北海道の夏を彩る花といえば「ラベンダー」。鮮やかな紫色と、爽やかな香りが魅力の植物です。北海道では6月下旬〜8月上旬、特に7月に見頃を迎えます。
北海道のラベンダー観光というと、富良野のラベンダー畑が有名ですが、実は日本で初めてラベンダーの栽培を行ったのは札幌。高温多湿を嫌う植生から、1940(昭和15)年に札幌市南区南沢に植栽され、そこから北海道でのラベンダー栽培が本格化されたのだとか。そんなラベンダー発祥の地である札幌には、ラベンダーの絶景を楽しめる名所がたくさん!今回は、3つのスポットを巡る1日旅行プランをご紹介します。
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10:00 札幌駅を出発!真駒内滝野霊園へ
札幌市南区にある「真駒内滝野霊園」は、北海道最大級の霊園です。観光地としての一面も併せ持つ、全国的にも珍しいスポットとなっています。広大な敷地内には、さまざまなモニュメントや飲食店、売店などの施設があります。
- 車
JR札幌駅から:約35分(豊平川通り経由) - 公共交通機関
地下鉄さっぽろ駅から:約40分(南北線真駒内駅で下車し、墓参バスまたは路線バス「真108滝野線」に乗り換え)
人気スポット「頭大仏殿」でラベンダーと大仏のコラボレーションを鑑賞!7月には「ラベンダー祭り」も開催
正門から入ると右手に見えてくるのが、人気観光スポット「頭大仏殿」。高さ13.5mの石像大仏と、大仏像を囲うドーム状の大仏殿(拝殿)を合わせてこのように称されます。
園を利用するすべての人を加護し、永代に御霊を供養するシンボルとして建立された石像大仏は、当初は像全体が青空の下に出ていたそうで、大仏殿が造られたのは2016年のこと。開園30周年の記念事業として、世界的建築家の安藤忠雄氏が設計を手掛けました。「見えないことによって想像力を喚起する」という意図があるのだとか。大仏殿の屋根部分は丘になっており、毎年7月ごろには数万株のラベンダーが咲き誇ります。
園では、例年7月に「ラベンダー祭り」を開催しており、7月土日祝日は、丘の上に遊歩道「風薫る 祈りのみち」が開通します。満開のラベンダーを楽しみながら、頭大仏像の御顔を近くで見ることもできます。
丘一面に植えられたさまざまなラベンダーを楽しめる
ラベンダーの種類は主に、「エレガンスパープル」「ディープパープル」「早咲き濃紫3号」、そして「ヨウテイ」とその選抜品種。それぞれのラベンダーを簡単に紹介すると……
●エレガンスパープル:茎の葉の付け根から多く枝分かれし、次々と大きな花をつけるのが特徴。
●ディープパープル:その名の通り深い紫色の花を咲かせます。ドライフラワーなどに適しています。
●早咲き濃紫3号:6月中旬から花が咲く極早咲きの品種。つぼみの時から濃い青紫色で、長く楽しむことができます。
●ヨウテイ:北海道の羊蹄山近郊で栽培されたことから命名。香り高く、少し赤みのある紫色の花が咲きます。
多種多様なラベンダーが植えられているんですね!
また、この丘一帯は、春は新緑、冬は雪に包まれるのだとか。さまざまな季節の風景を楽しめるので、何度も足を運んでみたくなります。
大仏殿の中には…
大仏殿内部へと続くアプローチは、おすすめの撮影スポット。建物をシンメトリーに捉え、荘厳で美しい一枚を撮ることができます。
大仏殿の中にも行ってみましょう。アプローチを進んでいくと、結界の役割をもつという「水庭」があります。この水庭を迂回するように進むことで、心を清め、非日常へと切り替える意図があるそう(冬季は凍結のため鑑賞不可)。
また、メンテナンス日には水を張っていない可能性もあるので、気になった方はお問い合わせを。
「胎内」や「御仏の誕生」を表す暗いトンネルを抜けると、ようやく大仏像の全貌が明らかに!厳かに鎮座する姿を仰ぎ見ることができます。
大仏殿の内部には、おみくじや絵馬があります。ラベンダーと大仏像の御顔が描かれた絵馬は、記念に持ち帰ってもOK!
カフェ&ストアには、ラベンダースイーツや限定グッズも!
水庭の左手側には「ロタンダカフェ&ストア」があります。ドリンクやスイーツのほか、ここでしか買えない頭大仏のオリジナルグッズなども取り扱っています。
おすすめは、ラベンダーのフレーバーを使ったスイーツ。手作りアイス専門店「ミッシュハウス」特製のラベンダーアイスクリームは絶品です!
夏季限定で、ラベンダーソフトクリームやラベンダーソーダも販売されています(4月中旬〜10月末ごろまで)。頭大仏殿拝観の記念に、ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。
敷地内にある「滝野八角堂」では、鐘つき体験をすることができます!※1回100円(維持協力金として)
「こんなに大きな鐘を鳴らすことができるなんて!」と、国内外から訪れる来園者に好評なのだそう。みなさんもぜひ体験してみては?
園内には、ほかにもさまざまなモニュメントが!
正門からすぐのところには、ずらりと並ぶモアイ像。イースター島のラパヌイ語で「モ」は未来、「アイ」には生きるという意味があることなどから、「みなさまの証を後世へ永遠に伝承できるように」と建てられました。
イギリスの世界遺産「ストーンヘンジ」のレプリカも。「後世の人々へ未来の希望を与えられるように」と、永代供養墓を併設してつくられています。
来園時には、ここに注意!
真駒内滝野霊園は、本来は墓地であり、墓参する利用者の方にとって神聖な場所。モアイ像や頭大仏殿、ストーンヘンジなどへの観光を目的に向かう場合は、園内の交通・拝観ルールを守って楽しみましょう!
-
真駒内滝野霊園
- 住所 〒005-0862 北海道札幌市南区滝野2
開門時間:7:00〜19:00(4月〜10月)、7:00〜18:00(11月〜3月)
定休日:無休
■頭大仏殿
拝観時間:9:00〜16:00(4月〜10月)、10:00〜15:00(11月〜3月)
閉殿日:指定日・メンテナンス日のほか、天候などにより閉殿する場合があります
拝観料:300円(小学生以下無料)
利用時間(駐車場):7:00〜16:00
乗用車1台(1回)につき500円
■遊歩道「風薫る 祈りのみち」
開通期間:7月土日祝日限定 9:00〜16:00
入場料:中学生以上500円、小学生以下無料
■ふる里霊廟・八角堂
開放時間:8:30〜17:00(4月〜10月)、9:00〜15:30(11月〜3月)
13:00 さっぽろ羊ヶ丘展望台に到着!
お次は、クラーク博士像でおなじみの「さっぽろ羊ヶ丘展望台」へ。北海道最大の都市・札幌にありながら、羊が草を食む牧歌的な風景や、広大な石狩平野を眺めることができる景勝地です。真駒内滝野霊園からは、車で約20〜30分程度。
春には羊の毛刈り見学、冬には雪遊びが楽しめるスノーパークなど、四季に応じてさまざまなイベントが開催されており、一年を通して北海道を楽しむことができますよ。
- 車
JR札幌駅から:約34分 - 公共交通機関
地下鉄さっぽろ駅から:約23分(東豊線に乗り「福住駅」で下車。福住駅バスターミナル4番乗り場「羊ヶ丘展望台行き」に乗ると到着)
北海道らしさを感じる、ラベンダーと白樺のコラボレーション
山小屋風の赤い三角屋根が特徴的な「オーストリア館」の裏手には、約1200㎡のラベンダー畑があります。栽培されているのは、濃い紫色と香りの良さが特徴の「オカムラサキ」という品種。北海道で広く栽培されている品種で、良い香りの花部分はサシェやポプリなどにも使われています。畑には約1000株が植えられており、1株に平均300本の花がつくとすると、花の数は合計約30万本!ラベンダー畑の周囲には白樺の木々が立ち並び、北海道らしい風景を堪能できます。
ラベンダーの刈り取り体験をしよう!
ラベンダー畑では、無料の刈り取り体験も行っています。ハサミや輪ゴム、持ち帰り用の袋などは受付テントで用意してくれているので、自分で道具を用意しなくても大丈夫!1人50本を目安にラベンダーを刈り取り、持ち帰ることができます。持ち帰ったラベンダーはポプリやドライフラワーなどにして楽しむのがおすすめですよ。刈り取り体験の際は、腰を屈めて作業することになるので、動きやすい服装がおすすめです。
【期間】2024年7月4日(木)~7月18日(木)
【時間】10:00〜15:00(最終受付14:45)
※天候や開花状況により、日程が変更または中止となる場合があります。気になる方はお問い合わせください。
期間限定のラベンダーソフトクリームを味わってみて!
先ほど紹介したオーストリア館では、1階の「羊ヶ丘ソフト」でラベンダーソフトを味わうことができます。
ラベンダーのフレーバーが入ったソフトクリームは、口に入れた瞬間ラベンダーの爽やかな香りがフワッと広がります。甘すぎず、すっきりとした口当たりで、味わうたびに癒されます。
ランチタイムはジンギスカンで北海道グルメを満喫!
ラベンダーを満喫した後は、北海道を代表するグルメでお腹を満たしましょう!オーストリア館の隣にある「羊ヶ丘レストハウス」では、窓の外に広がる景色を眺めながらジンギスカンを味わえます。
ジンギスカン専用の焼き台に備え付けられた鋳物は、高温で一気に焼き上げることができる特注品。野菜を敷いて、その上にラム肉を乗せ、蒸すように焼くとおいしく仕上がります。創業当初からこだわっている自家製のタレは、肉の旨みを引き立たせるために甘さと酸味を独自の配合でブレンドしています。
北海道といえばこの方!クラーク博士像
札幌のシンボルともいえる、壮大な景色の中にさっそうと立つクラーク博士像。北海道開拓の父であるウィリアム・スミス・クラーク氏をモデルに、彫刻家の坂坦道(さか・たんどう)氏が制作したブロンズ像です。「丘の上のクラーク」というテーマのもと、「ボーイズ・ビー・アンビシャス!(少年よ、大志を抱け!)」と叫ぶイメージで作られたのだそう。掲げた右手は、「遥か彼方にある永遠の真理」を指すとされています。
みなさんも、クラーク博士と同じポーズで記念撮影をしてみては?
チャペルの屋上から、街や自然を展望!
敷地内にある結婚式場「札幌ブランバーチ・チャペル」は、自然の中で挙式ができるチャペル。実はこの式場、3階(屋上)が観光用の展望スペースとして一部開放されています。より高いところから、札幌の街並みや展望台内の施設、ラベンダー畑を眺めることができますよ!
日差し対策をしておくと◎!
ラベンダーが見頃となる7月上旬から中旬は、日差しが強くなる本格的な夏の時期。特にラベンダー畑は、日陰になるようなところが少ないため、帽子や日焼け止めを用意していきましょう。
【施設情報】
■展望台、オーストリア館
営業時間:9:00〜18:00(6月〜9月)、9:00〜17:00(10月〜5月)
※オーストリア館フードコートのみ営業時間が異なる場合があります
■羊ヶ丘レストハウス
営業時間:11:00〜16:00(5月〜9月)、11:30〜15:00(10月〜4月)
定休日:無休
入場料:大人600円、小・中学生300円
-
-
住所
062-0045 北海道札幌市豊平区羊ケ丘1
地図をみる -
最寄駅
福住 駅 (東豊線)
バス10分
- 電話 011-851-3080
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住所
062-0045 北海道札幌市豊平区羊ケ丘1
16:30 幌見峠ラベンダー園から札幌市街を眺望!
最後のスポットは、「夢工房さとう」が運営する「幌見峠ラベンダー園」。札幌市街地の西側の山道を登った先にあります。例年7月に期間限定で開園されており、2024年の開園期間は7月5日(金)〜31日(水)となっています。
ラベンダー園は標高約280〜300mの幌見峠の頂上にあり、直通の公共交通機関はないため、最寄駅の地下鉄東西線「円山公園駅」からはタクシーを利用するのがおすすめ。円山公園駅からラベンダー園までは4〜5kmなので、体力に自信のある方は、ハイキングやウォーキングがてら、徒歩で目指すこともできます。さっぽろ羊ヶ丘展望台からは、車で約30分程度です。
- 車
JR札幌駅から:約25分 - 公共交通機関
地下鉄さっぽろ駅から:約25分(南北線に乗り、「大通駅」で東西線に乗り換え。「円山公園駅」で下車し、タクシーを利用)
見晴らし抜群!紫のじゅうたんの向こうに広がる札幌の街並みを楽しもう
幌見峠ラベンダー園では、1987年からラベンダーの植栽を行っています。当時120株だったラベンダーは、今や約8000株に!札幌市最大のラベンダー畑であり、札幌市街を一望できる絶景スポットとして、市内外から高い人気を得ています。
栽培されているラベンダーは主に、アングスティフォリア系の「ナナ・ナリサワ」「バイオレットメモリー」「濃紫早咲き3号」の3品種です。
●ナナ・ナリサワ:1990年代に北海道の成沢農園によりつくられたラベンダー。花色が濃く、穂の部分が長いことが特徴。
●バイオレットメモリー:鮮やかな紫色が魅力の品種。乾燥させても花の色が褪せない傾向があり、ドライフラワーなどに最適です。
●濃紫早咲き3号:6月中旬から花が咲く極早咲きの品種。つぼみの時から濃い青紫色で、長く楽しむことができます。
このほかにも、さまざまな品種のラベンダーが栽培されています。
写真を撮るときは、ラベンダー越しに札幌市の中心部を入れたアングルがおすすめ。さっぽろテレビ塔やJRタワーなども見えるので、ダイナミックな景観を撮影することができます。
7月いっぱい刈り取り体験が可能!
開園期間中は、どの日でも刈り取り体験をすることができます。花の盛りを迎える7月10日〜20日ごろがおすすめ!それぞれ500円、800円、1000円のエリアがあり、エリア内の好きな株を、1株すべて刈り取ることが可能です。例えば500円のエリアでは、1株50〜100本。よりたくさんのラベンダーを持ち帰りたい方は、800円、1000円のエリアを選んでみては。
物販コーナーで、ラベンダーアイテムをゲット
ラベンダー畑のそばには、物販コーナーもあります。夢工房さとう手作りの「エッセンシャルオイル」や「フローラルウォーター」は、ラベンダー園のラベンダーを使った人気商品です。そのほかにも、ポプリや花束、生花なども販売しています。
夜景専用の展望駐車場で夜景を楽しむ
幌見峠の頂上にある「幌見峠展望駐車場」は、全国で唯一、車の中から夜景が見える、夜景専用パーキング。ここからの夜景は、日本夜景遺産にも認定されており、日が落ちてからも眺めを楽しむことができます。ラベンダー越しに見る夜景はとっても幻想的!ロマンチックな時間を過ごしてみては。
朝日と札幌市街、ラベンダーが織りなす絶景
夜だけでなく、早朝のラベンダー畑でも絶景が見られます。札幌の6〜8月の日の出は朝4時前後なので、この時間を目掛けていくのもおすすめです。朝焼けがラベンダーを照らす美しい光景は、きっと忘れられない思い出になるはず!
来園時には、ここに注意!
園内には、観賞用の通路や、刈り取り体験専用のコーナーが整備されています。
ラベンダーの株を踏んで中に入ったり、勝手に刈り取ったりしてはいけません。
「立ち入り禁止」の立て札があるところには、入らないようにしましょう。
スタッフの指示やマナーを守って楽しみましょう!
-
幌見峠ラベンダー園
- 住所 〒064-0945 北海道札幌市中央区盤渓471-110
■幌見峠ラベンダー園
開園期間:7月上旬〜7月末
開園時間:9:00〜17:00
入園料:無料、車で来園した場合は500円(駐車料金込み)
■幌見峠展望駐車場
営業期間:4月1日〜11月30日(気象状況により変更する場合があります。詳細はサイトをご覧ください)
営業時間:24時間営業(ゲート式清算システム)、徒歩での入場は9:00〜17:00
駐車料:500円(3:00〜17:00)、800円(17:00〜3:00)
収容可能台数:31台
【このエリアの宿泊情報】
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OMO3札幌すすきの by 星野リゾート
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住所
064-0805 北海道 札幌市中央区南5条西6-14-1
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最寄駅
資生館小学校前 駅 (札幌市電山鼻線)
徒歩3分
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住所
064-0805 北海道 札幌市中央区南5条西6-14-1
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住所
064-0808 北海道札幌市中央区南8条西5丁目289−111
地図をみる -
最寄駅
山鼻9条 駅 (札幌市電山鼻線)
徒歩4分
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住所
064-0808 北海道札幌市中央区南8条西5丁目289−111
札幌の夏を、五感で楽しんで!
目でも鼻でも、そしてフレーバーを生かしたグルメで舌でも楽しみながら、北海道の夏を満喫できるラベンダー。札幌で夏らしい体験がしたい!という人や、札幌で自然を楽しみたい!という人は、今回おすすめしたスポットを訪れてみてはいかがでしょうか。夏の思い出を、ラベンダーで彩ってみてくださいね!
※2024年6月時点の情報です。最新情報は施設などの公式サイトをご確認ください。
札幌の地元タウン誌の編集に長年携わった編集者が設立。設立以降、20年以上にわたり、札幌を中心に北海道全域での取材・記事執筆を行い、観光ガイドや情報誌、北海道の景色を収めた写真集など多様な本も制作。スタッフは全員女性で、旅好き、スイーツ好き、お酒好きと趣向は様々。飲食店紹介からイベントレポート、レジャー体験記まで、発信の守備範囲は広い。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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