日本に住んでいると分かりにくい、日本の物価の高さ。海外から来た外国人は日本の物価をどのように感じているのでしょうか。今回は日本で生活しているアメリカ人に日本の物価についてインタビューしました。
観光で来るのとは異なる、外国人から見た日本の生活ベースの物価の印象についてご紹介します。(各コメントは回答者の個人的な意見です)
日本の生活はアメリカの約3倍お金がかかる!
日本の物価は多くの国よりも高いというイメージは日本人でも想像がつきます。では、同じく諸外国と比較すると物価が高いイメージがあるアメリカ人から見ると、日本の物価はどのように映るのでしょうか?
まずは日本の物価について、生活してみて感じた率直な印象を聞いてみました。
「日本は何でも高いです。アメリカに住んでいましたが、アメリカでは2週間は暮らせるようなお金でも、日本では5日しか持たないです。金額は約3倍です。お金があればあるほどアッという間になくなってしまいます」(アメリカ人男性)
日本での生活にはやはりお金が掛かるというのが、率直な感想のようです。
「アメリカでは2週間は暮らせるようなお金でも、日本では5日しか持たないです」という感想からは、日本で過ごすための日常生活にお金が掛かっているということがうかがえます。
もちろん都市にもよりますが、一般的には都市部の家賃は日本よりもアメリカの方が高額になるようです。そのことを考えると、家賃などの固定費以外の部分で日本は物価が高いと感じるようです。では、どんなものがアメリカに比べて物価が高いと感じるのでしょうか?
野菜も果物も日本は小さくて高い
アメリカと日本を比較した時に、高いと感じるものにはどんなものがあるのでしょうか?
まず、毎日の食料の物価について聞いてみました。
「牛乳など、日本では少ししか入っていないのに高いですね。野菜や果物も日本のものは大きさが小さくて高い感じがします」(アメリカ人男性)
牛乳などの乳製品については、単純に値段が高いというよりは、値段に対する量が少ない印象があるようです。
アメリカでは牛乳の売り方も日本とは異なり、ガロン単位での販売が一般的です。1ガロンは約4リットル、ハーフガロンでも約2リットルと日本で一般的な1リットルサイズと比較すると大容量です。
しかもアメリカで販売されている牛乳は生乳だけでなく低脂肪牛乳や無脂肪牛乳、アーモンド入りなどの加工牛乳も多く、種類が豊富です。それらの牛乳は日本で主に販売されている生乳に比べると安く販売されているものも多く、アメリカ人からすると、日本の牛乳は量が少なくて高いと感じられるのかもしれません。
「日本のほうが高いと思うのは食料品ですね。特にお肉が高いです。アメリカではもっと分厚くて大きいお肉が安く売っています。でも僕が住んでいたのは田舎だからかな。アメリカでも都会のスーパーでは2倍くらいの値段になっていることもあります」(アメリカ人男性)
肉類や野菜、果物などの食料品についても、日本よりアメリカのほうが同じ値段でも購入できる量が多く、商品の種類も豊富にあるようです。特にお肉は赤みを好む人が多いアメリカ人と霜降りの入ったお肉を好む日本人の好みの差も関係しているかもしれませんが、やはりアメリカのほうが安くてたくさん購入できるようです。
ちなみに、アメリカでは人種的、宗教的にも様々な背景を持つ人々が多様な食文化を形成しているため、牛乳・肉類・野菜類などの食料品においても選択肢が多く設けられているようです。
タクシー代や映画料金はアメリカの倍かかる
そのほかにも、日常生活でアメリカより日本で高いと感じるものがあるようです。
「日本のタクシーは高いですね。アメリカの倍くらいかかる気がします。あと映画も高いですね。アメリカの映画館も食べ物を持ち込むのが禁止なのは同じですけど、チケット代が倍くらいです」(アメリカ人男性)
車社会のアメリカではガソリン代が日本よりも安く、同じ量で日本の半分くらいの値段の時もあるようです。それに比例して、アメリカのタクシー代は日本の半分くらいという印象があるのかもしれませんね。
映画についても、日本の平均が1800円くらいとすると、アメリカの平均は11米ドルくらいと割安です。映画館での飲食を考えるとやはり物価が高いと感じるのかもしれません。
100円ショップは安くて品揃えも良くて感動!
アメリカ人にとって、逆に日本に来て安いと感じるものはあるのでしょうか? 日本のほうが物価が安いと感じるものを聞いてみました。
「ファミリーレストランとか牛丼屋とか手軽に入ることができるお店は日本のほうが安い感じがしますね。あと100円ショップは安いと思います。何か困ったらとりあえず、100円ショップを見に行きます。日用品から食品までとにかくいろいろなものがあって、さらにちょっとした便利グッズがたくさん売っていることに感動しました」(アメリカ人男性)
スーパーマーケットなどで売っている牛乳や野菜、果物などについては物価が高いと感じる一方で、ファミリーレストランや牛丼屋など、外食では物価が安いと感じているようです。
アメリカでは、外食は特別な時にするものイメージが日本よりも強く、レストランなどでの食事には日本以上にお金が掛かります。また、アメリカでは日本にはないチップの習慣もありますので、トータルで考えると外食はお金が掛かるという印象のようです。
一方で、日本には気軽には入れるお店が多く、味もおいしいという評判があります。また日用品についても100円ショップという強い味方があるのは、アメリカ人にとっても助かるようです。「何か困ったらとりあえず100円ショップへ」という考え方はアメリカ人も日本人も共通のようです。実際に100円ショップは日本だけでなく、海外でもいろいろな国で展開しており、多くの国で人気を集めています。
電化製品は比較的質が高くて安いものが多い
外食や100円ショップ以外にも、日本独自のアメリカ人にとってお得なものがあるようです。
「すべてとは言えませんが、電化製品は比較的質が高くて安いものが多いなという印象を受けました。日本発祥のアニメのグッズなどは日本で買った方がオフィシャルのものだし、安くて良いと思います」(アメリカ人男性)
日本に来たら、やはり電化製品とアニメグッズはマストアイテムのようです。
日本製の電化製品は品質が良いことで世界的によく知られていますが、日本製のものを海外で購入しようとすると関税などの関係もあり、高額になりがちです。同じ製品であっても日本国内での価格はやはり安く感じられることでしょう。
その他、アニメグッズは日本でしか手に入らないものなどもあり、海外からの観光客にもとても人気が高い商品です。海外では模造品やクオリティの低い製品も多いため、日本で作られたオリジナルグッズなら多少高くても、十分満足できる価格に感じられるようです。
物価の違いを知って、日本滞在を賢く楽しもう
日本の物価の印象を聞くと、アメリカと日本で物価が高いものもあれば、低いものもあることが分かりました。一般的に物価が高いと思われがちな日本ですが、すべての製品で物価が高いわけではないようです。
他の国との物価の違いを知ることで、日本ならではのお得な商品が見えてきます。買い物をするなら、日本で物価の安いものを賢く買って、お得感を味わいたいものですね。
<筆者プロフィール>
塚原 和久(つかはら かずひさ)
旅行、社会インフラなど身近なものから、企業人事など硬めのジャンルまで幅広く担当するライター。苔、観賞魚など自然をこよなく愛し、妻との旅行を楽しむ日々。
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