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抹茶の香りに癒やされながら、「中村藤吉本店」で宇治茶の美味しさを満喫

抹茶の香りに癒やされながら、「中村藤吉本店」で宇治茶の美味しさを満喫

公開日: 2020/10/27
更新日: 2020/11/27

日本を代表するお茶のブランド、宇治茶。静岡茶、狭山茶と並んで日本三大茶の一つとして昔から親しまれてきました。今飲まれている日本茶の製法の発祥地でもある、京都・宇治。風情ある街並みの中でひときわ趣ある日本家屋が「中村藤吉本店」です。安政元年(1854年)創業、2009年には宇治の「重要文化的景観」に指定された茶商へと足を運び、宇治茶の魅力を堪能してきました。新型コロナ対策もしっかりされていましたよ。

古くから親しまれてきた“宇治茶”

古くから親しまれてきた“宇治茶”

宇治茶の歴史は、鎌倉時代(1185-1333年)までさかのぼります。きっかけとなった人物は、日本禅宗の祖である栄西禅師(えいさいぜんじ)。彼が中国から持ち帰った茶種から育てた「本茶」の木が宇治に移し植えられたことから、本格的なお茶の栽培が始まりました。

昼夜の温度差により霧が発生しやすく、降水量にも恵まれ、お茶にとって良質な産地であった宇治。江戸時代(1603-1867年)に入ると、今ではすっかりおなじみとなった煎茶や玉露などの製法が新たに生み出され、日本人が日常ふれているお茶へと発展していきました。少しずつ、日本の茶文化の中心としての地位を占めるようになった宇治。日本のお茶の始まりの地であり、今飲まれている日本茶の製法の発祥地でもあるのです。

JR宇治駅南口に降り立つと、茶壺の形のポストが迎えてくれます

室町時代(1338-1573年)には足利義満によって数々の指定茶園がつくられるなど、人々の手によってお茶の栽培が広がっていった宇治。長い歴史を経て、「お茶は宇治」と言われるほどそのブランドが確立されていきました。やがて、将軍家や皇族などの茶会でも宇治茶が指定されるようになったそうです。JR京都駅から快速に乗れば約20分とアクセスもよく、多くの観光客が足を運んでいます。

【主なアクセス方法】
■JR「大阪駅」から:京都線に乗車し「京都駅」へ。奈良線に乗り換え、8駅目が「宇治駅」。(約1時間、片道990円)
■京阪「淀屋橋駅」から:出町柳(でまちやなぎ)行きに乗車し「中書島(ちゅうしょじま)駅」へ。宇治線に乗り換え、終点が「宇治駅」。(約1時間、片道420円)

悠久の昔、職人たちの息遣いが聞こえる「中村藤吉本店」へ

悠久の昔、職人たちの息遣いが聞こえる「中村藤吉本店」へ

JR宇治駅からすぐ、京阪宇治駅からものんびり歩くこと10分ほど。大きな十に丸の「まると」の暖簾が目印の「中村藤吉本店」。初代中村藤吉氏の名を屋号にもつ老舗の茶商は京都・宇治の里にてお茶一筋です。
その昔、茶葉の計り売りをしていた空間には多彩な銘茶やお土産が並び、もと製茶場は抹茶スイーツを楽しめるカフェとして改装され、宇治散策に訪れた人や海外からの観光客、地元のファンで連日にぎわっています。

庭園いっぱいに広がるのは、樹齢250年を誇る立派な松の木。宇治銘木百選にも選ばれた大きな黒松の始まりは、創業者である藤吉氏自らが盆栽として愛でていたものだそう。二代目藤吉氏が家業安全を祈り、庭に植えさせたとのことです。

2009年、宇治の「重要文化的景観」に指定された中村藤吉本店 宇治本店。平等院店もあわせて、その敷地全体が後世へと伝えるものとして認定されました。創業以来大切に受け継がれてきた宇治茶への思いとおもてなしの心は絶えることなく、訪れる人々を魅了しています。

銘茶“中村茶”を最大限味わう

銘茶“中村茶”を最大限味わう

物販コーナーの一角、黒塗りの張り出しは「拝見窓(はいけんまど)」とよばれる茶商の建物特有のもの。内側にある台は拝見場または審査場として、上部の窓から採光されています。この自然光を頼りに、実際に茶葉の微妙な色味や風合いなどの見極めが行われていた重要な場所。北向きの天窓から差し込む一定量の光が職人たちの手元を明るく照らし出していたのです。

左から、「中村茶」袋(50g・1,080円)、缶(80g・2,160円)、中村茶ティーバッグ(4g10包入り・1,188円)、ビッグティーバッグ[中村茶](8g3包入り・648円) ※各税込

数ある宇治茶の中でも、ここでしか扱っていない「中村茶」。これは、延暦13年(794年)に桓武天皇が平安京へと都をうつした「平安遷都(へいあんせんと)」から1200年を記念し、1994年に誕生したオリジナルの銘柄です。厳選された7種類の茶葉を手間ひまかけて合組(ごうぐみ/ブレンド)することで、他にはない奥深い味わいをもつ看板商品。今回は特別に試飲させていただきました(※2020年10月現在試飲は休止中です)。

まずポットのお湯を80℃くらいに冷ましてから、茶葉を入れた茶器に注ぎます。

自然に少しずつフワッと広がっていくその様子を間近で見ると、茶葉は“生きている”と感じずにはいられません。

30~40秒ほど経ったら、茶こしを使ってゆっくりと湯のみに注ぎましょう。一煎目は最後の一滴までしぼり切ることがポイント。こうすることで、二煎目・三煎目もおいしくいただくことができるのです。

お湯の温度によって、違った味わいを楽しめることもお茶の奥深さのひとつ。高い温度でいれると、渋み・苦みが引き立ちます。逆に、低い温度のお湯なら甘みやまろやかさ、さらに“だし”のような塩味を感じることができますよ。一煎目と比べてすっきりとした味わいの二煎目。ぜひ三煎目までゆっくりと味わってくださいね。

完全予約制の「挽き茶体験」で和の心意気にふれる

完全予約制の「挽き茶体験」で和の心意気にふれる

瑞松庵(ずいしょうあん)とよばれる茶室をもつ、中村藤吉本店。海外からの観光客に人気の「挽き茶体験」は、実際に石臼を使って茶葉を挽き、それらを集めて抹茶をたてるという、完全予約制の体験メニューです。まずは、靴を脱いで畳の部屋へ。挽き茶体験の後は草履に履き替え、風情ある茶室へとゆっくり向かいます。その一連の流れは日本ならではの体験として、また自分でたてた濃茶を飲むという貴重な機会として好評です(※所要時間約90分 ※有料/2020年10月現在は開催を中止しています)。

もと製茶場の雰囲気そのまま、おしゃれなカフェでほっこり

もと製茶場の雰囲気そのまま、おしゃれなカフェでほっこり

カフェは、明治・大正時代に製茶工場として実際に使われていた場所です。建物の構造はそのまま、梁や柱もそのまま残してスタイリッシュに改装したのは2001年。数々の銘茶や手づくりの銘菓が味わえるカフェは地元の人にも人気です。きれいに手入れされたお庭を眺めながらテラス席で過ごすのもおすすめです。

生茶ゼリイ[抹茶] 宇治本店限定(990円・税込)

せっかくなので、ここでしか味わえない限定メニューをいただきました。竹の器に入った『生茶ゼリイ』は圧巻のボリュームで登場!ぷるっぷるの抹茶ゼリイともっちりした白玉団子、やさしい甘さのあずきとまろやかな抹茶アイスがギュッと詰められています。直径10~11センチの、天然の竹の器は宇治本店の完全オリジナル。ひんやり感じる涼と和の香りにほっこり癒やされるひとときです。食感の違いを楽しみながら、上質な抹茶の渋みやほろ苦さを心ゆくまで堪能できます。スプーンですくって、底まで味わいつくしましょう。

まるとパフェ[抹茶]宇治本店限定(1,430円・税込)

屋号の「まると」がインパクトたっぷりなパフェも竹の器で提供されます。抹茶の鮮やかな緑とさわやかな香りに癒やされながら、「中には何が入っているのだろう?」とワクワクします。
パフェ用に開発された甘さ控えめの特製クリーム、それと相性バツグンな抹茶カステラ。サクサクした食感が楽しめる玄米パフと、コロンとかわいいベリーも出てきました!

さらに甘酸っぱいレモンジャム、白玉、大納言小豆まで。底には先ほどの抹茶ゼリイと、抹茶ソフトクリームが詰まっています。品のよい抹茶と何層にもなった味の重なりは、本店ならではの醍醐味です。
トッピングの抹茶「鮮雲(せんうん)の白」はお土産コーナーでも販売している上級ランクの抹茶で、ほろ苦くて大人な味わい。パフェの仕上げに、全体の甘みを引き締めてくれる役割です。

多彩なおみやげを手にとりながら、あれこれ選ぶ幸せなひととき

多彩なおみやげを手にとりながら、あれこれ選ぶ幸せなひととき
左から、煎茶「藤吉熟成」/袋(50g・1,080円)、煎茶「藤吉」/缶(80g・2,160円)、袋(50g・1,080円) ※すべて季節限定・税込

春先の新茶から始まり、季節ごとに入れ替わる銘茶のラインナップ。夏場はさわやかな「水出し茶」、秋になると登場する「藤吉茶」は半年から一年半じっくりと熟成させてつくられる数量限定品で、深みある味わいと共に、まるで森林浴をしているかのような懐かしい香りが特徴です。多彩な銘茶は定番の袋タイプ、プレゼントにぴったりの缶入り、手軽なティーバッグもありますよ。

兎菓子[抹茶](1,404円・税込)
生茶ゼリイ[抹茶] (390円・税込/要冷蔵)

ちょっぴり敷居の高いイメージの抹茶も、かわいいパッケージで親しみやすく。どれにしようか迷ったときは、知識豊富なスタッフがアドバイスしてくれますよ。

茶葉や茶器を準備して、大切な人のために心を込めていれる一杯のお茶は、ただ喉をうるおすだけでなく、その香りや味わいに感性が研ぎ澄まされるよう。宇治茶の魅力や新しい発見も楽しみに、宇治を訪れた際はぜひ、足を運んでみてくださいね。

実施中の新型コロナウイルス感染症対策

店内や設備等の消毒・除菌・洗浄/除菌・消毒液の設置/仕切り板の設置/スタッフのマスク着用・手洗い・消毒・うがい・検温の実施/体調不良のお客様の入店お断り/お客様へのマスク着用のお願い・検温の実施

  • 中村藤吉本店 宇治本店
    • 住所 〒611-0021 京都府宇治市宇治壱番十番地
    • 最寄駅 JR「宇治駅」から徒歩1分、京阪「宇治駅」から徒歩10分
    • 電話 0774-22-7800
    • 営業時間:【平日】銘茶売場10:00~17:30、カフェ10:00~17:30(16:30L.O.)
      【土・日曜 祝日】銘茶売場10:00~18:00、カフェ10:00~18:00(16:30L.O.) ※季節により変動あり
      定休日:無休

Written by:

株式会社ウエストプラン

株式会社ウエストプラン

松田きこ、木村桂子、都志リサほか、関西に精通した女性ライターチーム。食べること、飲むこと、旅することが大好き! 自ら体験した楽しい情報を発信しています

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