以前、LIVE JAPANの『韓国人オモニのキムチ格付けチェック!』で、韓国産と日本産のキムチを見事に見分けた韓国人のベテラン主婦、徐賢任(ソ・ヒョンニュ)さん。その時の、キムチに関する知見がすごすぎたこともあり続編を作ることにしました。
今回は、30年以上の主婦歴を誇るソさんおすすめの『キムチ料理BEST3』をご紹介。そして、料理に挑戦したのは、何を隠そう筆者自身…!最初は不安を抱えながらの挑戦でしたが、作ってみると「私って意外と才能ある!?」と勘違いしてしまいそうな程、本格的な味に仕上がりました。
その理由は、キムチ料理をおいしく作る『ポイント』を押さえていたからに他なりません!ソさんから伝授してもらったアドバイスと筆者自身が実感したことを踏まえて、本格キムチ料理を作るための「あ・か・さ・た・な」をまとめてみました。ぜひ、参考にしてみてくださいね。
キムチ料理の達人ポイント、「あ・か・さ・た・な」とは?
それぞれのポイントは、決して難しいものではありません。でも、それを知っているかどうかで、料理のクオリティが大幅にアップします!早速、順番にご紹介しましょう。
【あ】:脂身はそのままに、キムチとしっかり絡ませる!
サムギョプサルに代表されるように、韓国料理では豚肉がよく使われますよね。前回のインタビューでも「キムチと豚肉は、本当に相性抜群なの!」と熱弁を奮っていたソさん。それには、ちゃんとした理由がありました。豚肉とキムチを炒めることで、豚肉の脂身がキムチをやわらかくし、それぞれの旨味を引き出す役割があったのです。筆者自身の感想としては、キムチだけでなく、豚肉もやわらかくまろやかな味わいになったように感じました。脂身(あぶらみ)は切り落とさずに、キムチとしっかり絡めることを意識しましょう。
【か】:韓国産のキムチが、料理には絶対おすすめ!
日本産のキムチはご飯に合うように、甘辛く味付けされているものが多い傾向にあります。しかし、それを料理に使ってしまうと、甘辛の味付けが料理の味を左右しがちに…。一方、韓国産のキムチは、素材そのものの味が生かされています。韓国産のキムチを料理に使うことで、本格的な味への大きな一歩となりますよ。※今回は、韓国の大手メーカー『宗家』のキムチを使用しました。ネットや韓国食料品店でも購入できますし、最近では日本のスーパーでも見かけることがありますよ。
【さ】:酸味のあるキムチが、本格的な味を生み出すポイント!
「瞬間、瞬間に味が変わるから、何とも言えない…」そんなソさんの言葉の通り、キムチは発酵食品のため、日々、味も香りも鮮度も変化していきます。筆者が韓国産のキムチを購入してから1〜2週後に容器を開けた時に驚いたのは、発酵独特の香りを放っていたこと。そして、購入直後に食べた時に比べて、酸味が格段に増していたことです。これこそが、三つ目のポイントです!酸味(さんみ)のあるキムチが、本格的な味を生み出す素になります。購入後1〜2週間後のキムチを料理に使うのがおすすめです。もちろん、賞味期限はしっかり確認してくださいね。
【た】:タレ(スープ)の味を調節する時は、ニンニクや唐辛子を!
チゲなど、特に汁物の料理を作る時はキムチのパックに入っているタレも大切な材料です。しかし、大量に作ろうとすると、その分水の量が増えるので、パックに入っているタレだけでは足りなくなってしまいます…。「タレ(たれ)が足りなくなってしまった時は、潰したニンニクや生の唐辛子を加えて調節してみて!」というのは、ソさんからのアドバイス。因みに、ソさん自身はチゲ用のキムチを作る時は、あらかじめ味の濃いキムチを作るのだそうですよ。
【な】:夏におすすめ!『キムチ豆腐』を知っていれば達人度アップ!
これから暑くなると、夏バテで食欲がなくなってしまうこともありますよね。そんな時に、ササッと作れる『キムチ豆腐』を知っていると、達人度アップ!さっぱりとして喉越しのよいお豆腐の上に豚キムチをのせて食べるキムチ豆腐は、夏(なつ)におすすめの意外と知られていない逸品です!
おすすめのキムチ料理「BEST3」に挑戦!
さて、達人ポイント「あ・か・さ・た・な」は覚えられたでしょうか?
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あ:脂身はそのままに、キムチとしっかり絡ませる!
か:韓国産のキムチが、料理には絶対おすすめ!
さ:酸味のあるキムチが、本格的な味を生み出すポイント!
た:タレ(スープ)の味を調節する時は、ニンニクや唐辛子を!
な:夏におすすめ!『キムチ豆腐』を知っていれば達人感アップ!
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これさえ知っていれば、作り方は至ってシンプル!なのに、ワンランク上の本格的なキムチ料理が作れちゃいます。それでは、ソさんおすすめのキムチ料理「BEST3」の調理へと参りましょう〜。
BEST1:韓国の定番料理「キムチチゲ」/決め手はスープにあり!
ソさんおすすめのBEST1は、日本でもよく知られている『キムチチゲ』でした。韓国では年中食べる定番料理です。種類も豊富で、最近の若い人の間ではスパムなどを入れるのが流行っているそうです。でも、ソさんのおすすめは、キムチと豚肉を使ったシンプルなキムチチゲ。それだけに、『スープの味』がおいしさの決め手となります。
●材料(2〜3人分)
キムチ:250グラム
豚バラ肉:250グラム
豆腐:一丁(木綿、絹ごしはお好みで)
ネギ:適量
キムチのタレ:150cc
水:200cc
油:適量
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達人ポイント
あ:脂身はそのままに、キムチとしっかり絡ませる!
か:韓国産のキムチが、料理には絶対おすすめ!
さ:酸味のあるキムチが、本格的な味を生み出すポイント!
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<Step1>
まずは、フライパンに油を敷いてキムチと豚肉を炒めます。豚肉をキムチと炒める時は、豚肉の脂身をキムチに絡ませながら炒めることを意識しましょう。
<Step2>
あらかじめ沸騰させておいたお湯にキムチのパックのタレを流し込んだら、Step1で炒めた豚キムチを入れてしばらく煮込みます。ぐつぐつと煮込んでいる間に、豚肉とキムチから旨味が引き出され、キムチのタレと交じり合うことで、出汁のきいたコクのあるスープへと変化を遂げてゆきます。
<Step3>
3〜4cm幅にカットしたネギを入れて、ある程度柔らかくなるまで煮込みます。最後に角切りにしたお豆腐を入れて味が染み込んだら完成です!
さて、気になるスープのお味は…?コクのあるまろやかなスープに仕上がっていました!酸味のあるキムチと豚肉を炒めることで引き出されたそれぞれの旨味。それをキムチのタレと一緒に煮込むことで、出汁のきいた本格的なスープへと変化を遂げていたのです。豆腐とネギがさっぱり感をプラスしているのもポイント。それぞれの素材をしっかりと調理して生み出されたスープだからこそのクオリティといえるでしょう!
BEST2:お役立ちの逸品料理「キムチ豆腐」/知っていると達人度アップ!
おすすめのキムチ料理BEST2に選ばれたのは、『キムチ豆腐』でした。チゲに比べると、聞きなれない人も多いかもしれません。でも、酒の肴にぴったりの上、これから夏バテしやすい季節におすすめの逸品です。因みに、韓国では焼酎をよく呑むのだそう。水割りではなく、なんとビールで焼酎を割ることが多いといいます。 「強いお酒に合うように、良く考えられた料理なのよね〜」と、ソさんも納得の一品です。作り方は、説明するまでもなく、とってもシンプルです!
●材料(2〜3人分)
キムチ:250グラム
豚肉:150グラム
豆腐:半丁(木綿、絹ごしはお好みで)
ネギ:適量
ごま油
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達人ポイント
あ:脂身はそのままに、キムチとしっかり絡ませる!
か:韓国産のキムチが、料理には絶対おすすめ!
さ:酸味のあるキムチが、本格的な味を生み出すポイント!
な:夏におすすめ!『キムチ豆腐』を知っていれば達人感アップ!
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<Step1>
フライパンに油を敷いて、キムチと豚肉を炒めます。油は、香り付けのために『ごま油』を使用するのがおすすめです。チゲと同様に、豚肉をキムチと炒める時は、豚肉の脂身を絡ませながら炒めることを意識しましょう。
<Step2>
お皿の回りにお豆腐を並べて、真ん中に炒めた豚キムチを盛りつけます。豚肉の脂身が気になる場合には、盛り付ける前に適度に切り落としてください。最後に長ネギを散りばめたら出来上がり!
食べる時は、お豆腐の上に豚キムチを包むようにのせていただきます。さっぱりと喉越しのよいお豆腐と、豚キムチの相性は抜群!程よく酸味のきいたキムチは、夏バテ防止にもなりそうですよね。夏場は、冷やしたお豆腐の上に豚キムチをのせていただくのもおすすめです。急な来客の時や一品追加したい時に、ぱぱっと作れる『キムチ豆腐』を知っていれば、達人度アップ間違いなしです!
BEST3:「ツナチヂミ」/もちもちシャキシャキ感が絶品!
おすすめBEST3に選ばれたのは『ツナチヂミ』。チヂミは、チゲと同様に日本でもよく知られた韓国料理ですよね。でも、いざ自分で作るとなると少しハードルが高いイメージがありませんか?今回教えてもらったのは、そんなイメージを見事に覆えす、とっても簡単なのに絶品のチヂミでした。
●材料(2〜3人分)
<チヂミ>
キムチ:100グラム
薄力粉:80グラム
ツナ缶:1缶
水:100cc
※ニラ、人参はお好みで
<タレ>
ごま油:2cc
醤油:5cc
水:5cc
ごま:適量
長ネギ:適量
※チヂミ自体に味があるので、タレはお好みで。
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●達人ポイント
か:韓国産のキムチが、料理には絶対おすすめ!
さ:酸味のあるキムチが、本格的な味を生み出すポイント!
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<Step1>
小麦後と水を混ぜ合わせて生地の素を作ったら、ツナを入れてさらに混ぜ合わせます。ツナ缶に入っているオイルも一緒に混ぜ合わせましょう。
<Step2>
キムチとキムチのタレを入れてさらに混ぜ合わせます。
<Step3>
お好みでニラや人参などの野菜を入れると彩りよく、味のアクセントにもなります。
<Step5>
熱したフライパンにごま油を敷き、生地を流し込みます。中火で2〜3分焼きます。片面が焼けたら、お好み焼きの要領でひっくり返します。
<Step6>
もう一片を中火で5分〜8分ぐらい焼きます。中まで火が通ったら出来上がり!食べやすい大きさに切っていただきます。
ご紹介した通り、作り方は材料を混ぜて焼いただけ!でも、できあがったのは、もっちもちの生地とキムチのシャキシャキ感が相性抜群の絶品チヂミでした。「このもちもち感は何!!」と、自分自身を疑ってしまった程です。試しにもう一度作ってみましたが、同じように仕上がりました。ツナはほんのりと感じる程度ですが、塩気がアクセントになっているように感じました。鯖缶で作ってもおいしいようですよ。
今回使った材料は、ツナ缶とキムチにニラと人参を少々。レストランのように決して凝った材料は使っていません。しかし、キムチの酸味とツナだけでもしっかりと味がついていました。加えて、『もちもちシャキシャキ』の食感は、レストランに負けず劣らずの本格的な仕上がりになりました!
さて、達人ポイント「あ・か・さ・た・な」と共にご紹介した、『キムチチゲ』『キムチ豆腐』『ツナチヂミ』の3品はいかがだったでしょうか?作ったことがあるという人も多いかもしれませんが、達人ポイントを意識することで、より本格的なキムチ料理に仕上がりますよ!ぜひこの機会に試してみてくださいね。
お口直しには、「かぶら大根キムチ」がおすすめ!
最後にご紹介するのは、お口直しにおすすめのキムチ。キムチというと白菜のイメージが強いですが、きゅうりやからし菜、ねぎなど、実に200種類以上もあるといわれています。そんな中でソさん絶賛のキムチが、こちらの『チョンガッキムチ』と呼ばれる、かぶら大根のキムチです。酸味が増した頃がおすすめだそうです。ソさん曰く、コリッコリの食感と酸味が、口の中をさっぱりとさせてくれます。どんなに高級なフレンチを食べた時にも、家に帰ってきたらお口直しにいただくのだそうですよ!
京都生まれ。幼少期をオーストリア、高校時代をカナダで過ごした帰国子女。海外生活から日本の良さを再発見。最近特に注目しているのは、農業、焼き物、染物など「日本の伝統文化」。Webデザイナー兼ライターとして、日本の魅力を発信することを目指しています!
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