日本は例年9月末から10月末がハロウィンシーズン。その時季はカボチャのおばけのジャック・オ・ランタンやこうもりなど、オレンジと黒で配色されたハロウィンの飾りつけを目にするようになります。10月31日前後には各地でハロウィンイベントが行われ、今年も盛り上がりを見せたようです。
そんな日本のハロウィンについて、外国人はどのように感じたのでしょうか。今回は訪日中のアメリカ人男性に「海外のハロウィンとの違い」「日本のハロウィンで驚いたこと」などについて聞いてみました。(以下はインタビューに応じてくださった方の個人的な意見です)
そもそものハロウィンの意味
ハロウィンはもともと、古代ケルト人の「サウィン祭」というお祭りが起源だといわれています。11月1日が諸聖人の日は“All Hallows”と表記されるため、その前夜である10月31日は“All Hallow’s Even”となり、これが短くなり“Halloween”といわれるようになりました。
このお祭りは秋の収穫を祝い、悪霊を追い払う宗教的な意味合いがある行事でした。その後、世界中にハロウィンの存在が広がっていき、日本でも知られるようになったのです。
ハロウィンの日、海外ではどう過ごしているの?
そんなハロウィンの日を海外ではどのように過ごしているのでしょうか。
「アメリカでは、子どもたちが中心になってハロウィンを楽しみます。いろいろなキャラクターに仮装して、夜になるとお菓子をもらいに近隣の家を次々に訪れるトリック・オア・トリートが行われます。ハロウィンは、ほとんどの子どもたちが心待ちにしているイベントなんです。アメリカではハロウィンの時期が近づくと、ゴーストや骸骨などがキャラクターになっているテレビ番組やアニメがたくさん放映されるんですよ!」
アメリカでは、ハロウィンの飾りつけをせず玄関灯がついていない家は、ハロウィンに参加していないことを意味するので、訪問してはいけないのがルールになっているそうです。また、ハロウィンの飾りつけをしていても、玄関灯が消えている家は「もう、お菓子がない」ことを意味するため、チャイムを押してはいけないことになっています。
幼稚園や保育園で浸透してきたハロウィン! 外国人はどう思ってる?
近年日本では、ハロウィンの時季になると、仮装やお菓子をもらいに街をめぐるイベントをする幼稚園や保育園が増えています。
「僕はハロウィンのことを考えると、いつも子どものころの楽しい思い出がよみがえってきます。日本の子どもたちにも、ハロウィンのような素敵な思い出をたくさんつくってほしいなあ」
アメリカではハロウィンの日、子どもたちは朝から仮装して学校に登校し、その日は一日仮装をしたまま過ごすようです。学校では子どもたちだけでなく、先生たちも仮装するのだとか。また、ハロウィンの日は商店街や飲食店などのあらゆるところで仮装している人が見られ、ショッピングモールでは、ハロウィンの仮装行列のイベントを開催したり、子どもたちに飴やチョコレートを配ったりするお店もたくさんあるみたいです。
もはや収穫祭ではない! 渋谷はコスプレで大騒ぎ!
日本のハロウィンイベントと言えば、渋谷が有名です。10月31日になると、全国から100万人規模の若者たちが渋谷に集まり、それぞれが思い思いのメイクと仮装をして街を練り歩きます。クオリティの高いさまざまなコスプレを見ることができるので、それを見たさに多くの外国人も訪れます。
「渋谷のハロウィンは何回か見に行ったことがあるけれど、年々規模が大きくなっていて、びっくりしました。警察も出動していたしね。でも、すごく混んでいて歩くのも難しいし、お店やバーには人が溢れかえっていて汚いし、いつもの渋谷より居心地が悪いと思います。もっと空いていれば、今年も参加したいと思っているけれど……。
ハロウィンの一番良いところは、仮装のルールが全くなく、自由なところだと思います。怖いものから可愛いもの、単純におかしなものまで、好きなものになれます。僕は、アニメや有名なキャラクターの仮装が本当に大好きです。テーマを決めて、オリジナルの仮装をする人も多いようですが、アニメの有名なキャラクターのデザインが分かりやすくて一番好きだなあ。みんなでコスプレして写真を撮っていて、とても楽しそう!」
日本におけるハロウィンの一番の醍醐味は、やはり仮装なのでしょう。仮装のデザインには一切のルールがなく、それぞれ自分たちが好きな衣装やメイクをして楽しんでいます。特に仮装にこだわっている人は、1年前からコスチュームを用意しているという話も聞くほどの気合いの入れようです。海外では日本のアニメや漫画の人気が高く、外国人には、有名な出演キャラクターになりきっている人が好まれる傾向にあるみたいですね。
「渋谷のハロウィンイベントを見ると、海外のように子どものイベントというよりも、大人の“仮装大会”のような印象があります。仮装することで、普段とは違う自分になりたいとか、限られた期間での社交のチャンスを得たいという気持ちが、日本人は米国人より強いのかもしれないですね」
渋谷のハロウィンでは普段シャイな日本人も、お互いの仮装について声をかけたり、コスプレ姿で写真を撮りあうことですぐに仲良くなれます。こういった点もハロウィン人気のひとつなのでしょう。
あくまで宗教的な意味合いを感じさせる海外と、イベント感覚の強い日本のハロウィンの違いから、外国人には日本のハロウィンが特異なものに思えるのかもしれませんね。
ルールを守ってこそ楽しいハロウィン
日本のハロウィンはここ数年で飛躍的に認知度が高まり、外国人も楽しめるイベントとなりました。しかし、外国人から見ると、街にゴミが溢れ汚く見えることも気になるようです。
「イベントを楽しむのはいいけれど、大人なんだから、ゴミをきちんとひろうなどのルールは守らないとね」
渋谷のような大規模なハロウィンイベントでは、参加者がルールを守りながら、節度を持って楽しむことも大切ですね。
ライター
株式会社ダリコーポレーション
人事・労務・法務・キャリアジャンルなどの硬めのジャンルを中心に手がけているライター。コラム記事をメインに作成している。
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