日本人だけでなく、世界中の人々にとって朝食の大定番である目玉焼き。フライパンで卵を割り入れて焼くという実にシンプルな調理法ですが、片面焼きや両面焼きといった焼き方にはじまり、何で味付けするかなど、実に好みによって楽しみ方はさまざま。
さらに、目玉焼きの食べ方は、国によって大きな特徴があるのでは……?そう考えたLIVE JAPAN編集部では、緊急アンケートを実施。「目玉焼きに何をかける?どんな風に食べる?」という質問を、日本在住のアメリカ、香港、スペイン、ベトナム、韓国、中国出身の外国人と日本人に投げかけてみました。すると目玉焼きを通じて、その国のカラーが大いに現れる結果に。早速チェックしちゃいましょう(以下はアンケートに応じてくださった方の個人的な意見です)。
意外にもシンプルなアメリカ人の食べ方
まずはアメリカ人の答えから。アメリカの食文化のイメージを踏まえると、マヨネーズなどの調味料をたっぷりかける人が多いのではないかと思ったのですが……。
「少しだけ塩をかけます。卵そのものの味を楽しみたいからかけなくてもいいぐらい。エッグ、ベーコン、トースト、この3つの組み合わせが大好きで、ドリンクはミルクが定番。昔からこのセットが基本だったから今も食べています」(アメリカ/30代/男性)
「塩こしょうをかけるだけ。何かをかけようとは思わない。日本人がしょう油をかけるのがビックリ!」(アメリカ/20代/女性)
「塩をかけるだけ。ほかにソースとかはかけない」(アメリカ/20代/男性)
なんと意外にもシンプルに塩のみという回答が多数!むしろ、かけなくてもいいという意見すらあり、目玉焼きはアメリカ人にとっては、卵の味をダイレクトに楽しむ料理という位置づけであることが判ります。そして少数派としてこんな意見も。
「アメリカで売られている『シラチャソース』という辛いチリソースをかけて食べていました。母がフィリピン出身だったからか、シラチャソースは家の定番。普通のチリソースよりも辛いから、日本人には辛すぎるかも?」(アメリカ/10代/女性)
彼女の言っている『シラチャソース』、元々はタイのシラチャ地方に伝わる唐辛子のソースだそう。ただ、シラチャソースはここ数年でアメリカ人の間で爆発的な人気を博して一気にメジャーになったそうなので、現地でアンケートを取ったら今はシラチャソース派のアメリカ人もいるかもしれません。
屋台発のB級グルメが香港の目玉焼き料理の鉄板!
香港では、屋台は日本でいうファミリーレストラン的な存在。目玉焼きの食べ方も、香港ならではの屋台文化に大いに影響されているようで……。
「目玉焼きといえば、麺に目玉焼きとスパムをのせた『餐蛋麺』。香港のB級グルメで、朝から屋台で食べる人もいるよ!」(香港/20代/女性)
この『餐蛋麺』、初めて聞く香港グルメでしたが、写真を見てみてビックリ。本当に呼んで字のごとく、目玉焼きとスパムをのせた麺ですね!でも、この得も言われぬB級感がかえって美味しそう!朝ご飯だけでなく、夜のお酒の締めなんかにもピッタリきそうなメニューです。
スペインの家庭料理・フライドポテトの目玉焼き添え
スペインといえばスパニッシュオムレツなんていう伝統的な卵料理がありますが、目玉焼きはスペイン定番の家庭料理「ウエボス・フリートス・コン・パタタス」で食べるのがポピュラーのよう。
「スペインでは、黄身にパンをディップして食べます。だから、日本でもその食べ方を続けています。目玉焼きを食べる時は、ポテトとパンがセット!」(スペイン/20代/女性)
ちなみにスペインの目玉焼きは、ちょっと独特な作られ方をしているようです。実は、大量のオリーブオイルで「揚げる」という調理法が存在するのだとか……。一般的な目玉焼きもあるそうですが、トロっとした黄身とサクサクの白身の食感が楽しめるとあって、揚げ目玉焼きはかなりの人気だそうです。
中国では地域によって大きな差が出る
中国は広い上に各地で独自の食文化が発達しているので、地域によって目玉焼きの食べ方にも大きな違いが生まれているようです。中国最大の都市・上海出身の人に聞いてみたところ……
「砂糖が混ざった甘い味のしょう油をかけます。地元の上海では、この甘い味のしょう油が定番で、肉や野菜を味つけするときも使うので、上海の料理は少し甘めといわれています。目玉焼きにももちろん合いますよ」(中国/30代/男性)
確かに、上海焼きそばやヌードルはちょっぴり甘さのあるしょう油味ですもんね!上海料理は、醸造品を使った甘く濃厚な味わいがベース。自宅で作られる目玉焼きも、しっかりとその味にならっていることには大納得です。その反面、やはり出身地域の差なのか、こんな意見も出ています。
「目玉焼きは少し塩コショウをかけて焼くだけ」(中国/30代/男性)
上海出身の方に比べると、かなりのシンプルさ!中華料理としては比較的薄味の広東出身なのかもしれませんね。
目玉焼きはバインミーの定番バリエーションのひとつ
ベトナムのご当地グルメであるバインミーサンドイッチでも、目玉焼きは具のひとつとして使われているようです。
「ベトナムではサンドイッチに目玉焼きをはさんだ『バインミー・オプラ』が人気があります。ベトナムの人はみんな食べているし、私も好きでした!日本でも作ってみるけど…やっぱり地元で食べるバインミーのほうが好きかな」(ベトナム/20代/女性)
『バインミー・オプラ』は、軽い食感のフランスパンに、その場で焼いた熱々の目玉焼きをはさんだもので、朝ごはんメニューとしても大人気だとか。日本でも徐々に知名度が上がっているバインミーですが、今後のモーニング・バインミーの普及が楽しみです!
韓国人は目玉焼きにケチャップ!?
韓国ならやっぱり唐辛子?それともキムチ?といろいろ考えを巡らせていたのですが、意外や意外。「ケチャップをつけて食べる」という答えでした。
「ケチャップをかけて食べます。僕が小さい頃は韓国ではあまりドレッシングが売られていなくて、家にある調味料といえばマヨネーズとケチャップでした。だから、ケチャップにつけて食べるのが当たり前になっていますね」(韓国/30代/男性)
ちなみに、韓国式の目玉焼きはしっかり両面を焼くことが多いようですが、ビビンバなどに乗せる場合はトロトロの黄身が必要なので片面焼きにすることも。目玉焼きだけを食べる時は両面焼きで、料理に添えるなら片面焼きと使い分けられているのでしょうか。
日本人は圧倒的に「目玉焼きにはしょう油!」
日本人は、目玉焼きはどんな食べ方を好んでいるのでしょうか。アンケートの結果は、大方の予想を裏切らず、しょう油がダントツの割合となっていました。
「目玉焼きには断然しょう油。カリカリのベーコンを一緒に焼いて食べるのが好きで、しょう油味のベーコンもまたおいしいと思っちゃう」(日本/30代/女性)
「しょう油をかける。半熟をご飯に乗せて混ぜながら食べるのが好き」(日本/30代/男性)
「目玉焼きを白米にのせて、しょう油を少したらして、黄身を割りながらごはんと一緒に食べます。TKG風の『目玉焼きライス」をやるのは自分だけだと思ってたけど、学生時代の合宿で朝ごはんにやっている友達がいて、あ、結構こういう食べ方する人いるんだって驚いた記憶があります」(日本/30代/男性)
注目ポイントとしては、かける調味料はしょう油が多いけれど、食べ方についてはそれぞれ違うこだわりがあるところ。これが目玉焼きという料理の奥深さだと思うんですよ。そして、少数派の意見でもまた、自分オリジナルの強い主張が見受けられました。
「パンと一緒に食べるならクレイジーソルト。ご飯と一緒に食べるなら、調味料代わりに漬物やシャケフレークの塩分で。焼き方は硬めが絶対!半熟は好きじゃない」(日本/20代/女性)
きっと自分の好みをとことん追求した結果、行き着いたこだわりの食べ方なのでしょうね。ただ、逆にまったくこだわりがないという人もいて、
「基本的にはあるもので、マヨネーズかソースか醤油をかけます。特にこだわりがない」(日本/40代/男性)
と、まさかのオールマイティ意見も飛び出す始末。いや、むしろこれは「こだわらない」というこだわりという考え方ができるかも……。
まとめ:目玉焼きは世界中で愛されていた!
今回のアンケートで「目玉焼きを食べない」という国が一つも出てこなかったことに驚きを感じました。要は目玉焼きって、「卵を割って焼く」という世界共通の調理法で作られたひじょうに稀有な料理なんですよね。だからこそ、お国柄だけでなく、一人ひとりのこだわりがとても強く表れるのでしょう。
皆さんも、身近な人たちに改めて「目玉焼きに何をかける?」と聞いてみましょう。思いもよらない食べ方を発見することになるかもしれませんよ!
1979年生まれの熟女ライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像技術者・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーとして活動を始める。好きな食べ物はプリン体を含む食べもの全般。卵の黄身だけは世の中で唯一食べられない。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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