ガラスの街・小樽を支えてきた老舗
港町・小樽は、運河や歴史のある倉庫群など情緒いっぱいのスポットが多数ある北海道屈指の観光都市。人気のスイーツやとれたての海鮮など、グルメがそろう魅力的な街でもあります。そんな小樽を代表するお土産といえば、ガラス製品。漁具の「浮き玉」がガラス製だったこと、また、小樽が発展した明治中期の明かりが「石油ランプ」だったことから、ガラス工業が盛んになったのです。
なかでも北一硝子は、1901年に石油ランプの製造から事業をスタートさせた老舗企業。長年培われてきた技術でオリジナルのガラス製品をさまざま開発し、個性的な商品をそろえています。人気の高さを示すように、市内には北一硝子のショップが18店もあるのです。
一番人気は風情ある建物が魅力の三号館
数ある施設のなかでも最も多くの人が訪れるのが三号館です。市の歴史的建造物に指定される石造りの倉庫を活用した建物は風情たっぷり。入り口近くの看板には中国語・韓国語など4か国語で建物の来歴が書かれているのでぜひチェックしてみましょう!
北一硝子の原点ともいえるランプを扱っているのが、三号館内のカントリーフロアです。形や大きさもさまざまなランプが4000円からそろっています。灯油を入れて使用するものですが、火が心配な人には別売りで専用の電球もあるのでご安心を。一つずつ手作りしているため、同じような形でも雰囲気が若干異なるので、自分のお気に入りをじっくり選んで。ランプのほかにも、風鈴やコップ、かわいい置物などがフロアいっぱいに並んでいます。
北一硝子の商品は、グラスや器などの食器がメインです。洋のフロアにずらりと並ぶ洋風の食器のなかには、真珠切子と呼ばれる表面加工を施した芸術的な製品も。職人の卓越した技術で、ガラスの表面に繊細なカットを入れることで、柔らかな輝きと不思議な温かさを感じさせる仕上がりになっています。光にかざしていつまでも見ていたいような美しさがあります。ほかに、ステンドグラスやアクセサリーも扱っています。
隣り合った和のフロアにはガラスの和食器がそろっており、おちょこや徳利など日本らしい製品もいろいろ見つかります。
人気商品の一つ「月見うさぎ」のシリーズは、北一硝子のガラス職人の技が光るグラスです。ミラーカットというガラスカットの技術で側面に切り込まれた円い窓からのぞくと、向こうにうさぎの姿。満月に浮かぶうさぎのように見えるというかわいらしい一品なのです。グラスの底が丸みを帯びテーブルに置くとゆらゆら揺れる「月見うさぎ ゆらゆらグラス」(4500円)など、形やカラーバリエーションも豊富。模様と形、色から好みの一個を見つけるのも楽しいでしょう。このほか、入れる飲み物の温度によって模様の色が変化するカップも人気。一部商品には多言語対応の説明も付いています。
ランプの灯りが心を和ませる「北一ホール」
三号館の建物は、1896年に水産加工業者がニシンなどを保管するために建てた倉庫を活用したもの。その建物の特徴を最も活かしているのが、カフェ・北一ホールです。四方を軟石づくりの壁に囲まれた倉庫は、日中でもまったく光の入らない造り。その暗い店内を、北一硝子の職人が手作りした167個の石油ランプが優しく照らします。倉庫ならではの高い天井が、暗いながらも開放的で、心の落ち着く空間を作り出しており、三号館の中でも一番人気の高いスペースになっています。カフェで使っているランプはカントリーフロアで購入可能です。
北一ホール最大の見どころは、オープン直前のランプの点灯作業。開店15分前の8時45分から入り口を開放し、その様子を見学できるようになっています。一つずつランプに灯を入れていく様子は、厳かな儀式のよう。クライマックスは、シャンデリアのランプへ火を灯す作業で、すべてのランプに灯がともったら、シャンデリアがゆっくりと上がって行き、作業用の電気が消されてカフェがスタートします。フラッシュをたかなければ作業の撮影は自由。ちょっと早起きをして見に行く価値のある、このカフェならではの光景です。
店内では、ドリンクやスイーツが楽しめます。おすすめは、北一ホールの限定メニュー「北一特製ミルクティソフトクリーム」(450円)。厳選した紅茶を、たっぷりの牛乳に入れて作る自慢のミルクティーを原料にしたソフトクリームで、茶葉の香りも楽しめる濃厚な味わいながら、後味はすっきりとして飽きのこない美味しさ。平日は一日3回ピアノの生演奏が行われ、店内がさらにロマンチックなムードに包まれます。11時~15時は小樽らしい海産物を使った食事メニューも味わえます。
住所:住所:北海道小樽市堺町7-26
電話番号:0134-33-1993(代表)
営業時間:8:45~18:00(北一ホールの営業は9:00~)
料金:入場無料
定休日:無休
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北一硝子三号館
- 住所 〒047-0027 北海道小樽市堺町7-26
電話番号:0134-33-1993(代表)
営業時間:8:45~18:00(北一ホールの営業は9:00~)
料金:入場無料
定休日:無休
イタリアの宮殿を訪れた気分に「北一ヴェネツィア美術館」
ガラス芸術の本場であるイタリア・ヴェネツィア。匠の技が光る本場のガラス製品を、ヴェネツィアのグラッシィ宮殿を模した建物の中で鑑賞できるのが北一ヴェネツィア美術館です。展示フロアは、2階から5階まで。きらびやかなシャンデリアが天井から下がる、お城のように豪華な空間で、ガラス製品をはじめさまざまな調度品など、約3000点の作品を間近に見ることができます。
常設展示ではヴェネツィア貴族の格調高い暮らしぶりを伝えています。客室や浴室、食堂などに置かれたインテリアはどれも最高級の素材を使い、最高の技術で加工されていて、見ているだけでもゴージャスな気分に。ここでしか見られない貴重な品々もあり、2階には、ダイアナ妃が乗った国賓用のゴンドラも展示されています。世界でも最高峰といわれるヴェネツィアガラス職人の技術を感じるガラスの製品もいろいろそろうほか、ガラスにちなんだ企画展も開かれています。
宮殿のようなリッチな空間で貴族気分が高まったら、豪華な貴族風の衣装に身を包んで館内で記念写真が撮れる貴重な体験をしてみるのはいかがでしょう? 衣装には、イタリアのドレスメーカーが制作する本格的なものや、ヴェネツィアを代表するお祭り「カーニバル」にちなんだカラフルなドレスが用意され、お好みの一着で楽しい一枚を残すことができます。衣装のレンタル代は、イタリア製が2000円(子ども1500円)、カーニバルが500円(子ども300円)で、写真は4種類のサイズが選べます(500円~)。写真を購入すれば、指定された部屋内で持参のカメラを使って撮影も自由できます!
美術館の入り口がある1階はショッピングフロア。フロアの真ん中には水の都・ヴェネツィアを彷彿させる水路とゴンドラが。店内には、ガラスの万年筆などおしゃれで格調高い商品がそろっています。美術館でリッチな気分を満喫した後は、ステキなガラス製品をお土産にしましょう。歴史ある建物が並ぶ観光ストリート・堺町本通りには、このほかにもアウトレットのショップや職人技を見られる工房、カフェテリアなど北一硝子の施設がいっぱい。のんびりと散策をしながら、さまざまな店舗に立ち寄ってガラス製品の美しさやガラス工芸の技術力を感じてください。
住所:北海道小樽市堺町5-27
電話:0134-33-1717
開館時間:8:45~18:00
料金:一般700円、大学生・高校生500円、中学生・小学生/65歳以上350円
定休日:無休(展示替えのための休館あり)
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北一ヴェネツィア美術館
- 住所 〒047-0027 北海道小樽市堺町5-27
- 電話 0134-33-1717
開館時間:8:45~18:00
料金:一般700円、大学生・高校生500円、中学生・小学生/65歳以上350円
定休日:無休(展示替えのための休館あり)
Text : みんなのことば舎
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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