北海道の中心地・札幌市には、日本で唯一のビール専門の博物館や、往時の佇まいを残す醸造所など、ビール文化を感じられるスポットが点在しています。それは札幌が、日本でも有数のビールメーカー「サッポロビール」の誕生の地だから。札幌でしか飲めないレアな銘柄もたくさんあります。ここでは、サッポロビールの魅力と、ビールファンなら必ず立ち寄りたいスポットをご紹介します。
サッポロビールがおいしい理由は?
サッポロビールは 「選りすぐりの原料だけで、おいしいビールをつくる」という信念のもと、創業時から原料にこだわったビールづくりを続けています。ビールの味は麦芽やホップの種類によって大きく変わるので、原料選びはとても大切。大麦とホップを育種し、世界中の契約生産者とともに原料を栽培する(協働契約栽培)のは、世界でもサッポロビールただ一つです。
また、原料の持ち味を最大限に引き出すビール酵母も、おいしいビールを創り出すための重要な要素です。「いつ飲んでも変わらぬおいしさ」を実現するため、工場ではデリケートなビール酵母の働きを、技術者が絶えず見守っています。サッポロビールはビール酵母についても長年にわたり研究し、現在では1000株を超える酵母をストックする世界的にも貴重な酵母バンクを保有しています。
良質な原料と選び抜かれた酵母、そしてそれらに関わる多くの人の情熱によって、おいしいビールが生産され続けているのです。
サッポロビールの歴史
サッポロビールのルーツは、1876年に政府によって札幌市に開設された開拓使麦酒醸造所にさかのぼります。サッポロビールのシンボルといえば星のマークですが、その由来は、当時の開拓使のシンボルの「赤い星」。サッポロビールが、北海道開拓の歴史とともに歩んできた証ともいえます。
サッポロビールがアメリカで事業を始めた1980年、その知名度は他の日本のメーカーと比べても低いものでした。しかし、地域に密着した営業活動や口コミによって次第に人気が伸び、1985年には日本製のビールシェア第1位を獲得。以降30年以上も首位の座を守っています。
その後も、カナダのビールメーカー「スリーマン社」の買収やベトナム工場の竣工など、世界の“SAPPORO”へと発展し、各国にファンを増やしています。
サッポロビールのラインナップ
サッポロビールには、不動の人気を誇る「サッポロ生ビール黒ラベル」や「ヱビスビール」など、おいしいビールがたくさん!中には北海道限定販売のビールや、季節限定販売のビールもあります。そこで北海道を訪れたときにぜひ飲んでもらいたい、おすすめのビールをご紹介します。
●サッポロ生ビール黒ラベル
生の旨さにこだわり続ける黒ラベルには、サッポロビール独自の「旨さ長持ち麦芽」を一部使用しています。麦のおいしさと爽やかな後味とのバランスが絶妙!何杯飲んでも飲み飽きることがありません。また、鮮度の良さが泡の色に現れることを解明したサッポロビールは、黒ラベルの製造方法を工夫し、より白く美しい泡を実現。進化した「完璧なビール」をお楽しみください。
アルコール度数:5%
エネルギー:40kcal(100mlあたり)
購入できる店:全国のスーパーマーケット、コンビニエンスストア、酒飯店など
●ヱビスビール
1890年の誕生以来、変わらぬおいしさを届け続けてきたヱビス。原料には副原料を使用せず、麦芽とドイツ・バイエルン産のアロマホップだけを使って製造されています。ヱビスのために厳選された酵母と長期熟成によって生まれる、豊かな香り、リッチな味わいが特長です。
アルコール度数:5%
エネルギー:40kcal(100mlあたり)
購入できる店:全国のスーパーマーケット、コンビニエンスストア、酒飯店など
●サッポロクラシック
サッポロクラシックは北海道限定で販売している生ビール。素材のうまみと爽やかな飲み心地が特長です。北海道民にとっては当たり前の存在ですが、旅行者にとっては「北海道に行ったら絶対に飲んでおきたい!」と人気の高いビールです。
アルコール度数:5%
エネルギー:40kcal(100mlあたり)
購入できる店:北海道内のスーパーマーケット、コンビニエンスストア、酒飯店など
●サッポロクラシック 春の薫り
北海道産のホップ「ふらのほのか」とフレーバーホップ(一部)による春らしい香りと爽やかな味わいが特長です。毎年販売が決まっているわけではないため、サッポロビール公式サイトなどで確認を。
アルコール度数:5%
エネルギー:41kcal(100mlあたり) ※2021年販売の「春の薫り」のカロリー
購入できる店:北海道内のスーパーマーケット、コンビニエンスストア、酒飯店など
※毎年スペックが同様とは限りません
●サッポロクラシック 夏の爽快
通常のサッポロクラシックよりも炭酸とアルコール度数が高めた夏にぴったりの限定品。爽快な飲み心地を楽しむことができるでしょう。こちらも毎年販売が決まっているわけではないため、サッポロビール公式サイトなどで確認を。
アルコール度数:5.5%
エネルギー:43kcal(100mlあたり)
購入できる店:北海道内のスーパーマーケット、コンビニエンスストア、酒飯店など
※毎年スペックが同様とは限りません
●サッポロクラシック 富良野VINTAGE
2020年に発売13年目をむかえた季節限定商品。例年8月頃に収穫する摘みたての富良野産生ホップが使われています。フレッシュで芳醇な香りとクラシックならではの爽やかな後味が特長です。
アルコール度数:5%
エネルギー:40kcal(100mlあたり)
購入できる店:北海道内のスーパーマーケット、コンビニエンスストア、酒飯店など
※毎年スペックが同様とは限りません
●サッポロSORACHI1984
1984年、北海道空知郡上富良野町で誕生したホップ「ソラチエース」は、サッポロビールが開発したホップです。35年もの年月をかけて製品化されたそのビールは、ヒノキやレモングラスを思わせる香りが特長。全国で通年販売されていますが、北海道で誕生したホップを使っているからこそ、北海道で味わいたいビールです。
アルコール度数:5.5%
エネルギー:45kcal(100mlあたり)
購入できる店:北海道内のスーパーマーケット、コンビニエンスストア、酒飯店など
●サッポロラガービール
「赤星(あかぼし)」の愛称で親しまれているサッポロラガービール。サッポロビールの前身である開拓使麦酒醸造所が1877年に発売して以来、現代にまで受け継がれる日本で最も歴史のあるビールです。生ビールでは感じることのできない、熱処理ビールならではのしっかりとした味わいが特長です。
アルコール度数:5%
エネルギー:40kcal(100mlあたり)
楽しめるお店:取り扱いのある飲食店
※全国で通年販売されていますが、基本的に飲食店を対象に中びん、大びんを販売しています
「サッポロビール博物館」は飲んで学べる日本で唯一のビール博物館
サッポロビールについてより深く知りたい人は、「サッポロビール博物館」へ。札幌駅の隣、JR苗穂駅から徒歩8分、複合施設「サッポロガーデンパーク」内にあり、北海道の開拓事業から今日まで、時代ごとに展示された日本のビールにまつわる歴史的資料に触れることができます。入場料は無料で、高さ約10メートルもある巨大なビール煮沸釜は見所の一つ。
ブランドコミュニケーターのガイドに沿ってサッポロビールの歴史を学べるプレミアムツアー(有料)に申し込むと、博物館限定の銘柄で、創業当時の味を復元した「復刻札幌製麦酒」を試飲できます。ブランドコミュニケーターの解説を多言語で楽しめる音声ガイド端末(有料)や、英語、中国語、韓国語の翻訳パンフレット(無料)を使って楽しみましょう。
「北海道遺産」に選定されている建物は、製糖会社の工場として1890年に建設されたもの。1905年から1965年までの60年間は、製麦所として使われていました。
1階にあるスターホールでは、有料で「サッポロ生ビール黒ラベル」のほか、北海道限定生ビール「サッポロクラシック」(アルコール度数5.0%)、創業地で造り続けている札幌開拓使麦酒醸造所製の「開拓使麦酒」(アルコール度数5.0%)などを味わえます。
サッポロビールのオリジナルグッズや博物館限定のお菓子など、ユニークなアイテムが並ぶミュージアムショップは必見。もちろん、黒ラベルやサッポロクラシック、開拓使麦酒も販売しています。
●実施中の新型コロナ感染症対策
アルコール消毒液設置(入口・トイレ)/エレベーター、手すりなどの消毒/従業員のうがい・手洗い/従業員のマスク着用/レジやカウンター等にアクリル板やビニールカーテンを設置/マスク着用や検温など、お客様への呼びかけ/入店者のトイレ利用可/入店人数の制限/営業時間の変更/館内の換気
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サッポロビール博物館
- 住所 北海道札幌市東区北7条東9丁目1-1
- 電話 011-748-1876
営業時間:11:00~18:00(最終入館17:30)、(ミュージアムショップ 11:00~19:30)
料金:入館無料
定休日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始、臨時休館日
※ミュージアムショップは、2021年2月末まで休業。営業再開はサッポロビール公式サイトをご確認ください。
旬を味わう日本最大規模のビヤホール「サッポロビール園」
サッポロビール博物館に隣接する「サッポロビール園」は、タイプの異なる5つのホールがあり、サッポロビール直送のビールと北海道名物のジンギスカンなどの料理を味わえます。観光客に人気があるのは、ビール園のシンボルでもある、巨大なビールの仕込み釜が目を引く「ケッセルホール」。
このほか、「ライラック」では秘伝のタレをもみ込んだ味付けジンギスカンが食べられます。洗練された佇まいの「ガーデングリル」では、上質なラム肉や季節の魚介、野菜を使った料理など一品料理が充実。専用テラスを完備した個室もあり、贅沢な雰囲気を楽しめます。
全ホールで飲める生ビールは6種類。ガーデングリルはさらに6種類の生ビールが堪能できるので、「全銘柄を制覇したい!」という人にもおすすめです。
サッポロビール園限定のビール「サッポロファイブスター」(アルコール度数5.5%)。1967年から72年まで発売されていた銘柄で、軽やかな甘みと苦味が味わい深く、心地良く広がる芳醇な香りが特徴。ジンギスカンとの相性も抜群です。
●実施中の新型コロナ感染症対策
アルコール消毒液設置(入口・トイレ)/空調対策(加湿器や空気清浄機の設置)/店内の換気/エレベーター、手すりなどの消毒/店内の消毒対策/食器やトレーの消毒対応/従業員のうがい・手洗い/従業員のマスク着用/席間の距離確保/カウンターとキッチンの仕切り設置/レジやカウンター等にアクリル板やビニールカーテンを設置/大皿料理ではなく個々への料理提供の対応/マスク着用や検温など、お客様への呼びかけ/入店者のトイレ利用可/入店人数の制限/営業時間の変更/テーブル決済(営業状況による)
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サッポロビール園
- 住所 北海道札幌市東区北7条東9丁目2-10
- 電話 0120-150-550
営業時間:11:30~21:00(LO20:40)
定休日:12月31日
※現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、営業時間を変更しております。また、店舗により休業や営業時間変更を実施している場合があります。詳細はサッポロビール園ウェブサイトをご覧ください。
日本のビール発祥の地にある「札幌開拓使麦酒醸造所」
サッポロガーデンパークから約1.4km、地下鉄バスセンター駅近くの「サッポロファクトリー」が立つ一帯は、1876年にサッポロビールの前身となる開拓使麦酒醸造所が誕生した場所。日本人の手によって本格的なドイツタイプのビールが造られたことから、日本のビール発祥の地とも言われています。
その地で、伝統の味を再現しているのが「札幌開拓使麦酒醸造所」です。隣接する「開拓使麦酒賣捌所(うりさばきしょ)」では、醸造所の造りたてのビール「開拓使麦酒(ろ過)」(アルコール度数5.0%)、「開拓使麦酒(無ろ過)」(アルコール度数5.0%)、「アルト」(アルコール度数5.0%)、「季節限定ビール」などを味わうことができます。
「札幌開拓使麦酒醸造所」の正面には、無料で見学できる見学館があります。実際にビール醸造で使われている仕込み釜、ろ過槽などを見ることができるほか、日本のビール造りの歩みをたどる貴重な写真資料などが展示されています。
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札幌開拓使麦酒醸造所
- 住所 北海道札幌市中央区北2条東4丁目
- 電話 011-252-8231
営業時間:見学館 10:00~22:00、賣捌所 11:00~20:00
料金:無料
定休日:12月31日(見学館のみ)
※現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、営業時間を変更しております。詳細はサッポロビール公式サイトをご確認ください。
サッポロビールが飲める飲食店
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健康・安全に関する取り組み実施中
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住所
064-0805 北海道札幌市中央区南5条西5-13-1 ASIL SAPPOROビル1F
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最寄駅
資生館小学校前 駅 (札幌市電山鼻線)
- 電話 011-212-1729
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住所
064-0805 北海道札幌市中央区南5条西5-13-1 ASIL SAPPOROビル1F
Text by:みんなのことば舎
※本記事の情報は2021年2月時点のものです。最新の情報は公式サイト等でご確認ください。
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