おもてなし精神や勤勉さなど、私たちが世界に誇りたい日本の文化・慣習。しかし、海外から見ると摩訶不思議なことがいっぱいあるようです。海外からの訪日外国人はもちろんのこと、海外に移住した日本人も改めて日本のことを思い返すと「謎だなぁ」と感じることは多いとか。
今回お話を伺ったのは、吉本興業のアジア版「あなたの街に“住みます”プロジェクト」の芸人(総称「住みますアジア芸人」)で、2016年4月よりフィリピンに在住するほりっこし氏。移住1ヶ月目で現地の大ファミリーへの居候を開始し、リアルなフィリピンの生活に触れて「笑い」のつぼをリサーチしているコミュ力の高い若手芸人です。
そんなほりっこし氏に、海外生活をしてみて改めて感じた「日本のおかしい習慣」や「おもしろい習慣」を教えてもらいました!
1.細マッチョなんて全然モテない。男ならゴリマッチョでしょ
日本では細マッチョが男のモテ要素の一つとなっていますが、フィリピンではゴリッゴリのマッチョが好まれるという衝撃的な事実!
「フィリピン男性の大半はジムに行って鍛えています。なぜならフィリピンでは男らしい男が好かれるという特徴があります。たとえば、眉毛を整えるなど、少しでも中性的な要素が入ると一瞬で見られ方が変わります」
ほりっこし氏も、足を組んで座ってるだけでも『あなたは男性が好きですか?』と言われた事があるそうな。もしかしたら、中性的だったり優男タイプがモテるのは、日本だけなのかもしれませんね。
2. 「リーガウ期間」は便利な伝統。押しの強い男が恋愛に勝てる
日本ではお付き合いするまでの男女の駆け引きは、恋愛の醍醐味のひとつ。しかしフィリピンではそういった発想はないようで…。
「フィリピンでは、女性と付き合う前には『リーガウ期間』というものが設けられます。これは『彼氏に立候補してもいいですか?』という意味で、男性は立候補してから女性を口説き続け、見極めた末に女性はOKを出します。フィリピンの昔の文化だそうですが、リーガウ期間中はいかに情熱的に“好き好きアピール”をするかが重要だそうです」
ほりっこし氏は、リーガウ期間の押しが弱くて違う男に取られた経験あり。フィリピンでは日本のような恋愛の駆け引きは無用!押して押しておしまくる恋愛スタイルが得意な日本人は、フィリピン移住を考えてみては?(笑)
3. フィリピンでは手酌がスタンダード
日本ではお酒の席での手酌を嫌がる傾向にありますよね。『手酌する人は出世しない』なんて迷信まで生まれるくらい。
「これを気にしてるのはきっと日本人だけです。フィリピンに仕事で来てる日本人も、『まぁここはフィリピン流で』と手酌してますしね。でも、“フィリピン流で”じゃないんです。日本流が変わってるんです」
世界的に見ても、手酌をしないのは日本人だけではないか、とほりっこし氏。個人的には筆者も、手酌の方が変にお互い気を使わなくて良いと思うのですが…。そろそろこの日本文化、止めませんかね。
4.日本人は一人暮らししすぎ!もっと家族を大事にしようよ
日本では若者がある程度の年齢になると一人暮らしをしたがる傾向にありますが、フィリピンではかなりの少数派。
「家族大好きなフィリピン人は、一人暮らしをあまりしたがりません。二~三世帯の大家族が多く、その理由としては『その方がテレビも冷蔵庫も洗濯機も一つでいいから』なんだそうです。確かに理に適ってますよね」
日本では親元を離れた方が自立して立派というイメージもあり、実家のすぐ近所で敢えて一人暮らしする人もいるのが現状。フィリピン人からしたら意味不明な行動なのかも…。
5.日本人の自撮り好きはまだまだ。フィリピンはオッサンでも決め顔を持ってる!
日本でも若い女性の間では、当たり前のように行われている自撮り。さすがに男性や年配の方ではあまり見かけませんが、フィリピンでは自撮りは国民的文化となっているようです。
「フィリピン人は、みんな自分が大好き!普通のおっさんも決め顔で自撮りします。日本人はちょっとシャイで、自分を卑下しがちなので、もっと自撮りして待ち受けやSNSアイコンに設定したら良いと思います」
フィリピンでは性別・年代を問わず、誰もが自分が良く写る角度を知っているそうです。ちなみにほりっこし氏も当然やってるのかと思いきや……
「僕もまだ出来ていません。日本人丸出しです……」
まずはほりっこし氏が日本を代表して自分大好きになってください!
6.なんで日本ではお持ち帰りができないの!?
日本の飲食店で、食べ残したものを「持って帰りたい」と言うと、断られないまでも微妙な顔はされますよね。しかしフィリピンでは、残したものはお持ち帰りするのが当たり前。
「フィリピン人は飲食店で『おい!こんな食えないだろ!!』という量のオーダーをするので、残り物がでることが普通なんです。大概どのお店でもOKされますよ」
ちなみにスープなんかの汁物も可能だとか。確かにこれは意外と経済的な発想かも。日本でも習慣になって欲しいですね。
7.タトゥーへの偏見が日本は強すぎないですか?
公衆浴場やプールへの入場が拒否されたり、テレビで映らないよう気を使われたり、日本ではまだまだタトゥーのイメージが良いとは言えません。しかしフィリピンではそういうことは全くないとのこと。
「むしろほぼ全員入ってるんじゃないか?というくらい、普通にファッション感覚です。ピアスも女の子なら生後一週間くらいで大抵の子が開ける…というか、開けさせられてます。笑」
昔に比べれば、日本でのタトゥーのイメージは緩和されたように思えますが、世界的に見ればまだまだ。いつかオープンになる日も来るのかもしれませんね。
8.日本の店員さんは真面目すぎない?面白みに欠ける気も…
日本の店員の態度は、真面目・丁寧といったイメージがあるのではないでしょうか。しかしフィリピンの店員たちは、日本人のように働く気は毛頭ないようです。
「フィリピン人の働き方は、ハッキリ言って適当です。コンビニやショッピングモールでは、仕事中なのに歌ってる店員さんや踊ってる店員さんがたくさんいます。レジが長蛇の列になっても平気で横で歌って踊ってます。日本もそのくらい自由でゆる~くても良いような気がします」
きっちりとしたマニュアル通りの日本からすれば有り得ない接客!とはいえ、日本人もその大らかさは見習ってみても良いかもしれないですね。「こんなもんだ」とあきらめてしまえば気が楽になるかもしれません。
9.荷物置きっぱなしは有り得ない!
日本が本当に平和な国だと実感するのが、喫茶店やファストフード店で荷物を置きっぱなしにして注文したりトイレに行ったりするのを見た時。フィリピンでは、有り得ない光景だと言います。
「あんな事をしたらフィリピンではすぐに荷物は消えちゃいますよ!怖くてフィリピンに来てからはしたことはありませんが、もし取られても誰にも文句は言えません」
誰にも文句が言えないというところに恐怖を感じますね。海外でうっかり……なんてことにならないよう、日本人も常日頃から心掛けておいた方がいいような気がします。
10.給料日が月に1回で生活できる日本人はすごい
日本では、会社勤めをしている人なら給料日が月に1回であるのは普通ですよね。フィリピンでは月に2回がスタンダードだそうですが、その理由が……
「フィリピン人はあればあるだけ使ってしまう人が多いので二回に分けないと1ヶ月保たないからだそうです。宵越しの金は持たない江戸っ子スタイル!もちろん貯金なんてしてる人は少ないですし、銀行口座すら持ってない人が大半です」
もはや大らかを通り越して豪快な国民性です!将来の事を考えて貯金するのも大事ですが「金は天下の回りもの」。日本人もお金を意味なく貯め込むより、フィリピン人のようにパーッと使っちゃうのもアリではないでしょうか。
※ 記事掲載時の情報です
ほりっこし
よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。NSC東京校12期生。現在は、住みますアジア芸人としてフィリピンに住みながら、漫談を中心に活動。
1979年生まれの熟女ライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像技術者・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーとして活動を始める。好きな食べ物はプリン体を含む食べもの全般。卵の黄身だけは世の中で唯一食べられない。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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