なぜ金持ちの国ドバイが毎日着る○○を日本製の高級品しか認めないのか!?驚きの理由を探ってみた!

なぜ金持ちの国ドバイが毎日着る○○を日本製の高級品しか認めないのか!?驚きの理由を探ってみた!

Update: 2017/04/18

金持ちすぎる国、ドバイ。実は、日本の企業がめちゃくちゃシェアを獲得しているらしいんです。

ドバイといえば……サッカー競技場800面分もある人工の島を作ったり、道行く車がランボルギーニでその窓からトラやライオンのペットが飛び出しちゃったり、超大型プリンターで高さ6メートルのビルを作ったり……ああ、豪華すぎて辛くなってきました。給料日前は素うどんを啜りながら、鯖缶をつまみに格安ウィスキーを舐める私からすると羨ましい限り。

そんな大金持ちの国、ドバイでなんと日本製の布がダントツで人気らしいんですよ!一体どういうことなんでしょうか?

ドバイの民族衣装「カンドゥーラ」が日本製!?

ドバイの民族衣装「カンドゥーラ」が日本製!?

中東の男性たちが着ている民族衣装「カンドゥーラ」。灼熱の気候に対応できるよう通気性の良い白のロングワンピースが基本で、頭はスカーフをかぶり、イガールというロープ状のバンドで固定しています。このカンドゥーラで使われている生地「トーブ」こそが、生産枚数では日本がシェアを大幅に占める製品なのです。

具体的にどのくらい人気なのかご説明しましょう。実は現地で消費されているトーブの半数は日本製。さらに、高級品となると、ほぼ100%が日本製だというのです!しかも、他国の製品に比べて2倍ほどの値段がするにも関わらず、ダントツで人気なんですって!

その中でも、ほとんどのシェアを獲得しているのは大阪に本社を構える繊維メーカー、東洋紡さん。どうして大阪の繊維メーカーが作る民族衣装が、熱烈に支持されているのでしょう?担当者に、その理由を直撃しました!

「東洋紡」がドバイ進出したワケとは……

「東洋紡」がドバイ進出したワケとは……
▲こちらは本物の東洋紡のカンドゥーラを販売している現地店舗。

――本日はありがとうございます!まず単刀直入に、少し縁遠いようにも感じるドバイで繊維を販売し始めたきっかけはなんだったのでしょうか?

業界以外の方からすると、中東で売っているなんて意外に感じられるかもしれませんね。だいぶ前になりますが、1960年代に繊維産業が日本の中核だった頃、外貨獲得を目的にして、日本の複数の繊維会社から、トーブ生地の輸出が始まったのが最初です。当社もその中の一社として、事業に乗り出しました。

――そんな昔から!私が生まれるはるか前です……。日本製の評価は良かったんですか?

はい。インドネシアなど他国の製品もあるのですが、日本製のトーブは輸出当初から品質の良さで高い評価を受けていました。その理由は、日本人の品質管理能力です。トーブ生地はリピート率が高いため、風合いや色味などの加工のばらつきが目立ちやすいという一面があります。そのため、お客様の不信を買うことがあるのですが、日本の製品は徹底した品質管理により、製品のばらつきが少なく、安心してお客様が購入することができるのです。そのことから、現地で高く評価をいただきました。

――日本製がシェアを占めることもですが、民族衣装であるトーブをさまざまな国が作っていることにもビックリです。

それには、現地の風土が大きく関係しています。中東地域では深刻な水不足が問題になっています。そのため生産に水が必要不可欠な繊維業は、物理的に不可能。輸入に頼らざるを得ない状況なんですよ。

東洋紡シェア拡大の鍵は生地の「風合い」

東洋紡シェア拡大の鍵は生地の「風合い」
▲こちらが東洋紡のカンドゥーラ。白一色の生地ですと、確かに風合いやシルエットに差が出そうです。

――他の日本企業でもトーブを取り扱っていますが、東洋紡のシェアが最も高いと伺っています。そのこだわりを教えてください。

当社の生地は、優れた「機能性」と、独特な「風合い」を強みとし、“東洋紡ブランド”として浸透しています。機能性とは、速乾性、しわになりづらいということ。風合いとは、生地のハリとシルエットの美しさを両立するということです。参入当時に作られていたトーブは、綿100%またはポリエステル65%綿35%が主流でした。しかし、当社は競合他社と差をつけるため、1980年代に綿をポリノジック(レーヨン)に変えて、風合いの良さを最大のアピールポイントとして売り出しました。すると、光沢があって滑らかな生地は非常に評判が良く、東洋紡は高品質ブランドとして認知されるようになったんです。長年の技術を生かし、長短繊維を複合した糸や高密度織物を使用して、他社には真似のできない高品質な製品を供給しています。

――1980年代からトップシェアを継続していることもすごいことです!

一時の流行で終わらず、“東洋紡ブランド”が確立される工夫も行ってきました。例えば、高級品を取り扱う問屋と小売店に限定して販売しています。低価格の商品を卸している店に持っていっても、本来の価値を理解してくれないと思いますので。時間をかけて品質の良さを理解してもらったことで、一般商品とは異なる高級品として需要が継続していると考えています。

――なるほど。ちなみに“高級品”というのは、日本円にして大体どのくらいの価格なのでしょうか?

生地の仕様や地域差によって価格にばらつきがあるので、あくまで目安ですが、高級品とされている日本の製品は一般的な既製品の倍以上の価格だと思っていただければ結構です。

――倍以上!これだけ価格が違っても受け入れられているなんて、日本の製品のクォリティがいかに信頼されているのかがうかがえますね。

そのせいもあってか、実は現地では「TOBOYO」などの類似製品、いわゆるパクリ製品も横行しているんです。

――え!それは品質が良いからこそ起こる問題ですね……。

現地の方は品質に敏感のため、本物かどうかはすぐに見分けていただいています。ただ、やはりそういった製品が流通してしまうのを野放しにはできません。ブランドイメージを維持するため、新聞広告での啓発や現地繊維組合を通じての注意喚起を行っています。

▲富嶽三十六景のイラストと「トーブは東洋紡」と書かれたラッピングトラックの広告。

日本製品シェア拡大の理由。それは「職人魂」。

日本からはるか離れた国、ドバイで日本製品がシェアを獲得した背景には、高品質の物を常に提供しようと努力し続ける日本人の実直さがありました。質より価格、という風潮がある中で、品質にこだわり続けるという日本の職人魂をひしひしと感じます。日本人のこだわりは、国境を超えて認められていました!すごいなあ~。

それにしても、これからはドバイの人たちに親近感が湧いてしまいそうです。カンドゥーラを着た方々が日本観光で訪れていて、「もしかして東洋紡ブランドですか?」なんて勢いで話しかけてみたら、友達になれる……かもしれません、多分。

ナカノ
エコロジーが大好き。動物愛護とかも大事にしてる。多感なお年頃の25歳。

※記事掲載時の情報です。

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