昼間、奈良公園で鹿たちと出会い、公園周辺の世界遺産(興福寺、春日大社、東大寺)を巡り、夕方には新幹線や近鉄線に乗って大阪や京都へと移動する。これが「奈良といえば、奈良公園の鹿と東大寺の大仏さま!」と考える旅行者の一般的なルートです。
静寂の古都を独占する「夜の奈良公園」
夕方 観光客がJR奈良駅や近鉄奈良駅に向かい、奈良のまちに闇が降り始めると、奈良公園はその姿を劇的に変えます。観光客がいなくなり、昼間の喧騒が去り、静寂に包まれた奈良公園は、日中の賑わいとは打って変わった表情を見せます。

時刻は20時過ぎ。夜の奈良公園に足を踏み入れると、耳に届くのは自分の足音と、古都の闇に溶け込む鹿の微かな息遣いだけでした。その非日常の極みともいえる静けさの中で、国宝である東大寺の南大門へ。巨大な門が闇の中に佇む姿を見た瞬間、鳥肌が立ちました。あまりにも静かで荘厳な空間は、建立当時にタイムスリップしたような感覚に襲われます。

国宝の南大門金剛力士(仁王)像と一人で向き合う静かな時間は、当時の歴史や人々が囁いてくるようで、実に贅沢なものでした。

「この広大な世界遺産の空間を、今、自分は独占している。」
少し大げさですが、そう感じたときのあの特別な感覚は宿泊した人にしか味わえません。
毎年7月中旬〜9月下旬は「ライトアッププロムナード・なら」というイベントがあり、東大寺の南大門も厳かにライトアップされます。

奈良市街を一望する「東大寺二月堂」

奈良の夜景スポットとして徒歩で訪れることができるのが、東大寺の境内にある二月堂(にがつどう)です。修二会(お水取り)の舞台としても有名な二月堂は、小高い丘の上に建っており、そこからの眺めが良いと評判です。昼間はもちろんのこと、夜に訪れると盆地に広がる奈良市街の灯りが広がり静かに輝く夜景を一望できます。神聖な静けさの中で夜景を独り占めする時間は、心が洗われるような特別な体験でした。


24時間参拝可能ですが、夜間は本堂周囲で騒いだりしないようご注意下さい。また、参拝されている方にカメラを向けたり、巡礼の邪魔をしないようにしてください。堂内での撮影・スケッチ・懐中電灯の使用、三脚の使用は禁止されています。
奈良を一望する絶景・新日本三大夜景「若草山山頂展望台」

もう一つ、奈良の夜を語る上で欠かせないのが「若草山山頂展望台」です。ここは「新日本三大夜景」にも選ばれている最高のビュースポット。眼下には奈良公園や東大寺、興福寺のシルエットが、その奥に奈良市街の光が、さらに遠方には生駒山地が見られます。二月堂が近景の夜景だとすれば、若草山は雄大な遠景の夜景です。
ただし、若草山山頂展望台は奈良公園からは徒歩でアクセスできません。山頂へはドライブウェイ(有料)を利用する必要があります。時間を気にしないで済むレンタカーで訪れるのが望ましいと思いますが、タクシーで来ている人も見かけました。おすすめは日没直後の薄明かりの時間帯、マジックアワー(マジックタイム)です。展望台は西向きですので、夕日が沈む様子がばっちり見られます。撮影をしている人もたくさん見かけました。ちなみに、夜の若草山は鹿の寝床になっているので、夜景と鹿とのコラボショットの撮影もできるかも。

JR奈良駅・近鉄奈良駅周辺に宿泊の方は、新若草山コースが便利です。
以前は鬼が住んでいた?「ならまち」

JR奈良駅・近鉄奈良駅周辺に歴史的な古い町並みが広がっていることをご存じでしょうか。「ならまち」と呼ばれているこのエリアには世界遺産・国宝である1300年の歴史がある元興寺があり、その境内地として発展を遂げました。その歴史は古く、鬼の伝承も残っています。

細い路地や、格子戸が特徴的な奈良町家の連なる家並みは、昼間に訪れても風情がありますが、夜になるとその印象は一変します。格子戸から温かい光が漏れる夜のならまちは静寂に包まれ、昼間とは異なる風情があります。一方まるで遠い過去に迷い込んだかのような気分になり、「確かに鬼が住んでいたのかも…」と思うような異世界感も漂います。

ならまちは現在も人々の生活の場です。この美しい町並みを維持している住民へのリスペクトをもって、静かに夜の散歩をお楽しみください。おすすめです。

日本における「Bar文化」の最前線

夜のならまち周辺を歩いていると、ひっそりと佇む、趣のある看板を見つけることがあります。それが、奈良の夜を豊かに彩るBAR(バー)です。奈良には世界的にも評価されるバーが多く、日本のバー文化の最前線を走る存在として知られています。清酒発祥の地である奈良には、元々酒に対する歴史的な土壌があり、それが現代のカクテルやウイスキーを静かに楽しむ「Bar文化」へと繋がっているといわれています。歴史ある奈良町家を改装したBarもあり、旅の余韻に浸ることができます。これは、宿泊者だけに許される、大人の贅沢な夜の過ごし方です。

結び
奈良公園や興福寺、春日大社、東大寺以外にも、国宝や重要文化財が多数展示されている「奈良国立博物館」や、東大寺の寺宝を展示する「東大寺ミュージアム」など、文化・芸術に触れることができる魅力的なおすすめスポットが多数存在します。これらもまた奈良公園から徒歩でアクセスできます。これらを全て巡ろうとすると、日帰りのプランニングは現実的ではありません。

治安が良い日本だからこそ、夜に一人でも安心して、このような特別な体験ができるのだと思います。さぁ、みなさんも古都奈良に宿泊し、この特別な夜の散歩を経験してみませんか。そして、この旅でしか味わえない「特別感」「独占感」「異世界感」を感じてみてください。
奈良の夜をさらに深く楽しむ
夜21時以降も営業している、ならまち周辺の魅力的な飲食店情報は、別の記事にて詳しくご紹介しています。ぜひ、そちらも合わせてご覧ください。
よくある質問
- A:奈良公園に生息するシカは国の天然記念物に指定されている野生動物です。人に慣れていますが、決して飼育されている動物ではありません。意図的に傷つけたりすることは法律に抵触する可能性があります。以下のマナーを守るようお願いします。
●餌(鹿せんべい)の与え方:焦らさず、手早く与えましょう。鹿せんべい以外の食べ物を与えないでください。
●鹿をからかわない:鹿を叩いたり、追いかけたり、餌を見せびらかしたりすると、興奮させてしまうことがあります。
●食べ物・ゴミの管理:鹿はビニールや紙なども食べてしまうことがあるため、ゴミやビニール袋は絶対に放置せず、鹿の届かない場所に保管するか持ち帰りましょう。
●鹿との距離:鹿は野生動物です。特に発情期や子育て中の鹿には不用意に近づかないようにしましょう。
- A:鹿は、日の出とともに行動を開始し、朝~夕方までは芝など食料のある採食場で過ごしますが、夕方頃になると泊まり場へと移動していきます。林などが泊まり場となっていることがありますので、公園周囲の林を見渡せば鹿に出会えるかもしれません。
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