日本最大級の広さがある釧路湿原。いったいその大きさはどのぐらいで、どんな自然が育まれているのだろう。また、アクセス情報やベストシーズン、そして気になる観光スポットはどんなものがあるのか?釧路湿原の基礎知識から観光の楽しみ方まですべてご紹介!
1:釧路湿原とはどんな場所?広さは?
釧路湿原は北海道の東側、太平洋から内陸に向かって広がる湿原で、釧路市、標茶(しべちゃ)町、鶴居(つるい)村、釧路町の4つの町村にまたがっている。釧路湿原国立公園に指定されている面積は約2万8000ヘクタール。東京23区がすっぽり収まってしまう大きさだ。
2:どんな自然?生き物はいるの?
釧路湿原には約700種の植物と、約1300種の生き物が生息。貴重な自然は釧路湿原国立公園および、1980年には日本初のラムサール条約登録湿地に指定された。代表的な生き物は、天然記念物のタンチョウ。一時は絶滅の危機に瀕したタンチョウだが、保護活動により現在は数千羽まで回復している。通常は湿原の奥地にいるため見かけることは少ないが、餌が少なくなる冬は、湿原の西側にある給餌場に集まってくる。そのため、冬はかなりの確率でタンチョウを見ることができる。ほかにも鳥類では大型猛禽類のオジロワシ、哺乳類はエゾシカやキタキツネ、両生類では氷河期の生き残りと言われる稀少なキタサンショウウオなどが生息している。
3:成り立ちは?
現在、釧路湿原のあるところは、かつては海の中だった。それが今から6000〜4000年前、徐々に水が引くとともに、泥や砂がたまった湿原が出現したという。湿原の東側にある塘路(とうろ)湖、シラルトロ湖、達古(たっこぶ)湖は、かつてたくさんあった湖沼の名残で、海跡(かいせき)湖と呼ばれている。
4:湿原内はどうなっている?
湿原の大部分は、低層湿原と呼ばれる水気の多い場所で、ヨシ・スゲの植物が一面に広がっている。一方で高層湿原は、増水したときのみ水が流れ込むやや盛り上がった場所で、ハンノキの森が見られるところもある。湿原内には釧路川が蛇行して流れ、豊かな水を供給している。
5:観光のベストシーズンは?
観光シーズンは春から秋の4月下旬〜9月にかけてだが、草花の青々とした景色が望める6〜7月がベストシーズン。この時期にはヒオウギアヤメ、クロハナシノブ、エゾカンゾウ、ホソバシモツケなど、無数の花々が湿原を彩り、植物観察も楽しみのひとつ。11〜3月の冬は、最低気温が氷点下になる日も多く、積雪もあるので散策には向かない。しかし、給餌場に集まるタンチョウの姿が見られるのは1〜3月。冬季に行くなら防寒対策をしっかりと。
6:観光には何日必要?
釧路湿原内に宿はないので釧路市街が拠点となる。1ヵ所の展望台から湿原を眺めるだけなら1日あれば十分。展望台は東側と西側などに点在しているので、ぐるり一周しながら展望と遊歩道の散策もするなら1泊2日は必要となる。カヌーなどのアクティビティは事前の予約が必要で、所要半日〜1日。
7:アクセス方法は?
たんちょう釧路空港から釧路市街まで車で30分、または阿寒バスで45分。空港から釧路湿原の展望台に行くバスや電車はないので、車を利用。西側にある釧路市湿原展望台まで約15㎞、車で約30分。東側にある細岡展望台までは約44㎞、車で1時間30分。
細岡展望台は、下にあるJR釧路湿原駅から徒歩10分程のところにあり、JR釧路駅〜釧路湿原駅は約25分。夏季は観光列車「くしろ湿原ノロッコ号」も運行。
8:釧路湿原の楽しみ方は?
湿原の周囲にいくつかの展望台があり、雄大な湿原を眺めることができる。また、湿原内を散策できる遊歩道も整備されている。ほかにもカヌー、湿原ビューが楽しめる観光列車などがある。
その1)展望台へ行く!
■釧路市湿原展望台
湿原の西側にある資料館やレストランを備えた施設。3階の展望室と屋上からは釧路湿原と釧路市街を大パノラマで見ることができる。ただし、施設内に入れるのは営業時間内のみ。湿原展望台遊歩道の拠点にもなっているので、前後に立ち寄るのもおすすめ。
料金:入館470円
営業時間:8:30〜18:00(4〜11月は9:00〜17:00)
定休日:無休
■細岡展望台
東側にある、釧路湿原を望む代表的な展望台。細岡ビジターセンターから森の中を上っていくと2つの展望スポットがあり、より高い大観望からは湿原内を蛇行する釧路川と、どこまでも広がる湿原が一望できる。夕日のスポットとしても有名。
料金:見学無料
営業時間:細岡ビジターズラウンジは9:00〜18:00(4〜5月は9:00〜17:00、10〜11月は9:00〜16:00、12〜3月は10:00〜16:00)
定休日:無休
その2)遊歩道を歩く!
■湿原展望台遊歩道
釧路市湿原展望台を拠点とした一周約2.5㎞、所要約1時間の遊歩道。途中、何か所かに展望スポットがあり、なかでもサテライト展望台からは雄大な釧路湿原が大パノラマで望める。
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湿原展望台遊歩道
- 住所 〒084-0922 北海道釧路市北斗6-11
- 電話 0154-56-2424
料金:散策無料
営業時間:散策自由
■温根内木道
温根内ビジターセンターから延びる約3㎞、所要約1時間の遊歩道。ヨシ・スゲ湿原の中に真っ直ぐな遊歩道が設けられていて、伸びやかな湿原の展望と、可憐な花々を間近に鑑賞できる。
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温根内木道
- 住所 〒085-1145 北海道阿寒郡鶴居村温根内
料金:散策無料
営業時間:9:00〜17:00(11〜3月は9:00〜16:00)
定休日:火曜
0154-65-2323(温根内ビジターセンター。日本語)
その3) カヌーを楽しむ!
釧路川の、塘路湖から細岡までのゆるやかな区間をカヌーに乗って川下りができる。塘路湖〜細岡の約9㎞のコースは所要約2時間。予約は事前にホームページ(日本語のみ)からか、電話で。
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元村ハウスぱるレイクサイドとうろ
- 住所 〒088-2300 北海道川上郡標茶町塘路原野北8線73番地
料金:7000円〜
営業時間:9:00〜17:00(冬季は9:00〜16:00)
定休日:無休
015-487-2172(日本語)
その4) 観光列車「くしろ湿原ノロッコ号」に乗る!
釧路駅と網走駅を結ぶ釧網本線の一部区間が、釧路湿原の釧路川沿いを運行している。ローカル列車の車窓から湿原を眺めることができる。夏季はJR釧路駅〜塘路駅間を観光列車「くしろ湿原ノロッコ号」が運行。
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住所
085-0000 北海道釧路市JR釧網本線釧路駅
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最寄駅
釧路 駅 (根室本線 / 花咲線)
- 電話 011-222-7111
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住所
085-0000 北海道釧路市JR釧網本線釧路駅
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