春に咲く花と言えば桜が有名ですが、開花期間が短く、気が付けば見頃を終えていることも少なくありません。そこでおすすめなのが5月中旬から6月中旬まで楽しめる「芝桜」です。その名の通り、芝のように根を広げ、桜に似たピンクの花をつけます。とても小さな花ですが、群生が満開になるとカーペットのように一面に広がり、美しく大地を彩ります。今回は、北海道のおすすめ芝桜の名所を4つご紹介します。
メイン画像:写真提供:(一社)倶知安観光協会
北海道で芝桜が見られるエリア
北海道では各地に芝桜が見られるスポットが点在しており、なかでも道東エリアは「ひがしもこと芝桜公園」や「芝ざくら滝上公園」など芝桜の名所がたくさんあります。北海道は自然が豊かなため、芝桜畑も広大な丘陵地帯や山々など美しい自然景観と調和しており、その絶景が見られるのは北海道ならではの体験です。
ただ、札幌などの都市部から離れていることが多く、車でのアクセスでないと不便な場所も多いので、時間にゆとりをもって計画をたてるのをおすすめします。新千歳空港から道内のローカル航路を使うと早くアクセスできる場合もあるため調べておくとよいでしょう。
北海道での芝桜の見頃時期&訪問するためのベストタイミング
北海道の気候は他の地域と比較して涼しいため、他の地域よりも芝桜は遅めに開花します。また、桜のようにすぐに散ってしまうことがないので、長期間楽しめます。開花時期は、エリアを問わず5月中旬から6月中旬が一般的で、5月下旬から6月上旬が綺麗な芝桜を楽しむのに最適な時期です。ただし、天候や気温によって開花や見頃時期は変化しますので、最新の情報は各スポットの公式サイトやSNSをチェックすることをおすすめします。
また、5月~6月は北海道でも暖かく過ごしやすい気候になります。そのため芝桜だけでなくチューリップや菜の花、札幌のシンボルでもあるライラックなどさまざまなが花が咲きはじめます。各地の花畑とあわせて訪れるのもよいでしょう。
ただしエリアや時間、天候によって寒暖差がまだ大きいので、軽く羽織れるジャケットなど防寒具や防寒対策をしておくと快適に観光ができます。晴れた日は日差しも強いので、日焼け対策も忘れずに行いましょう。
1.10ヘクタールを覆いつくすピンクのカーペット「ひがしもこと芝桜公園」
札幌から車で高速道路を使って約5時間10分、大空町「ひがしもこと芝桜公園」は、北海道屈指の芝桜の名所です。歴史は1977年に「この場所に美しい花を咲かせよう」と、近隣農家の方が植えた一握りの株から始まりました。年々株を増やして、今では10ヘクタールの広さを誇る大きな芝桜畑に成長し、5月下旬~6月上旬頃は丘一面をピンクに染め上げています。
広々とした園内は遊覧車(中学生以上500円 小学生200円/片道)に乗って巡ることができます。丘の麓にある乗り場から頂上まで、ゆったりとしたスピードで園内の大パノラマを楽しみましょう。
丘の中腹には、山の神様を祀った「山津見神社」があります。ピンクの鳥居は芝桜とマッチし、フォトスポットとして大人気。また芝桜が満開になる同時期に「芝桜まつり」を開催。週末に歌謡ステージなどが行なわれるなど賑わいを見せています。
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2.みかん箱一つの苗からスタート「芝ざくら滝上公園」
札幌から車で高速道路を使って約4時間、道北の滝上町は、農業や林業など一次産業を基幹とする人口2,500人ほどの小さな町です。普段は静かな町ですが、丘一面が芝桜でピンクに染まる季節は遠方からたくさんの人が訪れ、にぎわいを見せます。
芝ざくら滝上公園は、1957年に芝桜を中心とした花の観光地づくりとして、みかん箱ひとつの芝桜の苗を植えたことからスタート。毎年増殖を行い、今では10万平方メートルを誇る大群落になりました。
開花の期間は、5月上旬から6月上旬までの1ヵ月間。見ごろは5月中旬頃になる見込みです。開花期間中は、「童話村たきのうえ芝ざくらまつり」を開催。例年は歌謡ショーや、ゲーム大会などが実施されるほか、ヘリコプターによる遊覧飛行(有料)も行われています。ピンクの花は目に鮮やかで、甘い香りが街を包みます。芝桜の花びらは通常5枚ですが、それ以上の花びらを発見すると、ラッキーなことが訪れるそうですよ。
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3.ここが私有地!? 羊蹄山とのコラボが美しい「三島さんの芝桜」
札幌から車で一般道を走り約130分、倶知安町在住の三島さんがご厚意で一般開放している自宅の庭園は 「三島さんの芝桜庭園」と呼ばれ、倶知安町に春を告げる名所となっています。例年5月下旬~6月上旬に見頃となり、羊蹄山を背に約4,000平方メートルの花壇に芝桜をはじめ、色とりどりの花々が鮮やかに咲き誇ります。
公園と見間違うほど立派な庭園ですが、保守や管理はすべて三島さんがおこなっています。また、私有地のため駐車スペースはありません。車で来た際は、「くとさんパーク」または「旭ケ丘総合公園」に駐車し、花畑に入らないなどマナーを守って楽しんでください。
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三島さんの芝ざくら庭園
- 住所 〒044-0083 北海道虻田郡倶知安町旭51
電話番号:0136-22-3344(倶知安観光案内所 i-Center)
営業時間:私有地のため常識的な時間でお願いします。
料金:なし
定休日:なし
4.広大な丘がピンクに染まる「太陽の丘えんがる公園」
札幌から車で高速道路を使って約3時間30分、遠軽町「太陽の丘えんがる公園」は、丘の頂から裾野まで斜面が公園として活かされています。5月中旬〜6月上旬は芝桜が見頃を迎え、一面ピンクに染まり、チューリップとのコラボも見られます。花畑の規模は比較的小さいですが、その分観光客も少なくゆっくりと観賞ができるのでおすすめです。
太陽の丘えんがる公園「虹のひろば」をさらに登ると町営の見晴牧場があり、約300頭の牛が放牧されています。晴れた日は展望台から湧別原野や、オホーツク海を見渡すことができます。北海道らしい雄大な景色を堪能してください。
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太陽の丘えんがる公園
- 住所 〒099-0400 北海道紋別郡遠軽町
電話番号:0158-42-8360(えんがる町観光協会)
開園時間:9:00~17:00
料金:なし
定休日:なし
芝桜は長期間楽しめる!
毎年5月から6月の長きにわたってピンクの花が咲き乱れる芝桜は、桜の時期よりも旅行の予定が立てやすいです。この時期はさまざまな花畑が見ごろとなるので、北海道の遅い春を満喫できるはず。穴場な場所は観光客が少ないですがそのぶんアクセスが不便なことも。公共交通機関とタクシーを併用するなど、時間とお金にゆとりをもって旅行を楽しんでください。
※本記事の情報は2024年2月時点のものです。最新の情報は公式サイト等でご確認ください。
札幌在住。北海道の民間企業や国家公務員等においてキャリアを積み、2016年4月より会社員からフリーライターに転身。現在は兼業ライターとしてWEBメディアを中心に北海道の魅力を紹介している。
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