食と芸術の国、イタリア。陽気で情熱的な人が多いことから「愛の国」ともいわれています。そんな人柄であればみんなサービス精神が旺盛なのかと思いきや……「実は冷たい人も結構多いですよ」と言うのは、イタリア出身のMさん。
Mさんは和食を勉強するために、日本に短期留学している20代男性。日本各地に研修もかねて旅行をし、日本のサービスの質の高さに感動することが多いのだそう。
そんなイタリア出身のMさんが感激した日本のおもてなしとは?(以下はアンケートに応じてくださった方の個人的な意見です)
イタリアのサービスって、実際どう?
まずはMさん、冒頭で言っていた「実は冷たい人が多い」の理由について教えてくれました。
「北イタリアと南イタリアで、人の性格が全然違うと思います。北出身はナイーブで引っ込み思案だけど、南出身は明るくてノリがいい。僕は北出身なんだけど、北のレストランやスーパーはあまり愛想がないと感じるよ。イタリア人は陽気だと思って観光に来るとガッカリするかも」
北はミラノやヴェネツィア、南はナポリやシチリア。イメージでいうと、日本でいうと東京と大阪の比較みたいなところでしょうか。一口にイタリアといっても、地域によって性格が違うのは当たり前ですよね……。勉強になります。
日本はショップスタッフのプロ意識が高い!
さて、北イタリア出身のMさんが感激した日本のおもてなしについて。まずはショップのスタッフについて話してくれました。
「スタッフさんが楽しそうなのに、プロとして徹している。スタッフ同士が大声でおしゃべりをしないし、接客中に携帯をいじって退屈そうにしていないでしょう。庶民が行くレベルの店でもみんな真面目に働いているのはさすがだと思うよ」
スタッフの真面目さには、他の国の人たちからも絶賛の声を多く聞きます。ただ、サービスの質を追求するあまり、クレーマーの対応に疲弊するスタッフさんの話題もよく耳にします。完璧を求めすぎないことも大切ですね。
小売店の人がみんなフレンドリーで優しいね
店員さんについて、もうひとつ感動したことがあったそう。
「小さなお店の人がみんな気さく。京都に行ったとき、和菓子屋さんに入ったら、店の奥さんがバスの停留所やほかにおすすめのお店を教えてくれました。北イタリアは冷たいから店主が親切に案内してくれることなんてないよ(笑)!」
日本の南イタリア(!?)、京都のサービスに感激したようです。人情味あふれる出会いは観光の醍醐味ともいえるのではないでしょうか。素敵な出会いがあったと聞くと、嬉しくなりますね!
お寺や神社のおもてなしに大満足!
Mさんは意外なスポットでも人情味を感じるおもてなしを受けたそうです。
「お寺や神社の人たちがみんな親切でした。神聖な場所だと観光客にそっけないところもあるけれど、全然そんなことなかった。おみくじのひき方や参拝の仕方を丁寧に教えてくれたよ」
外国語の案内を追加したり、外国人向けのツアーを開催したりと、お寺や神社も外国人観光客に満足してもらえる工夫をしているところがたくさんあります。多くの人が集まる観光スポットだからこそ、これからさらにグローバル化が進んでいきそうです。
1分も遅刻しない電車やバス、すごすぎない?
日本各地を観光しているMさん、日本ならではのすごすぎるサービスにも感激しました。
「電車とバスが必ず時刻通りに到着する!イタリアは電車が遅れることがよくあるし、ストライキも多いから、いつも時間ぴったりに出発するなんて考えられないよ。しかも、遅れたら車掌が謝るでしょう。1〜2分のために謝るなんて笑っちゃうけどね(笑)」
Mさんが言うとおり、たかが1〜2分で……とは思いますが、急いでいるときに少しでも電車が遅れるとイライラしちゃうのは、正しい時刻に来ることに慣れているせいかも。時刻通りに運行してくれることに、感謝しないといけませんね。
食の専門店が多いのは、サービス精神が豊富な証拠!
最後に、Mさんは和食の勉強中ということで、こんなところにも注目していました。
「料理の専門店が多い!たとえば、和食でも『だし専門』とか『からあげ専門』ってお店がある。日本人の職人気質と、ニーズに応えたいというサービス精神の旺盛さを感じるよ。僕は東京で入った餃子専門店がお気に入り」
日本のレストランのバリエーションが豊富であることは間違いないですが、特定の料理に特化した専門店が多いのも日本ならでは。これも一種のおもてなしといえるかも!?
日本のおもてなしについて感じたことを、イタリアの事情も交えながら教えてくれたMさん。おもてなし文化のいいところを吸収して、素敵な料理人を目指してほしいと思います。
※ 画像はすべてイメージです
※ 本記事は2018年初掲出のものを再編集して公開しています
旅行会社に勤める現役会社員の日本人ライター。大手ウェブサイトで編集者として従事した後、旅行会社に転職。そのため、旅行系・グルメ系のジャンルを得意とし、日本全国47都道府県で取材実績あり。旅行会社勤務だからこそ知れる秘境や絶景、旅の裏ワザを伝えながら日々取材に奔走している。
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