おたる水族館は、1958年に北海道博覧会「海の会場」として建設され、2018年に創業60年を迎えた歴史ある水族館です。世界で初めてワモンアザラシの繁殖に成功するなどさまざまな実績を残しているほか、ペンギンのショーやお散歩など、工夫をこらした展示にも定評があります。
小樽に来たらぜひ立ち寄りたい名所、おたる水族館の、知っているとより楽しめる注目ポイントや見どころをご紹介します。
入場から楽しい!マスコットキャラクターがお出迎え
おたる水族館は小樽駅から車で15分ほどのところにあります。小樽市街地からは少し離れていますが、水族館行きのバスなども出ているのでアクセスしやすいスポットです。
本館、イルカスタジアム、海獣公園の3エリアで構成されるおたる水族館。約250種、5,000個体を展示しており、地元の人からも観光客からも愛されている水族館です。入り口前にいるのはおたる水族館のマスコットキャラクター「はっちゃん」と「ななちゃん」です。ここで記念写真を撮影する人も多いそう。
現在は、来場の皆様にコロナウイルス対策を呼びかけるため、「はっちゃん」と「ななちゃん」もマスクを着用。これもまたかわいいですね。
まず、正面入り口の売り場でチケットを購入しましょう。
チケットと一緒にパンフレットをもらえます。日本語のほか、英語、中国語、タイ語のパンフレットがあります。
入ってすぐのエリアではウミガメがお出迎えしてくれます! アカウミガメと、アオウミガメの2種類のウミガメが水槽の中を泳いでいます。
ウミガメ水槽のそばには案内板があります。案内板のQRコードをスマートフォンで読み取ると、おたる水族館がピックアップする10種の生き物の音声ガイドを聞くことができるので、ぜひ読み込んでおきましょう。日本語、英語、中国語(簡体字)の3カ国語が用意されています。QRコードはパンフレットにも掲載されています。
おたる水族館最大の水槽!「パノラマ水槽」
奥へ進むとおたる水族館最大の水槽、「海のパノラマ回遊水槽」があります。サメやエイ、アオウミガメなどが、目の前を悠々と泳ぐ姿は圧巻!
音声ガイドに出てくるアオウミガメの太郎も、ここにいます。
太郎は、北海道北部の初山別村(しょさんべつむら)の海岸で、片方の前肢がない状態で保護されたウミガメ。2013年から、パノラマ回遊水槽で過ごしています。太郎の音声ガイドの日本語バージョンには北海道弁があるので、北海道の方言を聞いてみたい方はチェックしましょう。
おたる水族館の名物が、特定の生き物に注目し、その生態や特徴を解説する期間限定の特別展示です。2020年はカニに注目! 海のパノラマ回遊水槽の周辺エリアで、11月23日まで開催しています。
ネズミイルカが泳ぐ「ほのぼのプール」
ネズミイルカは北海道沿岸に生息する小型の鯨類です。飼育展示している施設はとても少なく、複数で展示している水族館は日本で2つしかありません。おたる水族館はそのうちの1館です。
現在は定置網に迷い込んでしまった4頭を保護して飼育しており、北海道大学水産科学研究院と共同で、生態や習性などを研究しています。
ネズミイルカは警戒心が強い一方、好奇心も旺盛です。泳ぎが早くて、周りなど気にしていないように見えますが、実はちゃんとこちらを認識しています。もしかしたら目が合っているかも?
海の生き物のおいしい時期!「旬のおいし槽」
常設展「旬のおいし槽」は、北海道の旬の生き物を展示するコーナーです。展示する生き物はその時期「旬」の、食べられる生き物です。小樽のグルメといえばお寿司。食事の前に水族館に立ち寄ると、その時期においしいものがわかりますよ。
なお、水族館内には、至るところに解説のシートやボードが貼られています。これは飼育員さんの手作りです。おいし槽ではそれぞれの生き物の解説や特徴、そして食べ方が書かれています。他にも手書きのイラストやクイズ、案内版が水槽ごとにあるのでお見逃しなく。
360度の水槽!「オホーツク海・ベーリング海」
「オホーツク海・ベーリング海」エリアは、寒い地域の海を主な生息地とした魚たちと出会える場所。360度、ぐるっと水槽に囲まれた空間です。
水槽の中にいる平たい魚は「オヒョウ」というカレイの仲間。カレイの中では最大の魚で、過去捕獲されたものには、体長2.7mにも及ぶ個体がいたとか! 間近で見ると迫力たっぷりです。
怖い顔をした魚はオオカミウオ。オオカミウオが獲れると、ニシンが豊漁になるという言い伝えがあったことから、アイヌの人々に「チップカムイ(魚の神)」と呼ばれてきた魚です。
オオカミウオは岩の隙間でじっとしていることが多い魚ですが、おたる水族館では水槽内を元気に泳ぎ回ります。なぜおたる水族館のオオカミウオが常に泳いでいるのか、理由は解明されていませんが、とても珍しい姿を見ることができます。
イルカとオタリアのショー
イルカスタジアムでは、イルカとオタリアのショーが楽しめます。オタリアショーは1頭で行うショーと、3頭で行う「オタリアの小学校」ショーがあります。バンドウイルカたちは、愛らしい演技と、大迫力のジャンプを披露します。大きな水しぶきが立つダイナミックなジャンプは必見です。
現在は、コロナウイルス感染拡大防止のため、ショーは平日のみの開催です(2021年7月11日から変則的ですが土日も行います)。ただし、土日も、イルカスタジアムへの入場は自由にできます。タイミングがあえば、トレーニングの様子を見られるかもしれません。
海の一部が展示エリアに!「海獣公園」
おたる水族館の人気スポットが、屋外にある海獣公園です。眼下に広がる小樽の海を眺めながら坂道を下って向かいましょう。
海獣公園にプールは、海を仕切って作られたもの。ほぼ自然そのままの環境で、昆布などの海藻が豊かに生え、ウニやナマコなどの生き物も生息しています。ここで、アザラシやトドが生活しています。
アザラシたちに餌やり体験
日本近海は5種類のアザラシが生息していますが、おたる水族館ではなんと4種類を飼育展示しています。飼育頭数は現在47頭で、日本で一番アザラシがいる水族館なのです。
海獣公園でぜひトライしてほしいのが、アザラシやトドへの餌やり体験です。公園で販売している「アザラシのエサ」を購入すると、ホッケやコマイの入ったバケツをもらえます。
バケツをもってプールに近づくと、お腹をすかせたアザラシたちが近くに大集合! 彼らの目は手元のバケツに釘付け。水面を前足で叩いておねだりをしてくる子や、吠えて呼びかけてくる子も。魚を投げ入れるとアザラシたちが一斉に魚に飛びつきます。水しぶきが上がるので、びしょ濡れにならないよう気を付けて。
トドのダイビングも必見
トドのプールにも行ってみましょう。近づくと、やはりこちらに近寄ってきます。
おたる水族館では、トドのショーも行われています。ハイライトは、なんと言っても最大6頭が同時に飛び込むダイビングの瞬間! パワフルなパフォーマンスは目が離せません。現在はコロナウイルス感染拡大防止のため、ショーは平日のみ行っています(2021年7月11日から変則的ですが土日も行います。なお、オタリア、イルカ、トド以外のショーは休止していますが、訓練として不定期に行っている様子をご覧いただくことはできます)。
海獣公園のある海岸線は、ニセコ積丹小樽海岸国定公園の一部です。海には野生のアザラシやトドも暮らしています。海獣公園から見える「トド岩」には、冬になると、100~150頭ほどの野生のトドが集まってきます。双眼鏡を持っていくと、小樽の海に生きる野生のトドやアザラシが見られるかもしれません。
自由すぎる!? 大人気のペンギンショーも見逃せない
海獣公園では、おたる水族館の人気者、ペンギンも見逃せません。フンボルトペンギンとジェンツーペンギンがいます。フンボルトペンギンは夏期に行われるペンギンショーで大活躍! おたる水族館のペンギンたちは飼育員の言うことなどどこ吹く風で、それぞれ好きなことをし、一向にパフォーマンスをしないことで有名。自由きままなペンギンたちと、トレーナーのコミカルなやりとりは、「全然言うことを聞かないペンギンショー」として人気を集めています。
夏季のスペシャルショーは、「ペンギンの海まで遠足」。フンボルトペンギンが海獣公園内の飼育スペースから外へ出て、お客さんのすぐ横を通り海へ向かっていきます。
冬は「ペンギンの雪中さんぽ」が行われます。こちらはジェンツーペンギンが大活躍。雪の上を自由に歩く愛らしいペンギンたちは、お客さんの視線を釘付け!
イルカスタジアムへ行く途中には、2020年4月にオープンしたフンボルトペンギンの島「フンボル島(とう)」があります。フンボルトペンギンの生息地である南米のチリやペルーの環境に近づけて作られた展示施設です。岩に登ったり、暑い日は木陰で休んだり、より野生に近い行動が見られます。
旅の記念品はここで。館内ショップ
館内を巡ったあとは、お土産選び。ショップは1階と2階の2カ所にあります。1階のショップは、正面入り口を入ってすぐのところにありますよ。
注目アイテムの一つが、水族館オリジナルTシャツ。一番人気は「アザラシTシャツ」(税込2420円)です。水族館おすすめの「ホッケTシャツ」(税込2,420円)もキュート。
おたる水族館の仲間たちのぬいぐるみは、手乗りサイズから、大きいサイズまで取り揃えています。現在は、コロナウイルス感染拡大防止のため、全てのぬいぐるみにビニールをかぶせており、安心してお買い物できます。
札幌からおたる水族館へのアクセス方法
■JR+バスでアクセスする場合
札幌市内からJR函館本線の小樽行き列車に乗車。そして、小樽駅から水族館行きの路線バス(北海道中央バス)に乗ります。さまざまな割引乗車券が各社から発売されていますので、旅のプランに合わせて選びましょう。
<お得な乗車券>
・JR北海道「おたる水族館セットきっぷ」
札幌駅からの往復JR券、バス券、水族館の入館引換券がセットになったお得なきっぷです。小樽駅~小樽築港駅の区間では乗り降りが自由にできます(普通列車の普通車自由席のみ)。バスは、小樽運河ターミナルもしくは小樽駅前と、水族館との間を往復1回乗車できます。
・北海道中央バス「小樽市内一日乗車券」
小樽市内の路線バスを、一日、自由に乗り降りできる乗車券です。バスを使って小樽市内をあちこち巡りたい方には、こちらがおすすめ。水族館入館料の割引特典が付いています。
■バスのみでアクセスする場合
北海道中央バス「おたる水族館バスセット券(往復)」
札幌市内中心部から水族館までの往復バス券です。札幌から小樽駅までは高速バスに乗り、小樽駅からは路線バスに乗り換えて向かいます。水族館入館券がセットになっています。
■車の場合
札幌から国道5号で向かいます。高速道路を利用する場合は、札幌から札樽自動車道(有料)に乗って小樽ICで降ります。小樽市内からは道道454号を走ります。駐車場は、水族館の有料駐車場を利用しましょう。
季節限定で行うショーやイベントも盛りだくさん。今回紹介したエリア、生き物たち以外にも、おたる水族館には見どころがたくさんあります。まだ行ったことのない方も、訪れたことのある方も、小樽観光に来た際にはどうぞ、行ってみてくださいね!
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おたる水族館
- 住所 〒047-0047 北海道小樽市祝津3丁目303番地
- 電話 0134-33-1400
営業時間:通常営業 2020年3月20日(金・祝)~2020年11月23日(月・祝) 9:00~16:00(最終入館 15:30)冬期営業 2020年12月12日(土)~2021年2月28日(日)10:00~16:00 (最終入館 15:30)※その他に夜間延長あり。詳細は公式ホームページでご確認ください。
料金:大人1,500円 小人(小中学生)600円 幼児(3歳以上)300円
定休日:2020年11月24日(火)~2020年12月11日(金)
Text by:みんなのことば舎
※本記事の情報は2020年7月時点のものです。
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