日本と海外では、文化やルールが大きく異なります。日本人にとっては当たり前のことでも、はじめて日本を訪れた外国人にとっては、驚くこともたくさんあるでしょう。今回は、そんな日本と海外の違いの一つである交通事情について、訪日外国人数名にインタビューしてみました。
日本と海外の交通事情には、いったいどのような違いがあるのでしょうか。(各コメントは回答者個人の意見です)
赤信号で右折ができない!?
「左側通行には、なかなか慣れないですね。母国では赤信号でも注意しながら右折できるのに対し、日本は矢印の表示によって右折できるところもありますが、できない交差点が多いことに驚きました。また、日本人は『ありがとう』という感謝の気持ちを表すためにクラクションやハザードランプを使いますよね。私の国では、緊急時などあまりよくない意味合いで使うので、この違いには最初、戸惑いました。感謝を表すときは、アイコンタクトをとったり、手をあげたりして合図します」(アメリカ人男性)
「日本人はルールを守るイメージがありけど、自転車用の道路がある道でも、歩道を走っていることには驚いたな。チャイルドシートの規定も母国に比べると緩くてびっくりだよ。ドイツでは、12歳以下または身長150cm以下でチャイルドシートの対象になるんだ。あと日本では、踏切で一時停止しなくちゃいけないことに驚いたよ」(ドイツ人男性)
「左側通行に驚きました。中国ではよくクラクションが鳴っていますが、日本ではあまり聴かず、静かだなと思いました。道路は少し狭いですね。中国では、片側だけで3車線ある道路がたくさんあります」(中国人女性)
日本では原則、赤信号のときは車を停止させます。しかし、アメリカや韓国など一部の国では、右折禁止の標識がなければ、赤信号でも右折できます。今回、インタビューに回答してくれたアメリカ人も、同様のことを話していましたね。そのため、母国の交通事情に慣れ親しんだ訪日外国人にとっては、日本の赤信号で右折できないことに驚くようです。
イギリス人のなかには、日本の信号機の点灯する順番が母国とは異なることに驚いたそうです。一般的に日本の信号機は、青色から赤色に変わる前に黄色が点灯します。その後、赤色から青色に切り替わるものが多いでしょう。イギリスの信号機も、青色から赤色に変わる前に黄色が点灯するところは、日本と同じです。
しかし、イギリスの信号機の場合、赤色から青色に変わる前も黄色が点灯するのです。これは、ドライバーに「発進する準備をしてください」ということをアナウンスする意図があるようです。停止前だけでなく、発進前にもドライバーに注意喚起してくれるイギリスの信号機は、日本以上に親切だといえるのかもしれませんね。
電車ホームまでの道のりが長くて迷路のよう
「日本人は、きちんとホームに整列して電車を待っているので、すごいと思いました。次の電車と並ぶ線を分けて引いてある駅もあって、驚きました。朝の時間帯に女性専用車両が導入されていて衝撃を受けました。国や人によっていろいろな考え方があるかと思いますが、母国ではなかなか馴染みのない考え方なので、とても驚きました。また、電車内で寝ている人が多いですね。日本の治安の良さを表しているのかと思いますが、見かけるたびに心配になります」(アメリカ人男性)
「優先席じゃなくても、高齢の人や妊婦などに席を譲る人が多くてびっくりしたよ。日本人は本当に親切だよね。あとは、東京でいくつか地下鉄に乗ったことがあるけど、地上の入り口から地下のホームまでの道のりが長くて迷路のようだったよ。電車の種類も『快速』や『急行』などたくさんあって、どの電車がどの駅にとまるのか調べるのが大変だったな」(ドイツ人男性)
「携帯電話の通話がマナー違反となっていることに驚きました。また、これは友人から聞いたのですが、日本では他にも『リュックを背負っているときは、邪魔にならないように前に抱えるかおろす』や『ドア前に立つ際は、駅で降りる人のために道をあける』など、細かなマナーがあると知り、驚きました」(中国人女性)
訪日外国人が初めて日本の電車を利用するときに驚くことの一つに、ダイヤ通りの正確な運行が挙げられます。日本人にとっては、時間通りに電車が運行することは当然だと思いますが、外国人にとっては、必ずしもそうではありません。海外では、電車が時間通りに運行することの方が珍しいという話も聞きますからね。そのため、日本の電車が時間を厳守することに驚くそうです。
日本の駅は、目的地までの乗り換えが複雑で驚いたという声もよく聞きます。日本人でも普段、使い慣れている路線以外だと迷うことがありますので、頷けますね。今回インタビューに回答してくれたドイツ人が話しているように、特に都心部の駅構内は迷路のようになっており、改札口まで移動するのも一苦労です。
最近では、そのような訪日外国人の意見を参考に、英語や中国語、韓国語などの電光掲示板の設置や複数言語に対応できる駅員による案内サービスが拡充されつつあります。道に迷ったときにはぜひ、利用してみてください。
多くの日本人が、一度は電車内で寝ている人を見かけたことがあると思います。実は、このような行為が、外国人から心配されていることをご存じでしょうか。海外では、公共の場所で眠る行為は、寝ている間に持ち物が盗難に遭う恐れがあるため、危険だと考えられています。日本では、アメリカ人男性が話しているように治安の良さから、海外ほど電車内で寝ている間に窃盗の被害に遭うようなことは、あまりないでしょう。しかし訪日外国人からは、あまりに多くの日本人が公共の場所で眠ってしまっていることに驚くそうです。
日本の路線バスはいつも静か
「ほとんど時間通りに動いているので、とても助かります。座席にひじ掛けがついていていいなと思いました」(アメリカ人男性)
「日本の路線バスはいつも静かだよね。ドイツでは、携帯電話で話したり、ご飯を食べたりするのは普通のことなので、驚いたよ」(ドイツ人男性)
「路線バスの運賃が高いなと思いました。バス停に時刻表が書いてあり、ほとんどその時刻通りにバスが来ることに感動しました」(中国人女性)
日本のバスについては、運賃の支払い方法が異なることに驚いたという話を聞きます。バスによっては、ドライバーに直接運賃を支払ったり、精算機で処理をしたり、事前にチケットを購入したりとさまざまな支払い方がありますからね。また地域によっては、電子マネーに対応しておらず、現金による支払いしかできないことも驚く理由に挙げられていました。
電車同様にバスも時間通りの運行をしていることに驚いたという話も聞きます。今回、インタビューに回答してくれたアメリカ人と中国人も、日本の時間通りに走行するバスを絶賛していましたね。
ルールを理解して利用しよう!
日本と海外では、交通事情に大きな違いがあります。このような文化やルールの違いから訪日外国人が、事故に巻き込まれてしまうという話をよく聞きます。長年、母国で慣れ親しんだ交通事情と異なるルールにすぐ慣れるのは大変でしょう。しかし、日本で交通事故に遭わないためには、正しいルールを理解する必要があります。外国人の方々には、訪日前に日本の交通事情をチェックしておくことをおすすめしたいですね。
※本記事の情報は2020年6月時点のものです。
ライター
株式会社ダリコーポレーション
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