近年、外国人旅行者が増え続けている日本。2020年はいよいよ東京五輪の開催も控え、ますます訪日客の増加が見込まれます。そんな時代の波に乗り、様々な外国人向けサービスが展開されています。
世界に誇る「日本のおもてなし精神」が生んだ!? 外国人旅行者のニーズに合わせて作られた驚きのサービスとは。聞けば納得、「なるほど!」と思わず唸る「外国人向けサービス」を5つ紹介します!
1. 神社も国際化!「QRつきおみくじ」に「キャッシュレス決済」
日本へ来た外国人旅行者が訪れる代表的な場所と言えば、やはり寺社仏閣ではないでしょうか。日本の文化や歴史が味わえる。そんな寺社仏閣でも様々な外国人向けサービスが展開されています。
まずは、京都府京都市にある「貴船(きふね)神社」。
5世紀に創建されたとも伝えられる歴史ある神社。縁結びの神様として信仰があり、国外からも参拝客が集まる有名な観光地です。
この神社で有名なのが「水占(みずうら)みくじ」。水に浮かべると文字が浮かび上がってきて結果が分かるという「おみくじ」です。
そんな水占みくじに導入されているサービスが「QRコード」です。
スマートフォンでコードを読み込むと、おみくじの結果にアクセスできる仕組み。英語、簡体字、繁体字、韓国語に対応しています。
日本語が分からない外国人旅行者にも、おみくじを楽しんでもらうために作られた「おもてなしサービス」です。結果を後で読み返すことができるため、日本人からも好評なのだそうです。
続いて、同じく京都市にある「下鴨(しもがも)神社」。
世界遺産としても有名なこちらの神社で導入されているサービスが「電子決済」。お守りやお札などを授けてくれる授与所では、現金を使わず、電子マネーやクレジットカードを使用できます。
中国最大手の電子マネー決済アプリ「支付宝(アリペイ)」などが利用可能で、現金を持ち歩かない外国人観光客から「電子決済で支払いできないか」という問い合わせ多かった事から導入されたそうです。
他にも、お賽銭の電子決済サービスを開始する神社なども登場しています。寺社仏閣のデジタル化が今後どんどん進むかもしれませんね。
2. 空港で大ヒット!帰国間際に楽しむ「ガチャガチャ」
続いては日本の空港で大人気のこちら。あの「ガチャガチャ」が、外国人旅行者から注目を集めています。空港ロビーなどにガチャコーナーを設けていて、設置数は「成田国際空港」で200台近く、「関西国際空港」でも100台以上だそう。
「JAPANESE CAPSULE TOY GACHA」(タカラトミーアーツ)と名付けられたこのプロジェクトは、日本へ来た外国人観光客が帰国する際、「両替できない日本円硬貨を使用してもらう」という趣旨で始まったものだそうです。
実際に利用した外国人旅行者たちからも、「余った小銭を有効活用できる」
「クオリティの高い、日本ならではのおもちゃを買える」「おみやげにもぴったり」などの声が。日本ならではの「カプセルサイズのお土産」として、広く親しまれているようです。「ジャパニーズカルチャー」を利用したこのおもてなし。まさに「なるほど!」な発想のサービスですね。
3. 行く前に可否がわかる!「タトゥーOKな温泉マップ」
外国人旅行者に人気の旅の目的の一つが「日本の温泉」。2017年に発表された「訪日外国人消費動向調査」(国土交通省観光庁)によると、「訪日前に期待したこと」や「次回したいこと」で、「日本食を食べること」「ショッピング」「自然・景勝地観光」などの定番的の行動に次いで「温泉入浴」がランクインしているそうです。
日本の温泉には、種類豊富な泉質や温泉街の風情など、一言では言い表せない魅力があります。
しかし、そんな外国人旅行者と温泉を語る上で避けては通れないのが「タトゥー(刺青)問題」ではないでしょうか。タトゥーは海外ではファッション感覚で彫る人も多く、一定の市民権を得ていますが、日本ではまだまだ「刺青=反社会的」のイメージが強いです。実際、国内のホテル・旅館の過半数が、今もなお「タトゥー入浴お断り」なのだそうです。
そんな中、日本を代表する温泉地「大分県」が、タトゥーがあっても入れる温泉を検索できるホームページ「Explore the ONSEN Country」(探検・温泉の国)を開設しました。
表記は全て英語で、別府温泉など県内164施設のうち、体にタトゥーを彫っていても入浴できる95施設を検索できます。さらに、貸し切りや露天風呂の有無、泉質なども調べることが可能で、「体を洗ってから湯に漬かる」といったマナーも動画付きで解説しています。
外国人旅行者の心配を取り除き、気兼ねなく「おんせん県」の魅力にどっぷり漬かってもらいたい、とう思いから作られたサービスだそうです。
このようなサービスが定着すると共に、今後は「タトゥーOK」の温泉も、徐々に増えていくかもしれませんね。
4. これぞ日本の味!民家で「家庭料理体験」
外国人旅行者が日本で食べたいグルメ。それはもちろん「日本食」。そんな中、人気を集めているのが、外国人旅行者が日本の家庭料理を食べながら日本文化まで学べるサービス「airKitchen」です。
airKitchenは、日本で家庭料理を食べたい外国人旅行者とそれを提供する日本の家庭を結ぶマッチングプラットフォーム。日本の家庭を実際に訪問し、日本食を一緒に作れるため、観光地を巡るだけの普段の旅行と違い、より深く、ローカルな日本文化を体験できるサービスなんです。
ちなみに、人気なのは「ぎょうざ作り体験」「お弁当作り体験」「お寿司作り体験」などで、体験時間は3時間程度。参加料はホスト側が設定するそうで、平均すると1人5000円程度です。
また、このサービスは日本の主婦たちの間でも「新しい働き方」として注目を集めているそうです。得意の料理や語学を活かしながら自宅のキッチンで料理を教え、収入を得ることが出来るため、副業としても活用できるんです。
まさに「Win-Win」な新サービス。「自宅に旅行者を招き入れ料理を振る舞う」副業。おもてなしそのものをビジネスにしたサービスですね。
5. ムスリムの方でも安心!「原材料をチェックできるアプリ」
外国人旅行者の中には、インドネシアやマレーシアなど、「ムスリム」の多い地域から来られる方も増えています。
ムスリムはイスラム法に則って「ハラール(許されたもの)」とされた食品だけを食べます。豚肉やアルコールなどを食すことは許されていません。そんなムスリムが日本に来て1番困るのが、やはり「食」。レストラン選びはもちろん、スーパーやコンビニでも原材料表記が日本語のため、食べてよいものかどうか判断ができないのです。
そんな背景から作られたのが「ハラルグルメジャパン」。ムスリム向けのレストラン情報を掲載したこのアプリは、900件を超える日本最大級のハラールレストラン情報からお店を探せます。
さらに、コンビニやスーパーで販売している食料をアプリから撮影すると、ハラールな食品かどうかを判定してくれる機能まで付いています。撮影すると食品のパッケージから原材料をチェックし、ハラールな食品はピンク色の枠がつき、商品情報を確認できる仕組み。コンビニやスーパーなどの菓子類、スイーツ、おにぎりが対象です。今後はユーザーのニーズに合わせて食品の種類は増える見込みだそうです。これなら、日本語が読めなくても原材料がわかるので安心ですね。
外国人旅行者の増加と共に、様々な国から多種多様の文化を持った人々が日本へ来るようになりました。東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年には、また新たな「おもてなしサービス」が生まれるかもしれませんね。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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