日本に住む外国人は、日本と母国で少なからず違いを感じているようです。特に生活に密着するゴミ出しなどのルールは、そもそも母国にはない習慣だと戸惑うこともあるようで……。
YOLO JAPANが2019年8月13日~9月14日の期間、72カ国513人を対象に行った調査では、日本に住む外国人が知らずに困った日本のルールとマナーの上位は「ゴミ出し」と「ビジネスマナー」でした。ゴミの分別は賛同が多い一方、ビジネスマナーには男女平等を求める声もありました。以下、主な調査結果を紹介します。
在留外国人のほとんどが、日本のルールやマナーを学んでいる
回答者の96%に当たる490人が、日本のルールやマナーについて調べたり学んだことがあると回答しました。そのうち約半数が、日本人の知人や友人に教わった(53%、270人)、母国で事前に調べた(51%、260人)、職場で教わった(47%、243人)と答えました。
母国で調べるなどして事前に知っていた日本のルールやマナーは、1位が「挨拶について」(78%、400人)、2位が「時間について」(58%、296人)、3位が「ゴミの捨て方」について(54%、279人)でした。
一方、比較的事前に知る人が少なかったルールやマナーは、値切りなどの「買い物について」(19%、99人)、「喫煙について」(28%、142人)、「ビジネスマナー」(32%、164人)でした。
また「どこで知りましたか?」という質問のフリー回答には「日本語学校」が多く挙がり、日本語学校が語学だけでなく実生活についての学びの場となっていることが分かりました。
「知らなくて困る」ルールやマナーは?
日本でのルールやマナーについて「知らなくて困ったことがある」と回答したのは全体の60%に当たる308人。最も多かったのは「ゴミの捨て方」(41%、126人)で、続いて「ビジネスマナー」(39%、122人)が挙げられました。そのうち「注意をされた」または「ペナルティを受けた」と回答したのは41%(248人)となりました。
「ゴミの捨て方」の具体例としては、
「自治体指定のゴミ袋があることを知らなかった」(オーストラリア、40代、女性)
「ゴミを前日の夜に出してはいけないと知らなかった」(アメリカ、50代、男性)
「可燃ゴミと不燃ゴミの違いが分からなかった」(マレーシア、20代、女性)
などの回答があり、事前に知っていたと回答した方の中にも、自治体による違いなど細かいルールを把握することは難しい現状がありました。
「ビジネスマナー」の具体例としては、
「名刺の渡し方や会議での座る位置」(イギリス、30代、男性)
「クライアントへの挨拶」(アメリカ、20代、男性)
「商談での自己紹介の仕方」(オーストラリア、20代、女性)
などの日本特有の細かい習慣についてが、実践でしか学べる機会がなく、注意された経験が多いことが分かりました。
グローバルに考える、日本のルールやマナー
日本のルールやマナーについて「グローバルスタンダードにしたいと感じた良い事例がある」と答えたのは全体の81%に当たる417人。中でも1位は「ゴミの分別」29%(123人)が挙げられ、学校で生徒が掃除をする習慣が高く評価されていました。
次いで「時間を守るマナー」が19%(79人)、「公共交通機関内での通話や写真撮影をしない」が13%(53人)となり、他者を思いやり尊重する日本人の習慣をグローバルスタンダードにしたいという意見が多くあることが分かりました。
対して「変えた方がいい」と思われている日本のルールやマナーについて、282人の回答者のうち「ビジネスマナー」を挙げたのが18%(50人)と最も多く、特に上下関係の厳しさからくる労働時間の超過や、飲み会への出席の強要などが目立ちました。
過去にLIVE JAPANが実施したインタビューでも、日本企業の飲み会文化や挨拶について「仕事の後まで、なんで上司と一緒に飲まなければならないんだ」「なにかとあいさつするたびにペコペコ。そんなにあやまることたくさんあるの?」といった意見がありました。
また、ジェンダーに関するルールやマナーも見直す必要があるという回答も7%(21人)あり、そのうち16人が女性で「食事会では女性がサーブすべきだという風潮」(ドイツ、20代、女性)、「レディファーストがなく、多くの旅館の荷物運びが女性の仕事になっている」(中国、20代、女性)、「女性がボスになれない傾向がある」(フィリピン、30代、女性)という声がありました。男性の回答には「女性はヒールシューズの着用が強要されることがある」(ガーナ、20代、男性)という指摘もありました。
日本人からルールやマナーを直接学びたい
日本でのルールやマナーについて学びたいと思いますか? という質問に対して、92%(470人)が「はい」と回答し、そのうち53%(249人)が日本人から直接学ぶことを希望。40%(186人)がインターネットで学ぶことを希望しました。
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