HOME 災害時に役立つ「コミュニケーションカード」を作ってみよう! 10言語対応の無料テンプレート付き
災害時に役立つ「コミュニケーションカード」を作ってみよう! 10言語対応の無料テンプレート付き

災害時に役立つ「コミュニケーションカード」を作ってみよう! 10言語対応の無料テンプレート付き

更新日: 2020/04/10

外国人の方が日本を旅行するには、万が一のために防災の情報や知識をもつことがとても大事になります。日本は世界でも有数な自然災害大国といわれているからです。

被災時に必要なアイテムはいろいろありますが、その中でも情報伝達に役立つ、万国共通ともいえるシンプルでわかりやすいカード、コミュニケーションカードを知っていますか。コミュニケーションカードを作って持っていれば、災害時でスマホが使えない時に助かるツールとなります。

今回は、そんなコミュニケーションカードについてご紹介します!

訪日前に準備したい「コミュニケーションカード」とは?

訪日前に準備したい「コミュニケーションカード」とは?

初めて日本に来たという外国の方が、地方の小さなスポットに行こうとする時でも、だいたいの場所はスマートフォンを片手に目的地へたどり着くことができるでしょう。昔のように、その都度日本人に聞かなくても、日本語ができなくても、手元のスマートフォンさえあれば旅ができてしまう時代です。

ところが、もし、自然災害が起きてしまった場合はどうでしょうか。2011年の東日本大震災を知っている方もいるかもしれませんが、外国の方の中には、災害についての知識や経験は少なく、災害が起きた時には、自力での避難が難しい「災害弱者」「情報弱者」となる可能性が大きくなります。

そして、停電や電波障害などの影響でスマートフォンが使用できなくなってしまうかもしれません。日本語が話せなければ、まったく情報が得られず、たちまち不安になってしまうことでしょう。日本人も自分のことで手一杯という状況では、なかなか外国人に外国語を使って手を差し伸べることは難しいかもしれません。

そこで役立つのが、「コミュニケーションカード」です。相手に気持ちを理解してもらうことで、『日本語がわからなくても意思や気持ちを伝えられること』が一番のメリットになります。災害時のような非常事態には、すぐ理解できるコミュニケーションが最も必要だからです。

だからこそ、訪日前の準備として、自分のコミュニケーションカードを作っておきたいものです。

災害時にすぐ「コミュニケーションカード」を役立てるために

災害時にすぐ「コミュニケーションカード」を役立てるために

日本でもし災害が起こったら、自分なりに何を聞きたいのか、何が困るのかを整理しましょう。たとえば、「ここは安全ですか?」「避難所はどこですか?」「病院はどこですか?」などを書き出します。カードにすることが面倒であれば、1枚の用紙にまとめてみることでもかまわないでしょう。

まずは、英語または母国語で書き出してみてください。日本語が多少でもわかるなら、ローマ字で書き出してもかまいません。簡単なイラストを入れてもOKです。

観光庁の訪日外国人旅行者向けの緊急時に必要な情報を提供するサイト「Safety tips for travelers」でも「Communication cards」のコンテンツがあり、ダウンロードすることができます。

また、同じく観光庁が提供している、外国人旅行者向け災害時情報提供アプリ「Safety tips」でもコミュニケーションカードを提供しています。 5言語(英語・中国語〈簡体字/繁体字〉・韓国語・日本語)に対応していますから、事前にダウンロードしておくとよいでしょう。

<コミュニケーションカードの一例>

出典:国土交通省 観光庁 プッシュ型情報発信アプリ「Safety tips」概要より
出典:国土交通省 観光庁 プッシュ型情報発信アプリ「Safety tips」概要より

http://www.mlit.go.jp/common/001058529.pdf

「コミュニケーションカード」を作成したら、湿気や泥から保護しよう

「コミュニケーションカード」を作成したら、湿気や泥から保護しよう

そして、せっかくコミュニケーションカードを作成しても、ホテルなどの宿泊施設に荷物と一緒に保管していたら、いざという時に役立たなくなってしまいます。いつも肌身離さず持っていなければならないのです。

もし、外出した観光先で災害に遭ったらどうしますか?それを考えれば、大事なパスポートやスマホなどと一緒にコミュニケーションカードを自分のためにも持ち歩くようにしたいものです。

さらに、せっかく自作をしたのなら、長く使えるように状態を良くしておきたいものですね。日本だけではなく、どこの国でもきっと役立ちますので、覚えておきましょう。

まず、コミュニケーションカードを厚めの台紙に貼りつけて、ラミネートパウチ(用紙を透明フィルムの中に入れ、熱でコーティングしたもの)をした上にラップを巻いておくと、傷や汚れから保護できて、強度もあがって使いやすくなります。

なぜ、ここまでしっかり作り込んで保管状態を良くするのかといえば、実際の災害現場では屋外での使用も考えると、雨や雪・湿気でぬれたり、泥で汚れたりすることがあるからです。コミュニケーションカードを保護しなければ、肝心な時に役立たなくなっては困ります。災害発生時に何回も使用することも考えたら、保護したほうがベストですよね。一度作成すれば、他国への旅行にも利用してください。

その他、「指差し会話表」の作成もおすすめ

その他、「指差し会話表」の作成もおすすめ

2018年で訪日外国人旅行者数は3千万人を突破している中、どれだけ日本の災害について知っている外国の方がいるでしょうか。どれだけ日本語を理解できる方がいるでしょうか。そこでコミュニケーションカード以外におすすめなのが、指差し会話表になります。

多くの国では、海外旅行用に「指さし会話表」があるでしょう。それの災害用バージョンです。言葉の通じない状況でも、指を差すだけで言葉と同じように必要なことを伝えることができます。アイコン・ピクトグラムで図案化し、最も伝えたいことを凝縮したものになり、表現が不足していると思えば、さらに記号・数字・文字などを加えて、正確に伝えることが可能です。

基本はコミュニケーションカードと同じ役割ですが、よりシンプルで、極端にいえばアイコンを指すだけで通じる内容です。コミュニケーションカードと同様、災害に関するサポートをしてくれるツールになりますので、ぜひ作成してみてください。きっと、災害時にあなたの心強い味方になってくれるでしょう。

一例としては、2011年の東日本大震災の際に作られたという「指さし会話」ツールがあります。

情報センター出版局が無料公開しているもので、10言語対応です。自由にコピーしてもらい、多くの方にこの情報がどんどん行き渡るようにしたいそうです。これを使えば、言葉も入っていますね。事前にいろいろなアイコンやピクトグラムをネット検索し、プリントをしておくことをおすすめします。

出典:株式会社情報センター出版局
出典:株式会社情報センター出版局

災害時指さし_2019_鹿児島.indd

こうしたツールを今からダウンロードしてプリントしておくと、災害時にスマートフォンなどが使用できなくなっても、安心です。自分なりに色分けしたり、構成を変えたり、情報を追加したりしながら指差し会話表を作成してもよいでしょう。お友達同士で教えあってもよいですね。


このところ特に大きな災害が続いている日本だからこそ、コミュニケーションカードという一つのツールを利用しない手はありません。少しでも不安にならないこと、災害時の被害を小さくすることが大事です。「コミュニケーションカード」や「指差し会話表」で、災害時には自分から誘導されやすい環境を作っていきましょう。

※記事掲載時の情報です。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。

この記事をシェアする

 
検索