豊富な品揃えとクオリティの高さを誇る100円ショップ。訪日外国人が選ぶ日本のお土産としても大人気ですが、じつは雑貨や日用品だけでなく食料品のラインナップも充実。今回は100円ショップで買える食材を使って、皮から手作りの本格水餃子作りに挑戦してみたいと思います!
挑戦してくれるのは、中国・広州出身、現在は日本で中国語教師をしている秦 芳燕(シン ホウエイ)さん。
「中国には100円ショップはあるけれど食材まで売っているところは少なくて、100円ショップで食材を買ったことはあんまりない」とのこと。日本で餃子を作るときは中国人専用のスーパーを訪れ、中国の醤油や鶏がらスープなどの調味料や材料を買いそろえるという本格派!
皮から作るとなると、なかなかハードルが高そうですが……。日本の100円ショップ調達材料でも、美味しい本格水餃子は作れるのでしょうか? いざ挑戦!
■水餃子作りに必要な、基本の材料のご紹介
日本の家庭では市販の皮で焼き餃子を作ることが多いイメージですが、今回は中国で主流の水餃子を作ってみます。
材料はすべて食材を売っている100円ショップで調達できるもの。家庭に常備されていることも多いベーシックなものばかりで、なんだか思ったより簡単にできそうな気がしてきます。「100円ショップだと、ちょうどいい量を安く買えるから便利」という秦さん流の水餃子レシピは以下のとおり。
<材料>
●手作り皮の生地
・小麦粉 250g
(本来は強力粉。100円ショップでは調達できなかったので今回は小麦粉で代用)
・水 300cc
・片栗粉 少量
●餡
・豚挽肉 250g
・ニラ 1/2束
・ニンニク 2かけ
・ショウガ 25g
・きくらげ 25g
・片栗粉 小さじ1
・ごま油 小さじ1
●スープの具材
・ごま油 大さじ1
・ニンニク3かけ
・ショウガ25g
・レタス 5枚
・鶏がらスープの素 大さじ1
●味つけ調味料(お好みの量で)
・しょうゆ
・お酢
・塩
・コショウ
・鶏がらスープの素
・ラー油
■まずは皮作りからスタート!
ボウルに小麦粉250gを入れ、人肌ほどに温めた水(ぬるま湯)300ccと片栗粉を少しずつ加えながらこねていきます。水と片栗粉は様子をみながら量を調整。
ここで片栗粉を多めにすると、「早めに固まるし、食べたときのもちもち感やぷるぷる感がアップする」のだそう。手に少しつく感じくらいにねばねばするまで、ひたすらこねる!
生地がまとまってきたら、ボウルの中に叩きつけて空気を抜きます。「ここで空気をしっかり抜いておかないと、皮をのばすときにひび割れてちゃんと形にならない」と、容赦なくバンバン叩く秦さん。ストレス発散にもなりそうです(笑)
生地がこねられたら、2つに分けて片方ずつ棒状にのばしていきます。細めにのばすと皮のサイズが小さく、太めにのばすと大きくなるそう。中国では、南のほうでは小さい餃子、北のほうでは大きい餃子が主流なのだとか。日本でいうところの、蕎麦つゆの東西での差と同じような現象があるとは驚きです!
今回は中間くらいの皮のサイズを目標に作成。この状態で、冷蔵庫で30分ほど寝かせます。生地を寝かせている間に、続いては餃子の餡作り!
■餃子の中に入れる“餡”作り
きくらげはお湯で戻しておきます。今回は豚ひき肉を使いますが、「牛ひき肉でも美味しい餃子が作れるのでオススメ」と秦さん。ニラの代わりに白菜を使うこともあるそうで、好みに合わせてアレンジ自在なのも手作り餃子の楽しいところ。
きくらげ、ニラ、ニンニク、ショウガはすべてみじん切り。豚ひき肉とともにボウルに入れて、ごま油を小さじ1杯ほどひとまわし。
つなぎのための片栗粉は餡の様子を見ながら量を調整して投入。「ちょっと入れると粘り気が出るので大事」なのだそう。ねっとりするまで充分に練ったら餡の完成! いよいよ包む工程に入ります。
■餃子を包む!
餃子作りのメーンイベントといっても過言ではない「包み」の工程。今回は100円ショップで購入した麺棒と、さらに餃子包みアイテムも使ってみます。
まずは、寝かせておいた棒状の生地を冷蔵庫から取り出し、打ち粉をまぶしたまな板の上で1cm幅にカットしていきます。カット幅が広いほど厚い皮になる模様。皮が薄すぎると茹でたときに溶けてしまうので、水餃子は焼き餃子よりも皮を厚めに作るのがポイントです。
麺棒でのばすときは、「生地の厚いところに力を多めに入れ、薄いところはやさしい力加減」が鉄則。そうしてバランスをとらないと皮が割れてしまい、いったん割れると元に戻らないので要注意です。直径7cmほどまで広げていきます。
1枚のばしたところで餡を包みます。「皮だけ先に作ると乾燥しちゃうから、乾かないように、のばしたらすぐ餡を入れて包む」のが大事。秦さん、餡の量はそこまで気にせず、ざっくり目分量でのせた様子。はみ出る心配はまったくしていない感じですが……。
「具がはみ出そうだったら、皮のふちを指圧でギュッとつまんでくっつければOK!」。これは楽ちん! 市販の焼き餃子の皮のように、皮のふちを水で濡らす必要もありません。
まずはベーシックな形でひとつ。皮のふちをギュギュっとつまむだけなので、これなら不器用さんでも簡単に作れそう!
さらに、ころんとしたかわいい形も披露してくれました。餡をのせた皮を二つ折りにして皮のふちを軽くつまんでくっつけたあと、半円の角どうしを引き合わせて形を整えたもの。特別なテクニックがいるかと思いきや意外と簡単! 中国では餡の種類、味の違いがわかるように、包み方で区別をつけるそうです。
続いて、100円ショップで手に入れた“餃子包みアイテム”も使ってみます。
器具に皮と餡をのせ、ぱたんと折りたたむだけという手軽さ。餃子の底を平らにするための取っ手もついているという細やかさは、さすが日本が誇る100円ショップクオリティ。
「薄い皮のほうがやりやすそうだから、焼き餃子を作るときに使いたい!」と秦さん。市販の皮で焼き餃子を作るにはもってこいのアイテムです。
■スープで水餃子を茹でる
いよいよスープを作り、水餃子を茹でていく段階。深めの鍋にごま油大さじ1杯を入れて火にかけ、まずはニンニク3かけ、ショウガ25gを焼いていきます。焦げないように弱火がポイント。
さらにきくらげを投入して火を通したら、水400gと鶏がらスープの素を大さじ1杯ほど入れて強火で煮立たせます。沸騰したところで水餃子をIN。
水餃子がぷかぷか浮いてきたら、火が通って出来上がりの合図。最後にレタスを入れて、ひと煮立ちさせます。
「レタスはシャキシャキ感が残るようにさっと火を入れる感じ」と秦さん、手早く火を調整。好みによって茹で時間を調整してもよさそうです。
これで水餃子が完成しました。そのままお皿に盛りつけるのかと思いきや、秦さんから待ったの声。「お皿に先に調味料を入れなくちゃ!」。
なるほど、直接お皿に調味料を入れて、そこに水餃子を盛り付けるわけですね。「スープで薄めに味をつけつつ、お椀で調味料を追加。器の中に直接入れたほうが味が濃くなるし、自分の好きな味つけができます。中国のお鍋と同じ感覚」。
今回は、しょうゆ、お酢、塩、コショウ、鶏がらスープの素を味つけ調味料に選択。好みに合わせて自由な分量でよいそうです。
辛みがほしい人は、さらにお好みでラー油もかけちゃいましょう。100円ショップ調達材料で作った本格水餃子の完成です!
■100円ショップ調達材料で作った本格水餃子が完成!そのお味は!?
いよいよ実食です。見た目はまさに水餃子! 100円ショップで調達した材料だなんて、言われないと気付かない出来栄えです。果てしてお味は……!?
「うん、おいしいね! 本格的な中国餃子100%の味にはならないけど、似た味にはなる。100円ショップだから材料代も安いし、パッと作れるし、味もおいしい!」
いただいてみると「皮がもちもちぷるぷる」で、まさに水餃子の醍醐味が楽しめる食感。ニンニクとショウガが効いた餡とのコラボレーションが最高です!
メーンの調味料を器に直接入れることで、好みの味つけがしやすいし、調理する際に分量を細かく量る必要がないのも手軽に作れて素敵。
おいしくいただきました!
■100円ショップ調達材料で本格水餃子は作れる!
今回の挑戦の結果は、「100円ショップの調達材料で、本格水餃子は作ることができる!」ということで大成功でした。もし餡が余ったら肉団子にしてスープに入れてもおいしいとのこと。みなさんも一度お試しあれ!
編集・ライター歴トータル17年以上。マンガ、小説、雑誌等の編集を経てフリーライターに転向後、グルメ、観光、ドラマレビューを中心に取材・執筆の傍ら、飲食企業のWEB戦略コンサルティングも行う。そのため、日本グルメの新商品やトレンドのキャッチアップが早く、LIVE JAPANでは幅広い年齢層や国籍の方にわかりやすく伝えている。
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