
口の中でとろける食感とミルクの風味豊かな味わいが魅力の「生チョコレート[オーレ]」をはじめ、多彩なチョコレート菓子が北海道の定番土産として人気のROYCE'。その生産拠点「ロイズタウン工場」が、札幌の隣町・当別町にあります。2023年8月に工場併設の観光スポットがグランドオープン。今回は、グルメや観光に多数実績を持つ北海道のエディター・ゴトウミオリと、ノンジャンルのグルメ取材で北海道内をめぐるライター・イシダナオキがコンビを組み、見て、遊んで、食べて、チョコレート作りも体験できるという施設の魅力を完全レポートします。
- 目次
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- 創業40周年の2023年8月にグランドオープン!
- 自社農園からチョコレートができるまでの擬似体験にワクワク!
- JRの新駅「ロイズタウン駅」&無料シャトルバスで楽々アクセス
- さっそく館内へ!見学の申し込みは公式サイトから事前予約を
- 【カカオファームゾーン/3F】コロンビアの自社農園を忠実に再現。触れたり動かしたり楽しい!
- 【工場体験ゾーン/2F~3F】カカオからチョコレートになるまでを体験!ファンタジー映画の世界に迷い込んだ気分に
- 【ロイズコレクションストリート/2F】チョコレートのラベルや缶…珍しいコレクションの数々に興味津々!
- 【チョコレートワークショップ/2F】自由にトッピングしてビッグサイズのオリジナル板チョコが作れる!
- 【ロイズタウン工場直売店/1F】限定品も並ぶ工場直売店でお買い物&グルメを満喫
- 送迎&ガイド付きのプライベートツアーもおすすめ
- 時間を作ってゆっくり訪れたいチョコレートのアミューズメント施設!
創業40周年の2023年8月にグランドオープン!
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当別町は札幌中心部から車や列車で約40分、田園風景に囲まれた自然豊かな町です。「ロイズタウン工場」も、水田や畑に囲まれたエリアにどーんと立っています。
1983年に札幌市東区で創業し、チョコレート作りを始めたROYCE'は、1999年に「ロイズふと美工場」としてこの地に生産拠点を移転。2008年には札幌市北区あいの里で原料工場を始動しました。2014年には南米コロンビアにカカオを栽培する自社農園「ロイズカカオファーム」を開設。そして、2022年にロイズふと美工場は「ロイズタウン工場」と名前を変え、体験型見学施設「ロイズカカオ&チョコレートタウン」が併設されました。当初は製造設備などが準備中だったため、プレオープンとして開業していましたが、創業40周年を迎えた2023年8月、ついにグランドオープン。
館内の解説表示は英語対応(一部中韓にも対応)なので、海外からの旅行者も安心です。
自社農園からチョコレートができるまでの擬似体験にワクワク!

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「ロイズカカオ&チョコレートタウン」は、自社農園(Farm)でどのようにカカオ栽培が行われ、最終的にチョコレートになるか(Bar)の「Farm to Bar(ファームトゥーバー)の旅」を、さまざまな展示や体験を通じて知ることができる施設。
見学ルートの途中には、実際に稼働する工場(稼働は常時ではありません)内部がガラス越しに見学できるほか、興味をひかれる多彩なコレクション展示もあり、さらには世界に一つのチョコレートを作れるワークショップにも参加できる(体験料別途)という体験型テーマパークなのです。
JRの新駅「ロイズタウン駅」&無料シャトルバスで楽々アクセス
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「ロイズカカオ&チョコレートタウン」へ行くには、車のほか、JRを利用するのがとっても便利。札幌駅から学園都市線に乗り約30分で、その名も「ロイズタウン駅」へ。実は2022年3月、まさに「ロイズカカオ&チョコレートタウン」へつなぐ駅として、JR北海道の在来線としては約20年ぶりにできた新駅なのです。
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さらに、列車のダイヤに合わせて、駅と「ロイズカカオ&チョコレートタウン」をつなぐ無料シャトルバスも運行。天気のいい春から秋は、のどかな田園風景を眺めながら約7分の道のりを歩いて行くのもおすすめですよ。
さっそく館内へ!見学の申し込みは公式サイトから事前予約を
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真っ白い建物にゴールドのロゴが施された上品な雰囲気の「ロイズカカオ&チョコレートタウン」前広場に到着。冬場は純白の雪に覆われていますが、広場はロードヒーティングのため雪がなく歩きやすいです。広場の前はローズガーデンになっており、6月中旬〜7月上旬頃がバラの花が見頃なのだそう(気候により異なります)。
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中に入ると、広々としたエントランスホールが広がっています。中央には大きな黄金色のカカオ像が鎮座。こちらは無料エリアで、ロイズタウン工場直売店や、購入した商品やソフトクリームなどの飲食も可能な休憩スペース、施設受付のインフォメーションがあります。
無料で入れるこのエリアでも、チョコレートを型に流し込み、冷やし固める「モールドライン」の実際の生産風景が見学できます(稼働は常時ではありません)。製造ロボットの正確な動きを見られるのは、機械好きにはたまりません。
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見学するには、公式サイトから日時指定で事前予約を申し込み、クレジットカード決済またはd払いでチケットを購入します。
「ただし空きがあれば、事前予約なしでも当日インフォメーションで受け付けることができますよ」と教えてくれたのが、株式会社ロイズコンフェクトの広報・マーケティング担当、渡辺悠佑さん。一般の見学は自由のため案内はつきませんが、今回の取材では特別に、渡辺さんに案内していただきました。
【カカオファームゾーン/3F】コロンビアの自社農園を忠実に再現。触れたり動かしたり楽しい!
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入場ゲートからいよいよ「ロイズカカオ&チョコレートタウン」の見学・体験ゾーンへ。エレベーターで3階まで上がり、最初に登場するのは「カカオファームゾーン」。
ここは南米・コロンビアにあるカカオの自社農園「ロイズカカオファーム」をジオラマなどで再現しています。「チョコレートをカカオ栽培から手掛けて作りたい、というチョコレートメーカーの夢を実現させた農園です。開園は2014年ですが、その2年前から現地スタッフと一緒に土地取得から始まり、整備に取り組んできました」と渡辺さん。
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野鳥のさえずりなど現地の臨場感ある効果音が流れる中を歩き進むと、両脇には実物そっくりの実がブラブラ下がるカカオの木が。長さ20cmを超える想像以上の大きさにびっくり! 手に持って体感することができるよう、重さを再現したカカオの実の実物大模型もあります。
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カカオ豆を発酵する工程など興味深い展示が続々。発酵後の豆を乾燥させる作業は、道具に触れて体験することもできます。
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クイズ形式になっていたり、のぞき穴から画像を見たりと、説明をただ読むだけでなく、遊びながらカカオについての知識や歴史を知ることができます。カカオ豆70kgが詰められた麻袋を持ち上げる体験も!
【工場体験ゾーン/2F~3F】カカオからチョコレートになるまでを体験!ファンタジー映画の世界に迷い込んだ気分に
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続いて、ぐるり360度のスクリーンに、カカオからチョコレートができるまでの映像が映し出される部屋で、チョコレートの海に飲み込まれた気分を味わった後は、3Fから2Fまで続く「工場体験ゾーン」へ。
ここでは工場に届いたカカオ豆がチョコレートになるまでを、映像とたくさんの仕掛け、体感ゲーム、そして実際の製造ラインを見て知ることができます。施設の中でも、特に小さな子どもが目を輝かせながら楽しめるエリアに間違いなし!
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製造ラインの前に、まず登場するのは、工場スタッフ用のユニフォームを展示したボックス。その一面がモニターになっていて、前に立つとユニフォームを着用した自分のバーチャル映像がモニターに映し出されます。手足を動かすと映像も同じ動きをするのがすごい! そして、工場内に入る前にゴミや異物を飛ばすエアーシャワーの強風を体験。
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実際のカカオ豆の加工プラント、加工工程の解説には、さまざまな仕掛けのある展示となっており、機械の仕組みを体感しながら理解を深めることができます。
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カカオ豆がチョコレートの原料になる工程までを見終えると、床も壁も天井も白い大きなホールが出現!チョコレートやロゴがあしらわれたフォトスポットです。
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ホールの先は、カカオの旅の締めくくりとして、チョコレートが製品になるまでをアーティスティックな映像で見せるシアターがあります。
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約4分間の映像が終わりスクリーンが開くと、その先にはチョコレート作りを体感できる楽しいゲームがズラリと並ぶ、まるでファンタジー映画のようなエリアが現れ、思わず「わぁ〜!」と歓声を上げてしまいました!
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アクションゲームが多く、モニターに映し出される映像とミッションに合わせて身体を動かしながら上手にチョコレートを作るゲームがあるほか、2人で並んでできるゲームもあります。スコアもつくので、一緒に行った人と対戦するのも楽しそう! 大きな生チョコレートのパッケージから顔を出して映え写真が撮れるスポットも。ダイヤルを回して、ロイズのピュアチョコレートを1人1個ゲットできるという、うれしいマシンもありました。
【ロイズコレクションストリート/2F】チョコレートのラベルや缶…珍しいコレクションの数々に興味津々!
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時間を忘れて楽しんだ後は、見応えたっぷりのロイズコレクションストリートが登場します。デザイン性に優れたチョコレートのラベルや缶、食器など、世界中から集めた貴重なコレクションが展示されています。
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ミュージアムの中には、北海道の伝統工芸品・木彫り熊のコーナーも。リアルなものからデフォルメされたかわいらしいものまで、さまざまな作家の作品が展示されています。これだけの木彫り熊を一度に見ることは、道産子でもなかなかない体験です!
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ROYCE'が「ツール・ド・北海道」のスポンサーである縁から、自転車の展示も。
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ROYCE'のパッケージやヒストリーの展示も見応え抜群。「子どもの頃、食べたよね!」と思わず懐かしい記憶がよみがえりました。
【チョコレートワークショップ/2F】自由にトッピングしてビッグサイズのオリジナル板チョコが作れる!
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ロイズコレクションストリートの途中にある「チョコレートワークショップ」は、今回もっとも楽しみにしていたアトラクションです。約23cm×12cmのビッグサイズの板チョコレートに、自分でナッツやドライフルーツなどをトッピングして、オリジナルチョコレートを作るというもの。
チョコレートを流し込む型を、ロイズのチョコレートをかたどって並べた「チョコモノグラム」と、カカオの実のシルエットをかたどった「カカオファクトリー」の2種類から選びます。そしてチョコレートの種類をミルク・ホワイト・ハーフ&ハーフの3種類から選び、券売機でチケットを購入します。
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受付を済ませてワークショップルームに入り、ヘアキャップ、マスク、エプロンを装着。選んだ型を受け取って、メインのトッピングを選びます。
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選んだ型にチョコレートを流し込んでもらいます。今回は、ミルクとホワイトのハーフ&ハーフを選びました。勢いよく出てくるチョコレートは、もうすでにおいしそう!
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流し込んだチョコレートの型を揺すりながら、平らにならしてくれます。ミルクとホワイトのチョコレートが混ざることなく、きれいに平らにするのは、なかなかむずかしそう…。でもここまでは全てスタッフの方がやってくれるから安心でした。
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作業台に移動し、チョコレートが固まらないうちに自由にトッピングしていきます。トッピングはミックスナッツとドライフルーツ。このほかに、作業台には細かい飾りが付けられるカラーチョコスプレーやいちご味クランチなどが設置されていて、自由に使うことができます。
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「センスが問われるねぇ〜(苦笑)」とちょっぴりドキドキ。チョコレートが固まらないうちにのせなければならないので少し焦りながら、思い付くままにどんどんトッピングしていきました。失敗したくない人は、あらかじめどうトッピングするか決めてからチョコを受け取りましょう!
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なんとかトッピングを終えたら、チョコレートを冷やす機械に入れて、約10分間、しっかりと冷やします。この機械が想像以上に大型だったことにびっくりしました!
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チョコレートを冷やしている間に、お持ち帰り用の箱を組み立てました。箱のデザインは3種類から選ぶことができます。畳まれた箱の型を立体に組み立て、持ち手の紐を付けて完成。
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ミルク&ホワイトのチョコレートが、こんなおしゃれでカラフル(?)になって出来上がり! 出来栄えはいかがでしょうか?
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箱に入れて、世界に一つのチョコレートが完成!デザインはさておき、大きなチョコレートを大勢で食べるもよし、数日かけて楽しむもよし。楽しくてコストパフォーマンスも高いアトラクションでした!
チョコレートワークショップ
*所要時間/約30分
*体験料/1人1,500円(入場料とは別途)
*開催時間/10:30〜16:30(最終受付16:00)
※事前予約は不可です。ワークショップ会場前の券売機でチケット購入。受付順に案内されます。
【ロイズタウン工場直売店/1F】限定品も並ぶ工場直売店でお買い物&グルメを満喫
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施設を楽しんだ後は、エントランスホールに戻り、併設のショップ「ロイズタウン工場直売店」へ。
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
200種類以上のチョコレートや焼き菓子、ベーカリーコーナーのパン、ソフトクリームなどのグルメのほか、トートバッグなどのロイズオリジナルグッズやカプセルトイなどのグッズまで、目移りしてしまうくらい多種多彩な商品が並んでいました。それらの中から、渡辺さんにここでしか購入できない限定商品を中心に、おすすめを選んでいただきました。※金額は全て税込
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*生チョコレート[ロイズファームトゥーバー](写真右) 864円
農園でのカカオ栽培からチョコレートができるまでの全ての工程を手がけた「ロイズファームトゥーバー」のミルクチョコレートを使ったこだわりの生チョコレート。
**ポテトチップチョコレート[ロイズファームトゥーバー](写真左) 918円
「ロイズファームトゥーバー」のチョコレートで、ポテトチップの片面をコーティング。 甘さと塩味の絶妙なバランスがクセになる味わいです。
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*ロイズバラエティ缶[721 系] 1,210 円
JR学園都市線を走る721系電車を描いた缶に、人気のピュアチョコレートとロイズアールショコラの2種類を詰め合わせています。
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*まるごときたあかりのカレーパン 324円
特製カレーと北海道産じゃがいも「きたあかり」を丸ごと入れて包み揚げました。粗めのパン粉でさくさく食感に仕上げています。
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*ロイズタウンピザ[ミルクポテト&当別ポーク] 756円
ロイズタウンピザは形・生地・チーズ・ソース・具材の5つにこだわり、ロイズがゼロから開発したピザ。当別町・浅野農場のスマイルポークを使用しています。
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*ジャンボ生チョコクロワッサン[オーレ](左) 1,296円
他店でも人気の生チョコクロワッサン[オーレ](写真右、270円)の約4倍の大きさ。生チョコレート[オーレ]が1箱(20粒)分入っているという、夢のような工場直売店限定商品です。
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*ソフトクリーム[チョコ(ロイズファームトゥーバー)] 450円
「ロイズファームトゥーバー」のチョコレートを使ったソフトクリーム。 カカオ感を楽しめる甘さ控えめのすっきりとした味わいです。
送迎&ガイド付きのプライベートツアーもおすすめ
「ロイズカカオ&チョコレートタウン」が満喫できる、専用車による送迎、英語または中国語ガイドも付いたプライベートツアーがありますので、こちらもぜひご確認ください。
時間を作ってゆっくり訪れたいチョコレートのアミューズメント施設!

今回、現地を訪れ実際に体験しながら取材してみて感じたロイズカカオ&チョコレートタウンの印象をひとことで言うと「スケールの大きな工場見学」ということ。もっと言えば「チョコレートがテーマのアミューズメント施設」。
普段食べているチョコレートの原材料は? どのように作られているの? ということは知っているようで、あまり知らないもの。訪れてみて、実物大のカカオの実の大きさに驚いたり、いくつもの工程をへてカカオ豆がチョコレートの原料となり、さらに北海道でおいしさを追求しながらできあがるということが分かりました。
こうしたことを、映像・遊び・アクションなどの仕掛けをめぐりながら「なるほど」と理解できるのは、とても楽しく有意義な時間です。半日あればたっぷり遊べるボリューム感ですので、時間を作って訪れてほしいですし、今回はあまり時間がないという方でも、アクセスがいいので買い物だけに立ち寄るのもアリですよ!
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ROYCE' CACAO & CHOCOLATE TOWN
- 住所 〒061-3775 北海道石狩郡当別町ビトエ640-15
電話番号:0570-055-612(10:00〜17:00)
営業時間:10:00〜17:00(最終入場15:00)
料金:入場料 高校生以上1,200円、4歳〜中学生500円、3歳以下無料
定休日:不定休
※本記事の情報は2024年2月時点のものです。最新の情報は公式サイト等でご確認ください。
札幌の地元タウン誌の編集に長年携わった編集者が設立。設立以降、20年以上にわたり、札幌を中心に北海道全域での取材・記事執筆を行い、観光ガイドや情報誌、北海道の景色を収めた写真集など多様な本も制作。スタッフは全員女性で、旅好き、スイーツ好き、お酒好きと趣向は様々。飲食店紹介からイベントレポート、レジャー体験記まで、発信の守備範囲は広い。
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※特記以外すべて税込み価格です。