札幌は美味しい鮨店がひしめく激戦地。数あるお店の中からとっておきの極上の鮨店を3つ選んで紹介します。観光客はもちろん地元の人も「わざわざ行きたい」「また食べたい」と感じる名店ばかりです。北海道の海産物を活かした江戸前鮨の数々をご堪能あれ!
1:「鮨 三上」で握りたての鮨を瞬時に味わい堪能しよう
はじめに紹介するお店は、すすきの交差点から歩いて2~3分で行くことができる「鮨 みかみ」。ネタはもちろん、お米と酢と海苔にこだわる江戸前鮨のお店です。
「できればカウンターに座ってほしいですね。やはり握りたてを食べてもらいたいので」
大将の三上さんはそう語ります。
というのも、シャリに空気を入れながら握るので、時間が経つと鮨の食感が微妙に変わっていくからだそうです。
個室はカウンター席のすぐ隣なのですが、料理を運ぶわずかな時間さえも気にかけるとは。大将の職人魂を感じます。
鮨 三上の基本メニューは「大将おまかせコース」(13,000円~、税込)。
はじめにお刺身や焼き物、蒸し物などの「つまみ」が6品前後出てきたのち、握り鮨が1品ずつ10貫前後出てきます。
三上さんが絶対おすすめしたいという外せない定番の品と、その日その時の旬の素材を活かした品を織り交ぜて提供。そのため、メニュー内容や品数は日によって変わります。何が出るかは訪れた日のお楽しみ!
手間暇かけシンプルに素材の味わいを活かすのが三上流
鮨 三上の代表的な料理をいくつか紹介します。
まずはお刺身。お刺身といっても生魚を切ってそのまま提供するのではなく、ひと手間加えるのが三上流のお刺身。
定番のお刺身は「水貝(みずがい)」。アワビのお刺身です。生のアワビを塩水と合わせるとアワビの味が引き立つうえ、塩水に浸すことでアワビの出汁が出て塩水自体にうま味が出るそうです。
次に紹介するのは、北海道余市産のあんこうの肝を蒸した「あん肝」。脂がのっている冬の定番メニューですが、真夏にもたまに出ることがあります。稀に夏にあんこうが水揚げされることがあり、夏も脂がのっていて美味なのだそうです。
同じく冬に脂がのっていて美味しいものが「塩キンキ」。北海道羅臼産のキンキを塩煮してアオサ海苔と合わせたもの。概ね11月から2月末くらいまで提供しています。
では、メインの握りを数品紹介します。
脂がのったサバが手に入る秋から冬にかけての定番が「シメサバ」。サバをはじめ、コハダやマグロなどは数日寝かすことで味が変わり、美味しさがより際立つそうです。
鮨ネタやシャリとともに極上の海苔の味わいも堪能できる代表的な鮨が「ウニの軍艦巻き」。北海道内の極上のウニとシャリを、九州の有明海の高級海苔「混飛海苔(こんとびのり)」で巻いています。
特注で作ってもらっているという「混飛海苔」は、海苔の風味がとてつもなく華やかで濃厚!一般的な海苔と比べると原価は3倍もするそうです。
さらにこだわっているのがシャリ。
「鮨屋ならネタがよいのはあたりまえ。ネタがよくても土台のシャリがダメなら鮨は台無し」というのが三上さんの考え方。
シャリは宮城県の登米(とめ)産「ひとめぼれ」と「あきたこまち」のブレンド米。新米ではなく、酢飯に合う一年古米のみを米店にて特別にストックしてもらい、使用しています。
ごはんに合わせる酢は3年熟成の赤酢。熟成年数を経た酢は甘みが増すうえお米の甘さも加わり、砂糖がなくても美味しい酢飯ができるそうです。
このほか、6時間もかけて蒸し上げた「蒸しアワビ」や「煮ダコ」など、手間暇かけて作った逸品料理も多数。
料理の仕込みにはかなり手間をかけているものの、味付けは塩だけであったり醤油を軽く入れただけであったり、素材の味を活かすため味付けを極力シンプルにするのが鮨 みかみのこだわり。
日本人はもちろん外国人にも好評で、毎年北海道へ行く際には立ち寄るという外国人常連客もいるほど。オーダーは「chef's recommendation」でOK! 簡単な英語でのコミュニケーションを通じて、素材の味わいをじんわり感じられる極上の江戸前鮨を楽しめます。
実施中の新型コロナ対策
除菌・消毒液の設置/お客様の入れ替わり都度の消毒/店舗・施設内換気の実施/コイントレイの利用/スタッフのマスク着用・手洗い・消毒・うがい・検温の実施/入店人数や席間隔の調整/入場制限、予約制の実施/体調不良のお客様の入店お断り
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鮨 三上健康・安全に関する取り組み実施中
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住所
064-0806 北海道札幌市中央区南6条西4-5-10 第21桂和ビル1F
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最寄駅
すすきの 駅 (南北線 / 札幌市電山鼻線)
- 電話 011-532-2626
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住所
064-0806 北海道札幌市中央区南6条西4-5-10 第21桂和ビル1F
2:「すし処ひょうたん」は会津の郷土料理と北海道の厳選ネタを味わえる一つ星の名店
次に紹介するお店は、すすきので約40年間続く老舗の鮨店「すし処ひょうたん」。「ミシュランガイド北海道2012特別版」で一つ星に輝いた名店です。お店までは、すすきの交差点から歩いて5分程度で行くことができます。
表に暖簾がないため通りすがりでは鮨店だと気づきにくく、まるで秘密の隠れ家のよう。あえてこのようなスタイルにしているそうです。
お店を営むのは、福島県会津出身の大将、渡部征世(わたなべまさとし)さん。会津と東京の鮨店で修業したのち、札幌の鮨の名店「すし善」で約10年勤めたのちに独立。それ以来、約40年にわたり北の歓楽街すすきのの一角で暖簾を守り続けています。
大将が会津出身というだけあり、1品目は会津の郷土料理「小汁(こづゆ)」。空腹でお酒を飲むと悪酔いするため、会津ではお酒を伴う宴席などでは最初に小汁を出して食べてもらうという風習が古くからあるそうです。
小汁で小腹を満たしたら、いよいよ本番の江戸前鮨。
メニュー展開は概ね、一品料理が4品程度出たあと、刺身が続き、ラストに鮨が7貫。はじめに好き嫌いを聞いてから提供するため、好みではない料理やネタは別のものに変えて出してくれます。また、最後物足りないと感じた方には鮨を追加で握って出してくれます。
これで概ね12,000円前後。あとはお酒代や追加の鮨代などが加わります。
珍しい食材が揃うすし処ひょうたんの一品料理と鮨
まずは海産物が豊富な北海道でも珍しい逸品を紹介します。それは、イバラガニのほぐし身の内子がけ。
イバラガニとはタラバガニと似たカニですが、近年北海道では水揚げ量が激減して貴重なカニ。このカニのほぐし身に、カニの内子(卵)をかけて提供しています。
絶品のカニ料理は蒸し物でも。カニ味噌豆腐入りの茶わん蒸しです。茶わん蒸しだけでお腹いっぱいにならないように、あえて具材はカニ味噌豆腐のみで、上にカニのあんかけをかけてイクラを添えています。これは絶品、奥深い味わいに感動!
このほかにも、じっくり煮詰めて香りを飛ばした自家製特製ダレで和えた生アジや、山ワサビの醤油漬けに炒ったカツオと乱切りネギを混ぜた薬味で食べる刺身など、ひと味違った一品料理や刺身を楽しめます。
一品料理の後はお待ちかねの鮨。
まずは、北海道南部の南茅部(みなみかやべ)産ガゴメコンブでしめたヒラメの昆布ジメ、自家製ダレに付け込んだ漬マグロ、サバのバッテラ昆布添えの3品。どれもほんのりとした醤油の塩気とともに、軽く弾力のある素材の食感が美味しくて、お酒が欲しくなります。
美味しいネタが続々と出てきますが、なかでも大将がこだわる極上のネタはウニ。市場を通さず北海道内の産地から直接ウニを買い付けているので、臭みや苦み、雑味がなく、とろけるようにまろやかな天然の生ウニを味わえます。街中で生ウニに出会えるとは、海産物が豊富な北海道でも珍しいことです。
ウニはまず、海苔で巻いて醤油を軽くかけた軍艦巻きで出てきます。おかわりが欲しくなったらオーダーすると、海苔を巻かず岩塩とワサビを添えて出してくれます。生ウニの甘さとまろやかさが引き立ち、まるで食後のデザートのよう。味わいはどちらも甲乙つけがたく悩ましいです。
ウニはおかわりしてまでぜひ味わいたい一品ですが、すし処ひょうたんを語るうえで、トロタクは絶対外せません。
トロタクの元祖の店はすし善ですが、考案者はかつてすし善に勤めていた渡部さんと関係者なのだとか。1970年代後半にネギトロに対抗する鮨を作ろうと試行錯誤して生まれたそうです。
タクアンは単に刻んだだけではなく、水出ししたのちゴマやシソなどとともに味付けをしたという手間暇かけたもの。これだけでお酒が進みます。つまみに出してもらっては?
すし処ひょうたんでは、北海道でも珍しいネタを使った極上の鮨と会津の郷土料理を味わえます。外国語表記のメニューはありませんが、基本的には大将がその日の旬のネタを使ったおすすめの品を出してくれるので問題なし。ミシュランガイド北海道2012特別版にも掲載されたこともあり、外国人の訪問も多いです。
実施中の新型コロナ対策
除菌・消毒液の設置/お客様の入れ替わり都度の消毒/店舗・施設内換気の実施/入店人数や席間隔の調整/入場制限、予約制の実施/体調不良のお客様の入店お断り
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すし処 ひょうたん
- 住所 北海道札幌市中央区南7条西4 五條DEUXビル1階
- 電話 011-512-8052
営業時間:17:00~23:30
※営業自粛要請期間は17:30~23:00
定休日:日曜・祝日
3:住宅街に佇む二つ星の名店「すし 姫沙羅」で鮨の文化をたしなむ
最後に紹介するのは、すすきのなど札幌中心部から車やタクシーで10分程度にて行くことができる「すし 姫沙羅(ひめしゃら)」。ミシュランガイド北海道2012特別版にて二つ星に輝いた名店です。
お店の主は、親方の田中彰さん。名古屋の鮨店で修業をし、札幌で鮨店立ち上げなど携わったのち独立。10数年すすきので店を構えていましたが、2017年に現在の地へ移転しました。
「鮨と酒は日本の宝。素材のほか調理の技や創造力、調理器具から器まで全ての総合力が鮨であり、鮨は魚ではなく米を美味しく食べさせるための料理。これが日本の代表的な食文化です」
これが田中さんのこだわり。日本の伝統文化をたしなむのです。繊細な味と香りを楽しむお店なので、強い香水をつけた方は入店お断りとなる場合もあるのでご注意を。
日本の食文化に欠かせないお米は大事な要素。シャリは2種類用意していて、鮨ネタによって白酢のシャリと赤酢のシャリを使い分けています。
創作料理や創作鮨ではなく、シンプルだけどいかに魅せるか、王道の食材をいかにひと手間かけて美味しくするか。この“ひと手間のかけ方”を楽しむのが鮨文化の極意で、このお店の楽しみ方です。
すし 姫沙羅では、とにかくお米を美味しく食べられる
基本メニューは、その日一番美味しいものを親方のお任せで提供する「鮨と酒肴の姫沙羅コース」(25,410円、税込)。はじめに握り鮨が4貫程度出たのち、お酒に合う酒肴や季節料理などが揃った「飲兵衛セット」が出て、後半に再び握り鮨が続きます。
「鮨屋に来たらまず鮨食べたいでしょ、お酒飲むのに小腹満たしたいでしょ」
こう語る田中さん。
思わず日本酒をぐいぐい飲みたくなるような、絶品の鮨がいきなり続々と登場します。味もさることながら見た目にも惹かれます。
出された鮨は極力早く口にするのが江戸前鮨の流儀。こぼれんばかりのウニを、大きな口をあけてひと口でパクッ!
口の中でウニがごはんによく絡み、お米が100倍美味しくなります。そして、鼻の奥からふんわりウニの風味が抜けていくような感覚。これだけで鮨の虜になります。
どの鮨もネタはもちろん、ごはんの絡み方がたまらなく美味しいのが印象的です。
極細切りのイカが口の中で躍るように広がってごはんと混ざり、米とイカの甘みを感じます。最後に口の中に残ったお米数粒を噛みしめると、お米がより美味しく感じられ、じんわりと余韻に浸れます。
ホタテも口の中でパラパラっとめくれるように広がり、ごはんとよく混ざり合います。風味も増して感じられなかなか絶品!
そして、極めつけはコース後半に出てくるボタンエビの握り。シャリの上にボタンエビを巻いてのせ、巻いた内側にエビミソを入れて上に卵をのせたものです。
プリッとした食感で、後からエビミソの濃厚な風味がじわじわと湧いてきます。幸せこの上ない味わい。このエビ目当てに訪れる人もいるそうです。みなさんもいかがですか?
なお、お店には外国語表記のメニューはありませんが、親方が最上級の品々を順々に出してくれるので日本語を話せない方でも大丈夫。日本の伝統的な食文化を五感で堪能できます。
実施中の新型コロナ対策
除菌・消毒液の設置/お客様の入れ替わり都度の消毒/店舗・施設内換気の実施/コイントレイの利用/スタッフのマスク着用・手洗い・消毒・うがい・検温の実施/入店人数や席間隔の調整/入場制限、予約制の実施/体調不良のお客様の入店お断り/お客様へのマスク着用のお願い・検温の実施
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すし 姫沙羅
- 住所 北海道札幌市中央区南8条西20-1-2
- 電話 090-6992-3247
営業時間:11:00~12:30、17:00~19:00、19:30~21:30(予約制)
※2021年5月15日現在、17:00~19:00の営業のみ
定休日:水曜
以上、とっておきの3店舗を紹介しました。札幌には数多くの鮨店があります。どこも甲乙つけがたく悩ましいです。気分と予算と時間次第で、お気に入りの店で味わってみてくださいね!
Text by:川島 暢華
※本記事の情報は2021年2月時点のものです。最新の情報は公式サイト等でご確認ください。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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