近年、日本にやってくる中国人は増えてきています。観光旅行など短期間での来訪だけでなく、なかには留学や仕事といった長期に渡る在住を目的にしている人も少なくありません。
実際に日本に住み始めた中国人に聞いてみると、と日本人の文化や風習に戸惑うこともしばしばあるとか……。
そこで今回は、来日3年半になる中国人留学生・ララさんから「日本のこういうところが中国と違う!」というまっすぐなご意見を頂戴。中国人留学生が日本の大学生として暮らす中で、密かに抱いていた本音をぶっちゃけていただきました。(以下は、インタビューに応じてくださった個人の体験に基づいた意見です)
1.バイトしている大学生が多くてビックリ
ララさんが日本の大学に通い始めて最初に驚いたのは、大学生が当たり前のようにアルバイトをしていること。
実は中国で学生がアルバイトをすることは、地域にもよるが日本ほどではないそうです。在学中に働くことを未経験のまま卒業する人は珍しくなのだとか。ララさんの感覚では、バイトをしている学生がいるとすれば、家にお金を入れなくてはならないなど事情を抱えている場合が多いよう。
そのため、
「日本の大学生がバイトばっかりしてるって話を聞いて、そんなにみんなの家はお金に困ってるのかなぁって思っちゃった」とのこと。
2.日本の大学生の飲み会は激しすぎる!
大学のサークルや友達同士で飲み会に参加することがあるというララさん。そのあまりに高いテンションやハードな会話の内容には衝撃を受けたとか。
「一次会のあと、みんなでカラオケに行ったりする流れは中国と一緒なの。でも、前に男の子たちがお酒が回ったのかちょっとエッチな会話を振ってきたことがありましたね。日本の大学生の飲み会は激しいなと思いました」
確かに日本の大学生の飲み会で、社会人からすると「若いなぁ……」と遠い目になってしまいそうな光景を見たことがある人も多いのではないでしょうか?節度って大事ですよね。
3.ナンパしてくる人の話術にビックリ
中国では道端で声を掛けてくる=悪い人というイメージが徹底しているようで、ララさんも来日当初はナンパしてくる男性を警戒してかなりビクビクしていたとか。
「新宿や渋谷といった繁華街はもちろん、23区外でもそういう人に遭遇しますよ。今はわりと冷静に対処できてます」
そして何よりビックリしたのが、ナンパ男たちの優れた話術だそう。一度足を止めて、その話を聞いてみたところ、あまりの面白さについ「あなた、頭いいね!」と褒めてしまったこともあるとか。とはいえ、怪しいキャッチの可能性もあるので、知らない人からの声かけにはくれぐれも注意!
4.どこの店にも値段が書いてある
中国ではデパートの商品にはしっかり値段が付けられているのですが、個人の商店では値段はない場合が多いとか。そのため、交渉によって安くなることもあるそうです。
「私の住んでいた地域では、例えば野菜がひと山1050円って言われた時に『高い』って言えば少し値下げしてくれたりしました。日本のお店ではそういうシステムはあんまりないですよね?」
そういえばひと昔前の日本でも、そういった光景はよく見られたような。ちなみに、この値切りが通用するのはララさんの出身地である北の方だけのようで「南の方ではあまり見ない」と言ってました。
5.お弁当に揚げ物がいっぱい入ってて驚いた!
ララさんによると、「揚げ物」で日本と中国の食文化の違いを感じるのだとか。コンビニ弁当は当たり前のように揚げ物がメインだったり、惣菜屋でも揚げ物の種類が豊富。日本人からすれば決して違和感はないのですが……
「日本に来て最初の頃は、みんな揚げ物を毎日のように食べてるなって感じてました。健康を害さないのかしら?」
とはいえ、油の質にもこだわっている店も少なくない事を伝えると「それなら安心ね」とホッとした様子でした。
6.居酒屋にドリンクメニューがいっぱい!
大学生も気軽に行ける安価な居酒屋には、ララさんもたまに足を運ぶそう。料理のメニューが豊富なのにも驚いたけれど、何よりドリンクメニューの多さが嬉しくて堪らなかったとか。
「中国は居酒屋に置いてあるのはビールが多いです。紹興酒もあるけど、学生はそんなに飲まないから延々とビールを飲んでるイメージがあります」
都会ではそうではないようですが、基本的にはカクテルなどは専門的なバーに行って飲むものなのだとか。カラフルなアルコール類が充実していると、テンションも上がってしまうのも分かる気がします。
7.女の子のファッションセンスがいい!
ララさんはモデル活動もしているとのことで、ファッションの流行にはとても敏感。日本の女の子は普段からメイクもバッチリしていてセンスがいいとベタ褒めでした。
「ただ、日本の女の子は『可愛い』を目指してる子が多くて、中国人の目指すファッションと大きく違います。中国人は大人っぽさやセクシーがオシャレだと感じる人が多いです」
ララさん曰く「カッコ良くスタイリッシュに」が中国人のファッションの目指すところ。しかしその反面、すっぴんでオシャレをまったくしない女の子も多いそうで。その辺の美意識は日本人の方が高いと感じているようです。
8.バイトに対しても礼儀正しい!
ララさんは日本の居酒屋でアルバイトをしていたことがあるそうです。そこで気づいたことは、お客さんの店員へ態度が優しいということ。あまりにも優しく接してくれるお客さんが多くて、少し戸惑ったとか……。
「お客さんが店員に笑顔をくれることにビックリしました!礼儀正しく『ごちそうさま』と言って帰っていく人が多いのはいまだに感動します」
やはり日本は「おもてなしの国」なんですね。いつも礼儀正しく寛容な心でいたいですよね。
9.恋人でも支払いがワリカンのときがあってビックリ!
ララさんは日本人男性とお付き合いをしていたこともあるとか。しかし、その中でつい気になってしまったのが、彼のお金の払い方。中国では、基本的に恋人に対して男性側がお金を全額払うことが当たり前なのだそうですが……。
「日本では、恋人同士でお会計は当たり前のようにワリカンなんですかね?中国人の中では好きな女性に対しては男が払うものという考えがあるので驚きました。それと、少し彼の方が多めに出した時になんだか偉そうなのも気になりましたね」
これは意見が分かれるところかもしれませんね。日本の場合、世代によってだいぶ感覚が違いそうです。
10.財布への危機感が無さすぎ!
日本ほど安全な国はないと言われていますが、ララさんからしてみれば「危機管理がなってない!」と一喝したくなるほど、日本人は財布に対して無防備に見えるとか。
「普通にポケットの中から財布を半分以上出してる状態で歩いてても大丈夫だなんて、日本は本当に平和なんだなあと思います。飲食店の中でも、トイレに行く時に財布をそのまま置いていくなんて中国では有り得ません」
とはいえ、ララさんも危機感を抱かずとも生活できる日本の素晴らしさも認めている様子。安心安全なジャパニーズライフを満喫しているとのことです。
中国人留学生から見た日本の変なところアレコレ、いかがでしたか?日本にとってポジティブなイメージばかりで、ララさんが日本を気に入っていることが伝わってきます。
近いようで、やっぱり違う日本と中国の文化。それを「面白い」と捉えられるよう、互いの国についてもっと知っていきたいところですね。
※ 取材時の情報です
1979年生まれの熟女ライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像技術者・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーとして活動を始める。好きな食べ物はプリン体を含む食べもの全般。卵の黄身だけは世の中で唯一食べられない。
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※特記以外すべて税込み価格です。
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