日本人にとって馴染みのある飲食店の一つが「居酒屋」。主にお酒を楽しむ場として利用されますが、外国人にとっても日本のお酒や料理を味わい、日本的な雰囲気を楽しむことができるのでぜひ訪れて頂きたい場所です。
今回は、居酒屋で日本人がよく使う日本語を6つ紹介します。知っていると便利で、ちょっと日本ツウにも見られるでしょう。
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お店に着いたらすぐ確認したい空席
日本の居酒屋は17時から18時頃に開店します。仕事が終わった人達がお店に集まり始めるのは19時頃なので、19時から21時頃までが最も賑やか。その時間帯であれば、人気店は予約をしなければ入れません。
予約なしでお店を訪れた場合、到着してドアを開け、まず確認したいことは「席が空いているのかどうか」ということです。4人で訪れた場合、ここで日本人は店員に次のように質問します。
「4人、入れますか」
「4人、空いてますか」
2つの言い方は同じような意味です。
すると店員は店内の空いている席を確認し、あなたを席まで案内してくれます。もし満席の場合は、申し訳なさそうな顔で「すいません」と謝ります。
ただ、諦めてはいけません。すぐ席が空きそうな時は、店員が次のように教えてくれます。
「もうすぐ空きます。待ちますか」
もしあなたに時間の余裕があれば「待ちます」と言って席が空くのを待つといいでしょう。どうせ他のお店も混んでいる可能性が高いからです。
確実においしい料理を食べる魔法の言葉
席に着くと、お水とメニューが運ばれてきます。お水で喉の渇きを潤したら、メニューを開いて注文する料理を選びます。都心の居酒屋であれば、日本語メニューの他に英語や中国語、韓国語のメニューもあります。もし日本語メニューしかなければ……どうしますか。
居酒屋の料理は大きく分けて2つあります。いつでも用意されている「定番料理」と、その日に仕入れた厳選食材を用いた料理「おすすめ料理」です。お店としては、自慢の「おすすめ料理」をできるだけ多くのお客さんに食べてもらいたいと考えます。ですから、店内の黒板にはその日の「おすすめ料理」の名前がずらりと書かれています。どんな料理を注文するのか迷ったら、黒板に書かれた料理を選べば間違いなし。もし、店員とのコミュニケーションを楽しみたい時は、日本人なら次のように店員へ質問します。
「今日のおすすめは何ですか」
すると、親切な店員が1つか2つの料理を勧めてくれるでしょう。その料理を注文すると、店員も、奥の厨房にいる料理人も喜びます。もちろん、美味しい料理が運ばれてきます。ただ、あなたのお口に合うかどうか、そればかりは相性です。
「かんぱい」だけじゃない日本人の掛け声
しばらくすると、注文した飲み物が料理よりも先に運ばれてきます。もし、飲み物がなかなか運ばれてこない時は、店員が忘れているかもしれないので、催促しましょう。ちなみに、日本人には飲み物が出されるスピードで「いい店」か「悪い店」かを判断する人もいます。
テーブルに飲み物が運ばれたら、日本語で「かんぱい!」と言って、皆が飲み物を飲み始めます。これが一般的な飲み始めの掛け声ですが、周りに座っている日本人たちの掛け声をよく聞いてみてください。「かんぱい!」と言わずに、他の掛け声を言っているかもしれません。
「おつかれさま!」
この掛け声には、サラリーマンが同僚と仕事終わりに居酒屋を訪れた時など、お互いの労をねぎらう意味が込められています。「かんぱい」という掛け声には、祝福の意味合いが含まれるので、仕事終わりに「かんぱい」と言うと少し大げさなのです。旅行中でも、いろいろな場所を回って疲れたのであれば、「おつかれさま!」と言ってもおかしくありません。でも、あまり楽しい旅行ではなさそうに聞こえるので、やっぱり「かんぱい!」と元気に言って飲み始めるのがよさそうです。
料理を置く小さいお皿が欲しい
飲み物も食べ物も運ばれてきて日本の居酒屋を満喫。「美味しい」と思える料理もあれば、「これは無理」と思うような料理もあるでしょう。それは、日本人があなたの国へ行った時も同じなのでお互いさまですね。
居酒屋では、数人で食事することが前提なので、料理が大きなお皿に盛り付けられています。各自は、その料理を自分の手元にあるお皿によそって食べます。そうすると、いくつかの料理が運ばれてきた後には、手元のお皿がいろいろな料理のタレや汁で汚れてしまいます。「新しいお皿が欲しい」、そんな時に日本人は次のように店員へお願いします。
「小皿をください」
すると店員は、小さいお皿を持ってきてくれます。もし、醤油を入れるもっと小さなお皿が欲しい時は、このように言います。
「醤油の小皿をください」
日本人でも間違える「おあいそ」の本当の意味
美味しい食事が終わり、後はお会計を済ませるだけ。店員に声をかけて伝票を受け取りレジへ行きます。お店によってはテーブルでお会計を済ませます。食事が終わって伝票を貰いたい時、日本人は店員に向かってこう言います。
「おあいそ」
「お会計をおねがいします」
どちらも同じような意味ですが、「おあいそ」がお店に対して失礼な言い方だということを知っている日本人は多くありません。昔から使われている言葉なので、本来の意味には諸説あります。ある説では、店長が店員に向かって「お客さんが帰るから愛想よくしろ」と言う意味で「お愛想!(おあいそ!)」と言っているのをお客が真似たと言われています。愛想よくするとは「ニコニコしろ」と言う意味です。いずれにしても、お客さんが店員に対して「愛想よくしろ」と言うのは失礼です。だから、本来の意味を知っている人は「おあいそ」と言いません。
もし、あなたと仲がいい日本人が「おあいそ」と言ったら、その意味を聞いてみてください。おそらく意味を知らないので、あわててスマートフォンで調べ始めることでしょう。
お店はお客さんにとって家みたいな場所
お会計を済ませてお店を出る時、店員は「ありがとうございました」と言い、お客は「ごちそうさまでした」と言うのが一般的です。
ところが、ある居酒屋では、帰るお客に向かって店員が「いってらっしゃい」と言います。本来、子どもが家を出る時にお母さんが「いってらっしゃい」と言います。子どもが帰ってきた時にお母さんは「おかえりなさい」と言います。どうして店員が「いってらっしゃい」と言うのでしょうか。
実は、「お店のことを我が家のように感じて欲しい」という店員の思いがあり、まるで家族を送り出すように「いってらっしゃい」と言うのです。そのため、お客がお店に来たときは店員が「おかえりなさい」と言って迎えてくれます。
もし、あなたが居酒屋を出る時に店員が「いってらっしゃい」と言ったら、あなたは「いってきます」と言ってみてください。きっと店員が喜ぶでしょう。
ライターとカメラマンの仕事をしています。毎月、都内の飲食店を10店舗以上は取材しており、出される料理を全て平らげているので最近は太り気味。最近になって始めたランニングのダイエット効果はまだ表れてくれません。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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