札幌ラーメンのトレンドが生まれる地域は、札幌の中心部だけではありません。今回は札幌ラーメン愛好家たちの注目を常に集める、激戦区・平岸エリアにスポットライトを当て、地元のラーメン通の方々にぜひ行くべきおすすめの店を聞きました。ご紹介の店舗は新型コロナウイルス感染対策を実施しています。
- 目次
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- 人気店が集まる札幌ラーメン激戦区
- おすすめしてくれたラーメン通の方々
- 1.【札幌ラーメン 山嵐 本店】背脂を意識させた味で一世風靡
- ◆実施中の新型コロナ感染症対策
- 2.【麺処 まるはBEYOND】麺がスルスル喉を通る、旨み凝縮すっきりスープ
- ◆実施中の新型コロナ感染症対策
- 3.【らーめん つけ麺 NOFUJI(ノフジ)】豚と魚介の旨味あふれるスープと極太麺が印象的
- ◆実施中の新型コロナ感染症対策
- 4.【麺屋 慶(けい)】エビと味噌の旨味が調和した新感覚ラーメン※閉店
- ◆実施中の新型コロナ感染症対策
- 5.【和出汁中華SOBA(わだしちゅうかそば) 山わさび】和食とラーメンを融合させた斬新な味わい
- ◆実施中の新型コロナ感染症対策
人気店が集まる札幌ラーメン激戦区
札幌駅から市営地下鉄南北線で15分強、中心地から豊平川を渡った先にある平岸エリア。街道沿いにマンションが立ち並び、生活に密着した商店や飲食店が多いため、地元の人には住みやすい街として知られています。そんな街の強烈な個性となっているのがラーメン。全国的な味のトレンドをキャッチアップした、進化系といわれる札幌ラーメンの名店がこのエリアに集中しており、日本のラーメンファンには「ラーメン激戦区」として有名なエリアなのです。
おすすめしてくれたラーメン通の方々
札幌ラーメン倶楽部代表
株式会社エフビーエス代表取締役社長 菅原 憲一さん
<Profile>
札幌ラーメンの愛好家が集うポータルサイト「札幌ラーメン倶楽部」を運営。さっぽろラーメンタクシー実行委員会副委員長を務めるほか、ラーメンイベントにも多数携わる。また「弟子屈ラーメン」で北海道の味を発信し続けている。
札幌ラーメン1000編集長 多田 信幸さん
<Profile>
北海道ラーメン専門誌「ラーメン1000」をはじめ、ムックやガイドブックを多数発行。また、「北海道サブスクリプション」(https://hokkaido-shopping.com/ )を企画し、国内限定で、定額で札幌ラーメンを届けるサービスを開始。
1.【札幌ラーメン 山嵐 本店】背脂を意識させた味で一世風靡
平岸駅から徒歩約10分、多くの車が行き交う環状通に面した「札幌ラーメン 山嵐 本店」。2005年のオープン時、それまで札幌では見たことのない、インパクトの強いラーメンが話題を呼び、瞬く間に人気店に! アイデアマンの大村哲也店主が作り出したメニューは、その後の札幌ラーメン界に大きな影響を与えています。
粒々の白い膜を張ったスープが特徴的なラーメンが、こちらの看板メニュー。白い膜の正体は、豚の背脂。「クリーミーでトロミのあるラーメンを作りたいと思い、豚骨白湯(ぱいたん)スープに背脂を取り入れました。クセのない旨味を出す秘訣は、良質な背脂を使うこと。うちではそれを圧力鍋で炊くのが特徴です」と店主の大村さんは教えてくれました。「素材の良さと丁寧な調理で、コクと旨味を強く感じる豚骨ラーメンが味わえます」と多田さんも絶賛します。
太めのストレート麺にからむスープは、見た目と裏腹に脂っこさやくどさは全くなく、ほんのりと甘みを感じるクリーミーでまろやかな味わいです。醤油ダレの濃さも豚骨風味をグッと引き立て、ぐいぐいとスープを飲み干してしまいそうです。
自慢の豚骨白湯スープは、北海道産の豚骨に鶏ガラも加えて、火加減に強弱をつけながら10時間以上煮込んで作り上げます。その間余分な脂などを丁寧に取り、白く輝くような、トロッとクリーミーなスープに仕上げます。「こってりだけれど、あっさり食べられる」というラーメンのタイプ“こっさり系”のベースです。
もう一つ人気を集めているのが、山盛りのネギがのった「ネギダクラーメン」。このネギには京都特産の九条ネギを使用しています。青い部分の多い九条ネギは甘みが強く、大量に載せてもネギ特有の辛味は控えめ。スープや麺と一緒に食べると、食感と味のアクセントとなり、ラーメンの旨さがさらに引き立つと評判なのです。
「山嵐」には白スープのほかに、豚骨スープに魚粉によって魚介の風味を効かせた「海スープ」があります。ネギダクはどちらのスープでもセレクト可能です。
店内はナチュラルかつ落ち着いた雰囲気で、男女問わず一人で訪れる客が多いのも特徴。意外とあっさりと食べられるということが浸透し、年配の方にも支持されています。ぜひ個性あふれる一杯を味わってください。
◆実施中の新型コロナ感染症対策
店舗・施設内や設備等の消毒・除菌・洗浄/お客様の入れ替わり都度の消毒/除菌・消毒液の設置/店内換気の実施/仕切り板の設置/スタッフのマスク着用・手洗い・消毒・うがい・検温の実施/席の間引き、テーブル間隔を開けたディスタンス
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札幌ラーメン 山嵐 本店
- 住所 〒062-0931 北海道札幌市豊平区平岸1条9丁目6-1
- 電話 011-815-3030
営業時間 11:30~16:00 17:00~21:00(20:30LO)
定休日:月曜
駐車場:7台
2.【麺処 まるはBEYOND】麺がスルスル喉を通る、旨み凝縮すっきりスープ
2013年に開業し、すぐに人気店となった「麺処 まるはBEYOND」。「札幌ラーメン界のレジェンドとしてリスペクトされる先代の父と同じ道を歩んだ若き店主が、自分が求める味で父を超えることを目指し突き進んできた、ストーリーのある店」と菅原さんは説明します。店名には、亡き先代の店「麺処まるは」を超える思いで「BEYOND」を付けています。
開店以来、守り続けているのは「毎日食べても飽きがこない、誰からも愛されるラーメン」。しかしそれは昔ながらの懐かしい味ということではなく、独自のインパクトを持った味です。
「今は札幌にも増えた淡麗系の中華そばの中では、抜群のおいしさです」と菅原さんが絶賛する一杯がこちら。目の前に置かれた瞬間、湯気と一緒に魚介の香りが立ち上がります。しかしスープをすすると、魚介の味が際立つのではなく、ほのかに甘みを感じるまろやかな醤油の風味とさまざまな旨味が凝縮されて味覚を刺激します。
豚骨、鶏ガラ、香味野菜で取った透き通る清湯(ちんたん)スープと、カタクチイワシ、サンマ、サバの乾物で取った魚介スープをバランス良く合わせたスープは、誰もがおいしさを感じる分かりやすさが真骨頂です。
合わせる麺は、京都の製麺会社へ特注した、独自の麺切りによる伸びにくいストレート麺。喉の奥に滑り落ちるような食感で、スベスベツルツルの喉越しに驚くはずです。見た目のシンプルさとは裏腹に、こだわりが細部に施された一杯です。
味噌味や塩味もそれぞれ人気があります。「背脂みそ」は、中華鍋を使い、ラードでニンニク、玉ねぎ、もやしを香ばしく炒めて、味噌ダレ、清湯スープを投入する、札幌味噌ラーメン定番の鍋仕上げ。こちらも京都から仕入れる、ねじれも加わった中太でブリブリの縮れ卵麺を合わせます。存在感の強い麺と、香ばしくフルーティーな味噌スープは、クセになるおいしさ。仕上げに垂らすマー油がさらに風味をアップさせ、淡麗ながらも芳醇な、スープを飲み干せる一杯ができ上がります。
「ラーメン好きはもちろん、ビジネスマン、近所のお年寄りや小さな子ども連れのファミリーまで、幅広いお客様にお越しいただいています」と、同店を任される佐藤遼一店長は話します。店主の長谷川凌真さんは、平岸の2つ隣の澄川駅近くに2017年にオープンしたセカンドブランド「麺処 まるはRISE」で新境地の味を提供しているので、この店の味が気に入ったらあわせて訪れてみましょう。
◆実施中の新型コロナ感染症対策
店舗・施設内や設備等の消毒・除菌・洗浄/お客様の入れ替わり都度の消毒/除菌・消毒液の設置/店内換気の実施/スタッフのマスク着用・手洗い・消毒・うがい・検温の実施/席の間引き、テーブル間隔を開けたディスタンス
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麺処 まるはBEYOND
- 住所 〒062-0933 北海道札幌市豊平区平岸3条13丁目7-7
- 電話 011-812-0688
営業時間:11:00〜15:00(~2021年10月14日まで昼のみの営業)
定休日:火曜、第3水曜
駐車場:4台
3.【らーめん つけ麺 NOFUJI(ノフジ)】豚と魚介の旨味あふれるスープと極太麺が印象的
地下鉄南北線〈南平岸駅〉から徒歩1分。抜群の立地の良さがうれしい「らーめん つけ麺 NOFUJI」。スープに麺が入った通常のラーメンと、麺とスープが別の器に入り、麺をスープにひたして食べるつけ麺、それぞれにファンがいる人気店です。店主は札幌にあるつけ麺の有名店で腕を磨き、笑顔が絶えない奥様と夫婦で店を営んでいます。気持ちいい接客も評判です。
多田さんがまずおすすめするのが「つけ麺」。「濃厚な豚骨のだしと魚介だしが、絶妙なバランスでマイルドに仕上がっています。誰もが楽しめる味です」と絶賛。甘みと酸味が程よく調和したまろやかなつけ汁に、北海道産小麦を原料としたモチモチの特注麺。麺をつけ汁にひたしてすすると、魚介の風味がふわりと広がります。残ったつけ汁はスープを追加する「スープ割」で、ぜひ飲み干すまで味わってください。
つけ麺と共通のベーススープを使用した「魚介醤油ラーメン」にも注目を。醤油だれはラーメン専用のものを作り、後味すっきり、最後まで飲み干せるスープに仕上げています。せっかく味わうなら、厚切りのチャーシューが3枚のった「特製魚介醤油ラーメン」がおすすめです。
ベースのスープは豚のゲンコツや背骨、頭を10時間炊き出し、さらに煮干しや昆布、魚粉などを加え合計16時間かけて作っています。白湯(パイタン)スープで、濃厚なコクと、クセのないすっきりマイルドな味わいが特徴です。
レンガの壁やフローリングの床が印象的な店内。落ち着いた雰囲気の中で味わうことができます。ただ、お昼時を中心に行列ができることもあります。
◆実施中の新型コロナ感染症対策
店舗・施設内や設備等の消毒・除菌・洗浄/除菌・消毒液の設置/お客様の入れ替わり都度の消毒/店舗・施設内換気の実施/仕切り板の設置/スタッフのマスク着用・手洗い・消毒・うがい・検温の実施
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らーめん つけ麺 NOFUJI
- 住所 〒062-0933 北海道札幌市豊平区平岸3条13丁目7-12
- 電話 011-815-0101
営業時間:11:00〜ラストオーダー15:00、17:00〜ラストオーダー21:00(スープがなくなり次第終了)
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、10月1日(金)~10月14日(木)は、
昼の部:11:00~15:00
夜の部:17:30~19:30
※10月3日(日)は11:00-15:00までの営業。アルコールは終日販売停止。
定休日:月曜(祝日の場合翌日)
※2021年10月現在、月・火曜
駐車場:なし
4.【麺屋 慶(けい)】エビと味噌の旨味が調和した新感覚ラーメン※閉店
平岸の隣、地下鉄南北線南平岸駅西出口の向かいに位置する「麺屋 慶」。札幌ラーメンの有名店で腕を磨き、イタリアンも経験した店主が、センスと技術で作り出したラーメンを提供しています。代表メニューは「海老みそ」。エビを素材に用いたラーメンを提供する店は何軒かありますが、こちらの味わいは他店とは違う新感覚。特に女性客に人気の一杯です。
こちらの一番人気メニューが「コク深い海老みそ」。「イタリアンの調理法を取り入れたレシピで、エビの臭みやえぐみを感じさせず、すっきりとした旨みを引き出しています」と多田さんもおすすめの一杯です。ひと口目からスーっと心地よく鼻に抜ける上品なエビの風味。食べ進むうちにエビと味噌どちらかが際立つのではなく、両方が見事に融合した「海老みそ」の旨味となります。クリアな飲み口で、最後の一滴まで飲み干せるスープです。
腹ペコな日は、ラーメンにミニ丼がついたお得なセットがおすすめ。特に、長時間煮込んで仕込んだスープで作ったオリジナルカレーが人気で、単品注文もできますが、ミニサイズのカレーのセットメニューもあります。カレーは単品注文の場合、大盛りが無料サービスです。
熱々で具だくさんのあんがかかった「あんかけ焼きそば」も新メニューとして登場。早くも人気を呼んでいます。ラーメンにも「和製ごぼうみそ」など創作系もあり、何を選ぶか迷ってしまいそう。
店内の中央に広く空間を作り、余裕のあるテーブルレイアウトになっています。喫茶店を思わせる雰囲気で、どこか懐かしさを感じさせます。幅広い年齢層が訪れる人気店です。
◆実施中の新型コロナ感染症対策
店舗・施設内や設備等の消毒・除菌・洗浄/お客様の入れ替わり都度の消毒/除菌・消毒液の設置/店内換気の実施/席の間引き、テーブル間隔を開けたディスタンス
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麺屋 慶
- 住所 〒062-0933 北海道札幌市豊平区平岸3条13丁目7-7
- 電話 011-817-7870
営業時間:11:00〜15:00、17:00〜21:00(スープがなくなり次第終了)
定休日:水曜、第3木曜
駐車場:2台(近隣コインパーキング利用で会計から10%割引)
5.【和出汁中華SOBA(わだしちゅうかそば) 山わさび】和食とラーメンを融合させた斬新な味わい
2020年3月26日にオープンしたばかりの「和出汁中華SOBA 山わさび」。交通量の多い国道453号線、通称・平岸通に面し、地下鉄南北線〈平岸駅〉から徒歩5分圏内です。店の前に“丸鶏黄金(まるどりおうごん)のスープ/命の和出汁/渾身の一杯”と掲げたラーメンは、北海道らしい食材を薬味に添えた、ここだけの味わいです。
「和食の板前だった店主が、和食の素材を駆使して作る味わい深いラーメン。その特徴は、まず塩で味わってみてください」と菅原さんが推奨するメニューは「山わさび中華SOBA(塩)」です。薄黄色をした透明感のあるスープは、鶏だしのベーススープに、昆布やカツオ節、カツオの仲間のメジカで作る宗田節(そうだぶし)、アジの煮干しで取った和食のだしを合わせています。その味は例えるならば極上の香りを放つお吸い物のようで、体に染みわたっていくような感覚を覚えます。
丼の中央に盛り付けられた薬味は「山わさび」。日本では主に北海道で採れる食材で、ツンと鼻から抜ける辛みと爽やかな風味が特徴です。「北海道の食文化として広めたい」という思いで、開業にあたり店名に掲げたほか、看板メニューとして薬味に取り入れました。
山わさびを溶かしながら食べ進むと、さらに風味豊かでキレのいいスープに変化していきます。塩麹で味付けし低温調理で仕上げた鶏むね肉チャーシューと、肉の旨味があふれる豚チャーシュー、穂先メンマなど、具材一つひとつに料理人のこだわりが満載です。
美しく澄んだベーススープは、丸鶏と鶏ガラ、香味野菜で丁寧に取っています。メニューによって、鯛だし、鴨だし、アサリだしなどを合わせてバリエーションを広げています。
ラーメンを味わった後には「山わさびお茶漬け」がおすすめ。山わさびや岩のり、白ゴマ、ネギがのったご飯に残ったスープをかけて、お茶漬けのように食べます。ラーメンの余韻がとことん楽しめる、締めの一品です。ご飯は小盛りなので、きっと食べ切れるはず。
店内はカウンターのみ。その上には和食で使われる「半月盆(はんげつぼん)」が並べられ、上品な雰囲気でラーメンを味わうことができます。
◆実施中の新型コロナ感染症対策
店舗・施設内や設備等の消毒・除菌・洗浄/除菌・消毒液の設置/店内換気の実施/お客様の入れ替わり都度の消毒/スタッフのマスク着用・手洗い・消毒・うがい・検温の実施
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和出汁中華SOBA 山わさび
- 住所 〒062-0933 北海道札幌市豊平区平岸3条9丁目9-18
- 電話 090-5071-5570
営業時間:11:00〜21:00(スープがなくなり次第終了)
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、11:00〜19:00(スープがなくなり次第終了)
定休日:不定休)
駐車場:2台
Text by:みんなのことば舎
※本記事の情報は2020年12月時点のものです。
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