日本人にとっては一年で最もおめでたいお正月。「お正月料理ってどう思う?」「鏡餅やお雑煮は食べたことある?」「お年玉って外国人は知っているの?」など、日本のお正月について外国人数名にインタビューしてみました!(回答は個人の意見です)
日本の豪華なお正月料理にびっくり! インドはいつも通りカレーだよ
「栗きんとんや卵料理はすごくおいしくて好きです。甘くてお菓子みたいですね。海老天ぷらもとてもおいしい。インドではお正月は特別な日ではないので、いつも通りカレーを食べます」(インド人)
「義母の手作りのおせちと、義父が用意したデパートのおせち、両方を食べました。デパートのおせちは和洋折衷で私でも食べやすかったです。料理の一つひとつに幸せを祈願する意味があると教えてもらい、日本らしいと思いました。 お屠蘇も日本らしい器でいただいて素敵でした。メキシコではお正月用の特別なお料理はないから、日本の豪華なお正月料理にビックリしたよ」(メキシコ人)
「イタリアでは年末に食べる伝統的な料理があります。地域によってまったく異なりますが、ボローニャではトルテローニ(鶏肉のスープに肉とチーズを浸した小さなラビオリ)を使用します。ローマでは野菜と魚の揚げ物が多いです。ナポリでは、チョコレートとドライフルーツがたくさん入ったお菓子を作ります。
また若者は自宅で年越しパーティーを開くことが多いですね。立食で会話をしながら食べることができるフォッガーフード(クリスプ、ポップコーン、小さなサンドイッチ、フィッガーピザ、ミニペストリーなど)を食べます」(イタリア人)
日本ではお正月の定番である「おせち」。普段は口にしないような珍しい食べ物をたくさん口にできる日本の伝統料理ですね。そんなおせちは今回、インタビューに外国人からは評判も高かったみたいです。
海外でも国によってお正月に食べる定番料理があり、フランスでは「ガレット・デ・ロワ」というお菓子。中国ではお金の形に似ていることから縁起の良いとされる「水餃子」を食べるそうです。
どうして喉に詰まらせる人が出ているのにお餅を食べるの?
「お餅は伸びて、面白いね。おいしいと思うよ。お雑煮に入れるのが好きですね。でもスープとしてなら、もっと辛い方がいいかなと思いますね」(インド人)
「奥さんの実家で毎年、自家製のお餅を作っています。 作りたてのお餅をきなこや砂糖醤油、海苔で巻いて食べたけど、柔らか過ぎて噛んでもなかなか飲み込めなくて困ったね!これが噂の『キラーケーキ』ってやつか、って思ったよ。 お汁粉は甘いし、お餅が食べやすくて、大好きになりました」(メキシコ人)
「イタリアにはお餅がなくて、初めて日本で食べました。そのまま焼いたお餅を食べたときは味がない?と思ったけど、日本人はあんこや醤油をつけて、いろいろな味を楽しむのですね。焼くと膨らむことに驚いたわ」(イタリア人)
お雑煮は味だけでなく、綺麗にカットされたニンジンやしいたけなどの見た目の部分も外国人から高い評価を得ています。
お餅については、例年、日本人が喉に詰まらせていることから「日本人はどうして毎年、喉に詰まらせる人が出ているのにお餅を食べるの?」と不思議に思われているようですね。多くの日本人は、お餅を実際に喉に詰まらせることがほとんどないことを分かっていますが、そのことを知らない外国人から理解を得ることは難しいのかもしれませんね。
日本人は無宗教の人が多いのにどうして毎年、元旦に神社で初詣するの?
「日本の初詣には行ったことはないです。私はインドで毎日、仕事の帰りに小さな神様のいるお寺に寄り、お誕生日は特別なお寺にお参りします。日本人はお正月だけお参りする人が多いですね」(インド人)
「友達に誘われて、家の近くの神社にいったよ。とにかくすごい人で、盛り上がっていたね。日本の文化を感じたな。おみくじを引くのが、ゲームみたいで楽しかったよ」(メキシコ人)
「日本人はお正月に神様にお参りするけど、私たちはクリスマスイブか25日の朝に教会にいき、伝統的なクリスマスミサに出席します」(イタリア人)
お正月といえば、近所の神社で初詣をするのが日本の伝統です。そんな初詣について、外国人からは「日本人は宗教を信じていないのにどうして毎年、元旦に神社で初詣するの?」という疑問があるようです。
2019年4月にアメリカの調査機関「ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)」が公開したレポートによると、ヨーロッパなどを含む対象国家のなかで「宗教は私の人生にとても重要だ」「20年前よりも宗教の重要な役割が増している」という調査で、日本はいずれも最も「思わない」という結果でした。
たしかに多くの日本人が、自分のことを「無宗教」だと思っているのではないかと予想されます。しかし、日本人が毎年、元旦に神社に初詣をするのはそれが一種のお祭りに近いものだからでしょう。つまり、宗教的な意味合いよりも、季節行事としての意味合いが強いのかもしれません。
お年玉は子どもではなく、お世話になった方にあげる
「お年玉を知りませんでした。子どもにお金をあげるなんて贅沢ですね。少し似た習慣としては、インドでは『ディワリ』というお祭りのとき、お金やプレゼントをあげます。子どもにあげるのではなく、お世話になっている方や雇用している人にあげます」(インド人)
「お年玉は初めて知ったよ。子どもにお金をあげるなんてビックリだよ。日本の子どもがうらやましいね。最近はスーパーでもお金を入れる袋を売っていて、かわいいよね」(メキシコ人)
「イタリアにもお年玉みたいなイベントがありますが、新年にはありません。1月6日の夜に『ベファーナ』と呼ばれる魔女が良い子にプレゼントを与えて、悪い子には靴下に炭を入れます」(イタリア人)
お年玉は日本独自の習慣だと思われていますが、実は海外にもお年玉に似た習慣があります。例えば中国では大人が子どもにお金を贈ることで、その年に子どもが受ける災厄を払うという意味を込めた「圧歳銭」という習慣です。また中国では大人から大人にお金を贈る「利是」。「利是」に似た習慣として、ベトナムでは「ムントゥオイ」、台湾では「紅包」などがあります。
元旦はどちらかというと大晦日のパーティーの疲れをとる日
「いろいろなところに旅行にいきます。とても楽しみです。ちなみに、インドは10月か11月にある『ディワリ』というお祭りが日本のお正月のような時期で、お休みもあります。お正月の時期は1月1日だけ休み、ハッピーニューイヤーというだけです。特別感はなく、長い休日もないのです。逆に猛暑の季節である6月に学校も夏休みになるので、旅行にいきます」(インド人)
「メキシコでは、大晦日に親戚が集まってメキシコ料理を食べて0時と同時にお互いハグ&キスをしていたよ。新年になると、ぶどうを12個食べるんだ。もともとはスペインの風習らしいね」(メキシコ人)
「私たちは大晦日を子どもの頃は家族と過ごし、大人になってからは友人や婚約者と過ごします。来年を祝う伝統的な夕食は豪華で長く、午後8時頃から深夜まで続きます。私たちはゲームをプレイしたり、映画を見たり、会話を楽しみます。友人とのパーティーでは、フルコースより軽食を食べるのが一般的です。真夜中に新年を迎える乾杯があり、それから私たちの愛する人と時間を過ごした後、家に帰ります。1月1日はなにかするっていうよりは、大晦日のパーティーの疲れをとる日って感じですね」(イタリア人)
海外のニューイヤーは国によってさまざまです。例えばアメリカのニューヨークでは年越しイベントのために毎年、約100万人が集まってショーや花火で新しい年を迎えます。またイギリスのロンドンでは、集まった人たちでカウントダウンを数えて、花火と共に新年を迎えます。そのため、日本で新年を迎える外国人からは「新年を迎えるときの花火はどこで見られるの?」とよく聞かれるみたいですね。
日本でも長野県や静岡県などの年越しイベントでは花火を打ち上げるそうですが、多くの人は家族や友人とまったりしながら新年を迎えることが多いのではないしょうか。
まとめ
日本人は欧米文化を多分に取り込んでいる一方、日本古来の伝統的な行事を大事にしています。日本独自のおせちやお雑煮、初詣などは外国人からは興味の対象であり、日本でお正月を迎えるときにはぜひ一度、体験してもらいたいですね。
ライター
株式会社ダリコーポレーション
人事・労務・法務・キャリアジャンルなどの硬めのジャンルを中心に手がけているライター。コラム記事をメインに作成している。
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