寿司や天ぷらをはじめ、さまざまな日本食が海外で人気を博していますが、意外と話題に挙がりにくい日本の伝統的な麺料理といえば「そば」ではないでしょうか。近年ではグルテンフリー食品として「十割そば」が、健康志向の強い人の間で人気となっているようですが、寿司などと比べると、その認知度はまだまだ高くないような印象です。
そこで今回は、日本在住の外国人を対象に、そばメニューの好みについて調査をしてみることに。その結果、外国人たちの本音や、食文化の違いを垣間見ることができたのでお伝えします!
シンプルイズベストは各国共通!? 人気No.1メニューは王道の「ざるそば」
「私は一番『ざるそば』が好き!アメリカには似たような麺料理がないから、冷たくてツルッとした喉越しがたまらない。麺を上手にすすれるようになるまで時間がかかったけど、慣れれば意外と簡単なのね」(アメリカ/女性/20代)
「韓国でも日本そばが人気で、実は専門店もたくさんあるんだよ。現地では辛いつけだれで食べる『ざるそば』が人気。僕は駅前にある立ち食いそばもたまにいくのだけれど、安くて早いから忙しい日は特に便利なんだ」(韓国/男性/20代)
「イタリアでは冷やした麺を食べることが殆どないのだけど、『ざるそば』は一度食べたらハマっちゃったよ!そばつゆが別になっているのもユニークだし、ツンと効いたわさびがクセになるんだ」(イタリア/男性/30代)
世界にはさまざまな麺料理が存在しますが、韓国の「冷麺」など一部を除いて、「冷やした麺料理」はとても少ないといいます。例えば、お馴染みの冷やし中華や冷製パスタは日本で考案されたものであり、海外で食べられることは殆どありません。そのため、自国ではなかなか食べられないからこそ、多くの外国人がもの珍しさを感じるようです。このほか、そばの風味や味わいをダイレクトに感じられる点も、多くの外国人から評価されていました。
食感のコントラストが大好評!「天ぷらそば」が人気No.2にランクイン
「温かい『天ぷらそば』が一番おいしい!最初はサクサクしているのに、汁を吸うとジューシーになるんだ。日本の天ぷらが好きで、『これはどんな料理なんだろう?』と面白がって食べたのがきっかけ。想像以上においしくてびっくりしたよ」(イタリア/女性/20代)
「冷たいざるそばもいいけど、私はボリューム感のある『天ぷらそば』が好きかな。大好きな日本食が2種類も同時に食べられるなんて……とってもお得!」(アメリカ/女性/20代)
「私はえびが大好物なので『えび天そば』を食べることが多いです。中国にもそば粉を使った料理はたくさんありますが、私はシンプルな日本そばの方が好きかな」(中国/女性/20代)
ここで気になったのが中国人女性の回答。中国では、古くから「花麦(そばの別名)」の栽培が盛んであり、練ったそば粉を焼いて煎餅状にしたり、お肉や野菜と煮込み「けんちんそば」のようにして食べる習慣があるとのことです。
加えて、一部地域では、製法こそ日本そばとは異なるものの、麺にして食べることもあるのだとか。「そば=日本の伝統料理」というイメージを持っている人も多いでしょうが、実は世界各国にさまざまなカタチのそば料理が存在しているようです。
また、天ぷらは数ある日本食の中でも特に外国人人気が高いメニュー。それもあり、“天ぷらが食べたいから注文する”という外国人が多い印象です。余談ですが、アジア諸国出身の外国人にはえび天が、その他地域ではかき揚げが好評でした。
ネバネバ系は大苦戦!?外国人が嫌いなそばNo.1は「納豆そば」
「温かい『おくら納豆そば』は本当にダメだったわ。実は、納豆が苦手でそばの具なら食べられると思ったの。でも、温かいつゆに入れると匂いがさらにきつくなってより苦手になったかも…」(カナダ/女性/20代)
「日本人の友達に勧められて食べてみたのだけれど、『納豆そば』はあまり好きじゃないかな。箸から麺が抜け落ちるから食べづらいし、何より匂いが苦手」(アメリカ/女性/20代)
納豆をはじめとする、古くから日本で愛され続けてきたネバネバ系食材。それらをトッピングしたものは、欧米圏を中心にネガティブな意見が多く、納豆そばだけでいえば「誰かが近くで食べているのも嫌!」なんていう声も。これは日本人の私たちでも、なんとなく気持ちがわかりますよね。
このほか、冷たいとろろそば、温かい山かけそばも不人気で、味や匂いにクセこそないものの、舌触りや口の中に残る感覚が苦手とのこと。「おいしくて身体にも良いのに……」という声が聞こえてきそうですが、ネバネバとしたものを食べ慣れていない外国人にとって、これらの食材はきっと抵抗があるのでしょう。
日本の食文化に物申す!外国人が理解できない「そばの食べ方」
最後に、今回のアンケートで得られた少数派の意見もご紹介。その多くが、そばの食べ方に苦手意識を持っているようです。
「そばはヘルシーだし嫌いではないのだけれど、みんなで“ズルズル”と音を立てて食べるのはどうかと思う。日本人の麺類の食べ方が、来日して一番驚いたことだよ」(アメリカ/男性/20代)
「一人で食べるのはいいけれど、日本人と一緒に食べるのはちょっと嫌。食事の際に音を立てるのは、フランスではマナー違反だから、すする音を聞くとあまりいい気分はしないかも」(フランス/男性/20代)
「日本人は上品というイメージがあるのに、そばの食べ方は品がなくなる気がします。もう少し静かに食べてくれたら嬉しいな」(イタリア/女性/20代)
そばに限らず、日本人はあらゆる麺料理を「ズルズル」とすすって食べるのが大好き。その一方、世界的にみても麺類をすすって食べる習慣のある国や地域は少なく、欧米諸国に至っては、音を立てることがマナー違反となっています。だからこそ、周囲の人が麺をすすっている姿を見たり、その音を聞きたくないと思ってしまう外国人が多いようです。
もし、外国人と食事する機会があったら、ちょっと気を遣った方が良いのかもしれません。とはいえ、「郷に入っては郷に従え」ということわざがありますから、彼等にも私たち日本人の食文化を少しでいいから理解してもらいたいものですね。
ヘルシーなところが受け入れられている!?世界に羽ばたく日本のそば
今回は訪日半年以内の外国人にアンケート調査を行いましたが、回答者の殆どが「来日してから初めてそばを食べた」と話します。それにより、そばは寿司や天ぷらなどと比べると、まだまだ海外には浸透していないマイナーな日本食だということがわかりました。
しかしながら、健康志向の強い欧米諸国を中心に、ここ数年で日本そば専門店がオープンしている様子。そのおいしさや、ヘルシーかつ栄養価の高い部分が広まっていけば、いずれ日本を代表するワールドワイドな料理に成長していくのではないでしょうか。
食を通じて世界各国の文化や風習をお互いに理解し合うチャンスにもなるはず。今回のアンケートにより、日本食の在り方や、食文化・習慣の違いを改めて考えされられる良い機会となりました。
アンケート協力先
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学校法人 新井学園 赤門会日本語学校 本校
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住所
116-0014 東京都荒川区東日暮里6-39-12
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最寄駅
日暮里 駅 (京浜東北線 / 山手線 / 常磐線 / 上野東京ライン / 日暮里・舎人ライナー / 京成本線 / 京成成田空港線(成田スカイアクセス))
徒歩10分
- 電話 03-3806-6102
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住所
116-0014 東京都荒川区東日暮里6-39-12
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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