おもてなし大国とも言われる日本。そんな日本に来た外国人は、日本のサービスやおもてなしでどんなことに衝撃を受けたのでしょうか?
今回は、日本に初めて観光に来たというインド人男性に、衝撃を受けたサービスやおもてなし文化のポイントについて聞いてみました。インドといえば、人口は中国に続く世界第2位、近いうちに追い抜いて1位になるともいわれているアジアの大国です。インドならではの面白い視点での意見もでてくるのでしょうか?(以下はアンケートに応じてくださった方の個人的な意見です)
施設がどこにいってもキレイ!
「日本は、道路も駅も観光施設もレストランも本当にキレイ。どこに行ってもきれいでしたね」
日本に来て一番の衝撃は、どこもきちんときれいに整備されていたことだそう。観光で訪れたのは、京都、大阪、富士山、箱根、東京のいわゆる有名な観光地が中心だったのですが、どこに行っても同じようにキレイで観光しやすく、観光客を迎えようという気持ちが感じられたそうです。
経済成長が著しいといわれるインドですが、まだまだ場所ごとに格差は大きく、どこも均一に整っているという状況とは程遠いようです。
優しくてきちんとしている人が多い!
「日本人は、とてもきちんとしてます。ホテルやレストランのスタッフも、みんな丁寧に対応してくれましたね」
初めて日本に来たというこのインド人男性、実はインドで日本語を勉強し、長年日本語を使って仕事をしている勤勉家。そのため、日本語は話せるだけに、日本人の対応のよさに感激したということです。言葉遣いはもちろん、どんなことでもきちんと対応しようとしてくれる姿勢が印象的だったようです。
誠実で嘘をつくことが少ない!
「日本人は嘘をつかない、誠実。間違ったことは言わないですよね。インド人は、違うことばっかりいうのが当たり前。だからよく嘘をつくって言われますけど(笑)」
もちろん日本人だってケースバイケースでまったく嘘がないわけではないですが、基本的には当たり前、とすることですよね。ただ、この「嘘」については価値観の違いも背景にあるそう。
例えば、インド人は何かを聞かれたら、物事を確認する前にとりあえず自分で答え、そのあとにやっぱり違いますということがよくあります。一般的には、こうした発言が嘘をついていると捉えられますが、インド人にとって、まず「わからない」と答えるほうが相手に失礼だと思っているのだそうです。たとえ適当であっても、何かを答えることが誠実だと考えているとのこと。
「だからよく、インド人は嘘をつくといわれるんですが、嘘をついている意識はあんまりないんですよ」
これは日本人にとっては衝撃の事実ですね。
ホテルでお湯がちゃんと出る!
「ホテルでお湯がすぐに出たこと。おもてなしではないのかもしれないけど、インドでは当たり前のことじゃないです。でも、おかげでちょっと火傷しました…(笑)」
日本では当然でも外国人からすればそうではないというのは多々あること。インドのホテルでは、お湯はしばらく蛇口を開けていないと出てこないことが多いので、温度を高くしてお湯になるまで待つのが普通とのこと。
そのつもりでシャワーを出したらいきなりお湯がでたので、返って火傷をしてしまったという、便利が故のハプニングがあったそうです。
格安のホテルでも設備が整ってる!
「大阪でビジネスホテルに泊まりましたが、すごくきちんとしていました。安くて手軽なホテルだと聞いてましたけど、立派でしたよ」
インドで手軽な安宿といえば、設備は悪く、部屋も共同、ベッドも簡素で、お世辞にも設備が整っているとは言えないところが多いのだそう。
日本のビジネスホテル=シンプルで安いというイメージで行ったけれど、まったくそんなことがなかったと驚いたそうです。パジャマもタオルもちゃんと用意されていて、居心地がよかったとのことでした。
食事のクオリティが高い、そして何よりお米がおいしい!
「日本は食事にハズレがないですよね。どこで食べてもおいしいですし、お店がきれい。天ぷらとかお味噌汁が好きなんですけど、なんといってもお米がおいしい!ただ、インド人は旅先に行ってもインド料理を食べる人が多いんですけどね」
インドとは食文化も違い、お米のタイプも違いますが、日本のお米が美味しくて大好きとのこと。日本の食を支えるお米を気に入ってくれているというのは意外でうれしいポイントですね。
しかしながら、多くのインド人観光客は、どこに行ってもカレーを食べるという人が多いそうです。こちらがおもてなしの気持ちで日本食を提供するより、インドカレー店を紹介したほうが返って喜ばれるといったこともあるそうなので、本場に近いカレー店を知っておくことも、真のおもてなしにつながるのかもしれません。カレーというのは、私たちの想像以上にインドの方にとって欠かせないソウルフードなのですね。
今回は、日本に初めて観光に来たというインド人男性に、衝撃を受けたサービスやおもてなし文化のポイントについて聞いてみました。
いろいろな細かいサービスや仕組みよりも、全体的なイメージや印象で日本らしいおもてなしを感じたというインタビュー結果でした。
一見、日本にいるとどれも当たり前のように思えることですが、そうしたところにこそ、外国人がおもてなしや驚きを感じるポイントがあるのだと気づかされます。文化や習慣は違っても、その相手に喜んでもらおうという気持ちを込めた行動ことこそがおもてなしの神髄。自分なりのおもてなしというものを伝えていきたいものですね。
旅ライター×海外ツアーコンダクター。社会人向け教育コンテンツの企画開発・編集担当として11年従事。プライベートでは学生時代から旅に魅了され、これまで世界約50カ国150都市以上をめぐってきた大の旅好き。世界中、日本中のグルメを味わい、自然を感じ、世界遺産や歴史的建築を見て、温泉めぐりをするのが生きがい。そんな旅好きが高じて、会社員から旅ライター×海外添乗員へと転身。現在は、年間100日以上海外を飛び回りながら、旅ライターとしても活動。旅の楽しさ、日本の魅力、世界の多様な価値観をより多くの人に広めるべく、インバウンドの添乗や旅ライターの取材等で、日本各地を訪れて情報発信をしている。
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