京都の繁華街・河原町にある「鴨出汁中華そば ROKU」は、『ミシュランガイド京都・大阪+和歌山 2022』で一つ星に輝いた、中華ガストロミー「VELROSIER(ベルロオジエ)」の岩崎祐司シェフが手がけるお店。同ガイドでコストパフォーマンスの高い店として、ビブグルマンの評価を受けています。中国料理の技法を使った、上品な深みがある鴨出汁スープは、飲み干したくなるほど絶品。京都に来たなら、ぜひ味わっていただきたい一杯です。
※記事の情報は2022年5月掲載時点のものです。最新の情報は公式サイトをご確認ください。
和モダンな中華そば
「鴨出汁中華そば ROKU」は、河原町にある百貨店「京都タカシマヤ」に直結している複合型商業施設「GOOD NATURE STATION(グッドネイチャーステーション)」の2階にあります。
入り口を入ってすぐのエスカレーターを上がると、同店を含め5店のプレミアムガストロノミーがそろうフロアに出ます。フロア全体が、照明を落としたラグジュアリーな雰囲気。岩崎シェフがオーナーを務める中華ガストロミー「VELROSIER(ベルロオジエ)」も、同じフロアにあります。
店内はカウンター席のみ。店舗デザインは本店と同じ方が担当しています。キッチンがクローズなのは、お店の雰囲気を楽しんで欲しいから。和モダンで高級な雰囲気で、ワンランク上のラーメンを食べるのにいい場所だと、お客様からも好評です。
カウンターで接客しながらラーメンを選んでもらうため、券売機は置いていません。コロナ禍の対策として、入り口に消毒液、各テーブルにアクリル板を設置。テーブルにはプレートを置き、しっかりと料理を食べてもらえる雰囲気を大切にしています。
昔からラーメン屋を開きたかったという岩崎シェフ。「中華料理もラーメンも要はスープです。そのスープを両店ともにレベルアップさせたいと考えています」と、話してくれました。本店の近くにあることで、仕込みの共有や品質の向上などのメリットもあるのだそうです。
一番人気の「鴨清湯麺(かもちんたんめん)」
外に待ちの行列がない場合は、そのまま入店できます。待ちが出ている場合は、入り口右側にある機械で、予約番号をとりましょう。席についてその場で注文するスタイルで、メニューは日本語のみですが、現在英語表示のメニュー作成を検討中。ラーメンは4種類とメニュー数が多くないため、指さしか翻訳アプリを使えば、問題なく注文できるそうです。
ラーメンは4種類。鴨本来の旨みが味わえる基本の「鴨清湯麺(かもちんたんめん)」と、鴨清湯に鶏出汁をブレンドし、マー油を加えた「鴨白湯麺(かもぱいたんめん)」。そして、鴨白湯に山椒をピリリと効かせた「山椒鴨白湯麺(さんしょうかもぱいたんめん)」、ゴマやクルミ、カシューナッツの香りが香ばしい「鴨坦々麺(かもたんたんめん)」です。スープはすべて鴨からとった出汁がメインのため、店名にも「鴨出汁」の文字が入っています。
一番人気は「鴨清湯麺」(1,000円)。京鴨のガラを使用したスープは、臭みが出ないように一度ローストしてから出汁をとっているため、旨みだけがしっかりと抽出されています。さらに味に厚みを持たせるため、地鶏のガラとローストした鹿のガラ、乾燥のポルチーニ、ドライトマト、椎茸、ドライフルーツの龍眼肉(りゅうがんにく)、香辛料などを加えています。
まずはスープを一口。あっさりとしていますが、飲み干したくなるような深い味わいです。「コンセプトはあくまで鴨ラーメンではなく、中華そばです。この鴨清湯麺は中華そばの上位互換ともいえる、質の高いものに仕上がっていると思います」と、岩崎シェフ。中華そばとは、1958年頃までよく使われていたラーメンの古い呼び方で、シンプルな昔のラーメンをイメージさせます。同店のスープは、VELROSIERでも提供していないROKUのオリジナル。オープン時から改良を重ねながら、常にアップグレードしているそうです。
上にのっているのは、京野菜のひとつで香り高い「九条ネギ(くじょうねぎ)」。パラリとかかった黒胡椒が、いいアクセントになっています。ラーメンをひきたてる器は京都の清水焼。チャーシューは、ブランドポークの「神戸ポーク」を使ったレアチャーシュー。さらに大きめの海苔と自家製メンマ、ポルチーニのデュクセル(ペースト)と、多彩なトッピングで飽きずに食べ進めていけます。
コシがある麺は、神戸の製麺所に特注しているという、スープが絡みやすい細麺。国産の小麦を使い、繊細なスープの香りを邪魔しないように、何度も試作して作り上げたのだそうです。
ボリューミーな「ROKU盛り」
通常サイズで物足りない方にオーダーして欲しいのが、「鴨清湯麺」をベースに、トッピングを増やした「ROKU盛り」(プラス500円)です。自家製メンマ、ポルチーニのデュクセルに加え、海苔とレアチャーシューを増量。そこへさらに、味玉と雲呑(わんたん)がプラスされて、とてもボリューミー。
中でも岩崎シェフの自信作は、雲呑(わんたん)。鴨モモ肉を油でじっくり煮てコンフィにしたものを包んでいて、つるんとした食感が魅力です。平たい形ではないのは、食べ応えを出すため。手間暇をかけ、料理人の仕事が生きた雲呑は、スープにもよく合います。
ラーメンを食べ終わったあとのお楽しみが、白ご飯(200円)を追加し、ラーメンの汁に浸した海苔をのせる食べ方。しっかりとスープに浸った海苔と、白ご飯のマリアージュがたまりません。ラーメンの海苔が大好きだという岩崎シェフこだわりの食べ方、ぜひ試してみてくださいね。
新メニューの「鴨坦々麺」に、タレが決め手の「チャーシュー丼」も
2022年3月からは「鴨担々麺」(1,000円)も登場。テレビ番組の企画から生まれ、通信販売で限定1,000セットを販売したところ、わずか1日で完売した人気メニューがお店でも食べられるようになりました。
こちらは「鴨清湯麺」のスープがベース。自家製の豆板醤と甜面醤を使用した濃厚な味噌だれに、しっかりと炒めて砕いたゴマ・クルミ・カシューナッツの香ばしい香りがたまらない逸品です。
トッピングの肉味噌は香りにこだわり、粗挽きの鴨ミンチを使用。中国の漬物「芽菜(ヤーツァイ)」、「搾菜(ザーサイ)」、山椒が入っていて、口にいれた瞬間に香りが鼻をくすぐります。トッピングには神戸ポークのレアチャーシュー、九条ネギ、自家製ラー油をのせて華やかに。別添えで食べるラー油も付いてくるので、途中で味を変えて楽しめますよ。
ラーメンと同じ、神戸ポークモモ肉のレアチャーシューを使用した「チャーシュー丼」(500円)も、ぜひ味わって欲しいメニュー。
滋賀産のコシヒカリにレアチャーシューを並べ、オープンから追い足ししているチャーシューの漬けダレを使って仕上げた「チャーシュー丼」。上品に味付けされた、やわらかいレアチャーシューに、味付けしたザーサイがよいアクセントとなって、ご飯が進みますよ。
同店が入る「GOOD NATURE STATION」は、施設全体が環境に配慮しています。そのひとつとして、各店舗から出る生ゴミを肥料に加工し、それを使用して提携農家でお米を作る取り組みも。同店で使用しているお米は、その提携農家で作られた「えんこう米」なのです。
「普通のラーメンではなく、料理人が作る、ワンランク上のラーメンとして楽しんでもらいたいです」と、語る岩崎シェフ。『ミシュランガイド京都・大阪+和歌山 2022』で一つ星に輝いた「VELROSIER(ベルロオジエ)」のシェフが作るラーメンは、ラーメンの枠を越え、まるで贅沢な一品料理。京都に来たらぜひ食べておきたい逸品です。
●実施中の新型コロナウイルス感染症対策
館内や設備等の消毒・除菌・洗浄/除菌・消毒液の設置/お客様入れ替わり都度の消毒/店舗・館内換気の実施/コイントレイの利用/仕切り板の設置/スタッフのマスク着用・手洗い・消毒・うがい・検温の実施/入店人数や席間隔の調整/体調不良のお客様の入店お断り/お客様へのマスク着用のお願い/従業員の客室サービス(入室)の制限
●インバウンド対応
Free WiFiあり/車いす・ベビーカー可/授乳室あり(施設内)/SDGsへの取り組み
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鴨出汁中華そば ROKU
- 住所 〒600-8022 京都府京都市下京区河原町通四条下ル2丁目稲荷町318-6 GOOD NATURE STATION 2F
- 電話 075-748-1192
営業時間:11:00~15:00、17:00~21:30 ※スープなくなり次第営業終了
定休日:不定休
Text by:二木繁美
※本記事の情報は2022年4月時点のものです。最新の情報は公式サイト等でご確認ください。
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※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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