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タラバガニとどう違う?北海道民に「毛ガニ」が好まれる納得の理由

タラバガニとどう違う?北海道民に「毛ガニ」が好まれる納得の理由

公開日: 2021/03/16

美味しい海産物の宝庫・北海道。特にカニは大人気で、大型のタラバガニやズワイガニ、中型の花咲ガニ、それらより小ぶりな毛ガニの4種類を中心に、飲食店で味わったり、お土産に購入したりできます。その4種類の中でも、地元北海道でおなじみなのは毛ガニ。それはなぜか?また、毛ガニの美味しい食べ方は?春はオホーツク産の美味しい毛ガニが出回る季節。観光客に人気のある札幌・二条市場の「マルミ長内商店」を取材し、その魅力に迫ります。

目次
  1. 毛ガニってどんなもの?旬は?
  2. 北海道の人はなぜ毛ガニを食べるの?
  3. タラバガニとの違いは?
  4. 毛ガニの食べ方は?
  5. 毛ガニを使った料理は?

毛ガニってどんなもの?旬は?

毛ガニってどんなもの?旬は?

毛ガニは名前の通り、毛に覆われた甲羅が特徴です。オホーツク海から太平洋側という広域に分布し、水深150mより浅い砂地の海底に生息します。北海道全体ではほぼ通年水揚げされますが、水温や気候の違いによって脱皮や産卵の時期が変わるため、各地で漁期を変えて漁獲しています。漁期を迎えた産地では、水揚げされたばかりの新鮮な毛ガニを漁港や近くの加工場で茹で上げた「浜茹で」が出回りますので、ぜひ「旬」を覚えて味わってください。
●オホーツク海沿岸(雄武、紋別、網走、斜里など)、宗谷(稚内、枝幸など):春(流氷が去った3月~6月)
例年2月頃からオホーツク海沿岸は流氷に覆われますが、その流氷の下では植物性プランクトンが大量発生。これを栄養分として摂取し甘み・旨みを増した毛ガニが、3月に流氷が去った初春の海で水揚げされます。
●噴火湾一帯(白老・虎杖浜、長万部など):夏(7月~8月)
周辺に多く点在する温泉からミネラル成分が注ぎ込み、良質な漁場を形成している噴火湾。そのミネラル成分を摂取した噴火湾産の毛ガニは、身がやわらかく繊細で、カニ味噌の味も格別といわれています。
●白糠、釧路、根室沿岸:秋(9月~12月)
この沖合の海は魚介類のエサとなる資源が豊富といわれ、水温の寒暖差によって身が締まった毛ガニが水揚げされます。
●日高、十勝沿岸:冬(12月~2月)
この沿岸の海は、黒潮と親潮がぶつかり、栄養分豊富なプランクトンが大量発生します。また、良質な日高昆布の産地でもあり、これらをエサとして摂取する毛ガニは磯の風味が豊かで、クリーミーなカニ味噌を蓄えていると評されています。

北海道の人はなぜ毛ガニを食べるの?

北海道の人はなぜ毛ガニを食べるの?
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毛ガニが北海道で馴染み深いのは、タラバガニやズワイガニに比べて水深が浅い沿岸で漁獲できることがあげられます。通年出回るために、季節による価格変動が少ないのも魅力です。

毛ガニが食べられるようになったのは近代、1920年代に入ってからで、当初はもっぱら缶詰として流通。現在のようにボイルや活ガニとして出回るようになったのは1965年頃からです。きめ細やかで繊細な甘みが詰まった身と、濃厚でなめらかなコクのあるカニ味噌の美味しさから、北海道のお正月やお祝いの席に欠かせないご馳走として食べられてきました。

タラバガニとの違いは?

タラバガニとの違いは?

毛ガニとタラバガニは、一目瞭然で大きさが違います。毛ガニは資源保護のため、甲長8cm以上の雄のみが漁獲されますが、片手に納まるサイズ。1尾400gくらいからが一般的で、価格の相場は1kg10,000円程度。500g以上は大型サイズとなり、1kgを超える特大は希少です。

一方、外国人観光客にも人気のタラバガニは甲長25cm、脚を広げると1mを超えるものが多く、毛ガニと比較してかなり大型。2kg程度が一般的で、3kg以上になると、脚1本だけでも食べ応えがあります。相場は1kg10,000円~13,000円。流通しているのは、ほとんどがロシア産かアメリカ・アラスカ産で、北海道産は希少です。

毛ガニの食べ方は?

毛ガニの食べ方は?

タラバガニと比べて甲羅がやわらかく、トゲも少ない毛ガニ。コツをつかめば食べ方は簡単です。道具はキッチンバサミを用意します。

(1)甲羅を下にして置き、脚のつけ根にハサミを入れて切り外し、関節から2つに切り落とします。

(2)切り口からハサミを入れて、長い毛が生えた殻の一方に切り込みを入れます。

(3)切り込みを入れた殻を指で開くと、殻から身が簡単に取り出せます。爪のついた細い方の足は、同じように切り込みを入れた後、爪を切り落として、その爪で身をほじると食べやすいです。

(4)あると便利な道具が「カニスプーン」。殻から身を取り出したり、カニ味噌をすくうのは先端の太い方で、細い脚先や付け根付近の身をかき出すのは二股になった細い方を使います。

毛ガニを使った料理は?

毛ガニを使った料理は?

茹でガニの身をそのまま味わい、口いっぱいに広がる繊細な旨みと上品な甘み、ほど良い塩加減を堪能するのはもちろん、毛ガニはさまざまな料理の材料に使って美味しい食材です。

何といっても味わいたいのは、甲羅の中に入っているカニ味噌。ボイルのカニ味噌をそのまま味わったり、身と和えたり、濃厚な風味を楽しみます。

まず毛ガニを裏返しにすると、三角形になった部分(前かけ、またはふんどし)があります。そこに親指を入れて取り外すと穴ができますので、そこに親指をかけて甲羅をはがすと、オレンジ色のカニ味噌がたっぷり入っています。

さらに食後は“甲羅酒”を楽しむのがおすすめ。甲羅の外側をアルミホイルで包み、燗酒に適した日本酒を注いで火にかけます。グツグツと沸いたら飲み頃で、カニ味噌の風味と日本酒の旨みが合わさり、身体がポカポカ温まります。

北海道では飲食店でも毛ガニを使ったメニューを味わうことができます。海鮮居酒屋和食店、寿司店の中は、毛ガニの脚でダシを取った味噌仕立ての鉄砲汁や、毛ガニの身とダシを使ったカニ茶碗蒸し、カニ酢、カニ味噌などをメニューに並べているところがあります。洋食屋ならカニクリームコロッケやカニグラタンが定番。中国料理店では毛ガニの身を使ったカニチャーハンを提供するところも。

道南の町・長万部町名物の「かにめし」など、カニの産地ならではのグルメも北海道旅の醍醐味です。「かにめし」は札幌函館間のJR特急車内で予約販売も行っています。

<取材協力>
有限会社 マルミ長内商店

  • 有限会社 マルミ長内商店
    • 住所 〒060-0053 北海道札幌市中央区南3条東1丁目
    • 電話 011-221-2278
    • 営業時間:8:00~17:00
      定休日:無休(新型コロナウイルスの営業自粛要請に応じた変則営業あり)

Text by:みんなのことば舎

※本記事の情報は2021年3月時点のものです。最新の情報は公式サイト等でご確認ください。

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