別名「屋根のない博物館」と呼ばれる小樽。その名の通り、今でも小樽には、多くの歴史的建造物が並びます。なかでもおすすめなのが、小樽運河周辺。小樽運河そのものもフォトスポットですが、運河沿いにも数々の歴史的建造物が立ち並び、どこを切り取っても絵になります。このエリアを楽しみ尽くせるアクティビティが「小樽運河クルーズ」。キャプテンによる小樽の歴史や建物の解説を聞きながら、船上からしか眺められないスペシャルなスポットを巡る40分の船旅は、最高の思い出となることでしょう。
小樽運河クルーズとは?
小樽運河はもちろん、運河とつながる小樽港を遊覧できるアクティビティです。日中に行われる「デイクルーズ」では、建物や景色を存分に楽しむことができます。夜間に行われる「ナイトクルーズ」では、建物からの明かりや、散策路にある63基のガス灯が運河の水面に映り込み、ロマンチックな雰囲気を味わえます。
小樽運河クルーズへのアクセス方法
●公共交通機関の場合
JR函館本線小樽行の列車に乗車し、小樽駅で下車。小樽駅から港方面へ約10分歩くと、船が発着する中央橋に到着します。
●車の場合
車の場合は、国道5号を走って小樽へ。小樽駅正面の交差点を右折して運河方面へ。札幌から札樽自動車道(有料)に乗って小樽ICで降り、そのまま道道17号を走って運河方面へ。小樽運河クルーズには、駐車場がないため、近隣のコインパーキングをご利用ください。
小樽運河クルーズへGO!チケットの買い方は?
まずは、チケットを入手しましょう。チケットは小樽運河の中央橋にある小樽運河中央橋発券所で買うことができます。時刻表を見て、希望の出航時間のチケットを買いましょう。
乗船料金は、デイクルーズが大人1,500円・小人500円、ナイトクルーズが大人1,800円・小人500円。パンフレットは、日本語版と、多言語版(英語、中国語(簡体字・繁体字))、韓国語をご用意しています。
発見所の前には出航スケジュールのボードがあります。座席の空きがあれば当日でも購入・乗船できます。当日券を購入する場合は、各便出港時刻の15分前までに購入しましょう。当日の運行状況はホームページでも確認できます。
2020年7月現在はコロナウイルス対策のため、出航回数は1時間に1回となっており、通常より便が少なくなっています。絶対に乗りたい、もしくはこの時間に乗りたいという希望があれば、電話もしくはホームページで予約をしておくと確実です。電話は当日でも予約できますが、ホームページでの予約は乗船日の2日前までとなっています。早めのご予約を。
チケットが購入できたら、予約をした人も、当日券を購入した人も各便出港時刻の15分前に発券所に集合します。遅れると乗船できない場合があるので、時間に余裕を持って向かいましょう。
船に乗りこんで、いざ出発!
船は全部で6隻あり、2号、3号、5号、6号には外国語音声ガイドシステムを導入しており、英語、中国語、韓国語でのガイドを聞くことができます。イヤホンは無料で貸し出ししています。
船は橋の下をくぐりながら進みます。冒険のようで、とっても楽しいですよ。
出航すると、そう時間を置かず、潮の香りがしてきます。実は運河クルーズの運航ルートには、運河とつながる小樽港も含まれているのです。
北海道の海運の要衝である小樽港。特に明治から大正にかけてはたくさんの船が出入りし、栄華を極めました。発展につれ、運搬する荷物も増えていきます。その運搬作業をスムーズに行うために1923年に造られたのが小樽運河なのです。運河はゆるやかに湾曲していますが、これは海岸線を埋め立てて造られたため。そうした裏話もキャプテンが教えてくれます。
小樽港には、さまざまな船が停泊しており、これも見どころです。密輸出入取り締まりを行う監視艇「かむい」や、大型船を牽引するタグボート「たていわ丸」など、普段は見ることのできない船を間近に仰ぎ見ることができます。
小樽港を楽しんだら、また運河へ戻ります。次に向かうのは北運河と呼ばれるエリアです。
荷物の運搬において大活躍し、小樽の発展に欠かせない存在であった運河も、時代が進むにつれてその役目を失い、一時は消失の危機に陥りました。しかし、運河を埋め立てて道路にしようという計画に市民が反対。話し合いの結果、南運河の半分は埋め立て、北運河は古くからの姿のまま残すということになったのです。
北運河は元々の運河幅である横幅40メートルのままで残されており、港から荷物の運搬に活躍した「はしけ」の姿も見ることができます。
北運河には、食料容器や、飲料缶を製造している北海製罐株式会社の小樽工場があります。90年前に建設され、今も稼働している工場です。
前に突き出た2棟の建物と、それを覆うような大きな三角屋根の建物は、1892年頃に建てられた旧澁澤倉庫。外側が石造り、内側は木材の柱や梁の骨組みの木骨石造で、北運河を代表する建物です。現在はカフェやライブハウスに再利用されている、小樽の観光スポットの一つです。
海側にある北海製罐株式会社の第3倉庫は、ドラマや映画のロケ地として使われたこともある趣のある建物。これを目的に訪れる人も数多くいるとか。
こうした建物を眺めながら、船は南運河へ向かいます。その途中、現在は小樽市総合博物館運河館として利用されている旧小樽倉庫が見えてきます。この屋根の上にはしゃちほこが乗っています。しゃちほこは空想上の生き物で、口から水を吐き、火を消す生き物であると言い伝えられています。なぜそれが屋根の上にいるのかは、キャプテンが詳しく教えてくれます。これは乗船してからのお楽しみ。
南運河を行くと、石造りの倉庫に、ビール醸造所とビアホールを併設している「小樽ビール 小樽倉庫No.1」のオープンテラスが見えます。ビールを楽しむ人がこちらに手を振ってくれることも。クルーズの後にビールを味わいながら、今度は自分が船に手を振るのも楽しいですよ。
南運河の最終地点がフォトスポットでもある浅草橋です。浅草橋から見る小樽運河の姿はあまりにも有名。ゆったり湾曲した小樽運河と100年以上前に建てられた倉庫群の眺めは圧巻。橋の上からの眺めもいいですが、水面近くからの眺めはひと味もふた味も違います。船はここでUターン。浅草橋を背にした時が、シャッターチャンスです。
クルーズにふさわしい服装や天候について
夏は日差しが強いので、暑さ対策は必須。日傘の使用はできないので、帽子や飲み物、日焼け止めを持っていきましょう。帽子は飛ばされないように、チェーンで留めるなどの工夫をすると安心です。
船上では風を受けるため、陸上にいる時よりも涼しく感じます。特に冬はダウンコートを着込み、カイロを持参するなど防寒対策をしていきましょう。春や秋も、風が冷たい場合があるので、上着があると安心です。また、船に乗り込む際には足場が揺れるので、スニーカーなどの運動靴で行くのがおすすめです。
悪天候時の対応
小雨や雪の日もクルーズ船は原則として運航しています。安全のため、船上では雨傘、日傘は使用できないので、小雨が降っている場合はレインコートを無料配布しています。大雨、大雪、強風、高潮など、悪天候が予想される場合は、キャプテンの判断でコースが変更になったり運休になったりする場合もあるので、心配な場合は向かう前に確認しましょう。
時間帯や季節によって変わる見どころ
季節の移り変わりや時間帯によって眺めが変わるのが小樽運河クルーズの大きな魅力です。春は運河沿いの植物が花開き、夏は夜のクルージングで涼しい船旅を楽しめます。秋には運河沿いの倉庫群につたうツタの葉の紅葉が美しいもの。冬は、街が雪に覆われ、夜になると、雪景色と街明かりによって幻想的な景色が広がります。
時間によっても眺めは大きく変わります。特に夕暮れの時間帯はロマンチック! 日没の時間は季節で大きく変わります。券売所にはタブレット端末が設置されており、スタッフが撮影した写真を見ることができます。
Instagramでも写真をアップしているので、そうした写真を参考に、乗りたい時間を選ぶといいでしょう。季節ごとの写真も見られるので、次に旅をするときの参考にしてみるのもいいかもしれません。
また、カウンターでは、ポストカードやオリジナルステッカーの販売も。クルーズ体験の思い出にぜひどうぞ。
運河上から眺める古き良き小樽の街並みは、散策路からとはまた違うもの。倉庫群も間近に迫ってきます。日帰り観光でも気軽に体験できるのも嬉しいポイント。小樽に来たら、忘れずに体験してくださいね。
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小樽運河クルーズ
- 住所 〒047-0007 北海道小樽市港町5−4
- 電話 0134-31-1733
営業時間:2020年7月1日(水)~2020年7月31日(金)デイクルーズ(日没前出航) 11:00~19:40(最終出航時刻 19:00)ナイトクルーズ(日没後出航) 20:00~20:40 (最終出航時刻 20:00)※2020年8月以降は、出航時刻・便数に変更あり。詳細は公式ホームページでご確認ください。
料金:デイクルーズ 大人1,500円(中学生以上) 小人(小学生以下)500円 ナイトクルーズ 大人1,800円(中学生以上) 小人(小学生以下)500円
定休日:2020年12月31日(木)~2021年1月1日(金)
Text by:みんなのことば舎
※本記事の情報は2020年7月時点のものです。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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