日本と中国。地理的に近いことから、その外見や文化は共通することもたくさんありますよね。黒髪、黄色人種。主食は同じく米、お箸で食べますし、漢字を使うというのも、他の国にはない共通点です。
一方、日常生活を送る上では、勝手が違うことがたくさんあるようです。そんなエピソードを聞くために、中国人女性にインタビューをしました!話を聞いたのは、結婚を機に約1年前、中国3大都市の一つである「広州」から「東京」に移り住んだという女性。
広州は香港に隣接する地の利を生かして、飛躍的に発展を遂げた商業都市とも言われています。そんな広州に住んでいたからこそのエピソード、中国の文化を垣間見えるエピソード、色々聞いてきました。早速ご紹介しましょう!
1.なんでお茶が有料なの?腑に落ちない…
「日本でお店にご飯を食べに行くと、サービスドリンクで出てくるのは冷たい水です。温かいお茶を頼むとお金をとられる。小さなコップで300円は高いです」
お店にもよりますが、確かにほとんどの飲食店で出されるのは冷たい水ですよね。中国では、冷たい飲み物は体によくないという考えから、常温か温かい飲み物を飲むのが一般的なのだそうです。冬は、ビールさえも常温で飲むことがあるとか!
「中国のレストランでは、紅茶や鉄観音茶がポットで出てきて飲み放題です」という彼女。それを考えると、一杯のお茶にお金を払うのは腑に落ちないかもしれませんね。因みに、シルバー世代の人の話によれば、日本の飲食店でも昔はお茶を出すところが多かったようです。ペットボトルのお茶に象徴されるように、日本ではいつからかお茶を買う文化が根付いています。
2.日本の朝食は、簡素で物足りない!
中国では、朝ご飯を家で食べずに、お店に食べに行くのが一般的とのこと。肉饅、水餃子、わんたん、チャーハンのいずれかを食べることが多いようなのですが、「肉饅だけでも20種類近くあるので、2週間毎日食べ続けても飽きないですよ」ということでした。値段は、それぞれ50円〜300円程。時間がない時は仕事場まで食べ歩きをする人もいるそうで、ストローで飲めるタイプのお粥もあるのだとか!
それと比較すると、パンとコーヒーで済ませてしまいがちな日本の朝食が物足りないのも納得です。日本にもご飯とお味噌汁、卵焼きに納豆、焼き魚のような立派な朝食文化があるものの、そんな朝食を食べている人は減っているように感じますよね…。
3.ゴミの分別が面倒…。中国では全部一緒にして捨ててました!
「中国では、家のゴミを捨てる時に分別はしません。空き缶もガラスも電池も適当に捨てちゃう(笑)」
これはビックリ!そんなことをして大丈夫なのでしょうか…。すると「ゴミの分別は、清掃会社の人がやるから大丈夫です。私たちがやってしまうと、その人たちの仕事がなくなってしまいます」という、ちょっと反応に困る答えが…。
ちなみに、広州では「夜食文化」があり、夜ご飯の後に屋台で焼き鳥を食べながらビールを飲む人が多いのだそうです。その際に出てしまうのがゴミ。屋台が終わる23時頃には、道のあちこちにゴミが散乱しているといいます。早朝、それを清掃するスタッフがいて、朝にはすっかりきれいに片付いているのだそう。
ゴミを分別してくれる人、清掃してくれる人がいることはありがたいですが、各自でやればその必要もないのでは…?と密かに思ってしまったのは、筆者だけではないはず。
4.観光目的で街の「公園」に行ったらベンチしかなかった…
「公園に観光に行ったの?」と逆に聞きたくなってしまいますが、
これには、日本と中国の「公園」に対する意味合いの違いが関係していました。
中国では「公園」というと、景観が眺められる山に動物園や遊園地などが併設されている観光地のことを意味するそうで、入園料を払って入る場所なのだそうです。日本でいえば、上野公園や井の頭公園をイメージすると分かりやすいでしょうか。
確かに、観光をしようと思って行った先に、ベンチや滑り台しかなかったら拍子抜けしちゃいますよね。中国では「公园」と書くそうですが、同じ漢字を使うだけに起こってしまった、勘違いですね…。
5.まさか、本当に「ちびまる子ちゃん」のような家に住んでいるとは!
「日本の家は、コンパクトでびっくりしました…。木造の三角屋根で庭が付いている家は、アニメの世界だけだと思っていました」
いわゆる、日本の典型的な一軒家ですが…。
広州はどうなのでしょう。「広州の一軒家の多くは、ちびまる子ちゃんの家の2倍の広さはあります。それから、もっとお金持ちのイメージです。もちろん中国は広いので、すべてがそうではないですよ」
さすが、発展が著しい広州ということでしょうか。その場で一緒に写真を見てみると、玄関の両側にそびえ立つ柱や金の扉など、確かに「御殿」という言葉がふさわしい絢爛豪華な家が並んでいました。実際には、マンションに住んでいる人の方が多いということですが、そのサイズはさらにビッグなのだそう!
家や車というのは日本においてもステータスの象徴ですが、中国においてはそれがより色濃く反映されているのかもしれませんね。
6.支払いは携帯電話でしょ…。日本に来てから「お財布」を買いました
「じゃあ、中国にいた時は?」と聞き返すと、「ほとんどすべての支払いは携帯でするので、現金を持ち歩くことほぼはありません」という答えが返ってきました。
日本でも「おサイフケータイ」という言葉はあるものの、まだまだ現金を使うのが主流ですよね。でも、中国では「Wechat」や「Alipay」といったスマホアプリが普及していて、そのアプリを利用すれば、ほとんどすべての支払いができるといいます。
「屋台で一元(約15円)のわんたんを買う時も、携帯で支払いますよ」というから驚き!また、銀行のカードとも連携できるため、給料日にATMでお金をおろすなんてこともないそうです。現状はQRコード決済が一般的のようですが、今後は顔認証の決済も進められているとか!日本にも、そのような日がやってくるのでしょうか。
7.ポストをうっかりゴミ箱と勘違い!
「初めて日本に来た時、ポストをゴミ箱と勘違いしてゴミを捨てそうになってしまいました(笑)。日本語が分からない人は、捨てている人もいるかも」
中国・広州では、ゴミを道に捨てる人が多いそうで、そのせいもあってか5メートル間隔くらいでゴミ箱が置いてあるといいます。緑色のものが多いそうなのですが、四角い縦長のフォルムと受け口が二つ付いているところが、日本のポストと似ているのだそう。受け口が二つ付いているのは、「燃えるゴミ」と「燃えないゴミ」を分別するため。
「日本はゴミ箱が少ないですよね。中国はポストが少ないです。だから余計に勘違いしてしまうのかも」そんな彼女の言葉も印象的でした。
日本に住んでみて、「良い意味でショックを受けたこと」も聞いてみました!
8.接客の対応がとっても良い!さすがおもてなしの国
「日本の店員さんは、いつもニコニコしていてとっても親切です。安いものを買っても、顔色が変わらないです。それから、駅で迷ったりした時も、わざわざ一緒に案内してくれます」
日本のおもてなしの心が浸透しているようでホッとします。
因みに中国では…「特に小さなお店では、メニューを投げるように置いていく店員さんも結構います。値段を聞いたのに買わないと、怒られることもありますよ」
お客さんが店員さんに怒られるとは日本では考えられないことですが「慣れているから大丈夫」とのこと。とは言っても、やはり親切に対応してもらった方が良いに越したことはないですよね。日本が誇るべき「おもてなし文化」。これからも絶やすことなく、継承していきたいですね。
9.生野菜が、とってもおいしい!
「日本に来てからサラダを食べるようになりました。生野菜がとってもおいしいです!お刺身も食べるようになりました」
中国では、安全面の問題から生ものを食べることは、まずないといいます。同じきゅうりやキャベツでも、日本と中国では味が全然違うのだそう。
「お腹をこわすことも少なくなって、体調も良くなりました!」という彼女の言葉に、日本の食べ物の安心・安全を改めて感じます。
10.お米の香りと食感が、たまらない!
日本も中国も主食がお米なのは変わりませんが、その味は違うようです。「日本のお米のおいしさの理由は、もちもちとした食感と香りだと思います!7月に中国の実家に帰ったときにご飯を食べたら、まずく感じてしまいました…(苦笑)」
「日本のお米がおいしい!」というのは、筆者も両手を挙げて賛成です。カナダに住んでいた時は、主にカルフォルニア米を食べていました。それはそれで美味しいのですが、久しぶりに日本に帰ってきて食べるお米は、やっぱり格別でした。
因みに、どんな食べ方が好きか聞いてみると、「お茶漬けが大好きです!」という意外な答えが。やはり、中国人には欠かせない「お茶」をかけるところがポイントなのでしょうか。いずれにしても、日本のお米がおいしいと思ってもらえるのは嬉しいことですよね。
「中国人が日本に来てショックを受けた10の理由」いかがでしたでしょうか。朝食スタイルやお金の支払いゴミの分別など、普段の生活習慣の中にこそ色々な違いがあることに改めて気付かされました。住んでみて気がつくことって結構多いですよね。日本のいいところにもっと誇りを持ちつつ、参考にできる部分を取り入れて気持ちよく過ごしていきたいものです。
京都生まれ。幼少期をオーストリア、高校時代をカナダで過ごした帰国子女。海外生活から日本の良さを再発見。最近特に注目しているのは、農業、焼き物、染物など「日本の伝統文化」。Webデザイナー兼ライターとして、日本の魅力を発信することを目指しています!
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