日本では若者の果物離れをよく耳にしますが、いっぽうで美容や健康を気にする人からは依然として人気が高いイメージがある“フルーツ”。近年では和食ブームに伴って、海外からわざわざ買い付けに来る人がいるほど、日本のフルーツは注目を浴びているんだそう。
四季折々の旬を感じられるのも、日本ならではのフルーツの楽しみ方! 今回は、冬が旬のフルーツやオススメの食べ方について、都内の飲食店でシェフとして活躍するHさんに聞いてみました。Hさんは某有名ホテルでフルーツカッティングをしていた経験を持つ、フルーツのスペシャリストです。さっそく、冬フルーツの選び方やオススメの食べ方についてご紹介していきたいと思います。
■冬が旬のフルーツその1:イチゴ
本来は春が旬だった“イチゴ”。クリスマスケーキでの需要が増えたため、日本では12月からスーパーなどの店頭に並び、冬でもおいしいイチゴを食べられるようになりました。各産地が競い合って新しい品種を生み出していて、スーパーでも「あまおう」や「とちおとめ」を筆頭に色々な種類が手に入ります。
おいしいイチゴを選ぶには、ヘタの近くまで色づいているかどうか、表面につやがあるかどうかを確認しましょう。ヘタが鮮やかな緑色でピンと立っていれば、摘みたてで新鮮な証拠です。ヘタは取らず、乾燥しないようにラップをかけて冷蔵庫で保存するのが良いそう。食べる直前に洗ってからヘタをとることで、みずみずしく食べられます。
また、そのまま食べる以外に、料理に使っても楽しめます。たとえば、クリームチーズと一緒に生ハムで巻いて、オリーブオイルをかけてピンチョスにしたり、適度にカットしてプチトマトと合わせてオリーブオイルとバルサミコ酢でカッペリーニ(冷製パスタ細麺)にしたりすれば、おしゃれな前菜風に。ホットケーキミックスを衣にして揚げれば、簡単スイーツに早変わりしますよ。
■冬が旬のフルーツその2:柿
日本や東アジアが原産と言われている“柿”は、日本全国で収穫される日本を代表するフルーツ。ヨーロッパやアメリカには日本から伝わったそうです。
大きく分けると甘柿と渋柿の2種類ありますが、スーパーなどでは、見た目にボリュームがあり四角い形をしている甘柿を多く見かけます。おいしい柿を選ぶためには、皮の色とつや、張りに注目。実は硬め、ヘタは緑色でしっかりついているものが良いそうです。
いっぽうの渋柿はタンニンという渋み成分のせいで苦いので、市場には工場で渋抜きをされたものが流通しています。天日干しによって渋抜きをしたものが「干し柿」。干し柿は、表面に白い粉がふいているものがおいしいと言われています。
柿をおいしく保存するためには、ヘタの部分から水分が蒸発しないようにするのがポイント。ティッシュなどに水を含ませて柿のヘタの部分にあてて、ヘタの部分を下にした状態で袋などに入れて冷蔵庫に入れておきましょう。
柿も料理にも向いているフルーツです。適度にカットしたものをマスカルポーネチーズと合わせて、クラッカーにのせてカナッペにしたり、そのままサラダにトッピングしたりすれば、手軽にアレンジ料理にすることもできますよ。
■冬が旬のフルーツその3:みかん
日本では「冬はコタツとみかん」が共通イメージにあるほど、甘くておいしい“みかん”は冬の定番フルーツです。一般的にみかんといえば「温州みかん」のことをいいますが、「愛媛みかん」や「早生みかん」など、スーパーなどではたくさんの種類が売られています。
みかんは皮肌のきめが細かくて色が濃く、持ったときに重量感があるものを選ぶのがポイント。ヘタがしっかりついているもののほうが、とれてしまっているものよりも鮮度が良い証拠です。また、割ったときに房の数が多いもののほうが、より優秀な実ということで、おいしさレベルがアップするそう。
みかんは乾燥すると味が落ち、常温保存ではカビが生えやすいので、保存には少し注意が必要。新聞紙やペーパーなどでひとつずつ包んで、ヘタを下にして、風が通りやすい冷暗所に置くのが理想的です。
日本では、みかんをそのまま冷凍庫で凍らせる「冷凍みかん」がなじみ深い食べ方のひとつ。作り方のポイントは2回冷凍すること。一度凍らせたみかんを、しっかり冷やした水にくぐらせると、表面に薄い氷の膜が張ります。その膜を、もう一度冷凍庫に入れることでよく凍らせると、よりおいしい「冷凍みかん」になります。氷のシャリッとした食感とみかんの甘さがやみつきになるおいしさですよ。
また、「鴨肉ソテーのオレンジソース」のオレンジの代わりにみかんを使ったりするなど、オレンジと同じような感覚で料理に取り入れてみるのもオススメです。
■冬が旬のフルーツその4:リンゴ
みかんと並んで冬のフルーツというイメージが強いのが“リンゴ”。こちらも品種改良が盛んに行われていて、最も多く作られている「ふじ」を中心に、「王林」や「ジョナゴールド」などたくさんの品種を楽しむことができます。
赤いリンゴの場合、全体が紅色になっているもののほうが熟しているリンゴなんだそう。お尻のほうが黄緑色のものは完全に熟していないため、酸味が強いことが多いようです。また、枝が干からびていないもののほうが、水分が抜けていないので鮮度が高くジューシーに味わえるそう。保存する際も、水分を保つためにポリ袋などに入れて冷蔵しましょう。リンゴは熟成を促進する成分を放出するので、他のフルーツと分けて保存するのもポイントです。
そのまま食べる場合、くし形切りにするのが定番ですが、薄めの輪切りにするとシャキシャキの食感が増すのでぜひ試してみてほしいところ。アップルパイにするのはもちろん、赤ワインで甘く煮てコンポートにしたり、豚の角煮と一緒に煮て付け合わせにしたりするのもオススメの食べ方です。
編集・ライター歴トータル17年以上。マンガ、小説、雑誌等の編集を経てフリーライターに転向後、グルメ、観光、ドラマレビューを中心に取材・執筆の傍ら、飲食企業のWEB戦略コンサルティングも行う。そのため、日本グルメの新商品やトレンドのキャッチアップが早く、LIVE JAPANでは幅広い年齢層や国籍の方にわかりやすく伝えている。
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