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京都| 美しい日本の原風景!美山かやぶきの里・美山町の旅ガイド

京都| 美しい日本の原風景!美山かやぶきの里・美山町の旅ガイド

公開日: 2023/12/22

日本には、寺社仏閣、温泉など、独自の文化や風情が感じられる場所がたくさんあり、中でも京都は世界的に有名で、昨今多くの観光客が訪れる人気観光地です。ただし、その魅力は京都市内近郊の歴史的建造物や自然だけではありません。

今回、「日本人の原風景、農村の暮らしが体験できる場所」としておすすめしたいのが、京都府・南丹市の美山町。日本人はもちろん、海外の方には特に足を運んでもらいたい魅力がたくさんあるエリアなのです。そんな京都府の美山町の特徴やアクセスなどの基本情報とおすすめのポイントについて、現役添乗員の島田みゆが解説します。

目次
  1. 美山(美山町)とはどんな場所?
  2. 美山で行くべき観光スポット3選
  3. ハズさない美味しさ!美山で味わうべきグルメ5選
  4. 美山観光におすすめのシーズン、イベントは?
  5. 美山の代名詞、絶対訪れたい「美山かやぶきの里」
  6. 美山をおすすめしたい理由3つ
  7. 後世に渡って残していきたい、日本の自然や景色、文化遺産が息づく「美山町」

美山(美山町)とはどんな場所?

・美山町の特徴

・美山町の特徴

美山町(みやまちょう)は、京都府の中央部に位置する南丹市にあります。京都市内からは車で約1時間30分、公共交通機関(電車+バス)利用で約2時間、日本の農山村の原風景と豊かな自然が息づく町として知られています。

伝統的な茅葺き屋根の家々が並び、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定され、持続可能な観光賞を受賞するなど、日本の中でも歴史や自然を大切に守っているエリア。「関西地方でかやぶき屋根といえば、美山町」と言われるほど認知度の高い場所です。

提供:美山DMO
提供:美山DMO

2021年には、国連世界観光機関(UNWTO)から「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」の認証を受け、世界からも注目されています。

※「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」とは…持続可能な開発目標(SDGs)に沿って、観光を通じた自然文化遺産の促進、保全、開発に取り組んでいる地域を認定するプロジェクト。

・美山町の気候は?

・美山町の気候は?

一年を通して多雨多湿の気候、比較的雨の多い地域です。面積の96%が森林に覆われ、周囲は山々に囲まれて、豊かな自然が残るところ。そのため、都市部よりも気温は平均2~3℃低く、冬にはしっかりと雪が降り積もります。

・美山町へのアクセス

▶車:京都市内から約1時間30分
▶電車:JR山陰本線「京都駅」~「園部駅」~「日吉駅」+南丹市営バス利用/約2時間
▶直行バス:京都駅から直通バス「京都美山線」 ※予約優先、季節限定の運行

美山で行くべき観光スポット3選

①日本の里山の原風景「美山かやぶきの里」

①日本の里山の原風景「美山かやぶきの里」

美山町で外せない観光スポット、見逃せない景色と言えば、茅葺き屋根の家々。町内でも数多くの茅葺き民家が残る「北」集落が、1993年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定され、「美山かやぶきの里」と呼ばれています。

  • 美山かやぶきの里
    • 住所 〒601-0712 京都府南丹市美山町北

②桜と紅葉が美しい「大野ダム公園」

提供:美山DMO
提供:美山DMO

大野ダムは、由良川の上流部に建設されたダムで、周辺には散策路や公園が整備されています。1000本を超える桜と500本を超えるもみじがあり、美しい景色が楽しめる桜&紅葉スポット。春には桜まつり、秋には紅葉祭りが開催されます。

  • 大野ダム
    • 住所 〒601-0777 京都府南丹市美山町樫原中野山41−2

③特産品が満載!道の駅 美山ふれあい広場「ふらっと美山」

③特産品が満載!道の駅 美山ふれあい広場「ふらっと美山」

美山産の食材やグルメ、さまざまなお土産品が揃うのが、道の駅 美山ふれあい広場にある「ふらっと美山」。

紹介した商品や食材はもちろん、美山で獲れた新鮮な野菜をはじめその他の美山の名産品などを数多く取り揃えています。観光客だけでなく、地元の人も多く訪れています。

  • ふらっと美山
    • 住所 〒601-0722 京都府南丹市美山町安掛下23-2
    • 電話 0771-75-0190
    • 営業時間:8:30~18:00(4月~9月)/8:30~17:00(10月~3月)
      定休日:1月~2月‥水曜日(1月最終週を除く)/3月~11月‥無休/12月‥第3水曜日/年末年始(12月30日15時まで営業)

また、道の駅 美山ふれあい広場にある「美山のめぐみ牛乳工房」では、ソフトクリームやジェラートが味わえます。

ソフトクリームには目がない私、食べずにはいられず定番のソフトクリームを実食。ミルクの甘さがしっかり感じられる超濃厚ソフトクリームで、自分史上No.1の味でした。

他にもいろいろな味のジェラートがあります。ジェラート&ソフトクリームのミックスもできるので、1つの味では物足りない!という方はぜひ。

  • 美山のめぐみ牛乳工房
    • 住所 〒601-0722 京都府南丹市美山町安掛下23
    • 電話 0771-75-0815
    • 営業時間:10:00~16:00
      定休日:第3月曜日/12月~3月は毎週月曜日/年末・年始(12月25日~1月4日まで閉店)

ハズさない美味しさ!美山で味わうべきグルメ5選

豊かな自然に恵まれている美山は、川や山の幸、旬のものなど特産品やご当地グルメがたくさん。絶対に味わっておきたいのは次のグルメです。

・鮎

提供:美山DMO
提供:美山DMO

美山の代名詞と言ってもいいほどの名産品が鮎。町を流れる由良川の清流で獲れる鮎は、全国利き鮎大会で賞を受賞するほど質の良いものです。6月初旬~9月頃までと期間は限られていますが、鮎を味わうためにぜひタイミングをあわせて行ってほしいところです。

・お米&日本酒

・お米&日本酒

きれいな水があるところには、やはりおいしいお米があります。今回も実際に現地でお米を購入して炊いて食べたら、忘れられないほどの絶品でした。

その米を原料にして作られた日本酒も、また数多く揃っています。

・鹿、イノシシなどのジビエ

・鹿、イノシシなどのジビエ

山や森が多い美山では、地元の猟師さんが獲ってしっかりとさばいてくれたジビエ肉の数々も絶品。鹿やイノシシなどの新鮮なお肉は臭みがなく、他では味わえないおいしさです。

時期やタイミングによって捕獲量が異なるため、レストランでの提供がない、販売していないこともあるので、出会えたらぜひ食べてほしいグルメです。

・美山牛乳&乳製品

・美山牛乳&乳製品

おいしい空気と水、自然に恵まれた美山町内で酪農家が育てた乳牛から採れた生乳だけを使った美山牛乳。低温殺菌なので風味と甘みが抜群、濃厚でおいしい味です。

牛乳そのものはもちろんのこと、その牛乳を使ったチーズやヨーグルト、ソフトクリーム、牛乳プリン、チーズケーキなども別格のおいしさです。

・地鶏&平飼いたまご

・地鶏&平飼いたまご

澄んだ空気と清流、のびのび自由に動き回れる里山ならではの環境で育てられた地鶏は、味が濃く身がしっかり。また同じ環境で育った鶏が産んだ平飼いたまごも、味が濃厚でコクがあります。

そんな地鶏やたまごを使った親子丼や卵かけごはんなども、食べておきたいおすすめグルメです。紹介した美山グルメの多くは、「ふらっと美山」で買うことができます。

美山観光におすすめのシーズン、イベントは?

自然に囲まれた美山は、春、夏、秋、冬と四季折々に移り変わる素晴らしい景色、お祭りやイベント、また季節ごとに楽しめるアクティビティがあるので、年間を通しておすすめです。

強いて言うなら、放水銃の一斉放水が行われる5月と12月、川遊びができて火祭りがある夏、美山かやぶきの里を飾る冬の雪灯廊は、美山らしい光景。これらを目当てに訪れるのが良いのではないでしょうか。

提供:美山DMO
提供:美山DMO

春:山を彩る緑と桜が美しい時季。ハイキングやお花見が楽しめます。1000本以上の桜が植えられている大野ダムでさくら祭りが開催されます。

提供:美山DMO
提供:美山DMO

夏:町内に流れる由良川でのリバーアクティビティが人気。川下りや川シュノーケル、沢登りなど、暑さを吹き飛ばす涼しく爽快なアクティビティが満載です。ブルーベリー摘み体験や鮎つかみなどのイベント、農作物の豊作と感謝を願う伝統的な火祭り「上げ松」も開催されます。

提供:美山DMO
提供:美山DMO

秋:川沿いや山並みを紅葉が彩り、カラフルで美しい景色が見られます。大野ダムには紅葉で色づく木々も多く、例年「もみじまつり」が開催されます。

提供:美山DMO
提供:美山DMO

冬:厳しい寒さと降り積もる雪が織りなす絶景が見られる時季。なかでも冬に開催される「美山かやぶきの里 雪灯廊」は圧巻で、白い雪が積もった茅葺き屋根の家とライトアップされた様子は幻想的。花火も上がります。

美山の代名詞、絶対訪れたい「美山かやぶきの里」

美山の代名詞、絶対訪れたい「美山かやぶきの里」

「美山かやぶきの里」は、1993年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されたエリア。集落には39棟のかやぶき屋根の民家があり今なお現役で、観光地でありながら、昔ながらの景観と農村の暮らしを残しつつ生活をしています。実際の村の生活の様子を間近に感じられる、日本国内においても貴重なスポットです。

里内は1時間もあれば十分歩いて回れるほどの広さ。とは言え、カフェやレストランでゆっくりしながら、神社や資料館をめぐりながら散歩するなどたっぷり楽しめるので、少なくとも半日は欲しいところです。

美山かやぶきの里へのアクセス
  • 電車+バス:JR山陰本線「京都駅」~「日吉駅」+南丹市営バス「かやぶきの里」バス停下車。
  • 直行バス:京都駅から直通バス「京都美山線」 ※予約優先、季節限定の運行

・何が見られる?どんな体験ができる?

かやぶきの里の見どころをいくつか紹介します。

①美山民俗資料館

かやぶきの里内にあり、かやぶき屋根の構造、約200年前の昔ながらの暮らしぶりがわかる資料館です。

今では貴重な生活用品や家具、衣類などが展示されています。

まるでタイムスリップしてしまったかのようです。

屋根裏に上ると茅葺き屋根の構造がむき出しに。日本の「茅葺」の技術は、2020年にユネスコ無形文化遺産にも登録されています。これが人の手で作られているとは…、圧倒的な技に脱帽です。

  • 美山民俗資料館
    • 住所 〒601-0712 京都府南丹市美山町北中牧4
    • 電話 077-177-0587
    • 営業時間:12月~3月…10:00~16:00/4月~11月…9:00~17:00 ※現在は時短営業…10:00~16:00
      定休日:月曜/年末年始
      入館料:大人300円/小・中学生 無料

②赤い丸ポスト&お地蔵さん

最近の日本ではあまり見なくなった形のレトロな赤いポストとかわいらしいお地蔵さんは、おすすめのフォトスポット。

きっとこの集落を長きにわたって見守ってくれているのでしょう。

③放水銃

茅葺き家屋のある美山ならではのもののひとつが、各家に設置されている放水銃。茅葺き屋根はどうしても火に弱く、火災への対策は最重要事項。

提供:美山DMO
提供:美山DMO

点検のために年に2回行われる一斉放水は一大イベントで、全国から多くの人が見物に訪れます。(※当日の駐車場は、全車両事前予約制)

④由良川(美山川)

美山を流れる由良川、通称・美山川。透明度が高くとても美しい水が流れています。5月になると、ここで名産の鮎の釣りが解禁されます。

⑤北稲荷神社のトチ

北稲荷神社の中にある美山町の名木であるトチノキ。樹齢400年とも言われ、南丹市から天然記念物の指定を受けています。

  • 北稲荷神社
    • 住所 〒601-0712 京都府南丹市美山町北下牧23

⑥知井八幡神社

遠くからでも目に入るこの白い鳥居が印象的な、知井八幡神社(ちいはちまんじんじゃ)。

起源は非常に古く、さまざまな伝説が残されているという神社です。本殿は京都府指定文化財にも指定されています。

本堂に施された見事な彫刻は見ものです。旅の安全祈願のご利益があるとのことなので、美山を訪問した際には訪れておきたい場所です。

  • 知井八幡神社
    • 住所 〒601-0712 京都府南丹市美山町北 宮ノ本31−1

⑥お土産処かやの里

美山かやぶきの里のお土産を買うなら「お土産処かやの里」です。

お米、ジャム、お菓子、工芸品など美山の名産品がずらりと並びます。

かやぶきの里オリジナルのお菓子や絵葉書などもあります。また、地域で栽培されたモチ米やキビを使ったお団子や餅なども、お店イチオシです。

めずらしいものでは、お店の目の前、かやぶきの里内のそば畑で獲れたそばやそば茶もあります。
その他、かやぶきの里内にあるおすすめのカフェやグルメの詳細はこちらの記事をご覧ください。

  • お土産処かやの里
    • 住所 〒601-0712 京都府南丹市美山町北揚石21-1
    • 電話 0771-77-0660
    • 営業時間:9:00~17:00
      定休日:なし/年末年始

美山をおすすめしたい理由3つ

世界や日本各地の観光地をめぐっている私が美山をおすすめしたい理由は次の3つ。東京出身の私としては自然や穏やかな空気感に癒され、折に触れてエネルギーを充電しに行きたいと思える場所です。

①象徴的な日本の原風景が楽しめる

日本でも今では貴重なかやぶき屋根の家。現代の日本人にとっても古き良き日本を感じられ、心が落ち着く景色です。

②地元ならではのグルメやお土産品が充実

旅の大きな目的といえば、食。美山には土地ならではの地産のおいしいものがたくさんあり、それがまた野菜、肉類、魚、牛乳、そば、お米、お酒にいたるまでバランスよく種類も豊富。それらすべて、外国人が求める和のテイスト、かつ日本人の生活に密着した家庭的な料理です。水や空気も含めて、ガイドブックに載っている都心の有名レストランでは味わえない食が楽しめます。

③誰でも観光しやすい

美山は地域ぐるみで特に観光に力をいれており、美山町観光情報サイトのコンテンツや観光マップも充実しており、多言語対応も進んでいます。老若男女、子連れのファミリー、国籍問わず、観光のしやすさといったところもおすすめしたい理由です。

後世に渡って残していきたい、日本の自然や景色、文化遺産が息づく「美山町」

昔ながら日本の風情、紅葉や桜といった四季折々の自然、風土や生み出したご当地グルメなど、都心部や他のエリアにはない魅力がいっぱいの京都・美山町。

日本来たらやってみたいこと、見ておきたいものが満載の美山町なら、日本の新たな魅力を感じて満足できる日本の旅になるはずです。

美山に泊まるならこちらはいかが?

Written by:
島田みゆ
島田みゆ

旅ライター×海外ツアーコンダクター。社会人向け教育コンテンツの企画開発・編集担当として11年従事。プライベートでは学生時代から旅に魅了され、これまで世界約50カ国150都市以上をめぐってきた大の旅好き。世界中、日本中のグルメを味わい、自然を感じ、世界遺産や歴史的建築を見て、温泉めぐりをするのが生きがい。そんな旅好きが高じて、会社員から旅ライター×海外添乗員へと転身。現在は、年間100日以上海外を飛び回りながら、旅ライターとしても活動。旅の楽しさ、日本の魅力、世界の多様な価値観をより多くの人に広めるべく、インバウンドの添乗や旅ライターの取材等で、日本各地を訪れて情報発信をしている。

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