語だけでなく、英語と中国語で書かれた焼き方マニュアルもありますので、外国人の方も安心です。
いよいよ食べ放題スタート
生地を流し込んでから70分の食べ放題がスタートします。それでは焼いてみましょう。生地の流し込みの注意点は、生地を直接穴の中に入れず、ふちに流すこと。ふちから穴の中に流れ込むような感じで入れてください。穴に直接入れてしまうと、生地が飛び散ってやけどの原因にもなるので要注意とのことです。
生地を流し込んだら早速具材をトッピングします。タコ+ネギ+かつおぶし+天かすというたこ焼きの王道、ウインナー+コーン+チーズといったお子様向け、タコ+イカ+ネギの海鮮ミックスなど、20カ所に好きなものを好きなだけ入れていきます。
机の上に備えられた、天かす、紅しょうが、かつおぶしももちろん、自由に使えます。トッピングが終わるころ、ちょうど四隅が上がってきたので、格子状に切れ目を入れひっくり返してみると、おもしろいほどきれいに返せます。鉄板に合う特別な油を使っているのが、その秘訣だそう。
はみ出た生地を巻き込みながらひっくり返して形を整えます。生地を流し込んでから約10~15分で、きれいに焼き上がります。
しっかり出汁の味がして、外はカリッ、中はふわっの食感。生地は、独自の配合でブレンドした粉、水、卵に、秘密の液体出汁入りのため、何もかけずそのままでも十分おいしくいただけます。また中がふわとろになるように仕上げる秘密は、生地の配合だけでなく、焼くときに使う特別な油。いろいろな油を使ってやっとたどり着いたお店独自の魔法の油が、この食感を出しているそうです。
こんなおすすめもあります
スタッフおすすめの具材の組み合わせは、①ソーセージ+キムチ+チーズ+カレー粉、②イカ+コーン+餅の2パターン。これらは何もかけずに食べるのがおすすめだそう。
ソーセージ+キムチ+チーズ+カレー粉の組み合わせがおすすめの理由は、カレー粉が日本人だけでなく外国人にも人気の食材で、ソーセージの肉汁とキムチの辛味とのハーモニーがおいしいと好評だから。またイカ+コーン+餅の組み合わせは、コーンのシャキシャキ感と日本の文化である餅のねっとり感がおもしろいようです。
お客さんから人気なのは、ラーメン状の日本のスナック菓子「ベビースターラーメン」を使うこと。そば入りお好み焼きであるモダン焼風になるのが好評だそうです。
たこ焼きの上にかける調味料でおすすめなのは、岩塩+マヨネーズの組み合わせ。マヨネーズとまろやかな岩塩がよくなじみます。先にマヨネーズを付けてそのあとに岩塩を振ると、うまく付くそうです。
辛いのが好きな方におすすめは、一味唐辛子(乾燥させた唐辛子を粉末状にしたもの)です。右から、「日本一辛い黄金一味」、「舞妓はんひぃーひぃー」、「キャロライナリーパー」と、左に行くほどどんどん辛くなります。
「グループで来店されたとき、ロシアンルーレットをするなら、試してみてください」と北村さん。こちらを試したい場合はスタッフに声をかけてください。
よりお得に食べたいときは
一口に食べ放題といっても、店によっては、一回に焼く分の具材が決められている場合もありますが、たこやき王国は、具材の制限はなし。紅ショウガや天かす、かつおぶしも好きなだけ使えます。それだけでもお得感がありますし、1個にタコをたくさん入れたら、それだけでコスパは上がります。
たくさん食べたい場合は、焼けたらすぐ皿にとって、次を焼いていくと制限時間内に次々焼き上がり、量産することができます。
サイドメニューもおいしい
サイドメニューで人気は「自家製から揚げ」と「王国揚げたこ焼き」です。Cコースを頼むと、こららのサイドメニューも食べ放題になります。
から揚げは醤油をベースにした和風味でたこ焼き同様、外はかりっと、中はふわっとした食感です。1ピースが大きく食べ応えがあるのが特徴。大1,620円(13個)・中980円(8個)・小720円(5個)と3サイズあります。また+250円で、「ネギポンから揚げ」「ヤンニョムチキン」「塩タレから揚げ」と、アレンジから揚げにすることができます。
揚げたこ焼きは、プレーンのたこ焼きをからっと揚げたもの。外がさらにカリッとして、中のふんわり感はそのままです。1個50円という安さも受けて、たこ焼き居酒屋でも人気のメニューです。
食でみんなを笑顔にしたい
当初は、たこ焼き食べ放題1本で商売をするつもりでしたが、新型コロナウィルス蔓延の影響を受けて、店から徒歩圏内にある観光地に人が来ないという事態になりました。そこで急遽始めた「たこ焼き居酒屋」が近隣のお客さんから支持されたそうです。今ではたこ焼きを肴に飲みに来る方も多いとか。将来は、この店を拠点に2号店、3号店と多店舗展開したいと話します。「一番のテーマは、食のエンターテインメントと食で人を笑顔にすることです」と北村さん。
たこ焼きは、味もさることながら自分で焼くのも楽しめる大阪のソウルフード。「たこ焼き王国」で、たくさん焼いてたくさん食べて、好みの具材の組合せを見つけてくださいね。これぞ食べ放題の醍醐味です。
◎外国人対応
たこ焼きの焼き方マニュアルが、日本語だけでなく英語と中国語のものがあること。また英語が話せるスタッフがいるほか、翻訳機での対応とジェスチャーでのサポートをするそうです。
-
たこ焼き王国
- 住所 〒552-0021 大阪府大阪市港区築港3-9-8
電話番号:06-6567-9194
営業時間:ランチ12:00~16:00(L.O.15:30)、ディナー17:30~22:00(L.O.21:30)
定休日:月曜(祝日は営業し翌日休み)
※本記事の情報は2022年3月取材時のものを一部更新しています。メニュー内容などは変更になっている場合があります。最新の情報は公式サイトや店舗にてご確認ください。
松田きこ、木村桂子、都志リサほか、関西に精通した女性ライターチーム。食べること、飲むこと、旅することが大好き! 自ら体験した楽しい情報を発信しています
- エリア
- カテゴリ
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。